北イタリアの旅行で次の目的地であるヴィツェンツァに行く途中、モンテッキオ・マッジョーレという町を通りました。そこで偶然に、〈ロミオとジュリエットの城塞〉があることを知ったのです。地元の人によると、シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台になった町はヴェローナではなくてこのモンテッキオ・マッジョーレだ、とのことです。
ロミオの城の実際の名前は〈Castello della Villa〉で、ジュリエットの城は〈Castello della Bella Guardia〉です。ウィキペディアの写真でロミオの城とジュリエットの城の位置関係がわかります。約300メートル離れているのです。
二つの城の位置関係 (ウィキペディアより)
ロミオの城 1 & 2
ロミオの城 からジュリエットの城を望む
ジュリエットの城 1 & 2
ジュリエットの城からロミオの城を望む
それぞれの城塞から素晴らしい展望を楽しめます。この二つの城塞はどちらも14世紀の中頃建造されて、16世紀の戦争で大部分破壊されたそうです。その後城塞の防御機能の重要性が薄れたために再建されず、やっと修理修復が始まったのは19世紀になってからです。
現在のロミオの城ですが、中庭は野外劇場で建物の中は歴史展示室になっています。ジュリエットの城には居酒屋とレストランが入っています。
ロミオの城の内部 1 & 2
ジュリエットの城の中庭
ところで、シェークスピアによって有名になった〈ロミオとジュリエット〉の話、地元の人たちは知っていても否定するでしょうが、原作はルイージ・ダ・ポルトという作家が書いたファンタジー小説なのですねー。
さて、4泊する予定のヴィツェンツァに着いて昼食をとったのですが、まずオードブルとしてサーモンのマリネをラズベリー・ソースで食べさせる料理をたのみ、妻とシェアしました。サーモンをソースにからめて食べると美味しい。
サーモンのマリネと生野菜
主菜として私はポレンタを添えた乾燥ダラのヴィツェンツァ風を食べました。全体的に何だか昔懐かしい味がしたのです。繊細さに欠ける料理ですが、味は悪くありません。
乾燥ダラとポレンタ ・ カレイの切り身
妻のオーダーはカレイの切り身にウイキョウ・ソースです。ソースが特に美味しい。サラダがついているのも良かったですね。
どちらの魚料理もこの地方の名物料理だそうです。
ヴィツェンツァはルネサンス時代の有名な建築家、アンドレア・パラディオ (1508 - 1580) の故郷で、彼の壮麗な作品の数々が町中に見られます。たとえば〈Teatro Olimpico = オリンピック劇場〉はその代表的な建築です。我々が宿泊した建物も彼の作品ですが、途中で資金が足りなくなって中途半端のまま現在に至っています。
我々が宿泊した建物 (右半分がパラディオの作品) ・ オリンピック劇場
私たちのアパートメントはもちろん現代的に改装してあります。面白かったのはカップル用のシャワー。二人で水のかけ合いをして遊ぶのでしょうか。もうひとつ気になったのは、おしり洗浄ノズル(?!)と思われるものです。別にちゃんとしたビデがあるし便器をこするブラシもあるので、それ以外考えられません。水が冷たいし勢いが強すぎて、使い心地は悪い。(試しただけで、使いませんでした。)
シャワー ・ おしり洗浄ノズル(?!)
見どころの一部を見学した後でアイスクリーム休憩をしました。先日アイスクリームを食べたとき生クリームの多さに閉口したので、妻はストロベリー入りアイスの生クリームなし、私は、メニューの写真を見るとクリームがのっていないので、スパゲッティアイスを注文したのです。ところが、アイスクリームの下に生クリームがどっさり隠れていました。残念。
ストロベリー入りアイス
スパゲッティアイス ・ スパゲッティアイスの生クリーム
ヴィツェンツァは、近くにヴェネチア、パドヴァ、ヴェローナなどの有名観光地があるので、あまり知られていません。けれども、というか、だから、というか、それほど多くない観光客の数が心地良い、おすすめの町です。
〔2018年8月〕〔2024年2月 加筆・修正〕