く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ムジークフェストなら2016> 「我が心のノスタルジア」

2016年06月15日 | 音楽

【「ヴァイオリンで奏でる名曲の調べ」と「甦る昭和の名曲集」】

 奈良の梅雨シーズン恒例の音楽の祭典「ムジークフェストなら」が今年も6月11~26日の会期で始まった。2012年にスタートし5年目。今年はジャズシンガー阿川泰子さんやトランペット奏者日野皓正さん出演の5周年記念コンサート(17日、唐招提寺)やフランス国立リヨン管弦楽団の演奏会(25日、奈良県文化会館)をはじめ、県内各地で連日多彩な音楽イベントが繰り広げられる。(ただ期待していた5周年記念コンサートが抽選で外れてしまったのが残念至極!)

      

 奈良県文化会館で14日開かれた「我が心のノスタルジア」と銘打った演奏会を聴いた。このコンサートは片山勲氏プロジュース・司会で、これまでも大阪府堺市などで毎年開いてきたという。「ムジークフェストなら」への出演は昨年に続き2回目。第1部が「ヴァイオリンで奏でる名曲の調べ」、第2部がクラシック声楽家による「甦る昭和の名曲集」の2部構成だった。

 第1部では奈良県出身のバイオリニスト金関環さんが登場、エレクトーンによる伴奏でアンコール曲も含め7曲を披露した。金関さんは高校卒業後渡米し、NYのジュリアード音楽院に入学。帰国後は内外で著名交響楽団と共演したりゲストコンサートマスターとして迎えられたりするなど、精力的に演奏活動を続けている。この日の演奏曲目は「荒城の月」「トロイメライ」「白鳥」「ライムライト」「エストレリータ」「アメージンググレイス」。馴染み深いクラシックの小曲に日本の愛唱歌や映画音楽などを織り交ぜ、繊細な表現力でバイオリンの伸びやかな響きを聴かせてくれた。アンコールはサラサーテの「チゴイネルワイゼン」だった。

 第2部の懐メロ特集にはソプラノの端山梨奈さんとテノールの山本欽也さんが、同じくエレクトーンの伴奏で交互に1曲ずつ、計10曲を披露した。端山さんは「ガード下の靴磨き」「ケセラセラ」「ボーイハント」「夜明けの歌」「愛燦燦」。最後の「愛燦燦」は昨年の好評を受けての選曲で、この日もブラボーの掛け声とともに万雷の拍手が送られた。山本さんは「かえり船」「夢淡き東京」「哀愁の街に霧が降る」「江梨子」そして「シクラメンのかほり」。クラシック歌手の張りのある格調高い歌唱は、岸洋子や美空ひばり、橋幸夫や布施明とはまた一味違う味わいがあった。

 第1部、第2部を通じ1人で伴奏をこなしたのはヤマハエレクトーンデモンストレーターの田頭裕子さん。「ステージア」というハイテクのエレクトーンで、両手による2段の鍵盤と足で踏むペダル鍵盤を自由に駆使し、時に壮大なオーケストラのような迫力のある演奏を聴かせてくれた。目を閉じていると、とても1人で奏でているとは思えないほどの見事な演奏。「ムジークフェストなら」のHPやちらしに出演者として田頭さんの名前は見当たらなかったが、この日の主役の一人だったと言っても過言ではない。「時々オーケストラと共演するけど、彼女の演奏のほうがいいなあ」。バイオリンの金関さんもお世辞半分だろうが、演奏後こう漏らしていたそうだ。

コメント (1)
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