お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

チッタデッラ と カステルフランコ ・ ヴェーネトの市壁

2024年03月04日 | 旅行

ヴィツェンツァの近くのチッタデッラという小さな町を見学しました。歴史的な地域が、ほとんど完全な形で残っている市壁で囲まれている興味深い町です。

 

チッタデッラの中心部

チッタデッラは13世紀前半にパドヴァの軍事的前哨地として築かれました。そして13世紀後半から14世紀末にかけて近隣地域での戦略上の重要性を持つようになり、その影響が及ぶ地域が広がっていったのです。現在北イタリアであるこの地方は、18世紀から19世紀にかけてフランスに占領されたりオーストリアの一部になったりした後、19世紀の後半にイタリア王国に属するようになりました。

  

市壁 と 水掘 ・ 出入り口のひとつ(外側から)

  

出入り口のひとつ(門の内部) ・ 出入り口のひとつ(内側から) 

市壁は直径約450mのほぼ円形で、円周は約1.500mあります。高さは14mから16mで、2mぐらいの厚さがあるとのことです。そして32ヶ所に大小の塔が組み込まれているのです。市壁の外側は水堀にぐるりと囲まれていて、中に入るのは橋を渡って4つの門からのみ可能です。20年の歳月をかけて修復と保存工事を行い、2013年からは訪問者が市壁の上を一周できるようになりました。散策の途中で中世の町の中心部の姿をいろいろな角度から見ることが出来るし、二か所の博物館を見学できるのです。

  

市壁の一部分 1 & 2

 

博物館の内部

市壁の上を一周した後、この町の劇場が素晴らしいというので見学したいのですが見当たりません。町役場の中にある売店のおばさんにたずねると、わざわざ劇場まで案内してくれました。行ってみると、普通の家とまったく変わらない、入り口も窓も締め切っている建物です。これでは見つからないのも当然です。閉まっているのであきらめようと思っていると、ちょうど劇場の関係者が通りかかり、わざわざ鍵を取りに行って来て中を見せてくれ、説明までしてくれました。 19世紀に建てられた、小さいけれどもゴージャスな劇場です。

 

チッタデッラの劇場

劇場を見てから感じのいいエノテカ (ワインショップ) で昼食をとりました。

 

エノテカ

妻の前菜はマグロのタルタルステーキのトマトとバジリコ添え。新鮮な生マグロでトマトとよく合います。グッド。

  

グロのタルタルステーキ ・ ムール貝スープ

私のはムール貝スープです。熱々でニンニクがきいていて、少しピリ辛です。私は貝類はあまり好きではないのですが、とても美味しくて夢中で食べました。ただ、スープだけ飲むと少々塩辛いですね。

妻のメインディッシュは彼女の好きなパスタです。イカとトマトが入っています。私も一口食べてみましたが、美味しい。

  

パスタ ・ 〈われわれの鮮魚〉 

私はメニューに〈われわれの鮮魚〉とある料理を注文しました。料理というか、タチウオ、マグロ、貝、そして3種のエビが生のまま並んでいるだけです。オリーブ油とレモンと塩と胡椒で食べさせます。まったく生臭くなくてまあまあいけますが、やはり日本人としてはわさび醤油が欲しいと思いました。

 

エスプレッソ

食後のエスプレッソはたったの1ユーロ(約125円)。腹にグッとしみて美味しかったのです。

チッタデッラから10㎞あまりしか離れていないところに、カステルフランコ・ヴェーネトという人口3万3千人ぐらいの町があります。町の起源は12世紀の末に建造された城砦までさかのぼるそうです。その後はチッタデッラと同じ歴史をたどり、19世紀後半からはこの地方の鉄道交通の中心になっています。

  

囲壁の一部 ・ 出入り口のひとつ

この町も中心は市壁と近くを流れる川から引き込んだ堀に囲まれています。レンガ製の壁は高さ17m、厚さ1,75mだそうです。旧市街の真ん中には、大聖堂が建っています。

  

市壁の内部 1 & 2

 

大聖堂 

カステルフランコ・ヴェーネト町の劇場の前を通るとき、案内板を〈閉館中〉と声を出して読んだら、ちょうどそばで劇場の女性責任者が立ち話をしていて、われわれを特別に中に入れてくれました。

 

カステルフランコ・ヴェーネトの劇場

一日のうちに同じようなことが2回あるとは、なんという偶然なのでしょう。イタリア人の優しさにも感激しました。市壁はもちろん圧巻ですが、小さな町がこんなに素晴らしい劇場をもっていることに驚きました。両方の町に言えることです。

 

〔2018年8月〔2024年3月 加筆・修正〕

 


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