ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

安倍晋三が殺されなければ、はたして最高裁も地裁と高裁で統一協会が勝訴した事件の上告案件で弁論なんか開くかどうか

2024-03-25 00:00:00 | 社会時評

若干旧聞ですが、興味深い記事を。


旧統一教会に賠償求めた裁判 6月に最高裁弁論へ
2024年3月18日 21時49分 

旧統一教会から高額献金などの被害を受けたとして、長野県の元信者やその家族が教団らに賠償を求めている裁判で、最高裁判所は6月に弁論を開くことを決めました。教団の勧誘や献金をめぐる裁判が最高裁で審理されるのは初めてで、訴えを退けた1審と2審の判断が見直される可能性があります。

長野県に住み、裁判中に亡くなった元信者の女性は7年前、違法な勧誘で献金などをさせられたとして1億8000万円余りの賠償を求めて裁判を起こしました。

しかし1審の東京地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、元信者が裁判を起こす2年前の86歳の時に「教団に賠償請求を行わない」などとする念書を書いていたことなどから、訴えを退けました。

原告側は不服として、請求のうち6500万円余りについて上告し「元信者は高齢で十分な判断能力がなく、念書の目的を理解していなかった。教団が賠償の義務を免れるために作成したもので、念書は無効だ」などと主張していました。

この裁判について最高裁判所第1小法廷の堺徹裁判長は18日、6月10日に弁論を開くことを決めました。

判決を変更するのに必要な弁論を開くことから、訴えを退けた判断が見直される可能性があります。

教団の勧誘や献金をめぐってはこれまで複数の元信者やその家族が裁判を起こしていましたが、最高裁で審理されるのは初めてです。

原告代理人「被害者の救済につながるような判断を期待」
この裁判で原告の代理人を務める「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の木村壮弁護士は「教団に賠償を求めないなどとする念書があることで返金を諦めてしまう人が多くいる。最高裁判所には、被害者の救済につながるような判断を期待したい」と話していま

旧統一教会「詳細がわかり次第、適切に対応」
旧統一教会=世界平和統一家庭連合は「詳細がわかり次第、適切に対応して参ります」とコメントしています。

記事にもありますように、最高裁が弁論を開くということは、下級審の判断を見直すということになるかと思います。で、1審と2審の東京地裁と東京高裁は、統一協会勝訴の判決を出しています。地裁と高裁での判決が、最高裁で覆されるなどということは、そうそうあることではありません。だいたい日本の裁判所は、地裁<高裁<最高裁の順番で、行政とか自民党など強者におもねる判決を出します。地裁と高裁で統一協会勝訴の判決が出た裁判で、最高裁において、どこまでの勝訴ということになるのかはもちろん現段階言えませんが、ある程度原告側が有利になる判決が下される可能性が出てきたというのは、これまたずいぶん奇怪な話です。

つまりは、けっきょくこれ、私が前に記事にした

けっきょく誰かが(死因はともかく)死なないと事態は改善しないようだ(夏の甲子園もそうではないか)

のたぐいですよね。

上の記事で、私は次のように指摘しています。

統一協会に関しては、安倍晋三の暗殺がありました。あれがなくて、今日のような事態になったとは考えにくい。いや、安倍が殺されてですら、自民党ほかの中には統一協会をかばう態度がありましたが(こちらの拙記事に、その一例をご紹介しました)、さすがに日本憲政史上1番首相在任が長かった人物が殺されて、そのおおもとの原因に見て見ぬふりをするわけにはいかなかったということです。

上の記事を私が発表したのは、2023年11月26日です。この1か月半前の2023年10月13日、文科相が統一協会への解散命令を東京地裁に請求しています。で、このようなことが、今回の弁論を開く決定に関係しているのでしょうね。うんなもん、安倍晋三が殺されようがどうなろうが、この裁判に関していかなる関係もあるわけがないですが、でも安倍が殺されていなかったら、日本政府による裁判所への統一協会解散命令請求なんかされるわけもないし、最高裁も、たぶん弁論なんか開かないのでしょうね。こんなもんどこが三権分立じゃいです。今回の裁判の地裁と高裁の裁判官も、統一協会勝訴の判決を下したとき、良心がとがめなかったんですかね。たぶんとがめたでしょうね。最高裁が、いろいろな事情があるにしても原告側に有利な判決を下す準備をしているような裁判で、地裁や高裁の裁判官が、統一協会勝訴の判決を平然と下しているということもないでしょう。念書の存在などの形式的な判断に逃げて良心のとがめから目をそむけていたのでしょう。それもどうかです。この裁判官たちも、さすがに裁判官になった当初は、そういう判決を下す先輩裁判官たちを軽蔑していたでしょうにねえ。まるっきり若き日ののちの警察庁長官中村格みたいなものです。中村だって、さすがに警察庁の官僚になった当初は、のちの自分が、山口敬之伊藤詩織に対する性犯罪をした際、山口に対する逮捕状の執行を停止するなんていう不祥事をしでかすなんて、想像の埒外だったはず。

高校生、大学生、警察庁に入庁したばかりの中村格が現在の自分を見たら、ああいうクズにだけはなりたくないと思ったろう

上にも書いたように、こんなもんどこが三権分立なんですかね。つまりはいかに、地裁と高裁における統一協会勝訴の判決がろくでもない代物であったかということだし、統一協会の関係で恨みを買った安倍晋三が殺されるなどという想像を絶する不祥事が起きて、日本政府や自民党をふくめた統一協会を擁護してきた勢力が統一協会擁護を打ち切ってから最高裁は、統一協会により厳しい判断を下す準備をしているわけです。統一協会がしでかしてきたよろしくないことの数々なんて、そんなもの安倍晋三が殺されるとっくの前からの話です。裁判所はさすがに行政などや自民党の政治家などよりは、統一協会にそれ相応に厳しい態度を取り判決を下してきたかと思います。それでこのざまなのだからほんと日本というのもひどい国だと思います。お話にもなりません。

なお引用したNHKの記事では「旧統一教会」という表記ですが、拙記事では「統一協会」という表記にしますことをお断りします。


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6 コメント

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Unknown (bogus-simotukare)
2024-03-27 22:21:10
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2024-03-27/2024032713_01_0.html
 20年以上連れ添った同性パートナーを殺害された名古屋市の内山靖英さん(49)が、犯罪被害者遺族給付金を不支給とした愛知県公安委員会の裁定の取り消しを求めた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第3小法廷でありました。林道晴裁判長は、同性パートナーを犯罪被害者遺族と認める初判断を示しました。内山さんの請求を退けた名古屋高裁判決を破棄。内山さんについて、支給の可否を判断するため、審理を名古屋高裁に差し戻しました。
(引用終わり)

 これについても正直「アンチLGBT」の安倍が存命で果たしてこういう判決になったかどうか、と感じますね。
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2024-03-28 19:27:26
私もそれ感じました。まったく関係ないということでもないでしょう。
Unknown (bogus-simotukare)
2024-04-19 03:39:54
https://www.sankei.com/article/20240418-UUQNVUXYOBM4PC5ZXPTJLNXRJQ/
 県営住宅への入居対象を拡大する方針を固めていた千葉県が、県営住宅設置管理条例改正案の概要を公表し、意見募集(パブリックコメント)を17日に開始した。同性や事実婚のカップルを公的に認めるパートナーシップを宣誓した人のほか、里親家庭や60歳未満の単身者の入居を認めるのが柱。5月16日までの意見募集を踏まえ、早ければ6月の定例県議会に改正案を提出する。成立すれば、施行は10月1日を予定する。
 改正案では、同居者の要件について「親族に加え、親族と同等の生活基盤を形成しようとする者」を新たに追加した。
 パートナーシップを宣誓したカップルや、さまざまな事情で親元から離れて暮らす子供を預かる里親家庭も入居できるよう改める方向だ。
 一方、60歳未満の単身者の入居は現在、認められてはいないが、単身世帯の増加に対応するため「親族との同居」との要件を削除し、入居できるようにする。
 千葉県によると、県内の単身世帯は約100万世帯(令和2年度)。平成22年度の76万世帯から増加した。
 熊谷俊人知事は18日の定例記者会見で、条例改正の意義について「家族の形態が多様化する社会情勢の変化を踏まえた。県有財産の有効活用にもつながる」と語った。
(引用終わり)

 自民党王国・千葉でも「同性カップルの県営住宅の入居を認める条例案」かと驚きです。果たして県議会自民党はどう動くか。それにしても安倍が死んだから「こうなったのか?」と思うと思いは複雑です。
>bogus-simotukareさん (Bill McCreary)
2024-04-19 23:22:33
右翼連中が、安倍さんが健在ならLGBTQの法律なんか動かなかったと嘆いていましたが、安倍がそんなにこの件で強硬な態度を取っていたとも感じませんでしたが、なんだかんだ言っていろいろな圧力となっていたのでしょうね。ある意味自民党支持者でも、少なくとも自民党の考えよりは、女系天皇、夫婦別姓、同性婚などには寛容ですから、確かに安倍の死は、そういった声の押さえつけのできなくするものではあったのでしょうね。
Unknown (nordhausen)
2024-04-20 20:36:26
>安倍さんが健在ならLGBTQの法律なんか動かなかった

一方で、安倍政権下でアイヌ新法が制定されましたから、安倍元首相が「反LGBT」であっても「反アイヌ」では無かったという事でしょうね。ただ、法律が制定されても未だにアイヌの先住権に触れられていませんから、アイヌ否定論を唱える右翼からの反発を恐れているところがあるのでしょう。先日も浦幌町のアイヌ団体が起こしたアイヌ先住権訴訟で原告が敗訴しています(2024年4月18日のNHKニュースから)。私見では、政府がいつまでもアイヌの先住権を認めないというのも世界の趨勢に反していると思いますし、政府もアイヌに否定的な右翼に遠慮、迎合しているところがありますね(原告は控訴するとの事)。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240418/k10014426221000.html
>nordhausenさん (Bill McCreary)
2024-04-21 18:06:23
まあ安倍からすれば、

アイヌ>LGBT

なんでしょうね。裁判については、なかなかアイヌ側勝訴の可能性は低いとは思いますが、いろいろ提起していくことも必要でしょう。

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