く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<カラー> 南アフリカ原産、ミズバショウに似た美しい立ち姿

2014年07月17日 | 花の四季

【日本には江戸時代後期に渡来、和名「オランダカイウ(和蘭海芋)」】

 サトイモ科の球根植物で、原産地は南アフリカ。5~9月ごろ、ミズバショウに似た白や黄色の花を咲かせる。花弁に見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる花を包む苞で、本来の花はその真ん中で見え隠れする棒状の肉穂花。交配によって花色も赤、橙、紫、ピンクなど豊富になり、鉢植えや切り花として人気が高い。白花はウエディングブーケとしてもよく使われる。

 カラーには湿地性のものと畑地性のものがある。「アエチオピカ種」は川や池などを好む湿地性の白花で、アフリカ各地の水辺に群生する。「リリー・オブ・ザ・ナイル」とも呼ばれ、エチオピアの国花にもなっている。これが1843年(天保14年)オランダ船で長崎・出島にやって来た。球根が薬草栽培箱の土の中に混入していたという。こうした経緯と塊茎が太く里芋に似ていることから、カラーに「オランダカイウ(和蘭海芋)」という和名が付けられた。

 畑地性には「エリオチアナ種(キバナカイウ)」「レーマニー種(モモイロカイウ)」「アルバマクラタ種(シラホシカイウ)」などがある。栽培が比較的容易で、花色がカラフルなことや葉に白い斑点が入って観葉植物としても楽しめることなどから人気を集めている。英名「カラー・リリー」のカラーは修道女が着用する服のカラー(衿)にちなんで名付けられたという。カラーの語源は「美しい」を意味するギリシャ語の「カロス」に由来するそうだ。

 ただサトイモ科には一般にカラーと呼ばれる「オランダカイウ属」とは別に、「ヒメカイウ」という1属1種の「カラー属」があるから少々ややこしい。ヒメカイウは北海道から本州中部にかけて自生する湿生植物で、和名はオランダカイウに似ていて株全体が小さいことによる。別名に「ミズザゼン」や「ミズイモ」。このヒメカイウは環境省のレッドデータブックに準絶滅危惧種として登録されている。「海芋咲き日射し俄かに濃き日なり」(藤松遊子=ゆうし)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする