ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

石破茂氏に漂う偽善のにおい

2018-09-14 09:37:24 | 時事
 石破茂氏はキリスト教徒で、新島襄系プロテスタントの四代目です。石破氏は「私は生まれたときからのキリスト教徒です」「4代目のクリスチャンで、初代は金森通倫(みちとも)というキリスト教界では有名な同志社大学の第2代目学長でした。新島襄から洗礼を授かった人です。母は3代目クリスチャン、姉も4代目クリスチャン。父は浄土真宗でキリスト教ではありませんでした。ですから、自ら信仰に目覚めたというわけではないのですが、逆に今まで『神様がおられない』というような恐ろしい考え方をしたことは一度もありません」と述べています。
 母方の曾祖父・金森通倫は、新島襄の愛弟子で、熊本バンドの1人として熊本洋学校から同志社へと進み、その神学校を卒業後、日本組合基督教会岡山教会の牧師を務め、40代でいったん棄教、その後、救世軍やホーリネス教会で活躍したと伝えられます。
 石破氏は、母親が通っていた日本基督教団鳥取教会で洗礼を受け、現在も現住陪餐会員とのことです。慶應義塾の学生時代には、日本キリスト教会の世田谷伝道所(現・世田谷千歳教会)に出席して、教会学校の教師も務めたとのことです。
 政界にはキリスト教徒が少なくなく、麻生太郎氏、山谷えり子氏、西村真悟氏はカトリック教徒として知られています。大雑把にいって、カトリック教徒には保守的・愛国的な人が多いのに比し、日本のプロテスタントには左翼的で反日的な思想を持った人が目立ちます。旧社会党の委員長だった土井たか子氏がその代表例です。石破氏の場合は、プロテスタントの保守系政治家ですが、慰安婦問題では謝罪し続けるべきだと言ったり、南京事件では30万人が殺されたと言ったり、先の戦争が誤っていたから靖国神社に参拝しないと言ったり、歴史認識や国家観については、左翼のプロテスタントに近い考えを持っています。それらは信仰の場で彼に植え付けられた思想であり、信仰と一体となった信条なのでしょう。

 さて、そうしたプロテスタントである石破氏は、自民党総裁選で「正直、公正」を標語に掲げています。私は、こうした道徳的な理想を掲げる石破氏に、偽善の匂いが漂うのを感じています。
 理由の一つは、北朝鮮による拉致問題に対する彼の姿勢です。平成14年の小泉純一郎と金正日による日朝首脳会談当時、安倍首相は官房副長官で、石破氏は超党派の拉致議連の会長でした。この時の石破氏の姿勢は、氏の人格を疑わざるを得ない者でした。現在「救う会」の副会長で福井県立大学教授の島田洋一氏は、「安倍首相は(拉致被害者の)家族会や救う会とともに、経済制裁をはじめ北朝鮮に圧力をかけていく先頭に立ってきた。逆に、石破氏は無関心どころか妨害している印象すら持っている」「安倍首相は小泉首相の側近だったが、閣内で家族の意を呈して、戦ってくれていた。立場的には、議連会長だった石破氏こそ戦うべきだったが、存在感がなかった。9月17日の日朝首脳会談当日も、家族のいる控室に顔も出さなかった」と語っています。
https://www.zakzak.co.jp/…/news/180829/soc1808290008-n1.html
 島田氏の発言を伝える夕刊フジ平成30年8月29日付の記事は、次のように書いています。

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 石破氏は27日の記者会見で、東京と平壌(ピョンヤン)に公的な連絡員事務所を設けると主張し、「拉致問題の全面解決がなければ、何も進展しないというものからは脱却しなければならない」と述べた。とんでもない考えだ。
 時事通信によると、11日にも鳥取県米子市での国政報告会で、「お互いに連絡員事務所をつくって『本当にあなた方が言っていることは真実ですか』と日本政府が確認しないことに、どうして拉致問題の解決があるのか」と述べたという。
 この発言について、島田氏は「事実上、日本と北朝鮮で合同調査委員会をつくろうという発想だろう。北朝鮮側に『死亡という調査結果を出してもいいですよ』と言っているのと同じだ。生存している被害者を返せば調査する必要はない。誠実さを装う北朝鮮のパフォーマンスに協力することになる」と批判する。
 拉致問題の今後について、島田氏は「安倍首相なら期待が持てるが、石破氏なら拉致問題の『もみ消し』路線にはまっていくのではないか」と厳しく指摘した。
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 次に、当時石破会長のもとで拉致議連の幹事長をしていた衆議院議員の西村信悟氏は、下記のFBポストで、石破氏の対応について述べ、石破氏を「許せん」と怒りを表しています。

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西村 真悟
8月30日 12:57

君は、拉致問題の闇に生きてきたのか

自民党の総裁選挙に出る予定の石破茂氏が、
北朝鮮問題に関し、
「拉致問題の全面解決がなければ、
なにも進展しないというものからは脱却しなければならない」
と述べたという。
この大切な時期に、何を言うのか、
と、舌打ちする思いで読んだ。

石破氏のことだ、この発言の背後に何かある。

そして、ハッハーン、やはりそうだ、あの時と同じだ、
と思い出したことがあるので記しておく。

北朝鮮が大勢の日本国民を拉致していることが公になり、
国会内に超党派の拉致被害者救出議員連盟(拉致議連)が発足した。
超党派議員連盟の慣例では、会長は与党から出す。
その二代目会長には、
自民党内のどういう経緯か、石破氏がなった。

その石破氏が会長の時に、
平成十四年九月十七日の小泉総理訪朝があったのだ。

その前日の九月十六日、
総理との面会を求めて首相官邸を訪れた拉致被害者家族に対して、
福田官房長官は、
総理は、明日、「澄んだ心」で平壌に向かうために、
本日の皆さんとの面会はご遠慮したい、
しかし、皆さんのご家族の消息は、
分かり次第、平壌からリアルタイムで皆さんに伝える、
と家族に言った。

従って、家族は総理との会見をあきらめ、
翌十七日、
朝から拉致議連役員と共に議員会館で待機した。
前日の官房長官のリアルタイムで家族の消息を伝えるとの約束を信じたからだ。
午後かなり過ぎてから、会長の石破氏が、
家族は外務省の飯倉公館に来て欲しいという政府の要請を伝え、家族は、手際よく議員会館前に準備されたバスに乗り込むことになった。
家族は、飯倉公館で平壌とのリアルタイムの通信を受けるのだろうと思ったのだ。
しかし、
家族は飯倉公館で長いこと待たされた後、
午後5時頃に、各々家族ごとに別室に呼ばれ、
官房長官と外務副大臣から
「厳かに」拉致被害者家族の「死亡宣告」を受けた。

(現実には、
金正日は午前10時に小泉一行に五名生存八名死亡と伝えた。
従って官房長官が約束したリアルタイムは、午前10時である)

以上の経緯のなかで、
会長の石破氏の行動がおかしいと感じた箇所は、
飯倉公館に家族を移す時だ。
彼は、会長でありながら、
家族に同行して飯倉公館に来る議員は、
自民党に限る、
と言ったのだ。
何故だ、と尋ねると、
それが政府の要望だという。
では、君は、その要望を受け入れたのかと尋ねると、
そうだ、と言う。
君は、超党派の議員連盟の会長なんだよ、
何故、そのような要望を受け入れてきたのだ、
超党派議員連盟の解体ではないか、
と詰め寄ると、
石破氏は、顔を引きつらせてだまったままだった。
私は、その時、拉致議連の幹事長をしていた。

飯倉公館に被害者家族を移す政府の思惑は、
家族を拉致議連の幹事長などの
「うるさい議員」と切り離し、
平穏に死亡宣告をして拉致問題を終わらせる為だったのだ。
案の上、
小泉内閣の「死亡宣告」は、
北朝鮮の嘘を丸呑みにした
「虚偽の死亡宣告」であることがすぐに判明した。
その「嘘」を
小泉内閣と政府が突き止めたのではない。
西岡力や荒木和博らの
拉致被害者救出に熱意をもった朝鮮専門家が
北朝鮮の「嘘」を見破ったのだ。
仮に、この「嘘」を見破れなければ、
拉致被害者救出問題は、
「救出する対象」を失い、葬式をして終わっていた。
そして、日本は、
千名に達するかもしれない
多くの被害者国民を棄民として放置することになった。
この多くの国民の命がかかった
重大局面に遭遇しているなかで、
もちろん、家族と議連は、
総理官邸で、総理訪朝の説明と総理の見解を糺したが、
拉致議連会長の石破氏の影はなかった。
ただ、十日後、
内閣改造が為され、
石破氏が入閣し、もう一人の拉致議連役人が内閣入りした。
ははーん、そうか十七日には、アイツらには、既に入閣の耳打ちがあったのか、
と思った。

拉致議連会長入閣に伴う会長辞任と
新会長に決まった中川昭一氏の
拉致被害者家族への紹介のために、
私は幹事長として議連の総会を開いた。
その時、会長辞任と閣僚就任の挨拶に立った石破氏は、

「今までは、政府に要望する立場でしたが、
これからは皆さんの要望を受ける側になりました」

とヌルヌルした表情で言ったのだ。
私は、その言い方にカチンときたので言った。

「そうではないだろう、
今までは政府に要望する立場だったが、
これからは
内閣の一員として実行する立場になったのだろうが」

すると、ともに拉致議連から内閣に入る他の三下某が、
石破氏を守ろうと私にくってかかった。

以上が、
拉致問題が重大局面に遭遇したときの石破氏であった。
そして、再び今、まさに重大局面にある。
この時の石破氏の、
十六年前よりもさらに深い裏がある冒頭の発言だ。
十六年前が思い出された訳がお分かりいただけると思う。
被害者本人と家族は、
さらに十六年も歳をとっているのだ。
十六年前よりも、
もっと、許せん。
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 私はキリスト教徒ではないが、拉致被害者に「愛」を及ぼすことのないキリスト教徒のふるまいがイエスの教えにかなっているとは思えません。石破氏の行動には、偽善のにおいがプンプンします。彼が首相となって、その偽善を日本の政治に持ち込むとき、日本は自滅の道へ進むでしょう。


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