■本
17 スクリーンが待っている/西川 美和
18 泣きたくなるような青空/吉田 修一
17 先週観た「すばらしき世界」が素晴らしかったので、その制作過程などにも触れられた西川監督のエッセイも読みました。最初のエッセイが2018年6月に掲載されたもので、公開が今月ということを考えると当たり前ですが、映画というものが長い時間と多くの人々の努力の積み重ねで成り立っていることがリアルに伝わってきます。企画、取材、脚本、俳優との顔合わせ、撮影、編集、録音、宣伝などその時点の作業をテーマにしたエッセイがほぼ時系列で掲載されているので、映画がどのようなプロセスを経て世に出されるのかということもよく理解できます。助監督、制作部、助手、撮影監督、俳優などとの人間関係の悩みや、撮影場所のさまざまな制約やその交渉、そして、新型コロナウイルスの影響など、他の仕事にも共通する苦労話も興味深いです。「永い言い訳」主演の本木雅弘さんが、ずいぶん面倒くさい人物であるように描かれている一方で、「すばらしき世界」に出演されている役所広司さんや仲野太賀さんが絶賛されている点と、西川監督ご自身の象徴のような役で出演されていた長澤まさみさんに関する記述が一切ない点も面白いと思いました。
18 芥川賞作家吉田修一さんがANAの機内誌に連載されているエッセイ集の4作目です。その性格上旅をテーマにしたものも多く、コロナ禍で移動の制限のある状況で読むと、旅に行きたくなって身体がむずむずします。特に富山県南砺市利賀村の描写が印象的で、機会があれば是非行ってみたいと思いました。タイトルにもなっている「泣きたくなるような青空」は那覇空港から見える青空を指してのことなのですが、私も昨年帰りの飛行機に乗る前に那覇空港で見た青空がとても印象に残っていたので、とても共感しました。
■映画
16 昼下りの決斗/監督 サム・ペキンパー
17 賭ケグルイ/監督 英 勉
16 似たようなものが多くあるパチもんっぽいタイトルですが、「ワイルドバンチ」の評価が高いサム・ペキンパー監督作品ということで観ました。派手さのない渋い西部劇ですが、人間の信念の尊さを描いた味わい深い作品です。無軌道な若者と思慮深く狡猾な老人との対比も巧みです。西部開拓時代の無法さと、現代日本にも通じる地方社会での若者の生きにくさの描かれ方も印象的です。枯れた感じの友情の余韻が残るエンディングは苦みもありますが、不思議な清々しさも感じます。
17 今をときめく浜辺美波さんがぶっ飛んだ演技をしているということで観ました。先週観た「カイジ」シリーズの世界観を、若手の勢いのある俳優で表現したかのような作品です。テレビドラマシリーズの延長線上の作品なので、登場人物の紹介が簡潔過ぎて、私のように映画で初めてこの作品に接した人にとっては若干わかりにくいと思いますが、ストーリーは極めてシンプルなのですぐになじむことができます。賭けのルールや心理戦もわかりやすく、展開は容易に予想できるものの、コミカルな世界観が楽しかったです。浜辺美波さんだけでなく、福原遥さんや矢本悠馬さんといった子役上がりの役者さんが、やり過ぎなくらいキャラに徹した演技をされていてインパクトも絶大です。
17 スクリーンが待っている/西川 美和
18 泣きたくなるような青空/吉田 修一
17 先週観た「すばらしき世界」が素晴らしかったので、その制作過程などにも触れられた西川監督のエッセイも読みました。最初のエッセイが2018年6月に掲載されたもので、公開が今月ということを考えると当たり前ですが、映画というものが長い時間と多くの人々の努力の積み重ねで成り立っていることがリアルに伝わってきます。企画、取材、脚本、俳優との顔合わせ、撮影、編集、録音、宣伝などその時点の作業をテーマにしたエッセイがほぼ時系列で掲載されているので、映画がどのようなプロセスを経て世に出されるのかということもよく理解できます。助監督、制作部、助手、撮影監督、俳優などとの人間関係の悩みや、撮影場所のさまざまな制約やその交渉、そして、新型コロナウイルスの影響など、他の仕事にも共通する苦労話も興味深いです。「永い言い訳」主演の本木雅弘さんが、ずいぶん面倒くさい人物であるように描かれている一方で、「すばらしき世界」に出演されている役所広司さんや仲野太賀さんが絶賛されている点と、西川監督ご自身の象徴のような役で出演されていた長澤まさみさんに関する記述が一切ない点も面白いと思いました。
18 芥川賞作家吉田修一さんがANAの機内誌に連載されているエッセイ集の4作目です。その性格上旅をテーマにしたものも多く、コロナ禍で移動の制限のある状況で読むと、旅に行きたくなって身体がむずむずします。特に富山県南砺市利賀村の描写が印象的で、機会があれば是非行ってみたいと思いました。タイトルにもなっている「泣きたくなるような青空」は那覇空港から見える青空を指してのことなのですが、私も昨年帰りの飛行機に乗る前に那覇空港で見た青空がとても印象に残っていたので、とても共感しました。
■映画
16 昼下りの決斗/監督 サム・ペキンパー
17 賭ケグルイ/監督 英 勉
16 似たようなものが多くあるパチもんっぽいタイトルですが、「ワイルドバンチ」の評価が高いサム・ペキンパー監督作品ということで観ました。派手さのない渋い西部劇ですが、人間の信念の尊さを描いた味わい深い作品です。無軌道な若者と思慮深く狡猾な老人との対比も巧みです。西部開拓時代の無法さと、現代日本にも通じる地方社会での若者の生きにくさの描かれ方も印象的です。枯れた感じの友情の余韻が残るエンディングは苦みもありますが、不思議な清々しさも感じます。
17 今をときめく浜辺美波さんがぶっ飛んだ演技をしているということで観ました。先週観た「カイジ」シリーズの世界観を、若手の勢いのある俳優で表現したかのような作品です。テレビドラマシリーズの延長線上の作品なので、登場人物の紹介が簡潔過ぎて、私のように映画で初めてこの作品に接した人にとっては若干わかりにくいと思いますが、ストーリーは極めてシンプルなのですぐになじむことができます。賭けのルールや心理戦もわかりやすく、展開は容易に予想できるものの、コミカルな世界観が楽しかったです。浜辺美波さんだけでなく、福原遥さんや矢本悠馬さんといった子役上がりの役者さんが、やり過ぎなくらいキャラに徹した演技をされていてインパクトも絶大です。