お城でグルメ!

ドイツの古城ホテルでグルメな食事を。

城塞広場

2023年11月30日 | 旅行

ライン河畔にあるこの広場はデュッセルドルフの旧市街にあります。〈城塞広場〉という名前は昔ここに城塞があったからなのです。13世紀の後半、漁村であったデュッセルドルフが市に昇格した時にライン河を航行する船から税金を徴収するために城塞が築かれました。16世紀後半に城塞は領主の居城としての城館に改装されたのですが、その後領主が引っ越したあと、絵画のギャラリーなどが入居していました。ところが18世紀から19世紀にかけて数多くの火災が度重なって損傷がひどくなったため、19世紀の末頃に城塔だけを残してすべての建物は撤去されたのです。その城塔には現在船舶航行博物館とカフェが入っています。第二次大戦後、破壊された広場の再建とその後の複数回の再開発を経て、こんにちに至っています。

  

城塞広場と城塔 ・ 広場にあるモニュメント

  

ライン河畔の時計台 ・ オープンエアーの飲食店

城塞広場は車両進入禁止で市民と観光客の憩いの場になっています。10年前には広場での飲酒が禁止になったそうですが、広場に面する数軒の飲み屋の前ではビールを飲んでいる人が数人います。いいのかなー? 〈アルコール飲料を広場に持ち込むのが禁止〉ということならば、飲み屋はウハウハですね。

15時からの講演の前に満腹になりたくないので昼食は軽くしようと思い、日本のパン屋で昼食とおやつを買いました。

 

テリヤキバーガー・ミニ

テリヤキバーガー・ミニはテリヤキのタレで味付けした肉とマヨネーズとサラダ菜一枚がはさまっているバーガーです。美味しい日本の味なのです。

 

コロッケバーガー・ミニ

コロッケバーガー・ミニはケチャップソースがかかったポテトだけのコロッケ。例えばひき肉などが入っていれば良いのにな、と思いました。日本のデパ地下で売っているコロッケの方がずっと美味しい。

 

タコ焼きロール

タコ焼きロールの形はタコ焼きですが、大きさはずっと大きいのです。真ん中にタコヤキソース少量とタコの小さな切片が一つ入っています。全体を揚げているのでまわりは揚げパンの味で、中はタコ焼きの味です。しかしながら、タコの量があまりにも少なすぎます。好きな〈たこ焼き〉の名前に釣られて買ってしまいました。

 

メロンパン と アンパン

メロンパンはフワフワの食感でほんのりした甘さ。でもどうして〈メロンパン〉という名前なのでしょう。形状かな? 味かな? どちらもあまり似てないと思うけど、、、、。

アンパンの表面の真ん中に塩漬けの桜を一輪埋め込んでいるのが、いかにも日本らしいですね。皮が薄くて粒あんがたっぷり入っていて、まさに日本の味です。あんこが好きな私は大満足でした。

さて夕食は、昨日〈エビ天カレーうどん〉を食べた惣菜店で幕の内弁当を買って持ち帰りました。いろんなものが少しずつ食べられるのが良いですね。私は客でごった返している食堂は苦手で、いつもホテルの部屋でくつろいで食事をしようと思います。実は日本でホテルに泊まっているときも、コンビニの弁当をお持ち帰りすることがよくあるのです。年をとってますます人と接触するのが億劫になっています。引きこもり傾向があるのです。

 

幕の内弁当

幕の内弁当の内容は、ひき肉が少し入ったコロッケ、レンコンと里芋と大根と豆の煮もの、モヤシとキュウリのあえ物、エビフライ、サケの塩焼き、トマト、卵焼き、厚揚げ、鶏の唐揚げ、レモンの薄切り。ご飯を含め日本で食べるのとまったく差がない美味しさ。さすがデュッセルドルフの日本人社会ですね。

ところで、宿泊したホテルは旧市街のすぐ近くにある新しい現代的なホテルでした。朝食場は広々とした空間で、比較的高いレベルの朝食でした。

  

ホテルの朝食場 ・ 私の朝食

 

〔2018年3月〕〔2023年11月 加筆・修正〕

 

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イェーゲルホフ城館

2023年11月25日 | 旅行

過去のブログに書きましたが、デュッセルドルフは私にとって特別な都市です。ここで学業を終えて医師免許の取得、病理専門医の資格取得、そして博士号を取得して結婚をしました。私の人生を決めた場所なのです。

今回講演の依頼があってこの懐かしい市を訪れました。

 

デュッセルドルフ市役所

市街地の中心部から公園を横切って、18世紀の中頃建造されたイェーゲルホフ城館に行きました。

  

城館への道 ・ そこにあるベンチは蛍光灯

建造されて約10年後、あのゲーテがデュッセルドルフに来たときに訪れたと思われるそうです。しかしその4年後には革命軍による略奪があり、結局のところまったく住めない状態になりました。そして19世紀の初め頃ナポレオンがこの町を訪れるのを機に修理されたのです。その後貴族が住んでいたり、空き家になったり、その他いろいろなことに使われたようです。第一次と二次の世界大戦の間にフランス軍とベルギー軍がドイツのルール地方に進駐し占領した事件が発生しましたが、そのときにイェーゲルホフ城館はフランス軍に接収されて司令部が置かれました。そして第二次世界大戦中に城館はひどく破壊され、1950年に再建されました。1955年以来城館の建物は博物館として使われているのですが、1987年以降はゲーテ博物館としてゲーテの人生と作品に関する常設の展示の他、時折精神史や文学史のテーマでいろいろな特別展も行っています。このデュッセルドルフ市のゲーテ博物館は世界3大ゲーテ研究所のうちのひとつで、世界で最も多い約5万点のゲーテの私物収集品があるそうです。

  

イェーゲルホフ城館(ゲーテ博物館) ・ 近くにある劇場博物館

イェーゲルホフ城館から歩いて10分ほどの所にある駅前のイマーマン通りは昔から日本の食堂や飲み屋や商店が多いのですが、そこに〈MARUYASU〉という寿司やいろいろな惣菜の販売と簡単な食事を提供する店が出来ていたので、昼食をとることにしました。店員も日本人なので日本にいるような錯覚を起こしそうです。

  

MARUYASUの外観 ・ MARUYASUの内部

〈エビ天カレーうどん〉を食べました。麺にコシがあってよろしいですね。大きい海老天が二つのっているのですが、天ぷらの衣ではなくてトンカツの衣みたいなのが残念です。カレーの味がしっかりしていて美味しい。私が最後にカレーうどんを食べたのは45年くらい前、京都に住んでいた頃だと記憶していますが、当時は少しトロリとした汁だったと思います。

 

エビ天カレーうどん

夕食はどうしようかと思いながら前出のイマーマン通りとその脇道をウロウロしていると、日本的装飾ですが中国人がやっている回転寿司屋を見つけました。他の品も数々あるので、ホテルの部屋でくつろいで食べようと思って持ち帰りました。

  

回転寿司屋 ・ フジヤマ・ロール

〈フジヤマ・ロール〉は、すり身、マサゴ、アボカド、キュウリが入った巻き寿司に少し衣をつけて揚げています。生温かくて、甘めの薄味醤油をつけて食べます。食感が巻き寿司と天ぷらを同時に口に入れているようで変ですねー。酢飯を使っていないのか、酢の効き具合いが弱いのか、酢の味が全くしませんが全体として結構旨いのです。

 

鶏のから揚げ

〈鶏のから揚げ〉は食べやすい一口大。表面はカラッとしていて中はジューシーで本当に美味しい。

 

天ぷら盛り合わせ

〈天ぷら盛り合わせ〉はエビ、肉、カリフラワー、ズッキーニ、パプリカ、ナス、サケ、イカのミックス盛りです。材料は新鮮で良いのですが、衣に天ぷら粉を使っていないようです。さらに感心しないのは天つゆではなくて醤油をつけて食べさせることです。濃過ぎるし、味も良くないし、、、、、。

 

焼き餃子

〈焼き餃子〉は珍しいことに鶏肉入りです。甘酸っぱいソースで食するのも悪くはないのですが、やはり通常の餃子のタレが欲しいですね。餃子のきれいに整った画一的な姿は機械製造の冷凍食品だと思わせます。味は結構良いのですが、持ち帰ったので冷めていました。

やはり日本人が作るのとはいろいろな点で違いますね。

少し行って角を曲がったところに日本人がやっている食堂がありました。そこで食べるか、お持ち帰りするべきでした。残念。

デュッセルドルフを離れて28年にもなるので街はまったく様変わりしています。ところどころに見覚えのある一角があるのですが、、、。

もう一泊します。何を食べようかなー。

 

〔2018年3月〕〔2023年11月 加筆・修正〕

 

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ハノーファー市庁舎

2023年11月22日 | 旅行

私の住むハノーファーの13世紀前半に建てられた最初の市庁舎が、まだ旧市街の中に旧市庁舎として残っています。現在は建物に飲食店と商店が入っているようです。

 

旧市庁舎 (Wikipediaより)

19世紀の末になってハノーファー市が工業化によって次第に広がって来た為大きな市庁舎が必要になり、現在の豪華な城館に似た新市庁舎が、ウィルヘルムII世治下の1901年から12年の歳月をかけて市の中心部の南端に建てられました。高さ97,73メートル、長さ約129メートル、そして幅がおよそ67メートルあるそうです。

  

新市庁舎の航空写真 (Wikipediaより) ・ その南側 (Wikipediaより)

  

新市庁舎の北側 ・ 入り口を入って正面

 

階段の上から入り口を見る

1階のホールには旧市街がどのように変遷してきたかを示す模型が展示されています。バロック時代(1689)、第2次世界大戦前(1939)、戦争で破壊されたハノーファー(1945)、こんにちのハノーファーの4つです。

  

1689 ・ 1939

  

1945 ・ こんにち

展望台がある丸屋根は約100メートルの高さで、展望台まではヨーロッパで無比の丸屋根に沿って弓形に進むエレベーターで行きます。100年以上前に新市庁舎が完成したのと同時に運行を始め、10年くらい前に造り直しました。

 

エレベーターの進路 (Wikipediaより)

新市庁舎には地下にある職員食堂の他に訪問者と観光客のためにちゃんとしたレストランがあるのですが、〈ガーデンホール〉という名前で建物の南にある公園と池に面しています。ハノーファー市は広島市と姉妹都市なので、市とかつて私が副会長をしていた独日友好会の共催で毎年8月6日にはこの池で精霊流し行われます。

 

南側にある池

レストランでは昼食を食べたのですが、一品料理の他に一週間の日替わり定食を列挙したメニューがあるのでそれを利用するのが便利です。業者がやっているのではなくハノーファー市が運営しているので、市民のためを思ってか驚くほど良心的な値段です。ガランとしていて殺風景ですが、狭いところが苦手な私には居心地がいいのです。サーヴィスはしっかりしています。

  

レストラン ・ ビール 

さて、外は零度に近い気温ですが飲み物はいつものようにノンアルコールのヴァイツェンビールにしました。

簡単なレストランだと思っていたのですが、意外にも、パンの他にシェフの挨拶としての突き出しが出てきました。焼いたホタルジャコの切り身とジャガイモのチップス及びピューレ、そしてホウレンソウ・ソースです。特に凝った味付けではないけれども、旨いと思いました。

  

突き出し ・ スープ

日替わり定食は2品のメニューで、今日の前菜はカレー・クリームスープでトウモロコシで育てた鶏の肉とゴマが入っています。なぜか酸味が強いのが気になりました。サワークリームを使っているのでしょうか。やはりカレーはカレーの強い味がしてほしいなぁー。普通の鶏肉ではなくてトウモロコシで育てた鶏の肉を使っているのに感心しました。我が家でもこの鶏肉を食べていますが、美味しいのです。

 

ステーキ

メインはリブロース・ステーキで、バーベキュー・ウイスキーバターをつけて食べます。付け合せは炒めた豆とタマネギとオーブンで焼いたポテト。今歯の調子が悪くて治療中なので、肉の堅いのが困りました。バターは味がほとんどしません。ウイスキーの風味なんてまったく無いのです。豆とタマネギは薄味で原料の味が良くわかって旨い。

 

エスプレッソ

食後に注文したエスプレッソに、CANTUCCINIというイタリアのクッキーが付いてきました。妻も私も好きなので、家に常備している唯一のクッキーです。

長いことハノーファーに住んでいて初めて食事をした市庁舎のレストランですが、旧市街と商店街の喧騒を離れて池のある公園を眺めながら食事が出来る憩いの場所です。グルメレストランではありませんが、料理の質も味も市内の普通のレストランには劣りません。値段を考えるとお得感抜群です。暖かくなって公園が緑になったらまた来てみましょう。

 

〔2018年2月〕〔2023年11月 加筆・修正〕

 

 

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グリューネヴァルトの城館ホテル

2023年11月18日 | 旅行

この城館ホテルは、ドイツの首都ベルリンのグリューネヴァルトと呼ばれる市域にある5つ星のデラックスホテルです。私がこのホテルの存在を知ったのは、2006年にサッカーの世界選手権がドイツで開催され、ドイツチームの宿舎になったときです。「へー、こんなホテルがあるのか。」と思ったのですが、格調が高そうで何となく気がひけて、泊まるのは見合わせていました。

そして10年以上経った2018年、私も年をとって厚顔になったのか、その高い敷居をこえてみよう、という気になったのです。ちょうど日独センターで講演をすることになったので、この機会を利用することにしました。

さて、グリューネヴァルトの城館ホテルとはどんなホテルなのでしょう。

2年間の建築期間を経て1914年に完成したイタリア・ルネサンス風の建築物です。本来の意味での城館ではなく、フォン・パンヴィッツ家が建てたのですが、個人の家屋としては莫大な費用をかけた建物だそうです。ところが6年後に戸主が他界し、その後約20年にわたって空き家の状態が続きました。そしてこの豪華な邸宅は第2次世界大戦中ドイツ国家に売却され、当時新しく出来たクロアチア国の大使館として使われるようになりました。戦後ソ連軍の略奪を逃れたため、元のままの華麗な内装を保つことが出来たそうです。1951年にゲールフスという人物がこの建物を賃借し、デラックスホテルを開業しました。そのホテルは1960年代と´70年代には名前と地位のある人々が集まる場所になり、映画の舞台になったこともあります。ところがゲールフス氏が1984年に亡くなって建物は腐朽して行きます。そして、54の客室をもつホテルが〈城館ホテル・四季〉という名前で再開業したのは1994年です。その後何回か名前が変わり、〈グリューネヴァルトの城館ホテル〉という名前になったのは2004年で、すでに述べたように、その2年後にはサッカーのドイツチームの宿舎になりました。2014年からは有名なルレ ・エ・ シャトーの会員になっています。ごく最近ホテルの名前が〈パトリック・ヘルマン・城館ホテル〉に変わったようですが、当ブログでは馴染みのある古い名前を使いました。

  

外観 ・ 廊下のうちのひとつ 

立派な屋敷が立ち並ぶ高級住宅街に建つホテルにタクシーで乗り付けると、すぐにスタッフが駆け寄って来て荷物を持ってレセプションに案内してくれます。ロビーにはテーブルと椅子があって、そこでウェルカムドリンクを飲みながら、事務能力の高そうな若おばさんを相手にチャックインです。先ほどタクシーまで迎えてくれたスタッフが今度は客室まで案内して、設備の説明をしてくれます。よどみなくテキパキと事が進むのです。少し事務的で心がこもっていない気もしましたが、毎日同じ仕事なのでルーティーン化しているのでしょう。

  

ホール ・ バー

 

私の部屋

客室は重厚な感じの内装で年代を感じさせる家具が設えてあり、骨董風の絵が複数かかっています。キングサイズベッド、大きなバスタブ、床暖房の洗面所、そして質が良さそうなアメニティーグッズは良好な住環境を約束してくれそうです。冷蔵庫に入っているビールとジュースと水は無料です。もちろん宿泊料にあらかじめ入っているのでしょう。完璧に思える部屋ですが、自分でお茶を沸かす設備が無いのです。近年客室にお茶を沸かすポットや電動のコーヒーメーカーを置くホテルが増えている中で、稀有なことですね。温かい心遣いを感じるのは、私個人に宛てたあいさつ文を机上に置いていること、テレビのプログラム冊子は当日のページを開いていること、連泊なのに2日目の朝にタオルもシーツも全部替えてくれたこと、そして外出から帰るとドアマンが「お帰りなさい。」と迎えてくれることですね。

ベルリンの日独センターで講演をするのは10回目ですが、今度初めて講演後の夕食に誘ってくれなかったのでホテルに帰りました。疲れていたのでルームサーヴィスにしたのですが、量の判断を間違って2つ、つまり二人分頼んでしまいました。

ひとつはニューヨーク・サンドイッチ。鶏の胸肉、ベーコン、ゆで卵、キュウリ、トマト、チーズがはさまっています。その横にはフライドポテトです。簡単な食べ物だけど美味しい。

  

サンドイッチ ・ サラダ

もうひとつはシーザー・サラダ(ミニ・ローマのサラダ)です。白菜、トマト、ラディッシュ、パルメザンの薄切りとドレッシング、アボカド、ニンニク風味のサイコロ状カリカリパンで構成されていて、大量のパンが付いています。サラダとパンに味付けするために、練りチーズ、オリーブ油、バター、トマトケチャップ、マヨネーズ、塩と胡椒がお盆にのっていますが、サラダは薄味で美味しいのでさらなる味付けは必要ありません。パンにも要りません。

朝食時にレストランに行くとスタッフの女性が立っていて、朝の挨拶をして中に導き入れてくれます。

 

朝食のビュッフェの一部

  

朝食 の1 ・ 朝食 の2 

給仕係の背の高いスマートな男性二人は黒のスーツを着ていて、ていねいな物腰です。テーブルの上の砂糖壺を探す素振りを一瞬した時に、サッと飛んで来ようとしたのには驚きました。コーヒーも頻繁に注ぎ足してくれます。でも、いつも見られているようで少々落ち着かないですね。BGMはジャズ風音楽ですが、私はこの部屋の雰囲気にはクラッシックの方が合うと思います。最近はレストランやホテルでクラッシック音楽のBGM を聴く機会がめっきり減りました。ビュッフェにはありとあらゆる食品が並んでいます。朝食代金は別払いで勘定書きにサインをするのですが、しっかりとチップの金額を書く欄があります。

部屋に帰るときに、入り口の女性がまた挨拶をします。

「ありがとうございました。良い日をお過ごしください。」

さて、朝食を食べたレストランで夕食です。5品のメニューに興味があるのですが、オヒョウ(カレイ科の海水魚)の料理を抜いて4品、またはオヒョウの料理とイエウサギ肉の料理を抜いて3品にもできるようです。私は特別に、イエウサギ肉の料理を抜いて4品にしてもらいました。

  

レストランの入り口 ・ その内部

まずパンとオリーブ油とバターが出てきました。バターに塩の結晶を振りかけています。最近歯の調子が悪いので、堅いパンの縁に苦労しました。

  

パン と オリーブ油 と バター ・ 突き出し

シェフの挨拶としての突き出しは、海老のすり身を丸めて揚げたもの、すりつぶしたオリーブ、イチゴジャムです。ジャムはまぁ普通。私にはオリーブは癖がありすぎて、海老のすり身が一番口に合います。

4品メニューの最初は、オヒョウ(カレイ科の海水魚)の燻製、カボチャ、ベーコン、クリームなどです。残念ながらオヒョウの量が少ない。

  

オヒョウの料理 ・ スープ

次はメキャベツ・クリームスープで、キジの肉、ベーコン、メース(乾燥させたニクズクの仮種皮で、香辛料・薬用にする)が真ん中に置いてあります。メキャベツの味が濃厚で、他の食材の存在がかすんでいますが美味しい。

メインの料理はノロ鹿の背肉で、カリフラワーと円柱形の揚げたマッシュポテトとトウモロコシなどが添えられています。肉にかかっているのはビャクシン(ジンの原料)から作ったソースです。見た目も良く旨い料理で、たいへん柔らかい肉に特に感心しました。

  

ノロ鹿の料理 ・ デザート

カラフルなデザートは栗きんとんを抹茶入りのきんとんで被っていて、イチゴのムースと丸い白チョコレートと各種のイチゴが彩りを添えています。抹茶を使っている上に栗きんとんが日本の白あんを思わせる味だし、その上に日本の小豆を砂糖で固めた菓子がのっていて、何だか和風だな、と感じていましたが、後でパティシエが日本人であることを知って納得しました。

  

朝食 IIの1 ・ 朝食 IIの2

今朝の朝食場ではビジネスウーマン風の女性がてきぱきとサーヴィスをしています。昨日はコーヒーを注ぎ足してくれましたが、今朝はコーヒーのおかわりを頼むと新しいカップに入れて新しいミルク壺を添えて持ってきます。私が食事を終えて出て行くときは、

「良い一日をお過ごし下さい、・・・様。」

と、わざわざ私の名前を添えての挨拶です。客の名前を覚えているんですねー。感心しました。

チェックアウト時のレセプションで、

「ご滞在はいかがでしたか。」

「貴ホテルはプロのサーヴィスをしてくれますね。」

「ありがとうございます。この辺は夏、たいへんきれいなので、次回はぜひ夏にいらっしゃってください。」

「ありがとう。そうします。」

 

〔2018年2月〕〔2023年11月 加筆・修正〕

 

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ソフィテル ・ アテネエアポート (復)

2023年11月13日 | 旅行

11日間のペロポネソス半島旅行を終えて、最後の夜は再びアテネの空港ホテルです。

その日のフロント係によるのでしょうか、チェックインのときの勝手が11日前とは少し違います。先回はごく普通だったのですが、今回は宿泊費を全額前払いで帳場を閉めてしまったため、部屋の冷蔵庫のキーをくれないし、(後で知ることになるのですが)レストランでの飲食費の部屋付けも出来ませんでした。客の自由を制限する、まったくもって良くないシステムですね。

  

セットされた晩餐のテーブル ・ ギリシャらしい船舶の装飾

 

パン と オリーブ油 と バター

レストランでも今回はシェフの挨拶の突き出しが出てきません。白黒パンとバターとオリーブ油だけです。先回はオリーブ油がなかったような、、、? 飲み物はあいも変わらず妻はシャンペンと地元の赤ワインで、私はノンアルコールビール。

前菜のひとつは牛肉のカルパッチョです。トリュフ風味のオリーブ油がかかっていて良い香りです。しっかりと極薄に切っています。ケイパーとチーズとサラダ菜と棒状のパンが上にのっています。

  

カルパッチョ ・ サーモン と その他の前菜

もうひとつは自家製のマリネードに漬けたサーモンで、これが穏やかな味で旨い。その他にもいろいろと皿にのっています。酢漬けの小キュウリとケイパーはたやすく想像できる味でした。玉セロリの根っこの薄切りはあまり味がしません。パンはまさに日本の昔の牛乳パンで、なつかしく食べました。金属の柄付き容器に入った料理は、少量の野菜が混ざっていますが、〈あわ〉でしょうか〈ひえ〉でしょうか。食感は良いのですが味はうすく、何とも形容しがたい味です。そして陶器の小鉢に入ったクリーム状のものですが、メニューには〈horseradish sauce〉とあります。〈ウマ・ダイコン・ソース〉ですか? 馬と関係があるとも思えませんし、大根の味もしません。これも薄味で何の味かよく分かりません。サーモンにつけるのでしょうかね? 何だかクエスチョンマークの多い前菜ですが、盛り付けは結構いいですね。

さてメインの料理ですが、メニューに先日はなかったギリシャ料理の項目があります。迷うことなく、その中から伝統的な〈ムサカ〉と〈クリタロト〉という料理を注文しました。

ムサカは私たちが知っているとおり、ジャガイモの薄切り、牛のひき肉、ナス、ズッキーニにたっぷりのホワイトソースをかけてオーブンで焼いています。熱々で美味しいのですが何とも重い。胃にズシンときました。

  

ムサカ ・ クリタロト

もうひとつのクリタロトという料理をひと目見て、「あっ」と思いました。そうです、そうなんです。1週間ほど前にミケーネ古代遺跡で食べた、おそろしく不味かったあれと同類の料理です。大きな米粒の形をしたヌードルを見てすぐ分かりました。ただ、今夜のは牛肉ではなくて海老とライムの皮入りです。そうなんだ。これもギリシャの伝統料理なんですね(シミジミ)。しっかりした味付けは海老のエキスとライムの酸味です。上にのったチーズ&ポテトのカリカリ薄焼きが、味といい食感といい、良いアクセントです。全体的に大変美味しい。同じ様な料理でも料理人の腕によってこうも違うものなんですね。ただ、伝統ギリシャ料理は庶民の食べ物らしく、美味しくても繊細さに欠けますね。このホテルのレストランには似合わない料理です。

 

ギリシャコーヒー

食後にギリシャコーヒーを飲みました。底に〈おり〉が溜まるトルココーヒーと同じものです。私は普通のエスプレッソの方が好きですね。先回の飲食時にはコーヒーを頼まなくても数個のひと口チョコレートが出てきたのに、今夜はありません。サーヴィスに一貫性が無いのはギリシャの特徴かな。それともこのホテルの怠慢かな。

今回何度かレストランで食事をしましたが、やはり高級レストランで食べる料理は美味しいですね。何だか、よく考えて調理していると思われます。

朝食時にもサーヴィスの一貫性がありませんでした。

私たちの朝食は少なくていいので、また簡単なコンチネンタル・ブレックファーストにするつもりでしたが、

「同じ値段で最高級の朝食を供するサーヴィスはいかがですか。」

というので、もちろん承諾しました。

今朝は宿泊客が少ないのでしょうか、昨晩のレストランを朝食場にしています。ビュッフェにある食物が多すぎて、ほんのいち部しか取れません。

  

朝のレストラン ・ リンゴジュース

  

オムレツ ・ 朝食

 

デザート

意地汚くたくさん食べたので、腹いっぱいになってしまいました。

気が遠くなるほど古い遺跡の数々と心根の優しいギリシャ人に触れた休暇旅行でした。また近いうちに訪れようと思った次第です。

でも、ひとつだけ気になることがあります。トイレです。ギリシャではどこでも便器の横に大きめのゴミ箱が置いてあって、使った紙を流さずにその中に入れるのです。唯一の例外は空港ホテルの客室でした。偶然出会ったギリシャ生活が長いドイツ人が言うには、ここはドイツと違い下水道ではなく下水管が通っていて、その管が細くて詰まりやすいのだそうです。洗面所の中に何となく臭気と不潔感が漂っているようで気になります。

 

〔2018年1月〕〔2023年11月 加筆・修正〕

 

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