駒子の備忘録

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韓流侃々諤々neo 5『キマイラ』

2023年11月11日 | 日記
 BS12で字幕で全22話で見ました。2021年のドラマで、もともとは全16話の模様。原題ママ。「キメラ」と発音されているようでしたが、通りの良さを選んだのかな?
 「キマイラ事件」と呼ばれた35年前の連続殺人事件と似た事件が起こって…というサスペンス・ドラマ。なかなかおもしろく見ました。
 主人公はパク・ヘス演じるチャ・ジェファンで、朴訥な刑事、正義漢といった役どころ。『イカゲーム』で有名になった俳優さんだそうですが、私は初めて見たかな…
 これも初めて見た俳優さんだった気がするイ・ヒジョン演じる医師イ・ジュンヨプが、当初容疑者と目されるのですが…という役回り。
 一応ヒロインに当たるのがスヒョン演じるユジン・ハサウェイで、FBIのブロファイラー。事件の捜査に協力します。この女優さんが私には珠城さんに似て見えて、萌え萌えで見てしまいました(笑)。
 さらに定番の四角関係として女性キャラがもうひとり。事件を取材する記者キム・ヒョギョンがチャ・ジェヨン、という構成でした。
 ジェファンが心酔する上司の刑事とかは私も見たことがあるおじさん俳優でした。真相が露わになってくる中で立ち上がってくる、悪役のお金持ちおじさんとかもいつメンな俳優さんたちでした
 
 多少のカットがあるのか、今回の真犯人が何故に今、事件を起こし始めたのか…という、理由はともかくきっかけがよくわからなかった気はしますが、そこまでのミスリード含めて脚本はよくできていた気がしました。海外養子問題が絡むのがさすが韓ドラだし、裏で悪事を働く権力者や財閥会長たちなどをきちんと告発するのも韓ドラだなあ、と思います。思えば日本ではフィクションですらお上に逆らうことが少ないんだもんなあ…彼我の差を感じます。
 ジェファンとジュンヨプがユジンを巡る淡い恋のライバルとして鞘当てを繰り広げていたようなところから、なかばバディとして共闘していくような形になるのもおもしろかったです。そして取材のためとはいえジェファンにコナかけていたヒョギョンが、実はジュンヨプの妹で…というのもよかった。
 そうそう、ジェファンの母といいこのヒョギョンといい、女性キャラクターにしっかり力を持たせるしその怒りや鬱屈、復讐を正当に描くところも韓ドラっぽいなと感心しました。もちろん復讐は何も生まないし、犯罪は犯罪なんだけれど、それを押してやる彼女たちの意志を尊重する描かれ方になっているというか、悪いことだけど仕方ない、気持ちはわかるよ…と寄り添って語る視線がドラマから感じ取れるんですよね。こういうところもホントいいと思います。韓国は人権意識なんかも日本より全然先をいっているんだろうなあ…
 ラストも、ラブストーリーとしては特に成就に至らずお互いまたそれぞれ散っていく…というようなある種ドライな、しかしリアリティのある、大人のほろ苦さがある終わり方でよかったです。それでも縁があれば、あるいはその気があれば、連絡はつけられるし海を渡って会いに行けばいいだけの話で、そういう未来もあるかもしれないしないかもしれないけれど、それはまた別のお話…という余韻が、とても素敵だと思ったのでした。







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