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バスケットボールリーグについて27

2015-02-25 00:02:23 | バスケ(Bリーグ・代表等)

 事例紹介コラムです。
 昨日の記事で日本サッカー協会の話題の中で、少し日本のバスケ界の話が出ていましたが、バスケ界のタスクフォースの川淵チェアマン先日、TKbjリーグ、NBL代表者会議で訴えた内容が情報開示されました。具体的な新リーグ構想でしたが、とても興味深いものでした。以下、抜粋して紹介。

 JBA(日本バスケットボール協会)の改革を行う「JAPAN 2024 TASKFORCE(タスクフォース)」の川淵三郎チェアマンが、12日に就任後初めてTKbjリーグ、NBLの代表者会議に出席。当初は、両リーグ代表者会議共に冒頭のみが報道陣に公開される予定でしたが、川淵チェアマンの「マスメディアの重要性」を強く唱えたことにより急きょ開放されることが決定。今後、タスクフォースで協議される内容の素案となる川淵チェアマンの意見がすべてを公開。その主な内容は以下の通り。
      
【川淵チェアマンが口にした新プロリーグの構想】
・2015年4月:新しい社団法人を設立  ・10月:新リーグの名称を使用
・2016-17シーズン:新リーグを開幕し、1部・2部・地域リーグのようなピラミッド型で各階層を設置。
 各チームがホームアリーナで8割の試合を消化。ホームアリーナは収容人数を最低でも5,000人を目指す
「川淵チェアマンが考える新リーグ形式」→「bjリーグ代表者会議での発言」→「NBLリーグ代表者会議での発言」の順番で余すことなく紹介させてい 

【新リーグ構想①:アリーナについて 「プロバスケットボールに僕が求めるのはアリーナ」】
 最終的には現状を調べた上で、3月4日の第2回タスクフォースの会議で、両リーグの現状と合わせて、選考の基準を決定。そこからさらに最終的なチームを決める形で推進。
 TKbjリーグ24チームと、NBLの13チームで合計37チームが一つのリーグで戦うことは絶対に無し。どういう展望を持ったチームを選んでいくのかというのは、現状を見た上で最終的な数を決めていく方針。各クラブ収入は7,000~8,000万円から4億円ぐらいまでばらついており、現状の資産や観客動員を基準にしては選考しない。
 求めるのはアリーナ。プロバスケットボールが成功するか否かのすべてはアリーナ次第。アリーナを地方協会とどのように話し合って優先使用を受けるのか。使用料を免除してもらうのか。将来に向けて、アリーナを何千人収容できるようにしてもらえるのか。一番大事なのは、行政サイドの支持。各地方の協会、体協(日本体育協会)、バスケットボール協会の他に地元財界の支援も必要。その上に立って、市民やサポーターが全面的に支援する形になって、初めて長い目で見てプロバスケットボールが成長。
 企業チームのあり方は別途考えていくが、今回は行政、地元(財界等)と話し合う大きなチャンス。地元行政、財界等からクラブを地域の活性化のために魅力ある存在として認めてもらわないとプロクラブとして成長できない。
 調べてみたら、日本の体育館で3,000人以上収容できて、物販ができる体育館は約80ケ所のアリーナのうち21程度しかない。しかも収容人数が3,000人から多くて5,000人。そんな中でプロとしてやっていけるのか。スポンサーが付き、多くの人に見てもらうためには、アリーナが多くの人や歓声に満ち溢れて、テレビを見た人が自分も行きたいと思わないと、プロバスケットボールは成功しない。
 みんなが見やすい場所にアリーナがあれば、試合の雰囲気で十分にやっていけると思う。自分たちの力で行政サイドと話し合い、何年先にどうしてほしいのかを示して欲しい。行政サイドは時間がかかるが、そういうことに対する言質を得ることで、基準を突破してトップリーグの資格を得られる。

【新リーグ構想②:リーグの新法人について】
 4月の初めには新法人を設立するために、各クラブにはリーグへ脱退届けを提出して欲しい。新法人は社団法人になり、社団法人はクラブのみが会員。利益を上げたら、その剰余金はクラブに分配。その点で、個人的には株式会社よりは社団法人が良いと思う。5月にはトップリーグのクラブの選定を実施。その際、各クラブの将来像を比較検討。現状ですべてを評価するのではなくて、将来設計の可能性も評価基準。1部、2部、地域リーグという分け方になると思うが、自分のイメージは1部が12~20チーム。2部が16~24チームと予想。残りが地域リーグに所属。新リーグの開幕は、'15-16シーズンは移行のための経過措置として、2つのカンファレンスを作り、改変するのもいいし、今のままbjリーグとNBLでチャンピオンシップを行い、チャンピオンを決めるようなやり方でいいと思う。
 今年の10月からのシーズンは経過措置でも、新しいリーグの名前でスタートし、正式に'16-17シーズンから開幕したい。外国人枠などルールの設定については、10月までに関係者が会議をして方向性を決めていけばいいし、その時にどうしても決まらなければ、タスクフォースのチェアマンとして、最終的な決定を行いたい。 

【新リーグ構想③:選手の年俸と理念について】
 サラリーキャップには賛成しない。サラリーキャップは弱者の救済であり、成果配分ではない。各クラブの持つ実力で給料を決めるのが前提。今決めるべきことは最低年俸。戦力の均一化ということも考えると、ドラフト制も取り入れていいのではないか。これも選手の立場や権利も考えなければならないので、選手協会とも話し合わなければならない。移籍金など検討課題はまだまだある。低いレベルでサラリーキャップをやっているようではバスケットボールをやっている選手たちに夢がないと思う。リーグの理念についてはみんなで考えなければならないが、もう一度地域社会の中でアピールしていくべき。
 企業チームの在り方について、企業名は認める方向。クラブ名称の付け方とともに、独立法人は絶対条件。社員選手については、選手の希望もあるので無視できないが、全員がプロでなければならないとなると、サラリーマンとして会社で働きたい選手の夢を奪うことにもなる。少なくとも15人のうち、10人はプロ契約が必要。社員選手の扱いをどうするかは今後協議。

【新リーグ構想④:マスコミの重要性と新たな収入源】
 マスコミの露出がほとんど無い事を情けないと思わないといけない。bjリーグの記事が載っているのはほとんど試合結果のみ。プロとしてアピールがまるで不足しており、危機感を持たなければならない。Jリーグの成功の要因の6割以上はマスコミの力。マスコミがJリーグ開幕前の半年間、毎日あらゆるメディアで報道が流れた。広告宣伝料に換算すると何百億円。
 バスケットボールの将来に向けて、少々の犠牲を払ってでも成功させる意識を持つべき。バスケの話題を記事にする価値がマスコミが持っているのはまだ少ないと認識することが大事。ブースターの人たちを喜ばせる試合をどうやっていくか。
 totoは、プロ野球など新しい種目を入れたいという動きがあり、バスケットボールのプロ化が成功すれば、バスケットボールもtotoに入れる可能性がある。そうなると、施設の拡充についても、サポートをもらえる可能性があるかもしれない。そういったことも収入源として期待できるようなプロバスケットボールにしていきたい。
 駄目な話をするなと言いたい。先輩やOBはできない話を新人に言う。心の中でできないと考えているのならば、やめてもらったほうがよっぽどいいし、そんな姿勢では成功しない。現状から少し上のプロリーグができればいいなんて考えでは成功しない。ガラッと変えて、10年の苦労を次のステップで生かすんだという気持ち。それをするためにどう努力するかという決意を持って、この何カ月間に臨んでもらいたいと思う。

【TKbjリーグ代表者会議での主な質疑応答】
 一番大切に思っている事は、6月初めまでに方向性を出さないと、リオ五輪予選に出場できない。女子チームにとっては迷惑な話。日本人が好きなのは五輪に出るか出ないか。代表の強化についても、プロリーグが大きな役割を果たさないと意味がない。プロリーグと代表が両輪で、多くの人から関心を得られ、多くの観衆が見に来る。そして代表が五輪に出ることで、次のリーグも関心を集めることができる。
Q:解決すべき3つの課題「リーグ統一」「協会のガバナンス」「日本代表の強化」について。ガバナンスの問題について述べられていないが、どう対処していくのか?
川:バスケ界にどんな素晴らしい人材がいるのか不明で一番悩ましい。6月までに多くの意見を聞いて、自薦他薦も聞きながら、できるだけ若い人のほうがいいとは思う。要はヒトであり、ルールや規約を作ればいいわけではない。
Q:フロントスタッフの育成や在り方についてはどう考えているのか?
川:Jリーグ時代にGMセミナーを作って相当な人数を育ててきた。今度Jリーグが一般の人たちを含めてスポーツクラブの経営に対するセミナーを始める。村井チェアマンは「バスケットボールの人も申し込んでもいい」と対応したので、この中でもそういったものを作っていく。世界のマネジメントなどを学ぶことはやっていったほうがいいし、勉強をする必要は絶対にある。
Q:アリーナの在り方については賛成だが、現実問題として行政にお願いしても言質をとるのが難しい。実際にはどうやって話をしていくのが良いと思うか?
川:ホームアリーナが存在しないことに危機感を持つ。ホームアリーナに行けば、ここがホームだとブースターが感じる、そこに行きたくなる。なじみのある自分の家と感じられるアリーナがあるかどうか。今、各クラブが使っているアリーナは3つから7つぐらい。それで何がホームアリーナなのか。
 アリーナを借りる苦労は分かるが、今回の動きをきっかけとして欲しい。行政サイドが検討しましょうとなり、一番動くのは市民の声。行政が動けるように努力して欲しい。6月までに決定するのはほとんど不可能だが、言質を行政から得て、明確に確認できたら、そのチームは(トップリーグ参入を)優先的に考えたい。1回で決める方法はなく、多くの市民を巻き込むという事。
Q:地方行政の予算だけでは大きな施設を作ることができない。国の予算まで動かさなければ、我々の考える規模の施設は難しいが、一緒に動いてもらうことはできないか?
川:可能性がゼロではない。大きな夢を持ちながら、地道に着実に、多くの市民を味方につけて進んでいったほうが良い。長い目で見てバスケットボールクラブを地域に密着したスポーツクラブにしようと考えるか、長期的な展望の活動が必要。今こそそのチャンスなので、クラブの将来はどうあるべきか。どう地域社会の誇りとなり、地域社会の活性化の元になるのか。地域の中にどう生きるのか。原点を考え直して、市民に、行政にアピールしていく。そこからまた始まっていくと思う。やはり地道な活動以外に、成功への道はないと思うし、試合が始まれば、魅力的な試合ができるというのが大前提。
Q:マスコミでの取り扱いについて、東京のメディアには取り上げられなくても地方では取り扱ってもらっている。そのことについてはどう思うか? チーム名については、企業名は残さず“地域名×愛称”で統一してほしい。
川:bjリーグとNBLでスタートしているなかで線が引きにくい。企業名がリーグにどう影響を与えるのかは経験してみなければ分からない部分があり、きちんとした財源を確保できて、ちゃんとした経営ができるクラブがトップリーグにあったほうが良いという認識だから。企業名を排除することの価値については試行錯誤しながら、とりあえずスタートは企業名をつけても良いということにした。
 地方については、極端に言えば一つの地域社会だけでお客さんが1万人入って、入場料収入やスポンサー料が十分なのであれば、それも地域クラブの生き方だと思う。全国区になる必要はないというのは、地方のチームをないがしろにするというのはまるで違う。東京のメディアがバスケの記事が少ない大きな理由は2リーグに分裂した中で実力があるのはNBLだと思われているから。それが五輪や日本代表とほとんど関わりがなく、代表の姿が見えず、バスケの面白みが多くの国民に知れ渡っていないということにつながる。地方を大事にしないとプロとしては成り立たない。
Q:bjリーグは各都道府県全域をホームとして活動しているが、チェアマンのイメージとしては将来的に各都市や地域単位でやっていくべきだと考えているのか?
川:そう思う。ネーミングをもう一度考え直したほうが良い。やっぱり50~60万人で1チーム。10万人以下はかなりきついが、「おらが街の代表」と市民の人たちに思ってもらうことが大事。県名を名乗ることが本当に「おらが街の代表」ということになるのかを真剣に考えたほうがいい。あまりにも漠然としているので、「地域に根ざす」ということを考えると、あまりにも感覚がずれていると思う。
Q:5月にトップリーグに参入するチームを決めるということだが、最終的に決まるのはいつなのか?
川:5月いっぱいで決めたいと思うが、うまくいくかは不明。なるべく早く決めないと、受け皿として行政の動きが前に向かないということもあるので、現状は5月いっぱいというスケジュールで考えている。

【NBL代表者会議での主な質疑応答】
Q:制度を考えていくにあたって、選手側との利害調整なども必要になると思うが、選手側への説明ないしは意見吸収はどのように進めるのか?
川:選手協会とは意見交換する方針。昨年10月にFIBAから懲罰を受けるときに選手の声が全然ないと思ってすごくがっかりした。選手はもっと声をあげるべき。ある程度どんな感じかなということは聞くが、選手の意見がそういう経営に入ってくるとおかしくなる。
Q:ホームアリーナが確保できないため、都市単位でなく、都道府県単位で考えてはだめなのか?
川:基本的に8割がホームで2割が他でもいいと言いたい。やはりホームアリーナが分散するという事はチームの発展にプラスになるとは思えないと個人的に思っているだけ。それがクラブ全体の発展につながるというのなら、それはそれでいいのではないか。クラブの考え方なので、これだけのファンを獲得して、ちゃんと健全経営が可能だと保障されるのならばいいと思う。
Q:1つの県に何チームまでとか制限があるのか?
川:まったく無い。ダービーマッチで盛り上がるし、ネーミングをどううまくつけるかによって盛り上がり方が変わる。
Q:'15年シーズンで退会届を出すという事だが、具体的な進め方というものを早いタイミングで示すなり、議論する場を作って欲しい。'15年シーズンは従来どおりやるということでいいのか?
川:大前提であり、その中で融通を利かせて交流戦みたいなことができればということは考えている。それが絶対無理だというのなら、プレーオフとかそういうところで盛り上がればいい。
 各クラブと個別に会う事になるが、自分はいろいろな経験をしているので、相当な批判をされても「そんなもんかな」と思うし、「あのときあんなことを言ったから許さない」というような事は無い。遠慮なく率直に意見を言ってもらった方が新しいプロリーグを作るときの役に立つと思うのでお願いしたい。
スポーツナビ該当記事:
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/basket/all/2015/columndtl/201502120002-spnavi

 上の情報は少し前にマスコミに流れた報道ですが、その後若手選手の起用の義務化案という新しい情報が流れました。うーむ、確かにサッカーのメキシコリーグのように、育成面では素晴らしい理想論ですが、最初にあれもこれも手をつけるのはどうかなとも思います。ただ、最初にバシっと決めるのも一つの手段だし、最初が肝心なのもしれません。以下、抜粋して紹介。

 日本バスケットボール協会タスクフォースの川淵チェアマンが、新リーグで、20歳以下の選手起用を義務化するなど、若手育成に重点を置く特別ルールの導入を提案する考えを提示。「1クオーターごとに必ず1人、20歳以下の選手をプレーさせることを義務付けてはどうか」とコメントし、3月4日の特別チームの会合で議題に挙げるとか。
スポニチ該当記事:http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/02/22/kiji/K20150222009853790.html

 かなり新リーグの姿が見えてきましたね。ホームアリーナで8割の試合を消化し、収容人数を5,000人とするのは思いハードルですが、これくらいの荒療治が必要なのかもしれません。TKbjリーグとNBLそれぞれの代表者会議での様子を紹介しましたが、明らかにレベルというか、視点が違います。NBLの方は、bjの時と比べて話のレベルが違ったので、かなりカットさせていただきました。これらを読むと、川淵チェアマンはどちらかといえば、TKbjリーグの方に思い入れが強いように、個人的には思えます。
 totoにプロバスケットの結果を取り入れるというのはいいですね。プロ野球は、「黒い霧事件」や個人プレーの部分が多いので、サッカーと比べて八百長が埋まれる可能性が高いから、導入に対して抵抗論があるようですが、バスケならサッカーと同じ個人プレーの部分が少ない集団競技なのでいいかも。川淵チェアマン頑張ってください。バスケの後は、サッカー界にもタスクフォースを導入するように動いて欲しいなと。
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