「偉大な田舎」とペロポネソス半島は呼ばれているそうです。その「田舎」の海岸沿いにある小さな村で11日間、いつものように休暇用アパートメントを借りて過ごすのです。
われわれが住む建物の中にアパートメントは4つあり、そのうちのひとつに大家が平素住んでいて、休暇の客はうちだけです。写真に写っているダイニングキッチンと居間の他に寝室がふたつあり、かなりゆったりとした住居空間なのです。大家は小さな子供が二人いる若い夫婦で、クリスマスと正月にギリシャ人が食べる特別なお菓子をくれるほど、細かい心遣いが出来る人達です。
アパートメント
クリスマスのお菓子 ・ 正月のお菓子
この地域は夏休みを過ごす客が多いところのようですが、今はガラガラ。ほとんどの休暇用アパートメントはもちろんのこと、ほとんどのレストランもカフェも冬は営業していません。私たちはのんびりと、近くの海辺や山間の村にハイキングするつもりです。
山の中腹から海を見る ・ 小さな港
山間部には村や礼拝堂が点在します。
山頂にある礼拝堂
25人前後の修道女が生活する修道院を訪れました。訪問者は私たちだけで、英語がほとんど出来ない修道女とまったく出来ない修道女と身振り手振りで交流することが出来ました。言葉は出来なくても彼女たちの暖かさは十分感じられました。驚いたことにクリスマス菓子と水を出してくれ、自身の農園でとれたオレンジを10数個もくれました。
修道院の外観 ・ 教会の内部
水 と クリスマスのお菓子
そのオレンジですが、この時期は道路沿いにオレンジを売るスタンドがたくさん出ています。冬のペロポネソス半島はオレンジとレモンと、そしてもっとも大事な産業であるオリーブの収穫の真っ盛りです。オリーブの収穫は、まず実のついた枝を切り取ってそのあと実をはずす、というやり方のようです。
ところで、港の岸壁から海の中を見ると、すぐ手が届くところに黒い丸いものがたくさんあります。よくよく見ると、、、、なんとウニではありませんか。ギリシャ人はウニを食べる習慣がないのでしょう。誰からも採られずに、岩にへばり付いていたり移動したりしています。もし竿の付いた網が手元にあったならば、すぐに数十個のウニが手に入ったでしょう。
オリーヴの収穫 ・ ウニ
この地方の冬は比較的暖かいからでしょうか、生き残っている野良犬と野良猫が放し飼いの犬猫といっしょにウロウロしています。人が住むところで動物が自由に動き回っているのは、何となく心が和みます。
まったく意外でびっくりしたのですが、高度350メートルぐらいの山中を歩いているときに陸亀に出会いました。石ころだらけの道で堅い甲羅を背負っているので、動きづらそうに歩いていました。
野良猫 ・ 陸亀
アパートメントから歩いて行ける範囲を散策したときに、少し海に突き出た所に開いているレストランを発見したので、昼食をとることにしました。日本人が珍しいらしく、感じ良く迎えてくれていろいろと聞かれました。どこから来たかとか、どれだけ長くいるのかとか、ギリシャの食事は口に合うかとか、、、、。
私が注文したアルコールなしのビールは少々薬の味がして不味いのですが、妻が頼んだ地元のロゼワインは地元の料理に添えて飲むと結構いけます。どちらも地元だと相性が良いのでしょう。
ところで、ギリシャでは日本と同じで無料の水が供されるのです。隣国のトルコと違ってギリシャの水道水は飲めるのを知っていますが、ほんの少し心配だし美味しくないので飲みませんでした。
料理はいろいろと気の向くままに注文しました。
旅行中は野菜不足になりがちなので、地中海サラダを注文しました。野菜は新鮮で良いのですが、ビネガー(西洋風の酢)が少々強過ぎました。
地中海サラダ ・ パン
焼いてオリーブ油をふりかけたパンも出てきましたが、他に食べるものがたくさんあるので手をつけませんでした。美味しそうでもなかったし、、、、。
レストランのオーナーが目の前の海で自分で取ったというタコ。茹でた後炭火でグリルしてオリーブ油をかけて供され、レモンをかけて食べました。手の込んだ調理ではなくて、ごく自然な食べ方ですね。フッと炭の風味がいいし、やわらかくて旨い。
タコ ・ イカ
衣を付けて揚げたイカもレモンをかけて食しました。衣に良い味が付いていましたね。
魚介類が入ったトマトソースのスパゲッティですが、ソースに入っている香料がドイツと違うようです。美味しいのですが、ヌードルがイタリアでいうアルデンテと違ってかなり茹ですぎでした。
スパゲッティ ・ お菓子
食後にサービスでギリシャ独特のお菓子を出してくれました。上にかかった粉砂糖以外は甘くない上スカスカパサパサの食感で、残念ながら美味しくありませんでした。
テラスでの食事
天気は良いけれども風が冷たい日にテラスで食べたので、料理が冷めるのが早くて残念でした。冷めた油のみならず、冷めたスパゲティもかなりまずいのがよく分かりました。
ギリシャ人が日常的に食べる食事は脂っこくて我々にはそれほど美味しくないので、やはり昼食は自分で作った弁当がいいなー。
〔2018年1月〕〔2023年10月 加筆・修正〕