経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

家計消費は戦後最大級の落ち込み

2014年08月14日 | 経済
 いや、激烈な結果だったね。4-6月期のGDP速報の結果は、家計消費が-5.2%(年率-19.2%)にもなった。しかも、「除く帰属家賃」だと-6.2%に広がる。そのため、在庫が急増し、これが成長を支えることとなった。実質成長率は年率-6.8だが、もし、在庫増が1-3月期の駆け込みでの減少を復元する程度だったら、-8.8%まで行っていただろう。

 消費の落ち込みは、1997年の前回の消費増税の時を上回り、比較可能な1994年以降で最大のもので、リーマン・ショックや東日本大震災も超える。思い起こせば、基準は異なるが、オイルショックで狂乱物価があった1974年1-3月期が-5.7%であったから、これに匹敵する、40年ぶり、戦後最大級のショックである。これを人為的に起こしてしまったわけで、相当に深刻な事態だ。

 他方、今日の日経の一面トップは「景気は緩やか回復続く」だが、民間調査機関の見通しは、7-9月期が前期比+1.1%のV字回復を前提にしたものだ。なるほど、4月の消費があまりに低かったため、6月のレベルで横バイであったとしても、前期比+1.0、寄与度で+0.6は見込めよう。しかし、1-3月期の減を超える在庫増の寄与度が0.5もあるため、これを圧縮しようとする動きが成長の足を引っ張る。圧縮のために生産を抑えれば、賃金も伸びない。V字回復は、そう簡単ではない。

 民間の見通しで見るべきは、2014年度の成長率が、中央値で0.45と、ゼロ%台半ばになっていることだ。政府見通しの1.2%成長は、現時点で、ほぼ困難となった。このことは、昨日の日経夕刊が的確に報じてくれた。経財相は「賃金が物価を初年度から上回るのは不可能」と述べたようだが、そういう計画だったのなら、初めから言ってほしかったね。それとも、想定外の事態になっているのか。

(今日の日経)
 景気は緩やか回復続く。社説・反動減後の経済の復元力が試される。政府テコ入れ、住宅の税優遇拡大。海外旅行者が減少。NEEDS予測は0.5%成長。経済教室・採用改革・服部泰宏。

※「経済を試すなかれ」だよ。

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