ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

戦略論45~武器の開発:機関銃、戦車、飛行機

2022-08-19 12:46:46 | 戦略論
●技術の発達と戦争の進歩

 ここで19世紀中葉以降、新しい技術が発達したことによって、戦争の技術が変化したことをあらためて見ておきたい。武器の開発に注目し、機関銃、戦車、飛行機、潜水艦、航空母艦、化学兵器、生物兵器、ミサイル、核兵器の順に述べる。叙述の関係上、21世紀の今日までの発達を書く。

◆機関銃

 機関銃は、引き金を引き続ければ連続して自動的に弾丸を発射できる火器である。17世紀頃から連発銃をつくる試みが始まり、最初は銃身を数本たばねて手動で順次に発火することが行われた。1810年代に米国で雷管が発明されると、1850年代から、ガトリング機関銃をはじめとする多くの手動式機関銃が考案された。南北戦争で機関銃の威力が示され、ヨーロッパにも普及した。
 1885年頃にイギリスで無煙火薬が発明され、機関銃に画期的な進歩をもたらした。1887年に無煙火薬による火薬ガスを利用して自動的に連発するマクシム機関銃が作られた。これが最初の本格的な機関銃といわれる。機関銃が登場したことで、銃による殺傷力・破壊力は格段と増した。
 第1次世界大戦前から歩兵の持つ銃は機関銃に置き換えられていった。また、戦車・軍艦・飛行機等に機関銃が搭載されるようになり、戦闘は機械の威力の争いになっていった。

◆戦車

 戦車の起源は、古代から馬を戦闘に使用する戦闘用の馬車である。これをチャリオットという。古代オリエント地域では、紀元前2000年頃から、シュメール、ヒッタイト、アッシリア、エジプト、ローマ、ペルシア、シナ、インド等で使用された。
 現代的な戦車は、第1次世界大戦後期の1916年にイギリス軍が使用したものに始まる。機関銃が普及すると、兵士が塹壕に身を伏せ、戦闘が長期化し、膠着状態となった。戦車は、この均衡を破るため、敵の機関銃弾によく耐え、壕を突破できる奇襲兵器として考えられた。以後、火砲の発達、装甲板の改良、強力軽量の機関の出現等で性能が向上し、また無線通信機の装備により集団的戦闘指揮が可能となった。
 ドイツは、第2次世界大戦初頭に戦車を衝撃力とする電撃戦で、周辺国を圧倒した。それによって、戦車は地上戦闘の主力の地位を確立した。以後、打撃力、防御力、機動力を併せ持つ攻撃的兵器となっている。現在の戦車は、高度な電子通信機器を装備して正確・迅速な射撃が可能であり、またミサイルを搭載するものが増加している化の傾向にある。シュノーケル(潜水艦給排気装置)を使って潜水して川を渡ったり、放射能汚染下では密閉戦闘を行ったりできるようになっている。

◆飛行機

 1903年12月、アメリカのライト兄弟は、人類待望の動力飛行に成功した。すると、すぐ飛行機の軍事利用が研究された。1914年に第1次世界大戦が始まると、最初は偵察に使われた。間もなく偵察機、爆撃機、戦闘機等の用途別の機種が誕生した。4年間大戦が続く間に、飛行機は、時速、航続距離、高度等で飛躍的な進歩を見せた。
 第2次世界大戦では、飛行機が各種の用途で活躍し、航空戦力の優劣で勝敗が決したと言える。それまでの戦争にはなかった制空権の掌握が、戦争の展開を大きく左右するようになった。米国・ドイツ・英国等によって、敵国の軍事施設や都市への空爆が常態化した。米国は各国に先駆けて核兵器の開発に成功し、爆撃機が核兵器を積んで日本の広島・長崎に投下するという作戦を実施した。
 飛行機は、大戦中に、プロペラ機からジェット機へと飛躍した。ドイツは1939年に、ジェット・エンジンの飛行に成功した。大戦末期の1944年には、メッサーシュミット等のジェット戦闘機が出現した。大戦後はジェット化が進み、1953年頃にはジェット戦闘機が超音速で飛ぶようになった。現代では、戦闘機はもちろん、偵察機、爆撃機などの軍用機も超音速が普通になった。
 核兵器の保有国が増え、また核兵器の増産が進むと、大量報復のために戦略爆撃機が導入された。戦略爆撃機とは、敵の中心地を核兵器で攻撃できる爆撃機である。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『細川一彦著作集(CD)』(細川一彦事務所)

************************************

最新の画像もっと見る

コメントを投稿