お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

メディチ家 の 要塞 in ヴォルテッラ

2019年10月30日 | 旅行

フィレンツェに滞在しているとき、南西に車路1時間半くらい離れた町ヴォルテッラを訪れました。小高い丘にある町に近づいていくと、数世紀の古さをもつメディチ家の要塞がこの中世の町のシルエットの大部分を形造っていることに気が付きます。

   

町の様子 1 ・ 町の様子 2

   

教会 1 ・ 教会 2

  

古代遺跡

要塞の最も古い部分は13世紀の末に建造されましたが、現在の形になったのは14世紀の後半だそうです。それ以来、この要塞がヴォルテッラの町を守ってきたのです。この当時の要塞はこんにち刑務所として使われており、一般人は入ることができません。しかしながら、毎月一度、一般の訪問客に所内のレストランが解放され、そこで食事ができるようです。その料理ですが、イタリアの複数の有名シェフの指導のもとで囚人が自分たちで調理し、サーヴィスも行うとのことです。いち度ここで食べてみたいものです。

  

要塞 1 ・ 要塞 2

   

要塞 3 ・ 要塞 4

  

要塞 5 ・ 要塞 6

   

要塞 7 ・ 要塞 (刑務所) の入り口

さて夕食は、フィレンツェに帰り、まだ未経験であったイタリアの寿司を食してみることにしました。ガイドブックを見ると、フィレンツェには25を超す寿司を提供する食堂があるようです。どこが良いのか分からないので、とりあえず我々のアパートメントから歩いて行けるところにしました。

「イヨイヨ (Iyo Iyo) 」という名前の寿司屋ですが、名前の意味は分かりません。野球帽をかぶった感じのいい日本人の親父さんと同じく日本人の若者が働いています。テーブルが8つしかなく、小さくて古くて粗末な内装ですが、一応清潔です。8時から予約でいっぱいだ、とのことなのに、開店時間の7時を過ぎたら30分以内に予約なしの客で満席になってしまいました。予約客が来る前に全部さばけるのか疑問です。

   

7時過ぎ ・ 7時半

たいへん意外で戸惑ったのは、この店ではほぼ全てセルフサーヴィスだということです。つまり、食器や箸を、そして醤油やナプキンを棚から取り出して並べるテーブルセッティングも、欲しい飲み物を選んで冷蔵庫から取り出して薄いプラスティックのコップを用意する飲み物サーヴィスも、客が自分で行います。注文も会計 (これは日本と同じ) も、自分でカウンターの脇まで行ってします。ただ、食事を運んでくるのと食後にテーブルを片付けるのはやってくれます。

飲み物の選択肢が非常に小さく、妻はミネラルウォーターを、私はなつかしいラムネを飲みました。ラムネを飲むのは子供の時以来です。昔より甘いかな、という気がします。

われわれは刺身一人前を二人で食べ、握りミックス12貫をそれぞれ注文しました。魚はギリシャからくるそうで、質は普通レベルです。私たちは刺身を長い間食べていなかったので美味しく感じます。

   

刺身 ・ 寿司

ここまではまぁまぁ満足していましたが、握り寿司を食べ始めて、その評価が急落しました。すし飯が生温かく、ベチャベチャ感があり、コメ自体の旨味がありません。さらに、握り方が丸すぎるし、しっかり握っていないのでポロリと落ち、そのくせすし飯の割合が多いのです。もっと細かいことを言うと、握りの形状と魚の切り方が一様ではないし、魚が薄く (これはドイツでも同じ) 、種はサーモンとマグロと鯛だけなのです。温かいすし飯のせいで魚が温かくなっていて、せっかくの魚が美味しくない。こんなに旨くない寿司はおそらく初めてではないでしょうか。以前スペインで食べた寿司が美味しかったのと、美食の国イタリアなのでいくらか期待感もありました。もちろん、これだけでイタリアの寿司のレベルをうんぬんかんぬん言うことは出来ないのは分かっていますが、残念です。どこかで美味しいイタリア寿司に出会いたいものです、

 

[2019年10月]


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モンテプルチャーノ の お城

2019年10月27日 | 旅行

イタリアのトスカナ地方ではシエナとフィレンツェがたいへん有名ですが、われわれが訪れたモンテプルチャーノは、シエナから南東に約45㎞、フィレンツェからは南南東に約85㎞の位置にあります。人口約14.000人の小さなこの町は、600mの丘の上に、中世の市壁に囲まれてたたずんでいるのです。

  

町の鳥観図

モンテプルチャーノの歴史は、紀元前715年までさかのぼれるとのことです。この地は13世紀の初めまでシエナの保護下にありましたが、その後フィレンツェとの間で領有権が争われ、16世紀の初めには最終的にフィレンツェの影響下に落ちました。そして同世紀の中頃には、司教座の所在地となりました。

第2次世界大戦のとき、ドイツ軍がイタリアのゲリラ隊員による攻撃の報復として、歴史的旧市街の破壊を計画していました。が、これは数人のイタリア人有力者の反対で免れることになり、町の東門が爆破されるだけで済みました。

   

町の様子 1 ・ 町の様子 2

   

町の様子 3 ・ 町の様子 4

   

町の様子 5 ・ 町の様子 6

ところで、このモンテプルチャーノにあるお城はメディチ家の要塞の一部で、もともとは13世紀の中頃に建造された軍用建造物です。このお城はシエナとフィレンツェが争っていた時代に、何度も破壊され再建されてきました。軍用の利用が終わった後、お城の建物は1990年代まで高等学校の校舎として使われました。

   

登城の道 ・ お城の庭

そしてこんにち、展覧会や催し物の会場、そしてアメリカ合衆国のある大学が学術的な講習会を行う会場などになっています。さらに2018年の4月から、モンテプルチャーノのワイン協会とワインショップがその業務と営業を行っています。

  

お城の中庭 ワインショップの入り口

ここでは、この地域の100を超す醸造所のワインを試飲して購入できるのですが、そのシステムが面白いのです。というのは、イスとテーブルがある部屋に、ワインのボトルが入った機械が10数台並んでいます。

   

試飲部屋 ・ テラス

ワインの種類によるのですが、貸してくれるカードを差し込んで上のボタン (2か3ユーロ) を押すと30ml、下のボタン (6ユーロ) を押すと100ml、希望のワインが出てくるのです。1枚のカードで200ユーロまで使えます。

  

試飲の機械

このようにして試飲をすることも、この部屋か景色のいいテラスに出ていろんなワインをしっかり飲むこともできるのです。モンテプルチャーノの住民にも旅行客にも、大変良いシステムだと思います。

さて、町の見物をしている間に休憩をしました。イタリアの10月の日差しはまだ強いので、アプリコットとオレンジの冷たいジュースです。それに加えて私はココナッツのアイスクリームも食べました。

   

ジュース ・ アイスクリーム

さらに町の八百屋で、この地方の名物である黒トリュフとポルチーニを買い求めてアパートメントに帰って調理しました。

   

黒トリュフ ・ ポルチーニ

ポルチーニはこれまで見たこともないほど大きいので、その半分でリゾットを作り、残りの半分を肉厚にスライスして、ステーキのように焼きました。キノコの味が濃厚で、傘の下がボニョボニョと食感が面白く、美味しく食せました。黒トリュフの方はどうしてよいかよく分からず、薄く削る器具もないので、ただ細かく切って軽く焼いてみました。結果は大失敗です。黒トリュフは白トリュフと違って、まったくと言っていいほど香りがないのですね。味もほとんどありません。白トリュフが黒トリュフに比べてはるかに高価である訳が分かりました。黒トリュフも調理の仕方によって、その香りを楽しめるのでしょうか。

   

リゾット ・ キノコ-ステーキ 黒トリュフ

ところで、私たちは町歩きの途中で休憩をするとき、しばしばラッテ・マキアートとエスプレッソに砂糖をたっぷり入れて飲みます。疲れた時の甘味は、身と心にグッときますね。

  

ラッテ・マキアート エスプレッソ

 

[2019年10月]

 

 

 

 

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トンダ の ハピマック ・ リゾート

2019年10月22日 | 旅行

数年前にスペインのマジョルカ島にあるハピマック・リゾートを紹介しましたが、イタリアはトスカナ地方のトンダにも、そのリゾート施設があります。というか、実は人里離れたこの地に11世紀から第二次大戦までトンダという小さな村がありました。その後村人がみんな離村し、荒れ果ててしまったのです。そして数十年後にスイスの不動産会社ハピマックがその廃村を丸ごと購入して、アパートメント群に改増築しました。現在は、プールやサウナなどのリラクゼーション施設を併設したリゾートです。どこの国にあるハピマック・リゾートでも、公用語はドイツ語なので何かと便利だし気が楽です。昔は村だったので、リゾート施設なのに教会があります。低い山の尾根に位置するので、けっこう高低がある地形です。周りには糸杉が並ぶトスカナ地方の典型的な景色が広がっています。

   

ハピマック・リゾート施設への入り口 ・ 旧トンダ村 1

   

旧トンダ村 2 ・ 教会へ続く糸杉並木

   

教会 ・ 村の中 1

   

村の中 2 ・ スパがある建物

  

リラックスできる広場 ・ 教会からプールを望む

私たちのアパートメントは、尾根から少し下がった位置にあり、それゆえ静かで入り口の前にはわれわれ専用の寝椅子や木製のベンチとテーブルがあります。ここからの景色も素晴らしい。

  

われわれのアパートメントの入り口 ・ その入り口の前

レストランは、レセプションと同様、増築した建物にあり、この地方の食材を使った料理を提供します。曜日によって魚のグリル、牛肉のステーキ、ジビエを使ったメニュー、白トリュフを使った料理、スパゲッティ、ピザが主要な料理です。が、私たちは朝食も夕食も昼のハイキング用の弁当も自分で作り、レストランは一度も利用しませんでした。ただ、一度だけテラスで午後のお茶をしたのです。

   

レストラン ・ レストランのテラス

私が食べたのはアップルケーキで、妻はティラミスです。ケーキは結構美味しいのですが、それぞれにカラメルまたはチョコレートをかけたクリームがどっさり付いていて、かなり高カロリーです。紅茶は二人ともアールグレイでした。

   

お茶 ・ アップルケーキ

  

ティラミス

今になって、白トリュフを使った料理を食してみてもよかったかな、と、少々後悔しています。

 

[2019年10月]

 

 

 

 

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フィレンツェ

2019年10月20日 | 旅行

フィレンツェはイタリアの有名な都市なので、日本でもたやすく情報が得られます。それで街の説明は省きます。

   

フィレンツェ 1 ・ フィレンツェ 2

  

フィレンツェ 3 ・ フィレンツェ 4

   

フィレンツェ 5 ・ フィレンツェ 6

ただ、30年ぐらい前に行った時に比べて、中国人の団体旅行客が格段に多くなっていました。そして中国人の男性もですが、特に女性が奇抜なポーズをとって記念写真に納まる姿は異様でした。人気のある建造物に入るには長蛇の列に並ばなければならないので、並ばずにすむものだけ見たのです。

   

フィレンツェ 7 ・ フィレンツェ 8

   

フィレンツェ 9 ・ フィレンツェ 10

   

フィレンツェ 11 ・ フィレンツェ 12

 

フィレンツェ 13

2泊したのですが、宿泊は旧市街にあるアパートメントです。たいへん古そうな重厚な建物で、各階に行く階段にそれぞれ鍵のかかる鉄格子がある、物々しい暗い内部です。天井は高く寒々としています。

さて、二日目の夜、ミシュランの一つ星をもつレストランで食事をしました。

レストランは旧市街のはずれにあります。我々のアパートメントから歩いて2分のところです。

   

レストランの入り口 ・ 入り口の前の歩道にある座席 (何のため?)

内部は狭く暗い空間で、静かなジャズが流れています。オープンキッチンの部分があるのは最近の流行ですね。席数が少ない割に数多いスタッフです。みんな英語が出来るので、話が通じるし冗談も理解するスタッフです。というか、耳を澄ましてもレストランの中は英語しか聞こえないのです。イタリア人客は全く居ないか、居てもごくごく少ないようです。

   

レストランの内部 ・ アペリティフ

食前酒 (?) として、二人ともミックスジュースにトニックウォーターを混ぜてもらいました。

まず供されたのは、シェフからの挨拶としてのお通しです。畑をイメージしているようで、左右の石と木材と農具のスキのようなフォーク以外は全部食べられるようですが、 „土“ は美味しくないので食べませんでした。ミニトマトは口に入れて噛むと、パシッとはじけました。木材の上のものは何だか分かりませんが、かすかにトリュフの味がしました。旨い。

   

お通し ・ パンとオリーブ油

熱々の焼きたてパンとオリーヴ油も出てきたのです。

メニューの数が少なく、我々の希望に合うのは „シェフのお勧めメニュー“ だけでした。7品のメニューです。

1.羊乳が原料の、まだ熟していないチーズと、上に各種の生野菜。熟していないチーズというのは薄味でサッパリしているのですね。少し塩味が足りないようです。

   

チーズとサラダ ・ ホタテ貝

2.焼いたホタテ貝、ピスタチオの粉、すりおろしたリンゴ、大根の味がするソース。ホタテ貝が少ないのが残念。

3.表面にカラメルを塗ってバーナーで焼いたフォアグラ、レッドオニオンのシャーベット、ココア豆、梨。別皿でブリオシュ (バターと卵をたっぷり使った柔らかいパン)。フォアグラが特に美味しい。

   

フォアグラ ・ リゾット

4.野生のハーブ、羊の発酵乳、レモン汁、アーモンド、パルメザン・チーズ、そして卵が入ったリゾット。少し出汁が足りないようです。重くて胃にずっしり来ます。

5.ウサギの肉を詰めたラビオリ。丸太の断面にのせて同時に出てきた料理は、食感からすると肉ですが何でしょう? ラビオリがたいへん美味しい。

   

ラビオリ ・ 肉かな?

6.干し草で燻した鳩の胸肉、アミガサタケ、食用ビーツ。木の皮を使った食器に鳩の足のから揚げと干し草に見立てた揚げ細切り玉葱。生食に近い鳩の肉ですが、美味しいのです。でも私は、揚げた足の方が好きです。

   

鳩の胸肉  ・ 鳩の足

7.デザートとして多くのものが出てきましたが、食べられるのは、大小の丸い真っ白い食材とそれをのせたチョコレートだけで、真ん中の大きな木の皮、石ころ、苔は食べられません。何だか凝り過ぎの気がしますね。

  

デザート ・ デザートのおまけ

そして、サーヴィスで供されたのもチョコレートです。柔らかいチョコに海苔のように見える極薄のチョコをのせています。チョコレート味が続いたのは残念。ほぼ透明の、何だか分からない液体がさっぱりしていて旨い。

最後に私だけエスプレッソを頼んだら、一口甘味が出てきました。右の二つ、真ん中の二つ、左の黒白二つずつが食用で、あとは全部飾りです。これも凝りすぎ。

  

一口甘味

レストランの雰囲気も、給仕スタッフの態度も知識も客扱いもたいへん良い。妻と私の独断と偏見による評価では、このレストランはまさにミシュラン一つ星をそのまま体現しているようです。それ以上でもそれ以下でもありません。満足感に浸りながら、フィレンツェの旧市街の石畳をアパートメントまで帰りました。

 

[2019年10月]

 

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