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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



近所の干潟には春を告げるコチドリが渡ってきました。コチドリは名前の通り、少し前に紹介したシロチドリより一回り小さなチドリです。

終戦まで無傷で生き残ったことが知られる旧海軍の駆逐艦「雪風」の乗組員(久保木 尚氏)の書いた<駆逐艦「雪風」に不沈伝説が生まれたとき>という記録がありますので、4月初旬の近所の野鳥と一緒に紹介しましょう。<・・・>がその引用・・・木の枝に止まっている顔に白いバツ印のある鳥は何でしょうか。

昭和19(1944年)年5月、暗礁に接触してプロペラと軸に損傷を受けた雪風は、そのまましばらく輸送船護衛任務につき、6月28日に日本で修理するためにギマラス泊地を出発しています。・・・眼の上下、クチバシから後頭部に向かう白い線があるのはオオジュリンでしょう。

<7月2日、日本へ向けて航行中の雪風に「潜水艦発見」の号令が艦内にひびき、全員配置についてその方向を見ると、水平線よりややこちら側に潜水艦が潜望鏡を上げ、司令塔の上部が少し目えるような感じのものが見えた(中略)それから何分かすると、どうも潜水艦ではないようである>・・・背中の模様は、スズメとよく似ています。

<やがて「合戦準備用具おさめ」の号令がかかり、かわって「救助艇用意」が下令された。近づくと円材や角材など船に搭載している材木を組み合わせた筏があり、その中央にはマストのような一本の柱を立てて帆柱としていた>・・・オオジュリンは、ユリカモメと同じように夏になると頭部だけが黒くなる特徴があります。

<筏の上にはいっぱいに遭難者が乗り漂流していた。さっそくカッターが下ろされた。舷側から直接救助された人もいるが、みな痩せ細って、まさに骨と皮だけであった>(何日も漂流していたようですがその期間は不明です)・・・こちらはサクラとメジロ

<病人も多く、艦内居住区は(漂流者のために占拠され雪風本来の)乗組員の寝る場所もなく(中略)内地がもうすぐだというのに、何人かの人たちが(漂流による衰弱で)死んでいった>・・・サクラの木のアオジ

<この人たちは台湾沖で敵潜水艦の攻撃を受けた輸送船の船員と軍人軍属80名であった>(雪風乗員の定員は239名、そこに80~90名が加わったので艦内は相当窮屈だったことでしょう)・・・大阪で越冬したアカアシシギ(絶滅危惧Ⅱ種)もまだいました。

<雪風は対潜対空警戒をしつつ7月3日に無事呉港に入港。遭難者はただちに病院に引き渡された>漂流中は食料の配給などで軍人が優遇され、船員は悲惨な状況だったという証言が残っています。民間人(納税者)を守るのが軍人ですが、有事の際には民間人より自分達を守ることが先だったのでしょう。・・・ウグイスも見かけましたが、すぐに配管の陰に隠れてしまいました。次回は口を開けて鳴いている姿を撮ってみたいと思います。

最近でも、南港コスモタワーにある大阪府咲洲庁舎は、津波が来ると危ないので高台の安全な事務所に移転し、公務員の命を守るべきであると言っていた女性の知事候補がいました。しかし津波襲来時、最前線にある基地(大阪府咲洲庁舎)でベイエリア府民(納税者)の避難・救命・救急・復旧を担当するのが本当の公務員の姿ではないでしょうか。

参考文献:陽炎型駆逐艦 重本俊一ほか著



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