く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<十津川村点景③> 秘境! 熊野三山の奥の院「玉置神社」

2015年07月04日 | 旅・想い出写真館

【杉の巨樹群は県指定天然記念物、「神代杉」は樹齢3000年】

 玉置(たまき)神社は大峰山脈の南端に位置する玉置山(標高1076m)の山頂近く、標高1000m付近に鎮座する。十津川温泉郷から「一の鳥居」そばの玉置山駐車場まで車で40分近く。さらに山道を20分ほど歩いて、ようやく神社本殿に着いた。まさに山懐に抱かれたという感じ。霧雨で煙っていたが、それがかえって霊気漂うようで古社の荘厳な雰囲気を一層醸し出していた。

 創建は第10代崇神天皇の時代の紀元前37年ともいわれる。古くから熊野・大峰修験道の霊場の1つとして栄え、「玉置三所権現」「熊野三山の奥の院」などと呼ばれてきた。平安時代を中心に多くの天皇が行幸参拝し、修験道の開祖・役の行者や弘法大師もここで修行したといわれる。2004年には世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の吉野~熊野を結ぶ「大峯奥駈道」の構成資産の1つとして認められた。

 広さ約3万㎡という境内は杉を中心に鬱蒼とした森で包まれ、杉の巨樹群は奈良県の天然記念物に指定されている。神社を訪ねたのも主に杉の老樹・巨樹に一度会いたいとの思いからだった。本殿のすぐそばに推定樹齢3000年、幹周8.5mという「神代杉(じんだいすぎ)」(写真㊧)が屹立していた。何本もの枝が天をつかむかのように伸び、葉もしっかり付いていた。その手前には根元近くから二股に分かれた「夫婦杉」(㊨)があった。

 

 最大の杉は「大杉」で、幹周が11m、高さは50mもあるという。他にも「常立杉(とこたちすぎ)」や「磐余杉(いわれすぎ)」「浦杉」など、名前が付けられた巨樹が境内のあちこちに立つ。温暖多雨の気候によって育まれてきたのだろう。江戸時代末期建設の社務所内部は約60枚の杉の一枚戸で仕切られ、その1枚1枚に狩野派の絵師による極彩色の花鳥画が描かれているという。その見学も目的の1つだった。ところが、巨樹に圧倒されるうちにすっかり失念し、不覚にも気づいたのは翌日の帰宅直後のことだった。

 

 十津川村に別れを告げた後、帰途に天川村のみたらい渓谷(上の写真㊧)、洞川(どろかわ)温泉街(㊨)、龍泉寺(下の写真㊧)、下市町の丹生川上神社下社(㊨)などに立ち寄った。洞川温泉は役の行者の高弟「後鬼」の子孫の里とも伝えられ、古くから大峰山を目指す山伏や登山者たちでにぎわう。龍泉寺は約1300年前、役の行者によって開創された古刹。登山者が必ず訪れるお寺で、門前には「大峯修行供養碑」やいくつもの登山記念碑が立っていた。

 

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