お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

レーゲンスブルク

2020年08月31日 | 旅行

レーゲンスブルクは約15万3千人の人口を持つ、バイエルン州でミュンヘン、ニュルンベルク、アウグスブルクに次ぐ4番目の都市です。日本の感覚でいうと小都市の規模ですが、ドイツ全国では55番目に大きいのだそうです。ほぼ完全な形に保たれた旧市街地は、2006年からユネスコの世界文化遺産です。レーゲンスブルクの情報はオンラインで手に入り易いので、興味のある人は調べてみて下さい。

 

町のようす 1 ・ 町のようす 2

私は何度か行って地元の人と話したこともありますが、世界文化遺産であることは、地元の観光業界にとってそれほど有益ではなく、住民にとってはかえって迷惑なことなのだそうです。というのは、観光客のマイカーと観光バスで小さな町が溢れかえるようになった、というのがひとつ。そして、しばしばドナウ川の河川クルーズ船が停泊するのですが、客は3食とも船内で食事をし寝るのも船内なので、地元のホテルにもレストランにもお金を落とさない、というのがもうひとつです。

 

教会 1 ・ 教会 2

 

教会 3

さて、妻と私は自宅から約900㎞南のオーストリアに山歩きに行く途中、その中継地としてレーゲンスブルクにやって来ました。もちろん、市内の中心部に宿をとって宿のレストランで夕食を食べます。

ドナウ川は旧市街の辺りで大いに枝分かれしていて、結構大きな島が3つ出来ているのですが、泊まるのはそのうちのひとつに建つ 〈ソラート・島ホテル〉 というホテルです。それで、静かなのにドナウ川と旧市街がすぐ近くにある、という最高のロケイションなのです。アール・デコのスタイルを思わせるホテルの建物は、かつて1930年代に芸術的手工業が営まれていた建物で、文化財として保護されているそうです。とは言っても、客室は何の変哲もなくてごく普通です。

 

ホテルの建物 ・ 私たちの部屋の窓から

さて、このホテルにあるレストランの、十分にテーブルの間隔をとったテラスで夕食です。テ―ブルに着くまで、マスクの着用が義務付けられています。もちろんスタッフもマスク姿です。

 

レストランの内部 ・ テラス (夕食時)

 

テーブルセッティング 

 

水とカンパリオレンジ ・ ノンアルコールビール

食前 (酒) はアルコールなしのカンパリオレンジ。食事中の飲み物は、ガスなしの水とノンアルコール・ヴァイツェンビールにしました。

私の前菜はスイカのガスパチョで、焼いた海老、クルトン、野菜が入っていて完熟トマトに近い味にととのえています。美味しい。

 

ガスパチョ ・ カルパッチョ

妻のオードブルは牛肉のカルパッチョです。バルサミコ酢がかかり、上にルッコラ、パルメザンチーズとトマトがのっていてレモン汁で食べます。まぁ、普通の味ですね。

そしてこれからが大変でした。私の主菜のランプステーキと妻のパスタがなかなか供されないのです。さらに、我々より後で来た人たちがメインディッシュを食べ始めましたが、気の弱い私たちはじっと待っていました。そのうちウェイトレスの一人が、

「万事オーケーですか?」

と訊いてくれたので事情を話すと、責任者と思われるウェイターがやって来ました。

「申し訳ありません。お客様と全く同じ料理を注文したテーブルがありまして、間違ってそちらに持って行ってしまいました。すぐに調理して持ってまいります。お詫びのしるしに、このサラダをお召し上がりください。ご注文のステーキを大きめにしますし、食後のエスプレッソかコーヒーを無料にいたします。」

 

サーヴィスのサラダ

ということで、やっとメインディッシュにありつけました。

私のランプステーキはアバディーン・アンガス (またはブラック・アンガス) と呼ばれる東部スコットランド産の牛です。ハーブバターとバルサミコ酢で味付けしていて、トマトと玉葱とポテトの焼いたのが付いています。

 

ランプステーキ ・ パスタ

妻の主菜の自家製パスタには乾燥トマト、オリーヴ、ズッキーニ、ルッコラ、パルメザンチーズが入っています。

その後は順調に行きましたが、食事の流れの腰を折られた形で興ざめしてしまい、わりと美味しいメインディッシュだったと思いますが感動はありませんでした。ほとんど習慣になっている食後のエスプレッソも飲む気がしなかったのです。しかしながら、レストラン側の故意でないミスの謝罪と償いの気持ちは高く評価します。

朝食はビュッフェ形式でしたが、使い捨てゴム手袋とマスクの着用と 「社会的距離」 をとることを指示されました。

 

テラス (朝食時)

 

マスクと手袋 ・ 私の朝食

私の朝食は、不健康ですが普段あまり食べない肉類と菓子パンを選びました。白ソーセージにつける甘い辛子はここバイエルン地方の特産です。あとは果物のヨーグルトかけ、ミックスジュース、そしてコーヒーです。

レーゲンスブルクの旧市街はユネスコの世界文化遺産になっているだけあって、見所がたくさんあります。でも小さい市域なので一泊すれば十分だと思います。白ソーセージはぜひ特産の甘い辛子をつけて食べると良いでしょう。薄皮をむいて食するのが正式だそうですが、私は面倒なのでそのまま食べました。が、薄皮がないほうが口当たりがいいと思います。

 

[2020年8月]

 

 

 

 

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フォン ・ ハムメルシュタイン水城館

2020年08月27日 | 旅行

ヴェーザー川の流域はヴェーザー・ベルクラント (ヴェーザー山岳地帯) といって川と丘陵が織りなす静かな風光明媚な所です。景色の良さに加えて、昔、主に河運によってヴェーザー・ルネッサンスと呼ばれる文化が花咲いたためにお城や教会や由緒ある建造物が数多くあり、そのため今は自然と歴史を愛する人たちが訪れる観光地になっています。

そのヴェーザー山岳地帯の外れに、アペレルンという名の小さな町があります。町は小さいにもかかわらず、ここには立派な城館がふたつもあるのです。フォン・ハムメルシュタイン水城館はそのうちのひとつです。

このお城は16世紀の末頃にヴェーザー・ルネッサンス様式で建造されました。17世紀の後半、スウェーデン王室に属する軍のフォン・ハムメルシュタイン少将がお城とそれに属する騎士農場を購入し、それ以来フォン・ハムメルシュタイン男爵家が所有しています。フォン・ハムメルシュタイン男爵家というのは、10世紀の古文書に初めて現れる由緒ある家系で、現在の所有者はこのお城に住むようになって12代目なのだそうです。

 

お城 1 ・ お城 2

 

お城 3 ・ お城の標識

 

お城から入り口を望む ・ お城に続く小道

今世紀の初めに広範囲にわたる修復が行われ、続いて、歴史的な作庭法を用いて庭園の再構成がなされました。それ以来庭園は数回手を入れられ、春から秋にかけて週二日は訪問者の見学が可能です。

 

庭園 1 ・ 庭園 2

 

庭園 3 ・ 庭園からお城を望む

この日はいち度自宅に帰って、車で15分の所にある 〈ホテル・シュヴァイツァーホフ〉 の中のビストロに夕食を食べに行きました。

ここも武漢コロナ対策で、テーブルに着くまでマスク着用の義務があります。さらに用紙に名前と電話番号を書かねばなりません。でも手の消毒は要求されませんでした。いいのでしょうか? 感じの良い若い給仕スタッフはみんな マスクをしています。〈社会的距離〉 をとるためにテーブルの半数を空けてあるのですが、装飾の少ないガランとした部屋と相まって少し殺風景な雰囲気なのは、レストランではなくてビストロなので仕方がないかな。

 

レストランの内部 ・ テーブルセッティング

さて、アペリティフとして飲んだのは初めての飲み物でした。冷したアールグレイ紅茶にレモン草の風味を付けて炭酸水を混ぜています。私は紅茶を飲むときはいつもアールグレイなのですが、ミルクは入れてもレモンは合わないと思うので入れたことがありません。このアペリティフで私の思っていることが実証されました。

ここはノン・アルコール・ワインは置いていないということなので、食事中の飲み物は、私は炭酸なしのミネラルウォーター、妻はカミツレ茶にしました。

 

アペリティフ ・ 黒パンなど

まず出て来たのは黒パンで、エキゾチックな中近東の香料が入ったエンドウ豆のピューレ、少し甘味がある削った岩塩、または薄いトマト味の地中海野菜のピューレを付けて食します。硬くて不味いパンが残念です。

4品メニューの最初は、サラダ菜と焼いたホタテ貝です。その他パンチェッタ (パリパリに揚げたイタリア製のベーコン) と少し甘いサクランボのゲルとバルサミコ酢の線が皿上に見られます。旨い。

 

ホタテ貝サラダ ・ アンコウ料理

次はアンコウの切り身。その下には、アンズタケが入ったリゾットと色々な果物の辛子漬けがあります。魚もリゾットも美味しいのですが、果物の辛子味が強過ぎます。でもまぁ、リゾットに混ぜるとマシかな。

肉料理は子羊の背肉です。表面にハーブとパン粉を混ぜたものを塗ってオーヴンで焼いています。肉はメディウムに焼いていて、子羊特有の臭みがなく、やわらかで旨いのです。残念ながらソースが少し塩辛い。付け合わせはカリフラワーの小さな固形とピューレで、これもクリーミーで美味しい。そしてパルメザンチーズを混ぜたマッシュポテトのクロケットです。フッとチーズの風味があります。

子羊の背肉料理 ・ カシスのタルト

デザートはカシス (クロスグリ ) のタルト。少しクリームが多いけれども、あまり重くなく量も少ないのが結構です。ニワトコの花のシャーベットは、ホッとするさわやかさですね。

 

食後のエスプレッソ

長い間ハノーファーに住んでいながら、このホテルのビストロは初めてでした。美味しい料理を提供してくれる、私たちの知らないレストランやビストロがこの町にはまだたくさんあるのかな。これからの探索が楽しみです。

 

[2020年8月]

 

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