ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

麻生太郎氏の講演を聴く1

2007-03-19 10:48:14 | 国際関係
 麻生太郎外務大臣の講演を聴く機会があった。今月14日、場所は、ニューオータニ東京。元外相の武藤嘉文氏と息子の衆議院議員・武藤容治氏の事務所が開催したセミナーに、麻生氏が登壇したのである。
 麻生氏は、日本外交の責任者として活躍している。次の首相の座に最も近い男といわれる。私は、伝統尊重的保守のリーダーの一人、日本の国益のために外国要人と渡り合える硬骨漢と認識している。
 生の話を聴くのは初めて。さすがに話が面白い。マンガやアニメ好きで知られ、秋葉原では人気抜群というが、若い世代や実業家に受けるのがよくわかる。
 以下、講演の大要を3回に分けて掲載する。個人的なメモから構成したもので、文責はほそかわにある。

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 外務大臣になって1年5ヶ月たった。この間、日本の海外での評価は高くなっている。資産デフレといわれるが、この不況の中で、日本はGDP5兆ドルを維持し、世界No.2の経済大国であり続けている。
 アフリカには53カ国ある。それ全部のGDPを合わせて韓国と同じ。日本は韓国の6倍ある。その力を日本人は知らない。

 私には、息子と娘がいる。二人が家で外国人の友人と話すときは、日本語で話している。若い人たちが外国人と話すときの話題は二つ。J-POPとジャパニメイション。これらは、アジアで共通のサブカルチャーになっている。
 私は昭和15年生まれ。自分の世代はプレスリーを英語、カタカナで歌った。プレスリーが、世界共通の話題だった。いまアジアでは、J-POPがそれ。みな日本語で歌っている。
 10年間で、日本語を学ぶ人が、4倍に増えた。これは、日本語の力、日本の力だ。
 4年前、椎名林檎が「タイム」の表紙になった。”We are wrong.”と書いてあった。「日本はハードの国と思っていたが、ソフトがすごいのだ」「東南アジアにミッキーマウスはいない。ドラえもんとポケモンに席巻されている」という。ディズニーランドは、東京より南では、ドラえもんとポケモンに負けた。これが、日本のサブカルチャーの力だ。

 4年前、重慶でサッカーの国際試合があった。中国人による反日暴動が起こった。新聞は、そういうことばかり書く。しかし、同じ時期に、谷村新二が中国でコンサートを行った。10万人集まった。サッカーの試合と同じくらいだ。コンサートの最後に「すばる」を全員立って、日本語で歌った。これも同じ中国人だ。新聞は両方を正確に書くべきだ。

 私は、日本の新聞は読まない。私のことについて、本当のことを書いていない。ということはほかのことも本当のことを書いていないのだと思う。だから、新聞は読まない。見るだけにしている。週刊誌も、広告の見出しだけ見れば、内容がわかる。だから読まない。

 日本外交は、三つの柱でやってきた。日米機軸、国連外交、アジア近隣諸国との友好の三つだ。これをもとに自分は、4番目の柱を考えた。それが「自由と繁栄の弧」だ。
 「自由と繁栄の弧」とは、北欧+1、V4+1、GUAM、CDC、GCC、SAARC、CLV、ASEAN等を結ぶ弧。(ほそかわ註 北欧、バルト海諸国、グルジア、ウクライナ、イラク、アフガニスタン、インド、カンボジア、ラオス、ベトナム、インドネシア等を含む諸国)
 これらの国々の共通点は、1990年代以降に、ソ連から独立したり、社会主義をやめたりして自由主義になった国だ。

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 次回に続く。

参考資料
・椎名林檎が表紙を飾った雑誌「タイム」アジア版
http://www.time.com/time/asia/2003/cool_japan/rinngo.html

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2 コメント

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Unknown (知足)
2007-03-21 10:19:06
「私は、日本の新聞は読まない。見るだけ」が気に入りました。産経は読んだ方が良いと思う。朝日や毎日は見る必要もありませんが。
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>知足さん (ほそかわ)
2007-03-21 10:44:31
麻生氏一流のジョークでしょうね。
拙稿のご紹介有難うございます。
今後ともよろしくお願いします。
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