ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

「改憲阻止」が国民の命より重要か~百地章氏

2020-02-29 09:37:47 | 時事
 本年1月、中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大するなか、中国・武漢市から政府のチャーター機で帰国した邦人のうち2人が当初、検査を拒否した。これをきっかけに、国民の権利を一時的に制限してでも公益を守る必要性を唱える声が上がった。
 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、「『このようなことがあったから緊急事態条項を新設しなければならないのだ』という議論を活発に行えば、国民の理解も深まるのではないか」と、1月28日の衆院予算委員会で言及した。安倍晋三首相は「緊急事態条項を含め、国会の憲法審査会で与野党の枠を超えた活発な議論が展開されることを期待する」と答えた。
 自民党の伊吹文明元衆議院議長は、二階派の会合で、発症前の経過観察に強制力がないことに触れ、「公益を守るために個人の権利をどう制限していくか、緊急事態の一つの例として、憲法改正の大きな一つの実験台と考えた方がいいのかもしれない」と語った。
 これに対し、自民党の石破茂元幹事長は、2月3日、BS-TBS番組で、与野党の一部から憲法改正による「緊急事態条項」創設を訴える意見が出ていることについて、「これに悪乗りして、憲法(改正)に持っていくつもりはない」と述べた。
 2月4日、衆院予算委員会で国民民主党の後藤祐一氏は、石破茂氏が「悪のり」と発言したことなどを挙げ、安倍首相の見解をただした。首相は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにした緊急事態条項新設に関する憲法改正議論について「国民の命と健康、平和な暮らしを守るために何が必要かということは、憲法との関係性があるかないか関わりなく検討していくべきだ」と述べた。
 一方、公明党の山口那津男代表は、記者会見で「現行法でできる限りのことをやり、対応できないときは立法措置を検討するのが議論の順序だ」と述べ、改憲論を牽制した。
 わが国では、憲法改正に関する議論をすると、野党の多数が議論自体を封じようとする。また、与党の一部を成す公明党は、消極的な姿勢を示す。そのため、まともな議論が進まない。東日本大震災では、憲法に緊急事態条項がないため、現行法の規定に縛られて、速やかに適切な対応が出来ずに多くの犠牲者を出した。このことの反省から、緊急事態条項を新設すべきという議論が起こった。共産党以外は、賛成した。ところが、しばらくすると、のど元過ぎ得れば熱さ忘れるで、この議論も止まってしまった。大震災から9年を迎えようとしている現在、南海トラフ、首都直下型大地震等に備えて、憲法に緊急事態条項を設けようという議論は、国会では進んでいない。
 自民党は、改憲4項目の一つに緊急事態条項の新設を挙げている。憲法学者の西修氏によると、1990年以降に制定された世界各国の104の憲法のうち、緊急事態条項を欠いている憲法は皆無である。感染症についても、エチオピア、ホンジュラス、ヨルダン、ネパール、台湾、トルコなど、少なくとも18カ国・地域の憲法に「一定の地域に予想を超えて発生する感染症」(エピデミック)、「世界的に流行する感染症」(パンデミック)が、戦争や内乱、大規模な自然災害などとともに、「国家的緊急事態」のなかに包摂されている。ネパールでは、2015年の新憲法で「重大な緊急事態」にエピデミックが挿入された。またトルコでは、2017年の改正により、憲法にパンデミックが加えられた。
 1月27日新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の中、中国・武漢市からチャーター機で帰国した邦人のうち2人が当初、検査を拒否した。法律上、検査を強制できないので、2人は自宅に帰った。当局が説得を続け、ようやく検査を受けてもらうことができた。
 この問題をきっかけに憲法に緊急事態条項を設けるの対応をめぐって国会で改憲論議が起きた。現行憲法では、公緊急事態であっても、法律に定めること以外は、益を守るために国民の権利を一時的に制限することができない。感染症の場合、一部の人々の権利を守ることにより、大多数の国民の生命と健康を危険にさらすことになる。
 国士舘大学特任教授、日本大学名誉教授・百地章氏は、産経新聞令和2年2月12日付の記事で、新型コロナウイルス問題に関して、法律では対処できない想定外の事態に備えて、先進国ではすべて認められている憲法上の緊急権について、積極的に議論を始める必要があるという意見を述べた。
 「今後、想定外の事態が発生した場合、現在の法律だけで本当に国民の生命や安全は守られるのか、憲法改正も視野に入れて法整備を行うことこそ、改憲の発議権を有する国会に課せられた重大な責務ではなかろうか」。
 今回、政府チャーター機による帰国邦人の件以外に、横浜港に着岸した英国籍大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客の一時的隔離も問題になった。百地氏によると、現在の感染症法では、2類感染症に指定された新型コロナウイルス肺炎の発症者については、1類感染症のエボラ出血熱などと違って強制的な隔離は認められていない。そのため、万一、無理やり施設や船を離れようとする人が出たとしても、現在の法律ではそれを阻止できない。また、強制的に隔離を続けようとすれば、憲法の保障する「居住・移転の自由」(22条1項)や「人身の自由」(31条)との関係が問われることになる。
 百地氏は、「法律の定めも正当な根拠もないまま強制的に隔離することは憲法違反だが、例えば重篤な感染者が無理やり施設から離脱しようとしたときはどうするのか。このような場合、公益つまり多くの国民の生命と健康を守るため、明確な法的根拠はなくても離脱を阻止せざるを得ないケースも出てこよう」と指摘している。そして、「国会は速やかに現行法制度の不備や欠陥の是正に取り組むべきである。さらに、法律では対処できない想定外の事態に備えて、先進国ではすべて認められている憲法上の緊急権についても、積極的に議論を始める必要があると思われる」と述べている。
 先般掲示した西修氏の提案とともに、国会議員はこうした専門家の見解をよく理解して、国家・国民のために務めを果たしてもらいたい。
 以下は、百地氏の記事の全文。 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●産経新聞 令和2年2月12日

国民の命より「改憲阻止」が先か 国士舘大学特任教授、日本大学名誉教授・百地章
2020.2.12

 2月10日現在、新型コロナウイルスの感染者は中国本土で4万人を超え、死者も増え続けている。死者数は17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)を超えた。
 このような中で、新型肺炎の発生地、中国・武漢市からチャーター機で帰国した邦人のうち2人が当初、検査を拒否したことなどから、緊急事態の対応をめぐって国会で改憲論議が起きている。

≪緊急事態論ずるは悪乗りか≫
 自民党の伊吹文明元衆議院議長は二階派の会合で、発症前の経過観察に強制力がないことに触れ、「公益を守るために個人の権利をどう制限していくか、緊急事態の一つの例として、憲法改正の大きな一つの実験台と考えた方がいいのかもしれない」と語った。
 これに反論した立憲民主党の枝野幸男代表は記者会見で「拡大防止の必要な措置はあらゆることが現行法制でできる。憲法とは全く関係ない。人命に関わる問題を悪用しようとする姿勢は許されない」と断じた(毎日、2月5日付)。
 また、自民党の石破茂元幹事長も、この問題で与野党の一部から憲法改正による緊急事態条項創設を訴える意見が出ていることについて「これに悪乗りして憲法(改正)に持っていくつもりはない」と述べたという(ネット版「産経ニュース」2月3日)。
 もちろん、枝野代表の言うように現行法律の枠組みですべて対処できればそれで良かろう。例えば、先の「検査」や「強制入院」については、その後政府が新型肺炎を検疫法の「検疫感染症」、感染症法の「指定感染症」に指定したことから可能になった。
 しかし、発症していない感染者は対象外であり、一時的な「隔離」にしても現行法では強制できない。となると、現行法の枠組みそのものを見直す必要はないのか。
 にもかかわらず議論することさえ許さず、頭から「悪乗り」と決めつけるのはいかがなものか。国民の命よりも「改憲阻止」を優先しているといわれても仕方あるまい。今後、想定外の事態が発生した場合、現在の法律だけで本当に国民の生命や安全は守られるのか、憲法改正も視野に入れて法整備を行うことこそ、改憲の発議権を有する国会に課せられた重大な責務ではなかろうか。

≪「隔離」と居住・移転の自由≫
 今回、特に問題となったのが、武漢から帰国した邦人の一時的隔離の問題であった。現在の感染症法では、2類感染症に指定された新型コロナウイルス肺炎の発症者については、1類感染症のエボラ出血熱などと違って強制的な隔離は認められていない。そのため、本人の同意により、民間のホテルや国の施設に収容されたのだが、長い隔離に不満を持つ人はいるという。
 また、横浜港に着岸した大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号でも、新型コロナウイルスの感染者が出たため、乗客・乗員約3700人が14日間も船内待機を要請されたが、法律上、強制的隔離はできない。そこで検疫法に基づき診察のための停留という形を取ったようだ。
 となると、万一、無理やり施設や船を離れようとする人が出たとしても、現在の法律ではそれを阻止できないだろうし、もし強制的に隔離を続けようとすれば、憲法の保障する「居住・移転の自由」(22条1項)や「人身の自由」(31条)との関係が問われよう。
 天然痘などの「法定伝染病」(現在の1類感染症)に罹患(りかん)した者を強制的に隔離することは、従来法律で認められており問題ない。しかし、発症前の者まで経過観察のため隔離すべきかどうか。米国、フランス、オーストラリアなどでは、中国・武漢からの帰国者について経過観察のため国の施設などに隔離したと報道されており、わが国でも改めて検討する必要があろう。
 もちろん、法律の定めも正当な根拠もないまま強制的に隔離することは憲法違反だが、例えば重篤な感染者が無理やり施設から離脱しようとしたときはどうするのか。このような場合、公益つまり多くの国民の生命と健康を守るため、明確な法的根拠はなくても離脱を阻止せざるを得ないケースも出てこよう。

≪憲法上の緊急権論議も始めよ≫
 この点、現行法制ですべて対応できるとし、議論そのものに反対している人々は、どうするのだろうか。
 まさか、「超法規的措置で」とは言うまい。英国や米国のように不文の法(ロー・オブ・ネセシティー=必要の法)の認められていないわが国では「成文法」の根拠なくして強制措置など取れない。もしそれでも強行すれば憲法違反となり、「立憲主義」を踏みにじることになるはずだからだ。
 それ故、国会は速やかに現行法制度の不備や欠陥の是正に取り組むべきである。さらに、法律では対処できない想定外の事態に備えて、先進国ではすべて認められている憲法上の緊急権についても、積極的に議論を始める必要があると思われる。(ももち あきら)
----------------------------------------------------------------------------------------

関連掲示
・拙稿「憲法に感染症対応を含む緊急事態条項創設の議論を~西修氏」
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/4272d2fca38656e33340b0b7126434c8

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

インド54~ヒンドゥー教の起源と発展

2020-02-28 13:57:19 | 心と宗教
●ヒンドゥー教の起源

 ヒンドゥー教の起源について、インダス文明にまでさかのぼるとする説がある。確かにインダス文明の遺跡や遺物には、神像、大地母神等の女神崇拝、ヨーガ行者、リンガ崇拝、牛等の動物崇拝、祭儀での水の使用、火葬、卍等、後代のヒンドゥー教の習俗を思わせる宗教的な要素がある。また、ヒンドゥー教の起源を、アーリヤ人がインド亜大陸に侵入し、ヴェーダ文献が成立した時期に求める説もある。確かにヴェーダ文献はヒンドゥー教の聖典となっており、またヴェーダの宗教の祭官だったバラモン階級が、ヒンドゥー教においても祭儀を執り行っている。これらの点を重視すると、ヒンドゥー教は、インダス文明の宗教ないしヴェーダの宗教から連続するものであり、インダス文明の宗教ないしヴェーダの宗教を含めて、広義のヒンドゥー教と呼ぶ考え方が成り立つ。
 しかし、多数の学者は、ヒンドゥー教をそれ以前のインドの宗教と区別し、紀元前5世紀頃以降に成立したものという見方をしている。私は、この見方が妥当と考える。連続性を強調しすぎると、変化の重要性を見逃す。ヒンドゥー教は、インダス文明の宗教ないしヴェーダの宗教との連続性を認めつつ、独自性を持った宗教として、狭義で用いるべきと思う。
 それゆえ、本稿において、ヒンドゥー教とは、インド文明において、紀元前5世紀頃以降にヴェーダの宗教が先住民族の宗教との融合を通じて発達したものをいう。紀元前5世紀頃、ジャイナ教や仏教が興り、これらの新宗教に帰依する人々が増えると、ヴェーダの宗教は、支配者であるバラモンの宗教からの変化を迫られ、先住民族の土着信仰を吸収・同化しながら、しだいに新しい民衆宗教へと変化していった。こうして独自性を以って成立したインド文明の宗教が本稿にいうヒンドゥー教である。

●発展と隆盛

 ヒンドゥー教の成立後、紀元4~6世紀のグプタ朝の時代にインド亜大陸全体に伝播し、インドの民族宗教となった。この間、約1000年の歳月が経過している。
 グプタ朝は、320年にチャンドラグプタ1世がガンディース川中流域において創始した王朝である。その子サムドラグプタと孫チャンドラグプタ2世は、インドの大部分を征服し、マウリヤ王朝以後初めての統一国家を形成した。
 グプタ朝は、インドの伝統を重んじる民族主義的な王朝だった。この時代にインド古典文化は完成の域に達した。グプタ朝は、ヴェーダ聖典を尊び、ヒンドゥー教を国教のように遇した。また、バラモンの間の伝統的言語であるサンスクリット語を公用語とし、それによってインド全体の統一を図った。
 この時代に、文学では、サンスクリット詩人のカーリダーサが現れた。美術では、ヘレニズムの影響を脱したグプタ様式による仏像や神像が盛んに造られた。アジャンタの石窟寺院やサールナートの仏像彫刻等が有名である。そして、何より重要なことは、ヒンドゥー教が民衆に定着したことである。これは、ヴェーダの宗教がヴィシュヌ・シヴァ等への信仰や非アーリヤ系諸民族の慣習を吸収して、発展したものである。グプタ朝では仏教やジャイナ教も王によって保護されていたが、これらは無神教であり、自らの厳しい修行によって解脱を目指すものである。だが、民衆にとっては、その道を進むことは難しい。民衆は、姿形を持った神々を頼り、自らの願望を祈念して、現世的な利益を得ようとした。そうした民衆の心をとらえたヒンドゥー教は勢いを増し、仏教やジャイナ教より優位に立った。そして、インドの民族宗教となって、今日まで民衆に信仰されてきている。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

インド53~中後期密教、仏教の衰滅とヒンドゥー教の隆盛

2020-02-26 10:15:14 | 心と宗教
●仏教の密教化(続き)

・中期密教~『大日経』と『金剛頂経』
 650~700年頃、密教を代表する経典が成立した。『大日経』と『金剛頂経』である。これらの経典を以って、密教は中期密教の時代に入る。わが国では、中期密教を純正なものとし、純密(純粋密教)と呼ぶ。
 『大日経』は、インド中部で成立したと見られる。正式名称は『大毘盧遮那成仏神変加持経』という。『華厳経』は釈迦が悟りの内容を表した経典だが、『大日経』は大日如来が宇宙の真理である法を説く形式を取っている。すなわち、主役が釈迦から大日如来に代わっている。
 仏教では、人間の行為(業)は、身体的な活動である身業、言葉を発する活動である口業、心の活動である意業の3つに分ける。これらを総称して三業という。『大日経』では、大日如来の活動は不思議であることから、密と呼ぶ。その活動は身体・言葉・心の三つの活動として現れるとして、三密と呼ぶ。そして、人間の三業は、その隠された本性においては、大日如来の活動に他ならないとし、これを衆生の三密という。
 人間の三密と大日如来の三密は交流し、一つの活動となり得るとする。小宇宙である人間の活動と大宇宙である大日如来の活動が一体化した状態を目指して、瑜伽(ヨーガ)行を行う。この行法を三密行と呼ぶ。三密行は、身密、口密、意密の行を実践するものである。
 身密行とは、手に印契(ムドラー)を結ぶ儀礼である。印契は手の動作であり、一定の意味を持つ指の組み合わせである。口密行とは、口に呪文を唱える儀礼である。呪文は、長いものは陀羅尼(ダーラニー)、短いものは真言(マントラ)という。ヴェーダには、病気治癒・除災・長寿等を祈願する呪文が多く含まれている。密教の陀羅尼・真言は、それらに類似している。意密行とは、心に本尊を観念することである。密教の本尊すなわち諸仏の中心に置かれる仏は、大日如来である。本尊の観念とは、この信仰・祈祷の対象を心に思い浮かべる観想である。
 これらの三密行を実践することによって、修行者は自己と大日如来が一体化する境地を目指す。基本的な思想は、ヒンドゥー教における梵我一如、神人合一によく類似している。いわば仏我一如、仏人合一である。
 観想においては、マンダラが修行の道具として用いられる。『大日経』に基づくマンダラは、大悲胎蔵生曼荼羅、略して胎蔵界曼荼羅という。大日如来を中心として、諸仏諸尊が配置された図である。胎蔵界とは、母親が胎児を育むように、人間の仏性を育て、目覚めさせる仏の慈悲の世界を象徴したものと解される。
 『大日経』に続いて、7世紀後半に『金剛頂経』の中心部がインド南部で成立した。経典の名称の金剛頂とは、経典のなかの最高のものを意味する。この経典では、釈迦は金剛界如来とされ、如来が金剛界三十七尊を出生したとしたり、秘密の儀礼を詳細に述べたりする。金剛とはダイヤモンドのことであり、金剛界とは、ダイヤモンドのように堅固で壊れることのない仏の智慧の世界を象徴したものと解される。
 『金剛頂経』は、ヨーガの行法として、五相成身観(ごそうじょうしんがん)を説く。これは5段階からなり、自分の心の観察に始まって、心を集中し、ダルマ(真理)を観念する行法である。こうした行法を観法という。究極的な観法を、入我我入観という。これは、大日如来が我の中に入り、我が大日如来の中に入ると観想することである。それによって、大日如来と自分が一体であるという悟りを目指す。この考え方は、梵我一如の思想と非常によく似ており、仏教のヒンドゥー化の極致といえる。
 『金剛頂経』に基づくマンダラは、金剛界曼荼羅という。胎蔵界曼荼羅と同じく、大日如来を中心として、諸仏諸尊が配置された図である。ただし、構図が異なる。シナでは、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅は相補うべきものとされた。胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅を合わせて、両界曼荼羅という。慈悲と智慧、女性的なものと男性的なものという対立物の一致、両極の融合を見ることができる。陰陽の思想の影響だろう。
 密教の経典の重要なものとして、上記の2種の他に『理趣経』がある。大日如来が真実の智慧すなわち般若の極致である理趣は、愛欲や欲望を汚れないものとする一切法自性清浄であると説き、その悟りを目指す即身成仏について述べている。
密教は、シナ、日本等に伝えられた。シナでは8世紀に衰退したが、恵果に学んだ空海がわが国で真言宗を開いた。最澄による天台宗の台密に対して、東密と呼ばれる。

・後期密教~タントラ仏教
 7~8世紀以降にインド南部で、タントリズムと呼ばれる宗教集団が盛んになった。タントリズムは、タントラという経典を奉じる集団の総称である。ヒンドゥー教において、シャクティ派からほかの宗派に影響が広がった。それらの経典は、呪術的・神秘主義的性格が強く、また現世の快楽や性愛を積極的に肯定する。
 タントリズムの影響は、仏教にも及んだ。8~12世紀にかけて、密教とタントラの思想が融合したタントラ仏教が興隆した。人間の煩悩や愛欲は抑制されるべきではなく尊重されるべきであるとした。これを後期密教という。後期密教は、教勢の衰えいく仏教の中で主流を占めるようになったものの、ヒンドゥー教のタントラ教と変わらなくなり、やがてインドから姿を消した。
 タントラ仏教は、日本には入らなかった。チベットには8世紀末にパドマサンババによって伝えられた。民族宗教のボン教と習合してチベット仏教(ラマ教)となった。

●仏教の衰滅とヒンドゥー教の隆盛

 大乗仏教以降のインド仏教の歴史は、数世紀にわたる仏教の有神教化及びヒンドゥー化の過程だった。ヴェーダの宗教から出現した仏教が有神教化し、さらにヴェーダの宗教が発達したヒンドゥー教から逆に影響を受け、ヒンドゥー化した。多神教的な性格を強めた仏教は、積極的にヒンドゥー教の神々や儀礼を採り入れた。これによって密教化した仏教は、一段とヒンドゥー化を深め、ヒンドゥー教と融合し、やがて衰滅していった。
 インド北部では、7世紀半ばにヴァルダナ朝が滅亡した後、13世紀までラージプートと呼ばれる地域的な諸王朝が興亡する分裂時代が続いた。この間、イスラーム勢力が侵入を繰り返し、13世紀にはインド東部にまで勢力を広げた。イスラーム教徒は、各地で仏教の寺院を破壊した。1203年に、当時仏教の最後の拠点だった密教のヴィクラマシーラ寺院が滅ぼされた。これを境に、インド仏教は消滅した。
 仏教は、一方ではヒンドゥー教に大きな影響を及ぼしもした。ヒンドゥー教最大の学派であるヴェーダーンタ学派は仏教、特に唯識説の影響を受け、一切の現象は識の顕現であると解釈するようになった。その学派を代表するインド最大の哲学者シャンカラは、仏教を深く研究して独自の思想を説いたので、「仮面の仏教徒」と呼ばれる。シャンカラをはじめとするヒンドゥー教の哲学者によって、仏教の教義の相当部分がヒンドゥー教に摂取された。ヒンドゥー教は、共通の土壌であるヴェーダの宗教から現れた仏教を、旺盛な同化力を以って包摂してしまったのである。今日、インドにおいて仏教はヒンドゥー教の一派とされている。その一方、インド独立後、カースト制に苦しむ不可触(自称ダリット)約50万人が仏教に改宗したことで、仏教がインドで復活した。彼らは、新仏教徒と呼ばれる。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

新型コロナウイルス問題:日本の対応は中国追従で自滅的

2020-02-25 14:23:40 | 時事
 新型コロナウイルス問題について、最近得た情報を掲示します。安倍総理大臣や加藤厚労大臣の側近は、下記のようなレベルの情報や意見を収集・整理して、両大臣に上げるべきです。

●新型コロナウイルスは生物兵器に間違いなし

大紀元 20200218:
 「湖北省武漢市では昨年9月、新型コロナウイルスの発生を想定して、模擬演習を行っていた」
 「昨年10月18日、武漢でミリタリーワールドゲームズが開催された。その準備作業の一環で9月18日、武漢天河国際空港で大会専用通路の試験運用を行った。大会事務局は同日、空港で新型コロナウイルスの感染者が発見されたことを想定し、応急処置の演習を行った」
 「当時の報道内容は現在発生している新型コロナウイルスを彷彿とさせるものだった。例えば、『航空会社から天河国際空港に”間も無く入国する飛行機に体調不良の乗客がおり、呼吸困難で心拍などが安定していない”との連絡が入った』『空港は即時、応急対応体制を発動し、感染者の搬送を行った』『濃厚接触者と一般接触者を特定し、経過観察を行った』『2時間後に新型コロナウイルスによる感染が確認された』」
 「記事によると、感染病調査、医学検査、臨時検疫ブースの設置、接触者の隔離、患者の移送、衛生処理などの応急措置の全過程を実戦方式で行ったという」

水間政憲氏の発言から 20200221:
「2月19日にロシア政府衛生部長が武漢コロナウイルスは中国が人工的に造ったと発表。昨年9月26日の露朝イラン等参加の中国開催軍事訓練で武漢コロナの中国公式名称『新型環状病毒』の名を使用していたから、露朝米等は即座に国境封鎖等を開始」
(※武漢での演習は昨年9月18日。その8日後に国際的な軍事訓練)

●中国の実態は極めて深刻

ANNニュース 20200221:
 中国で新型コロナウイルスの感染から回復した人が、再び感染したことが明らかになった。中国・四川省で新型コロナウイルスに感染し入院していた患者は10日に退院し、10日間、自宅隔離となっていた。おととい、検査を行ったところ、再び新型コロナウイルスの感染が確認され、家族とともに入院した。なぜ再び感染したかは明らかになっていない。中国政府の衛生当局は、きのうまでに1万8264人が退院したとしているが、回復したとされる人も再び感染する可能性が明らかになった。

河添恵子氏のツイートから 20200221:
 「武漢の病院内部から出た直近の情報。重症患者の死亡率は50%。肺の中が分泌物で満杯になり溺死のような状態で死亡する、という」
 「北京が‶毒都〟になったとの情報が先日から噴出! しかも西城区の複数の大病院から、アウトブレーク(集団感染)が起きている。西城区には最高幹部の居住地もある『中南海』他、規律委員会、組織部、宣伝部、国務院など中央の単位120ほどが集中。18日に区長が『厳格な地区閉鎖管理』を宣布」

●日本の対応は中国追従で自滅的

虎ノ門ニュース 20200220:
 有本香「中国からの個人旅行は止めてない」
 佐藤正久「外務省は日中関係だけ見て入国禁止は国益上マイナスと判断してるが、中国周辺で中国人が行ける国は日韓馬だけ。そして日本で2週間滞在すれば他国に行ける」
 有「踏台にされるし、発症したら日本の金で治療」
 佐「今も数万人単位で来てる」

門田隆将‏ @KadotaRyusho · 20200221:
 「現時点で中国人が行ける国は日本、韓国、マレーシアの3ヵ国。そこで2週間過ごせば“目的国”に行ける。しかも日本で新型肺炎発症なら日本政府が面倒を見てくれる。至れり尽くせりだ。中国人ビジネスマンが日本を目指す筈。次第に遠のく東京五輪。治療薬の報道が出始めているがそこに賭けるしかないのか」
 「米、豪、ベトナムなど厳しい中国人の入国制限を課した国は20日現在、感染者10人台でフィリピンは3人、インドネシア0人。入国禁止をしなかった日韓は急増。それでも日本では厚労相の迷走会見が続く。エイズや虐待死事件で見せた命を軽んじる同省の“不作為の罪”は今も不変だ」

産経新聞外信部の矢板明夫次長の講演 20200221:
 新型コロナウイルスで、中国は「政府の情報隠蔽で対応が遅れた。完全に人災」だ。中国の根回しで世界保健機関が緊急事態宣言を先送りし、武漢封鎖前に500万人が逃れ感染を広げた。米中貿易戦争は「米国の中国共産党掃討作戦」だ。共産党内では習氏の独裁体制が揺らいでいる。「実質マイナス成長で弱る中国は今、笑顔で日本にすり寄ってきている。日本は今こそ国益を考えて年内の習氏の国賓来日を阻止し、強気に出るべきだ」(産経神戸「正論」懇話会にて)

国際投資アナリストの大原浩氏 20200223:
 「媚中派の自民党を含む議員や官僚などが、国民の健康や生命を二の次にして中国に媚びを売ることに懸命になったことが惨劇を招いた」(ZAKZAKの記事)

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

インド52~密教の教え、初期密教

2020-02-23 08:53:21 | 心と宗教
●仏教の密教化(続き)

・密教の教え
 密教は、大乗仏教の発展の末に現れた宗派である。初期仏教教団では、呪術は禁止されていなかった。釈迦は出家者にも在家信者にも、直接の害のない限りは呪術を禁止はしなかった。徐々に、それらを積極的に認める傾向が現れた。そして、大乗経典には、陀羅尼(ダーラニー)・明呪等と呼ばれる呪文が盛られるようになった。さらに呪術的な儀礼を説く密呪経典も現れた。こうした動きは、ヒンドゥー教の影響によるもので、仏教においては傍流である。
 だが、4~6世紀のグプタ朝の頃に、この傍流が徐々に強まり、7世紀頃から勢いを増し、大乗仏教の他の宗派と区別される集団を形成した。それが密教である。
 密教とは、秘密に説かれた深遠な教えの意味であり、秘密教・秘密仏教・真言密教ともいう。密教の側から、密教以外の宗派を顕教(けんぎょう)という。顕教とは、広く民衆に開かれ、文字言語を以って教えを説くものである。密教は、これに対し、修行者の集団に限り、その教義と儀礼は師弟間で伝承される。また、象徴的・暗示的な表現が多い。
 密教の教義は、歴史上に現れた釈迦仏に対し、法身仏である大毘盧遮那仏(マハーヴァイロチャーナ・ブッダ) こそ真実の仏、本仏とする。毘盧遮那は、『華厳経』に現れる仏である。原語のヴァイロチャーナは「輝きわたるもの」を意味することから、シナで「大日」という意訳も行われた。これが漢訳経典の名前に使われている。『大日経』では、大毘盧遮那仏が大日如来と呼ばれる。
 密教は、自らを大日如来が説く教えであると主張し、それ以外の仏や菩薩は、すべて大日如来に包含され、大日如来の徳を表すと説く。これは、一即多、多即一の論理構造を示す思想である。さらに、従来の宗派にはなかった明王が多く加わり、仏教以外の神々や聖者を取り込み、これら多数の諸尊も、みな大日如来の現れであるとする。
 こうした大日如来を中心・根本とする諸仏諸尊を図示したものをマンダラという。シナ仏教では、曼荼羅と書く。マンダラは、ユングが分析したように、円または4の倍数を要素とする。密教のマンダラも円または4の倍数を要素とし、その要素を持つ構図に、諸仏諸尊が配置されている。
 密教では、衆生は本来仏性を具有しているとし、密教の教義を修め、秘密の儀礼を実践することによって、仏・菩薩と感応し、肉身のままで究極の境地に達し、仏陀となることができると説く。これを即身成仏という。即身成仏は、ヒンドゥー教における生前解脱に当たる。初期仏教・部派仏教は現世否定的だったが、密教は現世肯定的である。ヒンドゥー教では個我における輪廻転生の世界からの脱却が目標だが、密教ではむしろ現世における救済活動に重点が置かれている。この点が利他をよしとする大乗仏教の一派としての特徴を示している。

・初期密教~仏教の一層のヒンドウー化
 グプタ朝は6世紀に滅亡し、その後、7世紀初め、北インドにヴァルダナ朝が成立した。その王ハルシャ=ヴァルダナは仏教に帰依し、仏教を保護した。グプタ朝時代に設立されたナーランダー僧院に唐から玄奘や義浄が来て学んだのは、彼が統治した時代である。だが、彼の死後、内部抗争が激しくなり、ヴァルダナ朝は7世紀半ばに滅んだ。そのため、仏教は王朝の保護を失い、教勢が衰えていった。
 こうした展開のあった7世紀頃から、密教はベンガル地方で盛んになった。この時代の密教を初期密教という。わが国では、後の時代の密教と区別して雑密(ぞうみつ、雑部密教)とも呼ぶ。
 初期密教は、ヒンドゥー教の神々を多数組み入れた。最高神シヴァは大黒天、ヴィシュヌ神の妃ラクシュミーは吉祥天、ブラフマーの妃サラスヴァティ―は弁才天、象頭のガネーシャは歓喜天となった。他にもシヴァの次男である軍神スカンダは韋駄天、夜叉の女神ハーリーティーは鬼子母神となるなど、ヒンドゥー教由来のものが諸仏・諸菩薩と一緒になって、仏教的な表現のもとに、一種のパンテオン(汎神殿)を構成している。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

憲法に感染症対応を含む緊急事態条項創設の議論を~西修氏

2020-02-22 08:45:04 | 憲法
 駒沢大学名誉教授の西修氏は、令和2年2月19日付の産経新聞の記事で、新型コロナウイルス問題に関して、憲法に感染症を含む緊急事態条項を設ける議論を提案した。
 世界的規模の感染拡大について、自民党の幹部や日本維新の会の馬場伸幸・幹事長らは、国家緊急事態条項の新設を考える契機になるのではないかと述べた。 これに対して、立憲民主党の枝野幸男代表は「人命に関わっている問題を憲法改正に悪用しようとする姿勢は許されない」と批判し、公明党の山口那津男代表ら同党の幹部も、消極的な発言をしているが、西氏は「人命に関わる重大な事案であるからこそ、憲法レベルで論議すべきではないのか」と問いかけている。
 西氏は、各国憲法に緊急事態との関連で感染症がどのように扱われているのかを調査した。その結果、エチオピア、ホンジュラス、ヨルダン、ネパール、台湾、トルコなど、少なくとも18カ国・地域の憲法に「一定の地域に予想を超えて発生する感染症」(エピデミック)、「世界的に流行する感染症」(パンデミック)が、戦争や内乱、大規模な自然災害などとともに、「国家的緊急事態」のなかに包摂されていることが分かったという。 ネパールでは、2015年の新憲法で「重大な緊急事態」にエピデミックが挿入された。またトルコでは、2017年の改正により、憲法にパンデミックが加えられた。
 西氏は、「今日、憲法に国家緊急事態条項を設定するのは、世界の憲法常識といえる。ちなみに、私が1990年以降に制定された104の憲法を調査したところ、同条項を欠いている憲法は皆無であった」と書いている。そして、 「緊急事態対処条項の本質は、予測し得ない緊急事態が発生した場合に、国の独立と平和、国民の生命と身体を防護し、もって憲法秩序の回復をはかる点にある。この点を理解すれば、与野党の別なく、議論が集約されるはずだ。その具体的ありようを真摯(しんし)に議論すべき場である憲法審査会の審議が、遅々として進んでいない。怠慢きわまりない。一刻も早く審議が進むことを心底から願いたい。」と訴えている。
 以下は西氏の記事の全文。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●産経新聞 令和2年2月19日

新型肺炎、憲法レベルで論議を 駒沢大学名誉教授・西修
2020.2.19

 昨年の12月初旬に中国湖北省の武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。
 中国本土では18日午前0時現在、感染者は7万2436人、死者1868人に達し、世界各地に波及している。わが国では80代の女性が死亡し、中国への渡航歴のない医師や、経路不明の感染者が各地で続出している。

≪世界の緊急条項と感染症≫
 このような世界的規模の感染拡大について、自民党の幹部や日本維新の会の馬場伸幸・幹事長らは、国家緊急事態条項の新設を考える契機になるのではないかと述べた。
 これに対して、立憲民主党の枝野幸男代表は「人命に関わっている問題を憲法改正に悪用しようとする姿勢は許されない」と批判し(産経新聞2月1日付)、公明党の山口那津男代表ら同党の幹部も、消極的な発言をしている。
 人命に関わる重大な事案であるからこそ、憲法レベルで論議すべきではないのか。
 私は、各国憲法に緊急事態との関連で感染症がどのように扱われているのかを調査してみた。
 その結果、エチオピア、ホンジュラス、ヨルダン、ネパール、台湾、トルコなど、少なくとも18カ国・地域の憲法に「一定の地域に予想を超えて発生する感染症」(エピデミック)、「世界的に流行する感染症」(パンデミック)が、戦争や内乱、大規模な自然災害などとともに、「国家的緊急事態」のなかに包摂されていることが分かった。
 このうち、ネパールでは、1990年の旧憲法には入れられていなかったが、2015年の新憲法で「重大な緊急事態」にエピデミックが挿入された。またトルコ憲法(1982年)は、2017年の改正により、パンデミックが加えられた。
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「今回の新型コロナウイルスはテロよりも大きな脅威である」と語った。中国の習近平国家主席は「人民戦争」と名づけている。

≪なぜ現行憲法にないか≫
 百地章・国士舘大学特任教授は、現行法では対処に限界があること、終局的には憲法の定める居住・移転の自由(22条1項)や人身の自由(31条)との関係が問われることになると指摘している(2月12日付本欄)。
 このようなことにかんがみれば、今回の新型コロナウイルスへの対応を憲法改正との関連で考察の一材料にしようというのは、ごく当然のことだ。決して「悪用」ではない。
 現行憲法になぜ「緊急事態対処条項」が入れられなかったのか。政府の当初案には、国会が召集できない場合の緊急措置条項が設けられていたが、連合国軍総司令部(GHQ)によって拒否された。
 GHQ側は、憲法に明示されていなくても、行政府にはエマージェンシー・パワー(緊急権)が認められるので、それで対応すれば十分だというのである。エマージェンシー・パワーとは、国家に緊急事態が発生すれば、行政府は既存の法律に反しない限り、必要なあらゆる措置を講じることができるという英米法に基礎をおく考え方である。
 しかし、このような考え方は、法律に明示されていることしかできないという明治憲法以来とってきたわが国の法体系とは異なる。そこで、日本側はしつこく談じ込み、何とか54条2項と3項に参議院の緊急集会の規定を導入することができた。
 この参議院の緊急集会は、衆議院が解散中に参議院が暫定的な措置をとるものであって、国民の権利の一時的制約を伴うものではなく、本来の意味の緊急事態条項とはいえない。

≪国民の命守る本質理解を≫
 今日、憲法に国家緊急事態条項を設定するのは、世界の憲法常識といえる。ちなみに、私が1990年以降に制定された104の憲法を調査したところ、同条項を欠いている憲法は皆無であった(拙著『憲法の正論』産経新聞出版、令和元年)。
 自民党の「たたき台素案」では、「緊急事態対応」として、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」に限定し、暫定的に政令を制定することと、衆参両院議員の任期の特例を定めることができる改正案を提示している。
 各国憲法は、外部からの武力攻撃や内乱など正当な憲法秩序が維持されない場合を主要な対象としている。このような憲法動向からみて、自民党素案はいささか制約的すぎる感じがする。
 緊急事態対処条項の本質は、予測し得ない緊急事態が発生した場合に、国の独立と平和、国民の生命と身体を防護し、もって憲法秩序の回復をはかる点にある。
 この点を理解すれば、与野党の別なく、議論が集約されるはずだ。その具体的ありようを真摯(しんし)に議論すべき場である憲法審査会の審議が、遅々として進んでいない。怠慢きわまりない。一刻も早く審議が進むことを心底から願いたい。(にし おさむ)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

インド51~仏教の密教化

2020-02-20 16:01:33 | 心と宗教
●仏教の密教化

◆『華厳経』
 大乗仏教は、段々密教化していった。密教化は、仏教の根本的な有神教化の帰結である。仏ヒンドゥー教のヴィシュヌを連想させる。仏教の概念を用いてはいるが、毘盧遮那仏は一種の宇宙神と見ることができる。太陽の光明を神格化した自然神を宇宙神に高めたものである。教の有神教化をよく表す経典に、『華厳経』がある。
 『華厳経』は『大方広仏華厳経』の略称である。小さな経典を集成したもので、最古の部分は1~2世紀頃に作られ、全体は4世紀頃中央アジアで成立したものと見られる。
 釈迦が悟りの内容を表した経典とされ、全世界を毘盧遮那仏(びるしやなぶつ)の顕現とする。毘盧遮那とは、「輝きわたるもの」を意味する言葉であるヴァイロチャーナの音訳である。元は太陽の光明のことだったが、仏教では法身仏の名称の一つとなった。原義から光明遍照とも意訳された。毘盧遮那仏は宇宙に遍満し、光明で宇宙を照らす仏とされる。太陽神から最高神になった
 『華厳経』は、有神教的な世界観を示しつつ、空の思想を以って縁起の理法を説く。その縁起説は、法界縁起と呼ばれる高度なものである。あらゆる個々の事象に一切が含まれ、すべてのものが互いに関連し合って尽きることなく生起し合う世界を表す。そして、一塵の中に全世界が宿り、一瞬の中に永遠があるという、一即一切、一切即一の世界構造を示している。
 『華厳経』は、シナで法順が設立した華厳宗において、根本経典とされた。この宗派の寺院である東大寺の大仏は、毘盧遮那仏を造形したものである。シナで智顗が開創した天台宗は、『法華経』を中心とするが、『華厳経』も重んじる。ヒンドゥー教の影響を強く受けて出現した密教もまた『華厳経』を重視する。

◆密教

・グプタ朝と密教化
 仏教は、クシャーナ朝の時代にはインド北西部を中心に栄えた。だが、クシャーナ朝が3世紀後半から衰退してササン朝ペルシャに滅ぼされると、教勢は大きく減衰した。4世紀には、グプタ朝がガンガー中流域に登場し、インドのほぼ全域の統一支配を回復した。そして、6世紀にかけてインド古典文化の黄金期が展開された。グプタ朝では、ヴェーダ文献とバラモンの権威が重んじられた。ヴィシュヌ・シヴァ等への信仰や非アーリヤ系諸民族の慣習を吸収したヒンドゥー教が、民衆に定着した。ヒンドゥー教が国教のように遇され、仏教は劣勢に転じた。
 仏教は、西方貿易で利益を得る豪商階級の保護を受けていた。だが、476年に西ローマ帝国が滅ぶと、富裕な商人たちが没落し、彼らの援助を失った。そのため仏教は、5世紀末から急速に衰えていった。主に商業者が信奉するジャイナ教も同様だった。
 当時仏教は如来・菩薩等の多くの信仰対象を持つ多神教の様相を呈していた。ヒンドゥー教が盛んになると、仏教はヒンドゥー教の神々を採り入れて、一層ヒンドゥー化した。ヒンドゥー化の進行で、それまで仏教に入り込んでいた呪術や密法をより積極的に行うようになった。こうして現れた宗派を密教という。密教は、やがて中観派・唯識派等を押しのけ、インド仏教の主流になっていった。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

新型コロナウイルスの危機を日本人の団結で乗り越えよう

2020-02-19 09:46:39 | 国際関係
●世界的な状況

 新型コロナウイルスによる肺炎について、感染拡大がピークになるのは2月末から3月初め、3~4月、5~6月等、様々な予想がある。最も重要なのは、感染拡大が地球規模の大流行すなわちパンデミックになるのを防げるかどうかである。
 2月11日、WHOのシニアアドバイザー、進藤奈邦子氏は、「パンデミックを防げるかどうかはこの2~3週間が勝負になる」との見方を示した。中国において、「今後2~3週間で他の省(註 湖北省以外)で感染をいかに食い止められるかが重要になる」との分析である。この観測が当たっているかどうか、私にはわからないが、いずれにしても、中国共産党政府に、地球的なパンデミックの防止を行なう能力があるかどうか。そこに、人類の多数の生命と健康がかかってきていると思う。

●わが国の危機管理の甘さ

 2月13日、日本国内で新型コロナウイルスの肺炎による最初の死者が出た。中国人の客を乗せたタクシーの運転手からその義母へ、または運転手の妻からその母への感染と見られる。武漢市での新型肺炎の感染拡大後、わが国は中国人の入国を規制していない。春節の時期に日本から中国に帰省した中国人在留者が多数、日本に戻ってくる。このような状態では、中国人から日本人への感染が全国で同時多発的に起こるのは、当然予想されるところだった。
 なぜ、わが国の政府は、新型コロナウイルスによる肺炎が中国で猛威を振るい始めた時、台湾、フィリピン、米国等に続いて、中国人の入国を拒否しなかったのか。そして、今もなお中国人の出入国禁止の措置をしないのか。あまりに愚かしく、何が根本的な理由かわからないが、以下のようなことは考えられる。

(1)習近平国賓招待に影響するため
(2)中国に大きく依存するインバウンド経済に影響するため
(3)中国友好の雰囲気が損なわれるため
(4)中国に弱みを握られている政治家・官僚が中国を怒らせないよう自己を保身するため

 国内で最初の死者が出た後、産経新聞は2月15日の社説「主張」で、新型コロナウイルス問題への政府の取り組みについて、政府に迅速な決断・対応を求めた。
 「日本は米英などと異なり、中国からの旅行者の入国を認めるなどざるで水をくむような出入国管理をいまだに続けている。横浜の大型クルーズ船への対応は内外で『感染を広げた』とみなされ、日本の印象を損なっている。水際対策で政府は後手に回ってきた点を猛省し、国民の生命と健康、社会を守るため、今後は迅速な決断、対応に努めるべきだ」
 政府に迅速な決断・対応を求めた点はよいのだが、中国からの旅行者の出入国について、明確には禁止を求めておらず、中途半端な表現にとどまっている。
 こうしたなかで、いよいよ国内各地で感染が広がり出した。東京でも1人から8人、26人と日を追うごとに増えている。だが、政府は、今なお中国人の出入国を禁止していない。危機管理がまともにできていない。その状態で、全国各地で国民の生命と健康が見えない危険にさらされつつある。
 中国の首都・北京では、帰省先などから戻ってきたすべての人を対象に14日間、自宅や特定の施設で経過観察する措置を義務付けた。従わなければ厳罰に処す。中国は、首都防衛のための緊急事態体制を敷いている。中国政府の公式発表の示す数字とは、明らかに異なるレベルの対応をしている。
 わが国の首都・東京は、皇族をはじめ、首相、大臣、各界の指導層等、国家・民族の枢要な人物が集中している。その首都で日々刻々、見えない脅威が深く広がっている。「政府は、その危機に目を覚ましなさい!」と一喝したいところである。
 どうしてわが国は、これほど国家的な危機管理が弱いのか。私は、大東亜戦争の敗戦後、戦勝国から押し付けられた憲法によって、国防を他国に依存する体制が続いていること、また憲法に緊急事態条項がなく危機管理の制度に不備があることに、根本的な原因があると思う。
 では、どうしたらよいか。私は、憲法を改正し、日本人自身の手で国を守る体制を回復し、また緊急事態条項を設けて、国防と防災を一体のものとして強化し、国家指導者から一国民までが、不断の備えと訓練を行うことだと思う。

●中国で習政権への批判が

 2月6日、武漢市の李文亮医師が新型肺炎で死亡した。そのことが、中国国内で大きな影響を与え、習近平政権への批判の声が上がっている。
 李医師は、昨年12月30日医師たちが参加するグループチャットで、海鮮市場で7人がSARSに罹っている旨を発信した。いち早く新型コロナウイルスによる肺炎の発生を知らせ、警告を発するものだった。だが、武漢市の警察は、李医師を呼び出し、「ウソの言論を発表した」「社会秩序を著しく乱した」とする訓戒書に署名させた。情報隠蔽、言論弾圧である。
李医師は、本年1月8日新型肺炎の疑いが強い患者を診察した。その患者から感染して死亡した。34歳の若さだった。
 そのことが伝わると、武漢市内の武漢大学、華中師範大学等の教授が実名で公開書簡を発表し、政府に対して、新型肺炎情報の告発者に対する処分が過ちであることを認めること、また今後、憲法によって保証されるはずの言論の自由に対するいかなる制限も行わないことを要求した。
 北京外国語大学の展江教授は、真実を明らかにする人々を守るために、告発者保護法を制定することを提案した。
 許章潤清華大学法学院教授は、2月7日新型コロナウイルス問題への対応に関して、習近平体制を批判する文章をネット上に掲載した。許氏は、言う。「最初は口を閉じて真相を隠し、その後は責任を逃れ、感染拡大を防ぐ機会を逃した」。庶民の言論や行動を厳しく監視することが「当然存在すべき社会の情報伝達と早期警戒のメカニズムを圧殺」した。これが感染の拡大の原因であり、「人々はとうに権力の神話を信じていない」と。局面を好転させるには、主権が庶民になければならないと主張しているこれは民主化以外に問題解決の道はないという主張であり、命がけの発言と思う。
 許氏をはじめ北京大学・清華大学等の著名な学者・知識人が連名で、全国人民代表大会とその常務委員会への公開書簡を発表し、「言論の自由はなければ国民の安全はない」と訴え、李医師が死去した日を「国家言論自由の日」とすることを要求した。

●ファシズム的共産主義との闘い

 2月15日、中国の国家衛生健康委員会(NHC)は、中国国内で新型コロナウイルスの感染者は6万8500人、死者は1665人と発表した。この数字は、虚偽と見るべきである。
2月6日のマイブログの記事に書いたが、2月1日中国の大企業・騰訊(テンセント、Tencent)のニュースは、感染者15万4023人で、死者2万4589人という数字を伝えた。そのニュースは一瞬にして削除されたという。
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/1f0c5f5cf7c7d89f81f21a09ca92b268
 その後も中国国内から厳しい情報統制の網をくぐって伝えられてくる様々な情報から判断すると、現在の中国の公式発表の数字は、おそらく感染者、死者とも実態と二桁違う。
 大紀元の2月14日付の記事は、中国共産党共青団中央から漏洩した内部情報により、武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、感染者300万人、死者20万人以上と伝えた。おそらくこの数字の方が、中国共産党当局の発表する数字より、実態に近いに違いない。
 騰訊のニュースの数字の出所は不明だが、2週間で死者が2万4500人超から20万人超への増加は8.16倍。重病化する症例が多いことから、あり得る増加率かと思う。
 この期に及んでなお、中国共産党は、中国人民に向けても、また世界に向けてもウソの数字を伝えて、自らの失態をごまかそうとしているのである。
 新型コロナウイルスの概要をまとめたFBポストを紹介する。

・15秒で感染し、米英では空気感染扱い
・抗生物質が全く効かない
・致死率インフルエンザの3000倍
・ドアノブ等で9日程度潜伏
・糞便から飛び出て何度も再感染する
・無症状でも感染拡大
・PCRを何度も突破
・男性は回復しても不妊を確認
・HIV、エボラ等、複数特性を持つ
・高温多湿でも活発に活動
・発症まで最長40日
・肺炎が治っても心筋炎、肝不全、多臓器不全で即死のリスク
・治療薬無し。バイオセーフティーレベル4
・若くて持病なしでも死亡の可能性

 中国共産党軍の最高権力機関である中央軍事委員会のウェブサイト「西陸網」は、「生物兵器の前では、原爆でも水素爆弾でも、まったく武器にはならないかもしれない」と書いた。上記の概要を読むと、なぜここまでの表現をしているかが、推察できる。
 新型コロナウイルスという生物兵器は、一か所で一回使用するだけで、原爆・水爆以上の殺傷力を発揮し、放射能以上の影響拡大力を発揮する可能性を持つことを、中国の軍および共産党の最高指導部は知っていたのだろう。この悪魔の兵器から自分たちの生命を守るためのワクチンを開発・製造する前に、自爆事故でウイルスが漏出してしまったのだろうと考えられる。
 人類が生み出した最悪の思想である中国のファシズム的共産主義が強力な生物兵器を開発し、その漏出による自爆事故で、武漢市の人々をはじめとする多くの中国人民が生命の危険にさらされている。独裁政権による情報隠蔽・虚偽情報が被害を増大させている。また各国への感染拡大でこの危険が地球各地に拡散している。新型コロナウイルスへの対策は、中国及び世界におけるファシズム的共産主義との闘いでもある。

●感染拡大の予想と自然治癒力の発揮

 国立感染症研究所感染症情報センターは、2008年に首都圏の感染拡大シミュレーションを作成した。そのシミュレーションは、首都圏の鉄道に新型インフルエンザを発症した人が1人乗ったと仮定した場合、まったく対策を取らなかった時は、重症軽症を含めた感染者数が1週間で12万人に拡大する可能性が高いとした。これは最悪の数値だが、比較的過小評価した予測でも10日で12万人を超える規模になる。こたびの新型コロナウイルスの感染者は、このシミュレーションを当てはめれば、既に潜在的な感染者が数万人規模で国内に存在していると見られる。
 鉄道だけでなく、タクシー・バス等の他の乗り物、屋形船での新年会の例のような飲食店、ホテル・旅館、病院・学校、スーパーマーケット、宅配等、様々な感染の機会が考えられる。これまでのインフルエンザの流行と違って、感染している可能性のある中国人が多数、出入国している状況での展開だから、鉄道のみ、内国人のみのシミュレーションより数倍の規模・速度となるかと思う。
 また、感染の広がりは、当然のこととして、全国に及ぶ。鉄道だけをとっても、新幹線や基幹の在来線、各地域の私鉄・地下鉄等がウイルスの移動・拡散の主たる経路となり得る。また、首都圏に続いて人口密度が高く、人の移動が多い地域ほど、感染が広がりやすいだろう。
 人類は地球に発生して以来、あらゆる種類の細菌に接してきた。結核、コレラ、ペスト、チフス、天然痘等。それによって多くの人命が失われながらも、人類は繁殖を続け、今や70億人規模にまで人口が増えている。それは、人類には、各種の細菌に侵されないだけの生命力、自然治癒力が内在しているからである。その力が十分発揮されていれば、強力な細菌に接してもそれに負けずに生き続けることができる。細菌から健康を守るための衛生や、ワクチン等の開発は必要だが、それ以上に自らの生命力、自然治癒力をいかにして十分働かせるかが重要である。今回の新型肺炎の流行を機に、人間はもっと自らの生命力、自然治癒力に目を向け、いかにそれを発揮するかに取り組むべきと思う。医学もまたこの根本的なところでの思想と姿勢の転換をなすべきである。

●日本人は団結して危機を乗り越えよう

 新型コロナウイルスによる肺炎は、中国の次に感染が拡大する国が、日本となることは間違いない。東京や大阪が北京や上海のようになるのは、時間の問題だろう。新型コロナウイルスへの特効薬やワクチンの開発・製造がわずか数週間で出来、数か月で大量に製造される可能性は低い。
 日々感染者、重症者、死者が増えていくと、諸外国は日本人の入国を禁止したり、自国民の日本への渡航を禁止したりするだろう。日本に在留する自国民に自国への帰国を促したり、大公使館の職員の帰国を行ったリする段階が来るかもしれない。それによる日本経済への影響、国民の生活への波及は深刻なものになるだろう。
 さらに想定しておかねばならないのは、在日米軍の兵士の一部やその家族が米国に避難するとか、日本周辺の基地に移動するという可能性である。そうなると、軍事的な安全保障の機能が低下する。その隙をついて、周辺国が日本の領土に侵攻する恐れが高まる。
 わが国は、国防を規制され、また緊急事態条項を欠いた憲法を戦勝国に押しつけられ、その憲法を改正することなく、今日まで来てしまった。そのため、政治家や官僚に本当の危機意識が育たず、また未曽有の事態に対応する能力が鍛えられていないのだと思う。それが新型コロナウイルス問題でまたしても露呈した。そのうえ、日本を弱体化させようとする外国勢力や日本の国柄を破壊しようとする左翼政党が、立法機関・行政機関に深く入り込み、強い影響力を及ぼし、国家の機能を半ば麻痺させている。
 私は、わが国は中国における新型コロナウイルスの自爆事故のあおりを食って、いま亡国の危機に直面していると思う。その危機を招いた原因の一つは、憲法の欠陥に加えて、政治や官僚が共産中国に精神的な従属状態にあり、中国がらみの事柄になると、まともな危機管理ができていないことにある。精神的な立て直しが必要である。
 迫りくる危機の増大の中で、日本人は日本精神を発揮して団結し、この危機を乗り越えなければならない。東日本大震災の福島原発事故でメルトダウンによる首都圏潰滅の危険性が高まった時、一つは懸命に人事を尽くすこと、そして人間の努力の範囲を超えるところについては、神に祈ることを私は日々、ネット上で呼びかけた。日本人は、いま新たな脅威に対して、日本精神を発揮して団結し、人事を尽くすこと、そして、ともに神に祈る心を取り戻すべき時にあると思う。

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

習政権は新型コロナウイルスの開発・漏出で自爆自壊へ

2020-02-18 08:44:01 | 国際関係
 2月13日、日本国内で新型コロナウイルスの肺炎による最初の死者が出た。中国人の客を乗せたタクシーの運転手からその義母へ、または運転手の妻からその母への感染と見られる。武漢市での新型肺炎の感染拡大後、わが国は中国人の入国を規制していない。春節の時期に日本から中国に帰省した中国人在留者が多数、日本に戻ってくる。このような状態では、中国人から日本人への感染が全国で同時多発的に起こるのは、当然予想されるところだった。
 いよいよ感染が広がり出した。東京でも1人から8人、14人と日を追うごとに増えている。だが、政府は、今なお中国人の出入国を禁止していない。危機管理がまともにできていない。その状態で、全国各地で国民の生命と健康が見えない危険にさらされつつある。
 中国の首都・北京では、帰省先などから戻ってきたすべての人を対象に14日間、自宅や特定の施設で経過観察する措置を義務付けた。従わなければ厳罰に処す。中国は、首都防衛のための緊急事態体制を敷いています。中国政府の公式発表の示す数字とは、明らかに異なるレベルの対応をしている。
 産経新聞の湯浅博記者は、令和2年7日の同紙の記事に、次のように書いた。
「新型コロナウイルスとの闘いは、中国型の全体主義モデルが21世紀の世界に有効か否かが試されることになった。恐ろしい感染症の汚染源を封じ込め、拡散を制御し、国際社会に結束を求める技と度量が問われている」
 この文言は、新型コロナウイルスが中国共産党が開発した生物兵器であるという可能性を考慮していない。あくまで自然発生したウイルスを、中国型全体主義体制が封じ込めて、克服できるかという観点から書いている。
 湯浅氏は、記事の中で、米国のクレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授の発言を引用している。
 「ペイ教授は「コロナウイルス事件とは中国型独裁の病気である」と見抜いていた。習政権にウイルスの早期封じ込めができないのは「一党独裁国家の存続が、秘密、メディアの弾圧、市民的自由の制約にかかっているからだ。中国共産党の権威を維持する必要から、かえって中国と世界の安全を損なう」と、全体主義の宿痾を指摘した」と。
 ペイ氏は、中国共産党は一党独裁国家の存続、共産党の権威の維持を図ろうとするから、ウイルスの早期封じ込めができず、世界の安全を損なうことになっていると指摘している。この見方は、その限りでは当たっている。だが、ここでも、新型コロナウイルスは中国共産党が開発した生物兵器であり、その極めて危険な人工ウイルスの管理に失敗したため、大規模な自爆事故を起こした可能性は考慮されていない。中国共産党政権が最も恐れているのは、新型コロナウイルスは中国共産党が開発した生物兵器であり、その極めて危険な人工ウイルスの管理に失敗したため、大規模な自爆事故を起こしたという情報が広まると、政権の存続、体制の維持が困難になるという見方を欠いている。
 シナ系日本人評論家の石平氏は、産経新聞2月6日付に次のように書いた。
 「25日の共産党政治局常務委員会議で、党中央の「疫情対策指導小組」、すなわち新型コロナウイルス拡散阻止の「対策本部」が新設された。その組長に就任したのは李克強首相である」「本来、習主席自身がその「組長」になると思われた。国家の一大事への対処にあたっては党と国家の最高指導者であり、軍の最高司令官でもある習主席こそが、危機対処の司令塔となるべきであろう」。
 しかし、「組長」に就任したのは李首相であり、26日、李首相の主宰で「指導小組」の全体会議が開かれ、翌日李首相は自ら武漢入りし拡散阻止作戦の陣頭指揮をとった。習主席は、「疫情対策指導小組」の組長にならなかった。「もちろん多くの党員幹部や国民の目には、それが習主席の「敵前逃亡」だと映っている。まさに、肝心の時の逃げの一手である。これによって、「責任感の強い偉大なる指導者」として振る舞ってきた習主席の虚像が一気に崩れかけているのである」。「最高指導者の習主席がこのありさまならば、この危機を乗り越えられるのだろうか、と疑問を感じるのである」と。
 この記事も、湯浅氏、ミンシン・ペイ氏と同様、新型コロナウイルスの開発者は誰かという検討を欠いている。許章潤清華大学法学院教授は、新型コロナウイルス問題への対応に関して、習近平体制を批判する文章をネット上に掲載。「最初は口を閉じて真相を隠し、その後は責任を逃れ、感染拡大を防ぐ機会を逃した」。庶民の言論や行動を厳しく監視することが「当然存在すべき社会の情報伝達と早期警戒のメカニズムを圧殺」した。これが感染の拡大の原因であり、「人々はとうに権力の神話を信じていない」。局面を好転させるには、主権が庶民になければならないと主張している。民主化以外に問題解決の道はないという主張である。命がけの発言と思う。
 ここに、新型コロナウイルスは中国共産党が開発した生物兵器であり、その極めて危険な人工ウイルスの管理に失敗したため、大規模な自爆事故を起こしたという事実が加わるならば、中国内部及び国際社会からの習近平共産党政権への批判は一気に高揚する。中国国民及び世界の多数の人々を健康と生命の危険にさらしたことへの怒りが、中国共産党独裁体制を揺るがすことになるだろう。
 以下は、湯浅氏及び石氏の記事の全文。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●産経新聞 令和2年2月7日

https://special.sankei.com/a/international/article/20200207/0001.html
試される中国型「全体主義」 湯浅博の世界読解
2020.2.7

 新型コロナウイルスとの闘いは、中国型の全体主義モデルが21世紀の世界に有効か否かが試されることになった。
 恐ろしい感染症の汚染源を封じ込め、拡散を制御し、国際社会に結束を求める技と度量が問われている。  
 「感染症は悪魔であり、われわれは悪魔が隠れるのを許さない」 
 中国の習近平国家主席が1月28日に北京で世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に語った決意のくだりには、多くが同意したに違いない。
 続いて習氏が、自国を発生源にしてしまった大国の指導者として、国際社会に謝罪したうえで、協力と結束を呼び掛けるものと思われた。 
 なぜなら、WHO事務局長は世界を代表して出向いたのであって、中国から経済援助を受けるエチオピアの元外相としてではないからだ。ところが、習氏の言葉はそれを裏切るものだった。
「WHOと国際社会の客観的で公正、冷静、理性的な評価を信じる」と力説して、WHOに緊急事態宣言を出さないよう促すものでしかなかった。 
 被援助国出身のテドロス氏は、中国政府が「迅速で効果的な措置をとったことに敬服する」などと、援助大国にへつらっていた。
 WHOを率いる人物であるのなら、武漢の現場をつぶさに視察すべきだが、習政権のプロパガンダに一役買っただけであった。 

新感染症は「独裁の病気」 
 中国が優先すべきは大国のメンツではなく、パンデミック(爆発的な流行)を抑止するための指導力を発揮することであった。
 だが、米国のクレアモント・マッケナ大学のミンシン・ペイ教授は「コロナウイルス事件とは中国型独裁の病気である」と見抜いていた。 
 習政権にウイルスの早期封じ込めができないのは「一党独裁国家の存続が、秘密、メディアの弾圧、市民的自由の制約にかかっているからだ。中国共産党の権威を維持する必要から、かえって中国と世界の安全を損なう」と、全体主義の宿痾を指摘した。 
 新型コロナウイルスに見舞われた湖北省武漢市は、進出企業が立地する人口1100万人の世界へつながる大都市である。
 ちょうど春節(旧正月)の旅行シーズンとぶつかり、感染症が世界へと拡散するリスクが中国指導部の頭になかったことの方が信じがたい。
 すでにウイルスは、旅行用スーツケースに同伴して3つの大陸へと移動し、見えない脅威を振りまいた。 
 昨年12月8日に最初の症例が報告されても、共産党特有の「隠蔽習慣」から地元の武漢市保健委員会は、公式通知を握りつぶした。
 以来、武漢当局は病状を軽視し、1月11日に最初の死亡報告があっても、人から人への感染がないと言い続けた。 
 やがて、封じ込め努力の怠慢が、かえって中国共産党のイメージダウンとコスト高につながることに気づくと、当局は1月20日以降にようやくギアを切り替えた。 

公衆衛生より産業政策重視 
 米シンクタンク、大西洋評議会のフレデリック・ケンペ代表によれば、新型ウイルスの感染は、権威主義的リーダーシップとともに40年の記録的な経済成長をもたらした国家資本主義の弾力性が試されているという。 
 確かに、習近平国家主席の「中華民族の復興」を掲げた旗振りで、遺伝子治療やがん研究など最先端医療の研究に何百億㌦もの資金をつぎ込んできた。
 最先端の生物医学は、米国をしのいで支配的地位を目指す産業政策「中国製造2025」に欠かせない分野の一つであるからだ。 
 ところが、最先端医療には資金をつき込んでも、一般市民向けの公衆衛生はお寒いままだ。
今回の新型ウイルスの蔓延も、野生動物を提供する不衛生な市場や農村部の時代遅れの医療事情など、公衆衛生を置き去りにしてきたツケである。 
 まして、元凶とみられる海鮮市場から30㌔ほど離れた中国科学院の最新施設「武漢国家生物安全実験室」から漏れたウイルスが感染源であるとする“ウイルス逃亡説”まで浮上する始末だ。
中国の豚の半数近くが処分されたアフリカ豚熱(ASF)の場当たり的な対応でも、政府の機能不全が浮き彫りになったばかりだ。 
 その償いとして投入されたのが、武漢の広大な敷地でうなりを上げる無数の大型重機とプレハブ建材であった。
 市内の医療機関がパンク状態であるため、新型ウイルスの患者用にわずか10日間で病院を完成させる泥縄式だ。
 人々の不満を吸収し、共産党体制の力を誇示しなければならなかった。 

強国独裁の能力欠如露呈 
 中国指導部の最大の懸念は、新型ウイルスの拡散によって深手を負いつつある経済の不振だ。
 経済が失速すれば、共産党体制の正当性が失われかねない。
 米紙の社説は、新型ウイルスの感染が拡大すれば、中国の景気後退もありうるとさえ予測する。 
 累積債務に悩む中国は6.0%成長から回復できなければ、習氏のいう所得倍増計画はとても実現できない。
 2019年と2020年が6.2%成長なら、2020年までの10年で所得を2倍にするという所得倍増は実現するはずだった。
 だが、2019年の成長率は製造業、サービス業、家計消費まで減速して、6.1%にとどまった。 
 2020年も新型ウイルスの追い打ちで、消費の落ち込みは避けられない。
 エコノミストは消費が10%減なら今年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の成長率は4%台にまで落ち込むと見通している。
 しかも、米中貿易摩擦で始まったサプライチェーンの分断が、さらに加速される可能性が高まるだろう。 
 疑似同盟を形づくる中国とロシアは、自由主義秩序を「時代遅れ」と嘲笑したことがある。
 凋落する民主主義に代わって、強国独裁の統治モデルが圧倒するとの宣言だ。
 しかし、全体主義政権による新型ウイルスへの対処は、それにとって代わる能力の欠如を露呈した。

●産経新聞令和2年2月6日

https://special.sankei.com/a/column/article/20200206/0002.html
「敵前逃亡」で権威失墜の習主席――石平・評論家
【「石平のChina Watch」産経新聞 R02(2020).02.06 】

 先月28日、中国の習近平国家主席は北京で世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長と会談した。
 当日の中央テレビ局ニュース番組は当然、それをトップニュースとして放送したが、習主席は会談の冒頭、問題となっている新型コロナウイルスの拡散について、「中国人民が(拡散防止のための)厳粛な戦いを展開している」と述べ、「私は終始、自ら指揮をとり、自ら手配を行っている」とも語った。
 多くの中国国民はこのセリフを聞いたとき、大きな違和感を覚えたであろう。
 同25日の共産党政治局常務委員会議で、党中央の「疫情対策指導小組」、すなわち新型コロナウイルス拡散阻止の「対策本部」が新設された。その組長に就任したのは李克強首相である。26日、李首相の主宰で「指導小組」の全体会議が開かれ、翌日李首相は自ら武漢入りし拡散阻止作戦の陣頭指揮をとった。
 この経緯から見ると、「私が指揮をとって手配を行った」という習主席の語りは事実にそぐわないことが分かろう。指揮をとっているのは李首相の方である。
 習主席はなぜテドロス事務局長に向かって、そしてテレビを見る全国民の前で、そんなウソをつくのか。実はそこにこそ、今回の危機対策における習主席の大いなるジレンマがあるのである。
「疫情対策指導小組」が党中央で設立されたとき、本来、習主席自身がその「組長」になると思われた。国家の一大事への対処にあたっては党と国家の最高指導者であり、軍の最高司令官でもある習主席こそが、危機対処の司令塔となるべきであろう。
 しかし前述の通り、「組長」に就任したのは李首相である。習主席は今まで、「中央財経指導小組」組長、「中央外事工作指導小組」組長のほかに十数の「組長」を兼任しているが、有事のときの「疫情対策指導小組」の組長にだけは、どうしてもなりたくなかったらしい。
 もちろん多くの党員幹部や国民の目には、それが習主席の「敵前逃亡」だと映っている。まさに、肝心の時の逃げの一手である。これによって、「責任感の強い偉大なる指導者」として振る舞ってきた習主席の虚像が一気に崩れかけているのである。
 その一方、危機に際して国家の存亡を背負った李首相に対する評価は高まった。危険地の武漢に入って医療関係者などを激励する場面がテレビやネットで映されると「逃亡」の習主席とは対照的に、李首相が「時の英雄」となって国民からの喝采を浴びているのである。
 独裁志向の強い習主席にとって、それが政治的に大変まずい状況であることは言うまでもない。だからといって、今さら李首相に取って代わって「指導小組」の組長を引き受けるのは既に遅い。
 結局、習主席は「敵前逃亡」のイメージを払拭して何とか自分の権威とメンツを保つために、冒頭の「自らが指揮をとっている」発言を行ったわけだが、それに対する国内の評判はなおさら悪い。習主席は責任を李首相に押し付けながら手柄だけを横取りする「卑怯(ひきょう)な指導者」として認識されてしまうだろう。
 それが分かったのか、翌日の人民日報では習主席の件(くだん)の発言が完全に隠蔽(いんぺい)された。しかし全てはすでに手遅れ、危機対策における習主席自身の一連の言動によって、権威失墜はもはや避けられない。
 最高指導者の習主席がこのありさまならば、この危機を乗り越えられるのだろうか、と疑問を感じるのである。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

************* 著書のご案内 ****************

 『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
 『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

************************************

台湾論をアップ

2020-02-16 08:44:11 | 国際関係
 2月5日から13日にかけて、ブログに連載した台湾に関する拙稿をまとめて、マイサイトに掲示しました。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。

■台湾の自由と民主主義を支援しよう
http://khosokawa.sakura.ne.jp/index.htm
 NEWの案内から
または
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12.htm
 目次からB46へ