私の住むハノーファーから真西に3時間強走った所にある、北ドイツの平地に建つ水城に来ました。
城へと続く道 ・ 複合施設の全体像 (Wikipediaより)
広大な森と草原と畑がある敷地の中、敷地を囲むように水路が走っています。この人家から離れてぽつんと建つ、堀に囲まれた城と農場から成る数棟の建物がヒュンネフェルト城館です。門が固く閉まっており "ビデオ監視" の表示もあり、非友好的な印象を受けます。
城館 1 & 2
城館 3
この地に最初に建造された城塞が、12世紀の中頃にヒュンネフェルト領主の先祖代々の本拠地として古文書に言及されています。そして13世紀に2棟からなる堀のある城塞に建て替えられ、14世紀末の頃から16世紀末にかけて数度にわたり所有者がかわりました。
農場 と 堀 1 & 2
城塞がヒュンネフェルト城館に改築されたのは17世紀の前半から中頃にかけてです。その際、ヴェーザー・ルネッサンス様式の装飾の代わりに簡素な初期バロック様式が用いられ、本館の体面に農場が増築されました。農場の庭、庭園、および城の広場を含む複合施設全体が堀に囲まれています。また、18世紀の初めに建てられた、尖った屋根の白い丸い鳩の塔には外壁に鳩の入り口がたくさんあります。
中庭にある鳩塔
こんにち、本館と南棟は裏庭を含んで現在もフォン・デム・ブッシェ・ヒュンネフェルト家が住居として使用しており、立ち入ることは出来ません。ただ週末のみ、電話で申し込んで北棟に設置されている城と家族の歴史に関する小さな博物館を見学出来、その時に19世紀中頃に造られた英国の風景式庭園を巡るガイド付きツアー (グループのみ) が可能だそうです。カフェでくつろぐこともできます。さらに、今世紀の初め以来、ヒュンネフェルト城の敷地内で毎年初夏のイベントが開催されています。 演劇です。
疎水 ・ 市役所 と 船
この日宿泊したのは、ヒュンネフェルト城館から北西に約2時間走った所にあるパペンブルクという小さな町です。オランダとの国境に近いからか、町中に疎水が流れていて市役所の前に船を展示しています。さらに赤レンガの建物が多くて、オランダの町が思い起こされます。
教会前の広場
"フォン・シュヴァルツェンブルク男爵" という名前の、何だか由緒ありそうなホテルですが、たいへん現代的な比較的新しい宿泊施設です。
このホテル1階にあるレストランで夕食を食べました。
レストランのテラス ・ 内部
飲み物は、この地方で醸造しているアルコール・フリーのビールです。
ナイフ+フォーク+ナプキン ・ ビール
前菜はオリジナルのサラダ。軽くバルサミコをかけた各種食材は、小さいパン2個、揚げたひと口大の鶏肉、白菜、アイスベルク菜、二十日大根、チコリ、ペパロニ、ミニトマト、黒オリーヴ、フェタ(羊乳)チーズ、タマネギ、パプリカ、キュウリで、にぎやかです。どれもパリパリに新鮮で旨い。
サラダ ・ フラム クーヒェン
主菜は軽くフラム・クーヒェンにしました。ピザに似ていますが生地が超薄く、上に色々なものを載せて焼きます。私が注文したそれには、サワークリーム、スモークサーモン、早採りネギ、そして赤色玉葱が載っています。私はピザよりもフラム・クーヒェンの方を好みます。
私は山が好きなので360度見回しても山が全く見えない北ドイツにはめったに来ないのですが、この近くで講演をしたついでにヒュンネフェルト城館とパペンブルクを訪れました。
〔2024年1月〕