お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

ギフホルン城館

2023年09月29日 | 旅行

私の住むハノーファーから東に1時間ほど走るとギフホルンという町があります。今回この町には、〈日本人の考え方と感じ方〉についての講演を依頼されたので来ました。

 

講演会場

地図を見ると意外にもギフホルンにお城があるのですねー。それで、近い距離にもかかわらず一泊して当ブログのための取材をすることにしました。

泊まったのはギフホルンの町はずれにある個人経営の小さなホテルです。実はハノーファーで1週間の農業機械メッセ(見本市)が開催されていて、車で1時間も離れているこの町でさえ、この期間はホテルが特別宿泊料金になります。私が泊まったホテルは通常のほぼ2倍の部屋代です。ハノーファー市内では3倍から4倍になるホテルもありますから、まだマシな方ですね。それにこの田舎では元々の宿泊料金が安いので、まぁ許容範囲です。もちろん今夜はメッセ客で満室だそうです。ハノーファーではメッセの期間は宿泊施設が足りず、自宅の空いている部屋に泊める家庭もあって良い臨時収入を得ているようです。

私の部屋はごく簡単な客室ですが、どうせ寝るだけですし、ドイツのホテルはどこに行っても清潔なので全く不都合はありません。

 

客室

他の宿泊客は朝早くメッセ会場に行ったらしく、私はガラガラの部屋で朝食を食べました。食材は普通の市販のもので種類が少ない。ソーセージや卵などの温かいものはなく、ホテルの朝食としては粗末な方です。

  

朝食部屋 ・ 私の朝食

ところで、ギフホルンの町には西暦1000年頃すでに城があった、と13世紀末の古文書に書かれているそうです。しかしながら現在のギフホルン城館は、16世紀の中頃に町の北端の小高い位置にルネサンス・スタイルで新しく建造されたお城なのです。18世紀末までは掘割、土塁、稜堡(城塁の突出部)などを造ることによって要塞として拡大強化してきましたが、その後防御施設の必要がない時代になってきたので次第に取り払われていき、役所や上級官吏の住居として使われるようになりました。そして21世紀の初め頃までは簡易裁判所と刑務所だったそうです。その間、20世紀の後半に2度、根本的な修繕と城館施設全体の再編成が行われました。現在はギフホルン郡議会の会議室、催し物会場、歴史博物館、そしてレストランとして使われています。

  

城館 1 ・ 城館 2

  

城館 3 ・ 城館 4

 

城館 5

お城の外壁に沿って建て増しされた、ガラス張りのレストランで昼食をとりました。ジャズヴォーカルのBGM が流れていて良い雰囲気です。お堀に張り出たテラスもあります。よく知られたグルメ雑誌で結構高い評価を得ているレストランのようなので、久しぶりに美味しい食事にありつけそうです。

  

レストランの内部 ・ 突き出し

突き出しは刻んだ酢漬けのキュウリが混ざっている鴨の食用油脂とパンです。豚の食用油脂とは少し風味が違っていて結構いけます。でもカロリーが高そうなので少ししか食べません。

ハノーファーの野外市場の八百屋ではもう終わったことになっているので少々おかしいのですが、今がそのシーズンだ、というふれこみでアンズタケ(杏茸)づくしのメニューがあったのです。それで、疑念と興味をもってそれを注文してみました。

  

前菜 ・ メインの料理

前菜は野菜サラダ盛りとアンズタケを使った3種類の小料理。3種類とは、ブルスケッタ(パンにニンニクとオリーヴ油をぬって、炒めたキノコと少しの野菜をのせている。)とラビオリとスープです。ブルスケッタはパンが硬すぎます。ラビオリのなかにはキノコとヤギ乳のチーズが入っていて、味は結構ですが冷たいのが残念ですね。スープは、何というか、、、角ばった味というか、、、、もう少しまろやかさが欲しい味です。サラダは香辛料の風味があってよろし。

メインはハーブ入りクリームをからませたアンズタケに、付け合わせとして、クネーデル(小麦粉とつぶしたジャガイモを団子に丸めて茹でたもの)の輪切りをカリカリに焼いたものとフライパンで焼いたホタルジャコです。この魚自体と白っぽいソースの味が薄い。キノコのクリームが濃いので、一緒に食べることで何とかなりました。クネーデルはあまり美味しくないうえに硬くて、一部残しました。

  

デザート ・ 勘定書きを入れた箱

最後は日替わりデザートで、大きな皿で出てきたのはナッツ入り生地のフランス風チョコレート菓子、甘いアーモンド味のアイスクリーム、パン生地の円柱に入ったローテ・グリュツェ(コーンスターチと果汁で作った赤い色のデザート)です。甘味が好きな私としては甘い物をまずいと感じるのは稀ですが、全部どぎつい味で、おだやかな甘さを好む私にとっては本当に美味しくない。まぁ、かなり満腹だったのもありますが、、、、、。チョコレート菓子を半分残しました。主菜で満腹になった後で量も味もパワフルなデザートを食べるのはほとんど苦痛ですね。

食後、淡い期待があっただけに失望感が残りました。今がシーズンだというアンズタケが特に美味しかったとも思えません。あー、美味しい料理を食べたいー。

 

〔2017年11月〕〔2023年9月 加筆・修正〕

 

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聖者の谷の水車小屋

2023年09月20日 | 旅行

講演の依頼があって、ハノーファーから約130km離れたリューネブルクに行きました。

千年以上の歴史をもつリューネブルクは、中世時代に塩の掘削と流通でたいへん栄えたハンザ都市です。ゴシック様式のレンガ建築とロマンティックな切妻造りの建物がこの市のトレードマークなのです。リューネブルクは第2次世界大戦時に破壊されなかったので、古い建築物がたくさん残っています。

 

昔の水塔で、今はイヴェント用の建物 (私の講演会場)

  

市役所と市場 ・ 旧市街の一角

  

中央広場 ・ 今も営業している薬局

宿泊したのは、〈聖者の谷〉というありがたい名前の隣村です。〈聖者の谷の水車小屋〉というホテル・レストランですが、名前が示すように、この場所にはすでに14世紀から修道院に住む僧侶が営んだ水車小屋がありました。現在の建物は見た目はかなり古いのですが、20世紀の中頃に新しく建てられたのです。その時に、製粉作業は川の流れによるのではなく電化されました。水車小屋は1960年代終わり頃まで、村にトラクターの渋滞ができるほど活況を呈しました。しかしその後は米国から安い製品が入るようになり、経済的に成り立たなくなってしまったのです。それで水車小屋の所有者は1970年代の初めに倉庫をレストランに改築しました。けっこう人気が出て、リューネブルクやハンブルクなど近隣の町から遠足の目的地になりました。こんにちレストランに加えて、7室のバリアフリーを含む24の客室と会議室や催し物会場をもつホテルになっています。

  

ホテル(後)と レストラン(前) ・ レストラン と テラス

  

レストランの内部 ・ 農産物を吊り上げてここから出し入れ

小さな池のほとりにレストランが、そして道を挟んでホテルの本館があるのですが、私が泊まったのは別館です。簡素で清潔で機能的で良い部屋です。シャワーのスペースが広く、浴室が床暖房なのは快適ですね。ただホテルの所在地が田舎すぎて、携帯が〈圏外〉になってしまいます。

 

客室

講演を終えてホテルに帰るの遅かったので、家から持って行った稲荷寿司とクッキーを夕食にしました。ホテルの朝食はごく普通です。

帰途に、アウトバーンのサーヴィスエリアで休憩をしました。日本でこれに相当する施設のことは知りませんが、この国では洗面所が有料です。約百円投入すると遮断棒がまわり、約70円分の商品券が出てきます。ここで飲食する場合に利用できるのです。

  

洗面所の入り口 ・ 商品券

このサーヴィスエリアで昼食を食べました。

 

セルフサーヴィスのレストラン 

飲み物ですが、私がいつも頼むノンアルコールビールがなかったので、マルツビールというノンアルコールビールにしました。これは昔から〈子供ビール〉とか〈妊婦ビール〉とか呼ばれる甘くて栄養価(カロリー)の高いビールですので、私は好きなのにもかかわらず、飲むのを控えているビールです。成分は、水、マルツ(麦芽)、ブドウ糖と果糖のシロップ、炭酸、そしてホップのエキス、と表示されています。

  

マルツビール ・ 料理

食べたのはフライパンを使ってその場で作ってくれる料理で、鶏肉、パイナップルとリンゴ風味のカレーソース、赤タマネギ、パプリカ、ズッキーニ、ナスが入っています。それを米飯にかけているのです。野菜がたくさんあるから、ライスだから、そして好きなカレー味だから注文しました。

今までアウトバーンのレストランで美味しいと思ったことはありませんが、ここも不味い。何というか、、、、塩辛すぎるわけでも、甘すぎるわけでも、酸っぱいわけでもなく、味覚に全く反応しない、風味に乏しい味というか、、、、不味さの特徴がつかめない不味さというか、、、、。ライスも思いっきり不味く、どうしてこんなに不味くできるのか不思議なくらいです。でも、悲しいかな、空腹だったので全部食べてしまいました。

両手でお盆を持って空の食器をワゴンに返しに行くとき、お盆が少し揺れてビール瓶が倒れそうになったのでサッと右手を出して瓶をつかんだのです。

ガシャガシャガシャーーーーン。

すぐにスタッフのおばさんが、若い同僚に食器の破片を片付けるように言ってくれました。 

「あー、すみません!!!! 私が片付けましょうか。」

「いえいえ、いいですよ。それより、あなたは怪我をしませんでしたか。」

「私は大丈夫です。本当に申し訳ありません。」

「こんなことは誰にも起こることですから、かまいませんよ。」

久しぶりに、ドイツのおばさんのやさしさにふれた日でした。

 

〔2017年11月〕〔2023年9月 加筆・修正〕

 

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アルテナ城塞

2023年09月16日 | 旅行

昔私が大学を卒業して仕事を始めたり新婚生活を始めた懐かしい都市、デュッセルドルフからほぼ真東に直線距離で約65㎞離れた所にアルテナ城塞はあります。それは、澄んだ水が大量に流れるレンネ川の畔にある小さなアルテナ町にそびえ立つ城塞です。

 

アルテナ城塞の模型 ・ アルテナ城塞 1

 

トンネル エレベーター ・ 城塞からの景色

車でも行けますが、町の中心部から比較的長い、途中に子供が喜びそうな遊び道具や展示がある歩行者専用のトンネルの奥にあるエレベーターで城塞まで登る有料の方法もあります。行ってみると、細長い岩山の頂上に建つ大きな存在感のある城で、両側はかなり急斜面の谷です。

 

アルテナ城塞 2 & 3  

 

アルテナ城塞 4 &

 

アルテナ城塞 6 & 7  

伝説によると、このSpornburg(支脈城、半島城)は12世紀の初めに建造されたようです。この地域の重要な製鉄業を保護する為、そして実際に居住するために建てられたと考えられています。記録に残る最初の住居者であるアルテナ伯爵はエーバーハルト1世という人物でした。が、彼の孫であるアドルフ1世がこの地を離れたため、それ以来お城には管理人やアルテナ伯爵の側近が住むだけとなりました。

そして15世紀中頃にアルテナ城は全焼した後、暫定的に再建されたに過ぎませんでした。18世紀の後半にやっと非武装化されるまで城は軍隊の駐屯所であったり、一部が刑事裁判所と刑務所だったのです。

  

アルテナ城塞 8 & 9  

 

アルテナ城塞 10 & 11

その後アルテナ町が譲り受けて、19世紀中頃まで施設の一部を貧しい人々や孤児の宿舎として使用していましたが、年を経るにつれて城は荒廃していきました。20世紀の初めまでに所有者が2度変わり、その間、付属の庭園が整備されて一般に公開されたり、まだ使える建物が病院になったりもしました。

そして地区の役所が非営利団体を立ち上げ、寄付金を募ってアルテナ城を再建することにしました。再建は20世紀の前半に始まったのですが、時を同じくして城内に世界で最初の常設ユースホステルが造られ、その各部屋が現在オリジナルの形で博物館の一部になっています。ユースホステルを持つ城が一般に開放されてすぐに、このザウアーラント地方は人々に愛される行楽地になったのです。その後何年にもわたってアルテナ城博物館は絶えず改築拡張されてきました。

 

アルテナ城塞 12 & 13  

 

アルテナ城塞 14 & 15

最初にトンネルとエレベーターに触れました。トンネルの長さは約95メートル。城まで60メートルを登って行くエレベーターは2014年に開業したそうです。

こんにちアルテナ城塞は町のランドマークであり、世界中からの観光客にとって主な魅力になっています。毎年8月の最初の週末に、城と町で大規模な中世のお祭りが開催されます。なお、城の一部はレストランとして使用されています。

私たちはあまり時間がなかったので建造物を外から見学するだけで、博物館の展示は見ませんでした。

さて、城には宿泊施設がないので、車で20分ぐらい離れている山の上にある小さな村の田舎風ホテルに泊まることにしました。

 

我々の部屋 1階 と 2階

なんでも、155年前から改築増築を繰り返しながら営業を続けているという居心地の良いモダンなホテルです。子供連れの家族が農業を体験したり馬に乗ったり出来る施設で、田舎の人っぽいフレンドリーな経営者とスタッフが居ます。

我々の部屋は別館にあるメゾネットで、バルコニーからの景色が良いのです。

本館の方でレストランを大々的に営んでいるので、そこで夕食を食べました。暖炉のある典型的な田舎風内装の空間です。

飲み物はワインもビールも頼まずに、どういう訳かふたりとも紅茶にしました。

 

レストラン ・ 紅茶

前菜のひとつは、酢油がドレッシングの新鮮な野菜サラダ。あまり酸っぱくなくて穏やかな味です。

 

野菜サラダ ・ 玉葱スープ

もうひとつは熱々のフランス風玉葱スープです。パンが入っていて、表面をオーブンでチーズグラタン風に焼いています。結構重い料理ですが旨くて、私は結構好きです。

 

ローストビーフ ・ レムラードソース と 二人分の炒めポテト

そして妻が頼んだメインディッシュはローストビーフです。レムラードソース (香草・マスタード・ケーパーで香りづけしたマヨネーズソース)を付けて食べ、付け合わせは炒めポテトです。まあ普通の味ですね。冷たい肉は温かいそれに比べて味が落ちる気がします。この薄切り肉をサッと炒めてニンニク醤油ソースをかけて熱々で食べてみたい、という思いに駆られました。

私の主菜は、目玉焼きを載せたシュヴァイネシュニッツェル (叩き伸ばした豚カツのような物) にマッシュルーム入りのクリームソースがかかっています。この料理も付け合わせは炒めポテトです。薄味のソースが旨くて炒めポテトも美味しいのですがボリュウームたっぷりで、完食するのに苦労しました。同じ皿に載った少し酸っぱい野菜は、この料理との相性が悪いようです。

 

シュヴァイネシュニッツェル ・ ラッテマキアト

今日は食後のエスプレッソではなく、ラッテマキアトにしました。単なる気まぐれです。

 

朝食場 ・ 私の朝食

朝食はレストランとは別の明るい部屋で、わりと充実した朝食ビュッフェでした。

このホテルは、普段泊まらないような珍しい場所にある一風変わったホテルです。食事にも満足しました。

 

〔2023年9月〕

 

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シュヴェリン城

2023年09月09日 | 旅行

旧東ドイツの北部にあるシュヴェリンという町の中心部に近いところに、シュヴェリン城は建っています。湖の島に建つ豪華絢爛なお城です。

 

シュヴェリン城 と その周り(ウィキぺディアから)

城の基礎となる部分は、10世紀の末ごろ湖の岸辺に近い小さな島に築かれた砦の土塁であるそうです。その小さな砦が何世紀にもわたって公爵や大公の居城であった城館になっていく過程は、16世紀の初めごろから書物や絵画で詳細に記録されています。現存するお城は19世紀の中頃に、古い建物を改築して誕生しました。20世紀の初めごろには原因不明の大火災で建物の3分の1が破壊されたそうです。再建のあと国にその所有権が移り、城館博物館、農民博物館、保健博物館、そして考古学的収集品の展示室を設けて一般公開されました。その他ラジオ放送局など色々な事務所や、ヒトラーの時代には福祉事業による幼稚園が城内の部屋を利用していたそうです。第2次大戦の末期には野戦病院が設置され、戦後はソビエト軍の行政機関が置かれました。ドイツ民主共和国(東ドイツ)時代には城館の大部分が幼稚園の女性教諭を養成する学校に占められましたが、歴史や美術の博物館もありました。東西ドイツの壁が開いて大規模な改装や整備を行った後、1990年にメックレンブルク・フォアポメルン州議会の所在地になりました。博物館として使用していた部屋はシュヴェリン国立博物館になっています。ロマンチックな外観で訪問者に大変人気のあるシュヴェリン城は、〈北のノイシュヴァンシュタイン城〉とか〈童話のお城〉と呼ばれ、現時点でユネスコ世界遺産の候補に挙がっています。

  

城の正面に行く橋 ・ いろいろな建築様式の部分

  

オランジェリー(温室)・ 庭園の入り口

  

湖から見る城館 ・ 庭園から見る城館

シュヴェリン城を見学して湖ホテル・フランケンホルストに連泊したのですが、ホテルのレストランでは昨晩の良い席をまた取っておいてくれました。

私は相変わらずヴァイツェン・ノンアルコールビールを頼みましたが、妻は今日は赤ワインです。フランスパンとクリームが出てきて、今日のパンの味はマシでした。

 

パン と クリーム 

しっかりした洋食が二晩続くので、今日は軽めの前菜にしました。

ひとつは人参と生姜のスープで、ウサギ肉の串焼きが添えてあります。スープはふたつの構成要素の味が混ざり合っていて、たいへんに美味しい。今まで知らなかった味です。ウサギ肉は少しシバシバですが悪くありません。

  

スープ ・ サラダ

もうひとつは新鮮な季節のサラダのマンゴー・ヴィネグレットソースかけ。マンゴー・ソースが美味しい。

主菜のひとつはベーコンで巻いた豚のヒレ肉のメダイヨン(円形に切った肉片)とマッシュルームのクリーム煮で、付け合わせはポテトのクロケットです。残念ながらベーコンはいつも塩辛いですね。それに肉汁ソースも同じく少々塩辛い。

  

豚肉のメダイヨン ・ クロケット

別の主菜はラタトゥイユ(フランス南部名物の野菜の煮込み料理。トマト、ナス、ピーマンなどの野菜をオリーヴ油とニンニクで炒め、野菜のもつ水分でじっくり煮込んだもの。)の上にのせた淡紅色に焼いた子羊(ラム)の背肉。バルサミコ・肉汁ソースがかかっています。塩辛いもう一つの主菜とは反対に、ラム肉に少し塩をかけてグッとおいしくなりました。野菜の煮込みもジャガイモも美味しい。妻と私は肉の焼き具合の好みが違うので、私は十分に焼けた部分を食べました。

 

子羊(ラム)の背肉料理

デザートはスウェーデン風アイスクリームということですが、どこがスウェーデン風なのか、よく分かりません。内容はヴァニラアイスが二つとチョコレートの切片が入ったアイスが一つに、リンゴのムースと生クリームとタマゴリキュールがかかっています。アップルムースとタマゴリキュールの混合は初めてですが、なかなか旨いと思いました。

  

スウェーデン風アイス ・ ストロベリー と アイス

もう一つのデザートは砂糖につけたストロベリーとヴァニラアイスクリーム三つです。これは美味しいけれども知っている味でした。

私たちは昔、東西ドイツの壁が開いてすぐあとにシュヴェリン城を一度見たのですが、何だか荒れ果てているなー、とその時は思っただけでした。今回は、その豪華絢爛さに驚きました。また、城館庭園を含むその周りのたたずまいも素晴らしいのです。

 

〔2017年10月〕〔2023年9月 加筆・修正〕

 

 

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湖ホテル フランケンホルスト

2023年09月04日 | 旅行

ドイツの北東部は湖の多い地域で、ハイキングやサイクリングでにぎわう観光地です。その湖のうちの一つの湖畔に〈湖ホテル・フランケンホルスト〉はあるのです。

この地には18世紀の後半から20世紀の前半まで、いくつかのレンガ製造工場と石灰工場がありました。そこに建てられた〈湖の喜び〉というハイキング客のためのゲストハウスは戦中から戦後の東ドイツ時代に地方の高官やドイツ社会主義統一党の役人の宿泊所として使われ、もちろん旧東ドイツで最後の国家評議会議長および党の書記長であったエーリッヒ・ホーネッカーも滞在したことがあるそうです。

そして東西ドイツ再統合の後ゲストハウスは一般人の観光と飲食営業に利用されるようになり、21世紀の初めにこの地域は風景と鳥類を保護する領域と位置付けられました。

〈湖ホテル・フランケンホルスト〉はこんにち59の客室と簡易台所の付いたひと部屋住居が数棟の建物に分散された4つ星ホテルです。広々とした敷地内ではラマ、ロバ、ヤギ、そして猫を飼っています。また湖畔にはボートやヨットや水遊びが出来るホテル客専用の施設がありますし、湖上サウナから湖に飛び込んで体を冷やすこともできます。子供から老人まで長期滞在して楽しめる宿泊施設なのです。

  

ホテルの敷地内 1 & 2

私たちの客室は本館から少し離れたひと部屋住居がはいった平屋の建物にあって、簡単な部屋ですが落ち着きます。簡易台所でハイキングのための弁当をつくりました。ご飯が焦げ付いた鍋底を我々が出かけている間にハウスキーピングのおばさんがきれいに洗ってくれていたのには恐縮しましたが、これも彼女の仕事のうちなのかな?

  

我々の客室の入り口 ・ 簡易キッチン

ホテルのレストランは大きくて、ガラス張りのサンルームになった部分はたいへん明るいのです。そこにチェックインの時にテーブルを予約しました。

 

レストラン

今夜はお客さんが多いようで、話し声がうるさくて落ち着きません。サーヴィススタッフのおじさんは少しガチャガチャしていますが、気は良さそうです。ポルトガル人だそうで、日本とポルトガルの歴史的かかわりについて話したり、租借地であった香港と違ってマカオは植民地であったこと、そこに住む人々は学校でポルトガル語と中国語を学んで二重国籍をもつこと、そして若い人は学校を終えるとポルトガルに行く人が多いということ、などを教えてくれました。

さて、夕食です。

まずパンとサワークリームが出てきましたが、どちらも不味い。飲み物は妻はボルドーの白と炭酸入り水を注文し、私はノンアルコールのヴァイツェンビールです。

 

パンとサワークリーム

前菜のひとつはホタテ貝をベーコンで巻いて焼いた料理です。結構旨いのですが、ホタテ貝の繊細な味がベーコンの強い塩味に負けているのが残念です。下に敷いている海藻は中華食品を販売するスーパーで買える海藻サラダを温めたものですが、サラダはやはり冷たい方がいいですね。付け合わせは黄色い色鮮やかなサフラン・リゾットです。

  

帆立貝の料理 ・ ラグー料理

別の前菜はパイの中に詰めたラグー(細かい刻み肉入りの香辛料のきいたシチュー)とアスパラガスの先端。少し甘めの味付けです。通常のラグーと違ってクリームソースがほとんどありませんが、これはこれで美味しいですね。

私が注文したメインディッシュは、オリジナル・ウィーナー・シュニッツェルです。ドイツでシュニッツェルというとたたき伸ばした豚肉を衣をつけて揚げた料理ですが、オーストリアはウィーンのシュニッツェルは子牛の肉を使います。少々塩分の多い味付けですが柔らかくて美味い。レモンの輪切りの上に油漬けニシンイワシで巻いたケイパーをのせているのは良い感じです。炒めポテトにネギとベーコンを混ぜる、という手を加える心がけが良い。新鮮野菜サラダのドレッシングの淡い味も結構。

  

シュニッツェル ・ 炒めポテト

妻の主菜はカラッと焼いたホタルジャコの切り身です。小骨が何本かありますが、表面がパリパリで旨い。付け合わせは炒めたひき肉とディルを混ぜたポテトサラダです。わりと美味しくいただけます。

 

ホタルジャコの料理

デザートはハチミツとカッテージチーズで作ったシャキシャキのシャーベット風アイスで、ヴァニラ・ペッパーミントの泡がかかっています。今まで知らなかった味で大変美味い。温かい西洋スモモの砂糖煮がよく合います。

  

アイスと西洋スモモ ・ チョコレートムース

もうひとつのデザートは三種のチョコレートムースで、ミルクチョコ、ホワイトチョコ、ブラックチョコの全部が甘過ぎなくて胃にもたれそうにもありません。漬け込んだ果物とフルーツソースは残念ながら私には少し酸っぱすぎます。

旧東ドイツのホテルということであまり期待はしていませんでしたが思いのほか美味しい夕食ができて、妻も私も満足しました。やはり二人で食事をするとそれぞれ半分ずついろいろ食べられて良いですね。

夕食の時と同じレストランで朝食をとりましたが、食材の種類が多くてわりと豪華なものになりました。夕食でも感じましたが、生野菜が美味しいですね。近くの農家から直送しているのかな。

  

朝食 ・ 卓上のインフォメーション

毎朝朝食のテーブルに3日分の天気予報やお知らせやニュースをまとめた印刷物を置いているのは良いサーヴィスです。このホテルに限らず、長期滞在の客が多いホテルに良くあることです。特に簡易キッチンのある客室は長期の滞在に向いていますね。

 

〔2017年10月〕〔2023年9月 加筆・修正〕

 

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