お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

バンベルク宮殿

2019年06月27日 | 旅行

レーゲンスブルクに講演に行く途中、バンベルクに一泊しました。旧市街がユネスコの世界遺産になっている町です。

   

バンベルク 1 ・ バンベルク 2

  

バンベルク 3

こんにちバンベルクで「宮殿」と呼ばれる建物は、18世紀の後半に大学病院として建てられました。当時としてはヨーロッパでもっとも現代的な病院だったそうです。その後教育病院としての役割を終えて、19世紀前半に市民病院になりました。そして20世紀の後半、別の場所に新しい市民病院が出来たときから5年間、今度はホテルとして再利用されるようになるまで、この建物は全く利用されていませんでした。ホテルが開業して建物の改装が進むにつれて、だんだんと客室の数が増えていき、今では184の客室とスイート、10 のセミナールーム、レストラン、カフェ、リラクゼーション施設、そしてバロック風の礼拝堂がある、この町で最大のホテルです。

   

宮殿の正面 ・ 中庭

   

玄関と噴水 ・ 礼拝堂

ホテルの内部には、昔病院だった痕跡があちこちに見て取れます。例えば、廊下は広くて殺風景。ただ、こんにちの病院に比べて各部屋への入り口が狭いですね。昔のベッドは小さかったのかな?

   

階段 ・ 廊下

私の部屋はデラックス・ダブルなので広く、天井も高くて良い部屋です。ただ、暑い日なのにクーラーがなくて扇風機だけだし、使い込んだバスローブのひもがボロボロなのです。

   

私の部屋 1 ・ 私の部屋 2

ロビーに入り口があるレストランに夕食にいくと、人でごった返していて騒がしい。聞くと、会社ジーメンスのセミナーの参加者だそうです。かなり大勢いてバイキング形式で夕食をとっているようで、酒も入っています。驚いたのは、半分くらいがアジア系の人々なのです。中華系ですがどこの国民かは分かりませんし、ドイツの会社で働いているのか、わざわざドイツに来たのかも分かりません。人数が多いので、おそらくセミナーのためにドイツに来たのでしょう。そういえば、ジーメンスは戦前から中国と関係が深かったですもんね。

   

レストランの入り口 ・ 内部 (朝食時)

予約していたテーブルについて、先ずはノンアルコールのヴァイツェンビールです。パンと自家製ゴマバターが出てきました。ゴマバターといってもバターに黒ゴマを混ぜているだけで、ゴマを噛めばその風味が少しします。

  

私のテーブル ・ パンとゴマバター

前菜に、アスパラガスの新鮮な香辛料入りラグー(フランス風のシチュー)で満たしたパイを注文しました。ネギはハーヴ(薬味)のつもりかな。この国では珍しく、たくさんの生ネギを散らしています。メニューには「緑色と白色のアスパラガス」と書いてあるのに、供されたのは白アスパラだけでした。緑色もあったら美的によかったのに、、、。そしてラグーですが、きめが粗くて味も薄くてあまり美味ではありません。

   

前菜 ・ 主菜

6月はアスパラガスの旬なので、メインディッシュもアスパラ料理にしました。この地方で産出された白アスパラガス (250g) で、何を付けるかを、生ハム及び茹でハム、サーモン (160g)、ウィーン風シュニッツェル、子牛の背肉のステーキ (160g) の中から自分で選べます。私はウィーン風シュニッツェルにしました。子牛の肉を薄くたたいて、衣をつけて揚げた料理です。このアスパラガス。悪くはないのですが、シーズン中に私の自宅近くに立つアスパラ専門屋台で買うそれの方が美味しいような気がします。ハノーファー近郊はアスパラガスの生産で有名なのです。

ドイツ人はアスパラが大好きで、専用の湯で鍋があるほどです。人気のあるソースはホランデーゼといいますが、原料はバターとレモン果汁と卵黄で、塩と少量の黒コショウまたはカイエンペッパーで風味付けをします。

このレストランでは、ホランデーゼか溶かしたバターか、を選べるようになっていて、私はホランデーゼにしました。かなりカロリー値か高いのですが、本来美味しいソースなのに味があまりしません。スーパーで売っている出来合いのソースをそのまま出したのでは、、、と疑ってしまいます。同じ皿上のポテトは結構旨いのですが、ウィーン風シュニッツェルに絶望感を覚えました。というのは、衣の油をよく切っていないのか、アスパラの茹で湯が浸透したのか、衣がベチャベチャなのです。ああ、日本のトンカツの衣のパリパリ感がなつかしい。ウィーン風シュニッツェルなので子牛の肉のはずですが、やわらかくないし味自体も良くありません。

食事が不満足だったし、まわりがうるさいので、そそくさと部屋に帰りました。部屋にエスプレッソを作る器械があるので、部屋で食後のコーヒーを飲んだのです。

  

エスプレッソ ・ 朝食

朝食も同じレストランだったのですが、もうセミナーが始まっている時間だったので、普通の泊り客だけしかいなくて静かでした。外はいい天気で、ホテルの玄関の前の噴水を眺めながらの朝食。パンの種類が少なかったようですが、私がふつう食べるものは全部ありました。

このホテルはウェルカム・ホテルチェーンに組み込まれていて、ビジネスホテル風の接客をしているようです。歴史を意識した格調の高さがなく、レストランのレベルも低いし、私はある程度期待していたのですが、裏切られたような気がします。残念。

 

[2019年6月]

 

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城館ホテル ミュンヒハウゼン (再訪)

2019年06月17日 | 旅行

城館ホテル・ミュンヒハウゼンはいち度投稿したのですが、家から近いし再投稿する価値のある城館ホテルなので改めて紹介します。。

  

城館の前面 ・ 城館から庭園を見る

   

お堀と城壁 ・ お堀とカフェテリア

かなり大きいゴルフ場が隣接しているからか、結構お客さんがいます。建物の前面に幾何学的な庭園があり、後ろには少し起伏があって小川が流れる整備の行き届いた公園が広がっています。ここに、ロシアのピエトロ大帝がパイナップルの農園を訪れた時の記念碑があるのですが、昔はこの地でパイナップルが出来たのでしょうか。

  

入り口 ・ ロビーから階上へ

   

ロビー ・ ロビーの天井

城館の歴史は先回の投稿に簡単に書いたのでここでは繰り返しませんが、この城館ホテルには、2004年に5つ星ホテルとして開業して以来ずっとミシュラン1つ星を保持しているグルメレストランがあるのです。

今回、一泊のグルメプランを予約しました。プランで提供されるのは、城館にあるハイグレードの部屋と食前酒付きの5品グルメメニュー、そして贅沢なビュッフェ形式の朝食です。

夕食はもちろんグルメレストランで。このレストランで食事をするのは、妻と私にとって3度目になります。

  

レストランの内部

まずアペリティフですが、私はアルコールフリーの発砲ワインにブドウジュースを混ぜたもの。妻は同じくアルコールフリーの発砲ワインに、リンゴジュースを混ぜた飲み物にしました。

   

バター ・ 自家製のパン

  

アペリティフの 「あて」

アペリティフの 「あて」 として、うやうやしく黒い箱に入った一口料理が出てきました。何であるか説明してくれたのに忘れましたが、4つとも全部違う味でそれぞれが美味だったのは覚えています。アルコール入りのアペリティフに良く合いそうでした。

突き出しはエビとアヴォカドの料理で、ちょっと甘いソースがかかっています。

   

エビとアヴォカド ・ 胸腺とポルチーニ

突き出しのふたつ目は、子牛の胸腺とヤマドリタケ (ポルチーニ) にホウレンソウソースです。

さて1品目は、サバの燻製と黒ゴマのアイスクリームなどですが、それにキムチが加わっているのは意外でした。本当にキムチの味がしますが、色は白菜色です。

   

サバの燻製など ・ アスパラガスなど

そして、もちろん、季節がらアスパラガスです。緑と白のアスパラガスにベーコンと羊の乳で作ったヨーグルト。それにアマラントという、古代穀物をどろどろに煮たのが少しありましたが、これは別に美味しくありません。

3番目は、ヒラメです。驚いたことに、小さなコールラビ (カブキャベツ) をくりぬいて、中に生の卵黄を入れてあるのです。ドイツには生卵を食べる習慣がないので、思ってもいなかった工夫です。

  

ヒラメとコールラビ

次は、いわゆる 「箸休め」 です。緑色の氷の玉にストローが刺さって出てきましたが、中には何かのジュース味がする飲むヨーグルトが入っています。その横、キュウリを枕にした小さなスプーンには、わさびが入ったキュウリ・アイスクリーム。供し方が面白いのですが、何だか無駄な装飾が多い気がしますね。

   

「箸休め」 ・ 「森の雄シカ」

さて、4品目は雄シカの肉のステーキ。まわりに緑の野菜や立てたキノコを配置して、「鹿が森にいる」 のを見立てているそうです。焼き方がレアに見えますが良く火が通っているし、野獣の臭みも無く、美味しくいただけました。

そして、ストロベリー・アイスクリームやマシュマロなどをきれいに盛り付けたデザートでグルメメニューが終わりました。

   

デザート ・ チョコレート

食後のコーヒーは注文しなかったのですが、チョコレートを出してくれました。

突き出しと5品の料理に良く合う世界各地産のワインをそれぞれ0,1mlずつ提供する 「ワイン旅行」 というのを妻がやって、ほとんど全部 (約0,6ml) 飲んだので、翌日は二日酔いになってしまいました。私は相変わらず、アルコールフリーのビールでした。

以前も書いたと思いますが、このホテルのグルメレストランは、ミシュランのひとつ星を持つレストランの中でも特に美味しい料理を提供してくれます。妻も私も大満足の食事でした。

  

挨拶状とケーキ

食事のあと部屋に戻ると、テーブルに挨拶状とケーキを置いてくれていました。もう満腹だったので、ケーキは家に持って帰って食べたのですが、日本のカステラに少し似た、たいへん美味しいケーキだったのです。

朝食は、ローストビーフや発砲ワインもある贅沢なものですが、妻も私も朝はあまり食べない習慣です。(その割には沢山食べたかな?)

   

私の朝食 1 ・ 私の朝食 2

  

私の朝食 3

車で1時間少々で行ける、美味しいレストランのある古城ホテル。今回10年ぶりの滞在でしたが、もっと頻繁に行こう、という思いを強くしました。

 

[2019年6月]

 

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妙見温泉 忘れの里 雅叙苑

2019年06月02日 | 旅行

鹿児島県霧島市、観光客で賑わう旅館街の喧噪から離れた天降川沿いに、茅葺屋根の古民家を移築し、創業から50年経とうとする、昔ながらの集落のような宿屋があります。1974年、フランスに誕生し、自治運営する非営利団体の協会組織 「ルレ・エ・シャトー」 に加盟している宿なのです。このルレ・エ・シャトーですが、加盟するのは相当に敷居が高く、厳格な審査と、ルレ・エ・シャトーの価値を共有できる、個性あるホテル・レストランのみが加盟を認められるそうです。

谷の斜面の狭い敷地にある宿にタクシーで乗り付けると、(雨が降っていたので) 傘を持ったスタッフが数人駆け寄ってきました。チェックインタイムまでまだ時間があったので、まず 「囲炉裏小屋」 に案内されました。この小屋は雅叙苑のロビーにあたり、夕食後にはここで、囲炉裏で温めた 「かっぽ酒」 が振る舞われるそうです。雨宿りをしていた鶏の夫婦と同席しました。

   

宿屋の入り口 ・ 「囲炉裏小屋」

チェックインの後で、昼間は読書サロン、夜はレストランやカフェとしても利用されている 「食処喫茶 不忘舎」 に案内され、お茶とお菓子をいただきながら宿の説明などを聞いたのです。

   

「食処喫茶 不忘舎」 ・ お茶とお菓子

われわれの 「客室」 は、玄関も縁側もある二間の家です。古い家屋にもかかわらず設備は現代的で、例えば、トイレに入ると便器のふたが開いたのにびっくりしました。露天風呂もあります。このような部屋付きの露天風呂は、この宿が日本で最初に始めたとのことです。

  

部屋付きの露天風呂

夕食は部屋食ではなく、 「いちょうの間」 と名付けられた建物に用意されていました。この建物は、雅叙苑で初めて移築した茅葺屋根の古民家なのだそうです。

  

「いちょうの間」 (朝食時)

まず飲み物ですが、私はオールフリー・ビールとウーロン茶、妻は地元の酒をたのみました。

テーブルの上にはすでに数々の料理が並んでいます。

自家牧場で手作りの発酵飼料を食べて元気に走り回って育ったという地鶏の刺身盛り合わせ。鶏の刺身はほとんど食べたことがありませんが、特に美味しいとは思いません。

   

刺身盛り合わせ ・ 野菜盛りの鰹節かけ

季節の野菜盛りの鰹節かけも煮〆も地味な料理ですね。どちらも深い味わいです。

 

煮〆 ・ だご汁

そして、さつま芋のでんぷんで作った 「だご」 が入っただご汁は、私の故郷大分の団子汁と名前が似ていますが、団子汁には小麦で作って伸ばした麺が入っています。おだやかにまとまった味ですね。

味噌田楽の横には、鹿児島名産の黒豚の角煮です。味噌味も醤油味もまろやかです。

  

味噌田楽 ・ 黒豚の角煮

季節の野菜や肉などが、外のオープンキッチンで炭焼きして供されました。

 

オープンキッチン 「水屋」

  

炭焼き ・ 摘み草揚げ

摘み草揚げの食材は、季節感いっぱいの、よもぎ、みつば、おおばこ、どくだみ、など。

      

夕食の最後

最後にご飯とお汁と漬物がでてきて、デザートは果物です。

自家菜園で作られた野菜と直営農場で育てられた地鶏を繊細に調理した郷土料理をたっぷり楽しみました。

朝食も 「いちょうの間」 でとるのですが、部屋から 「いちょうの間」 に行く途中に、雅叙苑の厨房の一部である 「水屋」 を通りかかり、焼き物や卵料理の調理方法をその場で選ぶことによって、焼きたて、作りたてを食べられるようにしています。

  

「水屋」 の料理人

種類豊富な朝食は、生野菜やヨーグルトや煮物がのったお盆、芋ご飯、豆乳、おひたし、具沢山の味噌汁、卵料理の鰹節かけ、そして 「水屋」 で焼いた焼き魚です。

   

各種料理の盆 ・ 芋ご飯

   

豆乳 ・ おひたし

   

味噌汁 ・ 卵料理の鰹節かけ

  

焼き魚

懐かしい日本の朝の風景と母の味を感じられるのが、雅叙苑の朝食の原点だそうです。

チェックアウトの時には、卵焼きと釜戸でご飯を炊いたときに出来たおこげのおにぎりで弁当を作ってくれました。

雅叙苑は小さな宿ですが、スパもあります。宿の傍を流れる天降川沿いに、エステルームがあるのです。妻は、マッサージをしてもらいました。

そうそう、この天降川ですが、白い大きな魚が何尾も泳いでいるのです。

スタッフのひとりに、

「美味しく調理して、この宿の名物にしてはどうですか。」

と、冗談半分に言うと、

「誰かが放したんでしょうね、外来種なんですよ。食べる気がしないのは、ピラニアみたいで気持ち悪いからです。でもまあ、生態系が壊されていなくて鮎も登ってくるからそのままにしているんですよ。」

と、答えました。

各部屋に露天風呂があるのですが、エステルームの横にも男女別大浴場 「建湯」 と貸切風呂 「うたせ湯・ラムネ湯」 があります。「建湯」 の湯船は、重量約20tの巨大な一枚岩を半年がかりでくりぬいて造り上げたそうです。「うたせ湯・ラムネ湯」 は古くから自然に湧き出している自噴泉で、二酸化炭素ガスによって血の巡りが活性化されるとのことです。

  

温泉場

さすが、「ルレ・エ・シャトー」 に加盟出来た、日本の趣にあふれた宿だと思います。ちょっと普通の旅館とは違う感じだし、質素だけれども味わい深い料理を堪能できました。

 

[2019年6月]

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