ドイツの北東部、バルト海に突き出た形のリューゲン島にある、6kmほど離れて建つふたつのお城です。
そのひとつ、ラルスヴィークという村にある同じ名前の城館は、19世紀の終わり頃、新ルネッサンスの様式で建造され、20世紀の前半には厩舎が増築されました。
ラルスヴィーク城館 1 ・ ラルスヴィーク城館 2
ラルスヴィーク城館 3 ・ 城館の入り口
庭 1 ・ 庭 2
ユーゲントシュティールの玄関ホール、階段、板張りの壁、ドアの取っ手、そして窓ガラスの内装は、昔のままの姿だそうです。このお城はある家族の所有でしたが、第二次世界大戦後に国家 (東ドイツ) から公用徴収されて老人ホームとして、そしてその後ドイツ赤十字の管理下で身障者のための介護ホームとして利用されました。東西ドイツ統合のあと、ある別の家族が購入してこんにちの姿に改築したのです。玄関と内装は、いかにもお城、と思わせる重厚さです。
玄関ホール 1 ・ 玄関ホール 2
この古城ホテル・ラルスヴィーク城館に私たちは宿泊していないのですが、レストランは利用できるので、ここで昼食を食べました。どうやら、この地域の食材を使って美味しい料理を食べさせる、という公的なお墨付きをもらっているようです。
レストランの入り口 ・ 内部
われわれが行った時、テーブルのひとつに数人の客がいましたが、彼らが帰った後はずっと私たちふたりだけだったのでゆっくりと楽しめました。下の方に湖が見える良い席です。給仕をしてくれるのは、不愛想ですがしっかり仕事をする女性スタッフです。
我々の席から
私の飲み物はアルコールフリーのビール、妻のはカミツレ茶。
前菜のひとつはクランベリー-西洋梨ソースで食べさせるイノシシ肉のアスピックで、サラダ菜が添えてあります。イノシシの臭みもなく旨い。ソースが少し甘すぎるかな?
アスピック 1 ・ アスピック 2
もうひとつの前菜は、根菜とハーブを添えたクリーム状の魚テリーヌです。野菜がたっぷりで結構ですが、ほんの少し塩味が強すぎるようです。それにしても、この料理と魚スープとの差が明らかでないなぁ。
クリーム状テリーヌ
私がたのんだ主菜は、黒羽鶏にタイム (イブキジャコウソウの葉から作った香辛料) をのせて焼いています。ソースは蜂蜜ソースで、付け合わせはカブダイコンとセロリ-ポテトのピューレです。黒羽鶏と普通の鶏との差がよく分かりません。少し硬いような気がしますが、美味しい肉です。カブダイコンがグジャグジャでなく、歯応えがしっかり残っているのがいいですね。
黒羽鶏 ・ ブタのあばら肉
妻の主菜は、リンゴ-カボチャ-ピューレの上に、ブタのあばら肉とカラメルでコーティングしたジャガイモをのせた料理です。豚肉もピューレもポテトもなかなか美味しい。
全体的に満足のいく昼食でした。東ドイツの味のレベルが上がったと思います。ただ、どちらのメインディッシュも少しだけ塩味が少ない方がいいかな?(個人の好みです。)
リーツォヴ小城館 1 ・ リーツォヴ小城館 2
ラルスヴィーク城館のすぐ近くの村に、小さなお城みたいな目立つ建物があります。これは、南ドイツにあるリヒテンシュタイン城のミニチュア・コピーだそうです。リーツォヴ小城館といいます。建造されたのは19世紀の終わり頃。化粧塗りした2階建てで、高くて丸い塔がついています。所有者は何度も代わり、前世紀の末以来個人の所有で、実際に住居として使っているようです。
[2018年10月]