東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

地域おこし協力隊の可能性と課題について

2024-03-20 12:00:00 | 23期生のブログリレー

稼プロ22期生の塩谷です。

本日は地域おこし協力隊(以下協力隊)の可能性と課題について考えてみたいと思います。

私は長野県麻績村(おみむら)の方とご縁があって知り合い(以下Aさん)、定期的に情報交換をしています。麻績村は長野市と松本市のちょうど中間地点くらいにある、人口2,500名弱の小さな村です。この5年間で約1割の人口が減っており、平成28年(2016年)に総務省が発表した過疎関係市町村都道府県別分布図によりますと過疎市町村(過疎地域自立促進特別措置法第2条第2項)として認定されています。

麻績村では毎年2〜3名が協力隊として、大都市圏から入ってこられます。その方々は1〜3年の任期期間があり、現在9名の隊員が伝統工芸、農業、観光の分野で活動をしています。私はAさんを通じて、協力隊に参加し、現在は麻績村で事業を営んでいらっしゃる方々とお会いすることができました。お二人とも大都市圏からの移住者で今は地域で家庭を持って生活をされています。当然ですが、お二人とも「来て良かった」と笑顔でおっしゃっていました。今ではSNSでの情報を通じて活動を拝見し、時折会話もしています。また、Aさんとこういった移住組の方々がタッグを組んで新たな取り組みを始めています。今はまだ詳細を書くことは出来ませんが、首都圏に住む私はとってはなかなか出来ない、素晴らしい取り組みです。協力隊が地域の人口を増やすということが直接の目的であれば、あまり大きな効果は期待できませんが、その地域に新たなイノベーションを起こすことができれば、協力隊や観光とも違う形で人を集めることが出来るかもしれない、これこそが、協力隊の大きな可能性だと考えています。

一方、北海道の実家に帰った時のこと。地元新聞を読んでいると協力隊の活動経費を巡って、隊員と地域住民との間でトラブルがあったとの記事を目にしました。当たり前な話しですが、高齢化が進んでいる地域に若者が入ってきた時に受入側が何もせず「よそ者扱い」をすると入ってきた若者が辞めてしまう、或いは地域住民との軋轢を生むことになっていまいます。協力隊を成功させるためには、村役場や地域の方々が、在任中のフォローや任期後の事業支援や就職斡旋などを行う必要があるのですが、これが言うほど簡単ではなく、どの地域でも安定して行われるようになることが課題だと思います。

人口がどんどん減少する中において、コンパクトシティという考えは当然ではありますが、一次産業の発展や里山の自然環境を維持管理するうえでも、こういった過疎地といわれる地域を守ることも重要だと考えます。大都市圏にいる多くの診断士がこういった地域にも目を向け、出来る範囲でご支援することも大切なことではないかと考える今日この頃です。本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする