政治は、権力の獲得・配分・拡大をめぐる運動です。権力をめぐる戦いには、敵・味方の区別が生じます。カール・シュミットは、政治とは友・敵の区別が生じるところに始めて成立するものだとします。言い換えれば、友・敵の区別の生じるところに権力をめぐる戦いが生まれる、というとらえ方です。
いずれにしても政治の本質が最もよく表れるのが、選挙です。選挙は、権力の獲得・配分・拡大をめざし、敵・味方に分かれて、有権者の票を集めるために戦う活動です。
安倍首相が衆院選を決断したのは、来年米朝戦争となる可能性が高く、解散総選挙をやるならいましかない、民進党は支持率が下がり、小池新党は準備不足と見てのこと。しかし、これをチャンスと見た小池都知事は、国政政党の立ち上げを一気に進め、「希望の党」を旗揚げし、自分が代表に。民進党・前原代表は実質的合流でこれに応じ、そこに小沢自由党も参加。にわかに「寛容な改革保守」を標榜する新党が出現しました。
希望の党は、自公与党との政策や理念の違いが明確ではありません。小池氏個人は、憲法改正、安保関連法維持、原発ゼロ、消費税凍結などを掲げていますが、同じ考えは自民党内にもあります。唯一はっきりしているのは、反安倍。安倍政権から権力を奪うという目的のみ。しかも実態は、個々の政治家が自分の議席を獲得するための集合。そのために寄り集まる者が、思想や信条の違いに関わりなく、友となり、味方となっているという感じです。選挙で落ちて、無職や無収入になりたくない。税金で歳費をもらって生活していくために、生き残るにはどうするか。そこで、選挙のたびに繰り返されてきたのが、選挙互助会。希望の党もその性格を強くしつつあります。
北朝鮮の核・ミサイルによる危機が迫っている中で、本来、国政を担う政治家がすべきことは、この危機に対処するための国民的な団結でしょう。それがどこかに行ってしまって、ただの権力闘争、しかも私権闘争になってきています。
報道やネットから注目すべき発言・情報をもとに、メモします。
・前原誠司民進党代表「どんな知恵を絞ってでも安倍晋三政権を終わらせる。野党がばらばらでは選挙に勝てない」
・安倍晋三首相「新党ブームからは決して希望は生まれない」「若い皆さんが仕事に就ける、未来をつかむことができることこそ希望ある日本だ」「選挙のためだけに看板を替える政党に日本の安全を、子供たちの未来を任せるわけにはいきません」
・伊吹文明元衆院議長「民進党はかつて政権を取った政党だ。それをたかだか10人くらいの『バブル企業』(希望の党)に身売りするのは理解できない。選挙で生き残る希望の党になっている」
・和田正宗参院議員「政党とは国家観や理念が一致してまとまるもの。しかし小池新党は国家観も理念もバラバラ。『国民の希望の党』ではなく『新党参加者にとってのみの希望の党』であり小池氏の『野望の党』」・小池百合子都知事「私がまた国政に出るのではないかとにぎわっているが、今の国政が変わらない限り、都政でしっかり頑張る。(選挙後の首相指名は)今後考えていきたい」
・小池都知事は、自身の公式サイトから「日本も核武装の選択肢は充分ある」と明記していた発言を削除。http://www.yukawanet.com/96184/archives/5272862.html
・小池都知事は、憲法改正と安保関連法維持を受け入れの基準とする。希望の党の公認を申請した民進党の前職61人は、安保関連法案の採決で反対のプラカード掲げていた。小池氏は、きっちり選別するのか。
・民進党の希望の党への実質的合流は、民進党内の左翼・リベラル勢力の切り捨てにはなる。菅・枝野・蓮舫・辻元らや旧社会党系・新左翼系は、どう動くか。
・民進党の金庫には150億円前後の金(*政党助成金)が眠っている。正式に解党すると、国庫に返却しなければならないので、解党はしない。一方、希望の党はほぼすっからかん。この資金をめぐり、前原、小池らによる争奪戦が始まる。権力の争いは、カネの争いでもある。
いずれにしても政治の本質が最もよく表れるのが、選挙です。選挙は、権力の獲得・配分・拡大をめざし、敵・味方に分かれて、有権者の票を集めるために戦う活動です。
安倍首相が衆院選を決断したのは、来年米朝戦争となる可能性が高く、解散総選挙をやるならいましかない、民進党は支持率が下がり、小池新党は準備不足と見てのこと。しかし、これをチャンスと見た小池都知事は、国政政党の立ち上げを一気に進め、「希望の党」を旗揚げし、自分が代表に。民進党・前原代表は実質的合流でこれに応じ、そこに小沢自由党も参加。にわかに「寛容な改革保守」を標榜する新党が出現しました。
希望の党は、自公与党との政策や理念の違いが明確ではありません。小池氏個人は、憲法改正、安保関連法維持、原発ゼロ、消費税凍結などを掲げていますが、同じ考えは自民党内にもあります。唯一はっきりしているのは、反安倍。安倍政権から権力を奪うという目的のみ。しかも実態は、個々の政治家が自分の議席を獲得するための集合。そのために寄り集まる者が、思想や信条の違いに関わりなく、友となり、味方となっているという感じです。選挙で落ちて、無職や無収入になりたくない。税金で歳費をもらって生活していくために、生き残るにはどうするか。そこで、選挙のたびに繰り返されてきたのが、選挙互助会。希望の党もその性格を強くしつつあります。
北朝鮮の核・ミサイルによる危機が迫っている中で、本来、国政を担う政治家がすべきことは、この危機に対処するための国民的な団結でしょう。それがどこかに行ってしまって、ただの権力闘争、しかも私権闘争になってきています。
報道やネットから注目すべき発言・情報をもとに、メモします。
・前原誠司民進党代表「どんな知恵を絞ってでも安倍晋三政権を終わらせる。野党がばらばらでは選挙に勝てない」
・安倍晋三首相「新党ブームからは決して希望は生まれない」「若い皆さんが仕事に就ける、未来をつかむことができることこそ希望ある日本だ」「選挙のためだけに看板を替える政党に日本の安全を、子供たちの未来を任せるわけにはいきません」
・伊吹文明元衆院議長「民進党はかつて政権を取った政党だ。それをたかだか10人くらいの『バブル企業』(希望の党)に身売りするのは理解できない。選挙で生き残る希望の党になっている」
・和田正宗参院議員「政党とは国家観や理念が一致してまとまるもの。しかし小池新党は国家観も理念もバラバラ。『国民の希望の党』ではなく『新党参加者にとってのみの希望の党』であり小池氏の『野望の党』」・小池百合子都知事「私がまた国政に出るのではないかとにぎわっているが、今の国政が変わらない限り、都政でしっかり頑張る。(選挙後の首相指名は)今後考えていきたい」
・小池都知事は、自身の公式サイトから「日本も核武装の選択肢は充分ある」と明記していた発言を削除。http://www.yukawanet.com/96184/archives/5272862.html
・小池都知事は、憲法改正と安保関連法維持を受け入れの基準とする。希望の党の公認を申請した民進党の前職61人は、安保関連法案の採決で反対のプラカード掲げていた。小池氏は、きっちり選別するのか。
・民進党の希望の党への実質的合流は、民進党内の左翼・リベラル勢力の切り捨てにはなる。菅・枝野・蓮舫・辻元らや旧社会党系・新左翼系は、どう動くか。
・民進党の金庫には150億円前後の金(*政党助成金)が眠っている。正式に解党すると、国庫に返却しなければならないので、解党はしない。一方、希望の党はほぼすっからかん。この資金をめぐり、前原、小池らによる争奪戦が始まる。権力の争いは、カネの争いでもある。