■本
70 人生は苦である、でも死んではいけない/岸見 一郎
ベストセラー「嫌われる勇気」の岸見一郎さんの本です。内容はタイトルに集約されています。アドラーの言葉を修正して紹介するなど、引用に留まらない、岸見さんご自身の人生経験から発せられる言葉が心に染みます。生まれてきたばかりの赤ちゃんは何もできなくなくても存在自体が愛おしいように、人間は存在することに価値があるのであり、「有用性」に意味がないというメッセージが繰り返し発せられ、個人的には子どもたちとの接し方に反省することがたくさんありました。「期待」よりも「希望」を、「成功」よりも「幸福」を、「過程」よりも「存在」を、「未来」よりも「現在」を、「なる」よりも「ある」を、「量的」よりも「質的」を、「キーネーシス」(始点と終点がある運動)よりも「エネルゲイア」(行為自身がそのまま目的であること)を、重視することがよく生きるための指標であるとおっしゃるなど、近年流行りの「マインドフルネス」の考え方との共通点も多いと感じました。今現在金銭的に困窮している人にはなかなか届きにくい主張であると思いますが、「自助・共助・公助」と言い放つ首相を持つ国民としては、自分の存在自体に価値があることを信じて、「援助を求める勇気」を持つことはサバイブしていく上で重要だと思います。
■映画
64 麗しのサブリナ/監督 ビリー・ワイルダー
オードリー・ヘプバーンが「ローマの休日」の次に出演したロマンティック・コメディです。彼女の旬の魅力が堪能できる作品です。少女時代は見向きもしなかったお抱え運転手の娘が、2年間のパリ留学を経て美しくなって帰ってきたために生じる大富豪兄弟との三角関係という、今となってはかなり男性側の都合のよい妄想丸出しの作品ですが、ビリー・ワイルダー監督作品だけあってストーリーはよくできています。それでも、相手役のハンフリー・ボガートが当時54歳、オードリー・ヘプバーンが25歳だったことを考えると、なかなかグロテスクな印象が残り、素直にロマンスの展開を楽しむ気分にはなれませんでした。オードリー・ヘプバーンがおじさま二人を手玉に取っているという見方もできるので、まだコメディとしては成立しています。いずれにしても時間が経つにつれて、評価されにくくなるタイプの作品だと思います。時代背景を踏まえて観ると面白いとは思いますが。
70 人生は苦である、でも死んではいけない/岸見 一郎
ベストセラー「嫌われる勇気」の岸見一郎さんの本です。内容はタイトルに集約されています。アドラーの言葉を修正して紹介するなど、引用に留まらない、岸見さんご自身の人生経験から発せられる言葉が心に染みます。生まれてきたばかりの赤ちゃんは何もできなくなくても存在自体が愛おしいように、人間は存在することに価値があるのであり、「有用性」に意味がないというメッセージが繰り返し発せられ、個人的には子どもたちとの接し方に反省することがたくさんありました。「期待」よりも「希望」を、「成功」よりも「幸福」を、「過程」よりも「存在」を、「未来」よりも「現在」を、「なる」よりも「ある」を、「量的」よりも「質的」を、「キーネーシス」(始点と終点がある運動)よりも「エネルゲイア」(行為自身がそのまま目的であること)を、重視することがよく生きるための指標であるとおっしゃるなど、近年流行りの「マインドフルネス」の考え方との共通点も多いと感じました。今現在金銭的に困窮している人にはなかなか届きにくい主張であると思いますが、「自助・共助・公助」と言い放つ首相を持つ国民としては、自分の存在自体に価値があることを信じて、「援助を求める勇気」を持つことはサバイブしていく上で重要だと思います。
■映画
64 麗しのサブリナ/監督 ビリー・ワイルダー
オードリー・ヘプバーンが「ローマの休日」の次に出演したロマンティック・コメディです。彼女の旬の魅力が堪能できる作品です。少女時代は見向きもしなかったお抱え運転手の娘が、2年間のパリ留学を経て美しくなって帰ってきたために生じる大富豪兄弟との三角関係という、今となってはかなり男性側の都合のよい妄想丸出しの作品ですが、ビリー・ワイルダー監督作品だけあってストーリーはよくできています。それでも、相手役のハンフリー・ボガートが当時54歳、オードリー・ヘプバーンが25歳だったことを考えると、なかなかグロテスクな印象が残り、素直にロマンスの展開を楽しむ気分にはなれませんでした。オードリー・ヘプバーンがおじさま二人を手玉に取っているという見方もできるので、まだコメディとしては成立しています。いずれにしても時間が経つにつれて、評価されにくくなるタイプの作品だと思います。時代背景を踏まえて観ると面白いとは思いますが。