駒子の備忘録

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『上方花舞台』

2013年02月02日 | 大空日記
 国立文楽劇場、2013年1月31日ソワレ(千秋楽)。

 といっても二日三回公演でしたが…大空さんの卒業後初舞台なので行ってきました。
 構成・演出は植田紳爾。

 口上は坂東玉三郎。関東の人間なのに30周年記念に呼ばれて…と笑いを取っていました。
 続いて山村流のお姉さん五人による地唄舞「松竹梅」。美しかったです。宝塚歌劇が和物ショーでやる、洋楽にあわせて踊る日舞はやはり特殊なんだなーと再認識。

 「三段返花絵草子」ひとつめは地唄の「雪」、玉三郎さん。恋の回想というか心象風景を踊るもので、差したり閉じたりする傘もその現れなんだけれど、そしてとても美しかったんだけれど、でも「閉じたってことは雪がやんだの? あら、また開いたってことはまた降り出したの?」とか考えてしまう私の無風流っぷりよ…

 続いていよいよ、の大空祐飛が長唄で踊る「業平」、振付は山村若。
 背景に青空と海、下手に松の木。上手スッポンからセリ上がり、烏帽子の下に見慣れた顔が見えたとき…ときめきマックスでした。なんかぜんぜん変わってないんだもん!
 なんかもっと見分けつかなかったらどうしようとか、綺麗に思えなかったらどうしよう、ときめかなかったら悲しいわとか思っていたわけですが、まったくの杞憂でした。
 美しい、麗しい、凛々しい!
 白塗りで頬が少し丸く見えて、幼くて可愛い!
 初日は緊張して見えたというツイートもたくさん見ましたが、この日は私にはそんなふうにも見えなくて、悠揚と踊っているように見えました。
 恋に破れたアンニュイな中年男には見えなくて、物見遊山に来た貴公子、雅な色男に見えましたけれどね。
 踊りでは見得を切るとは言わないのかな、でもちょっと止まってポーズを取るのも美しく、錦絵になりそうとはこういうことを言うのね、と思いました。花道ハケもサマになっていました。
 夢のような10分間、満足でした。

 義太夫「海士」は玉三郎の海士に上村吉太朗の大臣。ストーリー仕立てなわけですが、私には「雪」の方が見ていて楽しかったかな…
 ラストは「おあそびやす」。お座敷遊びをする旦那衆のコントみたいな小品集、かな? ショーちゃんが台詞噛み噛みだわすっとばすわ戻るわで、ルミさんがヒヤヒヤしてそうでした。ルミさんはさすがの若旦那さんぶりで、つっころばしがまだまだいける感じでした。
 唄に茨木だの渡辺綱だのが出るので、いつ『大江山花伝』が始まるのかとときめきました…

 最後に出演者総出で手ぬぐいを客席に放ってお辞儀とご挨拶。様子がたどたどしい大空さんに悶えました。てか玉三郎さんはもう扮装解いた姿で現れたんだから、大空さんだって素化粧でよかったんじゃないの?と思いましたが公達姿のまま。あのままお衣装が着崩れないように箱馬にでもちょこんと座って楽屋でぼーっとモニターでも見ていたのかと思うと(あくまで想像です)、可愛すぎてまたまた悶えます。
 客席もロビーもきれいな劇場で楽しかったです。お人形を乗せる板にしては大きいのではと思わなくもなかったけれど…
 見やすいお席でしたが手ぬぐいは届きませんでしたよ(^^;)。でも満足。

 出待ちも一時間ほどで現れてくれましたし、サングラスもメガネもなかったし、舞台では聞けなかった声がやっと聞けたし、車からのお手振りまで見送れたし、これまた満足でした。
 ロス遠足でのディナークルーズ出待ち以来か? どうして好きな人をただ待つことがこんなに楽しくていくらでもできるのかしら…怖いわ。
 最終ののぞみに余裕で間に合いましたが、お好み焼きで打ち上げして一泊してきました(^^;)。私の遠征と宿泊のハードルはどんどん下がっています…



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