落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

甘利経済再生担当相が辞任表明

2016年01月28日 | 政治・外交
アアベノミクスの牽引役の一人とされる甘利経済再生担当相(神奈川13区)が辞任を表明。
URと建設会社のトラブル解決に口利きをした見返りに金銭を受け取ったという。
またしても「政治とカネ」。甘利氏も認めたので事実なのだろう。
【甘利氏辞任】「恥ずかしい事実が判明した」 2016.1.28 17:49更新
http://www.sankei.com/politics/news/160128/plt1601280041-n1.html

 金銭授受疑惑で閣僚辞任を表明した甘利明経済再生担当相は28日の記者会見で「秘書が疑惑を招いていることに監督責任を重く受け止めている。安倍晋三首相から日本経済のかじ取りを任せられ、命がけで取り組んできた。しかし、気がつけばその代償としか言いようがないが、恥ずかしい事実が判明した」と述べた。

NHKがわりと詳細に報道(web)していた。
甘利大臣巡る週刊誌報道と関係者の証言 1月28日 17時30分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160128/k10010389141000.html

「週刊文春」は先週号で、甘利経済再生担当大臣の事務所が千葉県白井市の建設会社とUR=都市再生機構との間のトラブルを巡り建設会社側から口利きを依頼され、その見返りとして現金などを受け取っていたと報じました。

記事は、建設会社の総務担当者が、甘利大臣本人に対し、3年前大臣室で50万円、おととし神奈川県大和市の地元事務所で50万円の合計100万円を直接手渡したとしているほか、公設秘書などに対し3年前500万円を渡したほか、繰り返し接待などを行ったと指摘しています。
この報道に対し甘利大臣は、これまで会見などで、みずからに関することについては、大臣室などで面会したことは認めていますが、「自分の記憶と報じられた内容に一部違う部分があるので、記憶を整理してから説明したい」などとしてきました。そのうえで「自分自身は違法な行為は一切していない」と強調していました。

一方、秘書などについては「口利きの指示はしていないし、報告も一切なかったので、事実かどうか全く分からない」と説明しています。そして「第三者を入れて調査するので、事実関係の確認にしばらく時間がかかる」としています。

週刊誌報道の中で、千葉県白井市の建設会社の総務担当者は、UR=都市再生機構との間のトラブル交渉で、甘利経済再生担当大臣の事務所に口利きを依頼したとしています。

このトラブルは千葉県とURが昭和44年度から進めている白井市と印西市を結ぶ全長12キロメートル余りの環状道路の建設工事を巡って起きました。千葉県などによりますと、ここ数年の間に建設予定地に隣接する白井市内の建設会社からURに対して「工事の影響で会社の建物にひびが入った」などとする苦情を受けたということです。そのため、URと建設会社との間で話し合いの場が持たれ、建設会社側に数億円規模の補償金が支払われたということです。
しかし、補償金の支払い後も建設会社から工事を巡るさまざまな苦情が繰り返しUR側に寄せられていたということです。


政治資金収支報告書 302万円寄付の記載

千葉県白井市の建設会社や総務担当者は、甘利経済再生担当大臣の支援者としても活動してきました。甘利大臣の資金管理団体や代表を務める政党支部の政治資金収支報告書には、この建設会社や総務担当者などの名義で、おととしまでの2年間に、合わせて302万円の寄付があったことが記載されています。
また、建設会社の社長が中心となっておととし千葉県に甘利大臣の後援会の支部が作られていて、甘利大臣は発会式に出席したことを認めています。

公設秘書の説明

甘利経済再生担当大臣の事務所関係者などによりますと、現金を受け取ったとされている甘利大臣の公設秘書で、神奈川県大和市にある甘利事務所の所長は複数の支援者などに対し、「報道されている500万円について受け取ったが、一部は返却した。相手から領収書を取り戻すのを忘れた」と説明しているということです。
そのうえで「ご心配おかけしました」とか「脇が甘くて申し訳なかった」などと話しているということです。

UR=都市再生機構 いきさつを説明せず

週刊誌報道は千葉県の建設会社との補償交渉を巡り、UR=都市再生機構の担当者が、甘利経済再生担当大臣の秘書に呼び出されるなど口利きがあったと指摘しています。
これについてURは「甘利大臣の事務所からいわゆる口利きのようなものはなかったと認識している」としています。そのうえで「事実関係の詳細は確認中だ」としていきさつなどは明らかにしていません。

証言した建設会社の総務担当者とは

千葉県白井市の建設会社の総務担当者として週刊誌で実名で証言した一色武氏(62)は、もともと神奈川県厚木市で不動産会社を経営していました。
関係者によりますと8年前、東京にある右翼団体に入り、数年前まで所属していた
ということです。この右翼団体は以前、千葉県白井市の建設会社の周辺で進められていた県道工事を巡り、この建設会社から千葉県やURに補償金を求める交渉の相談に乗っていたということです。 そして、3年前からは一色氏が右翼団体に代わって建設会社の総務担当者としてURなどとの交渉にあたっていたということです。

一色氏は週刊誌の発売後NHKの取材に応じました。
この中で「資金提供はすべて事実だ。資金の大半はみずから用立てたもので、甘利経済再生担当大臣の秘書から要求されて払い続けた。
しかし、一向に問題を解決してくれなかったので腹が立ち、週刊誌に証言した」
などと説明しています。

一方、みずから協力を持ちかけた相手とのやり取りを録音するなどしたことが不自然だと指摘されていることについて「権力者を利用しようとする以上、万一の場合に備え自分の身を守る必要があった」などと話し、甘利大臣をおとしめる意図はないと主張しています。

そして、録音したとする音声については「身を守る最後の武器なので今の時点では公開できない」などとして明らかにしていないため、これまでの取材では、週刊誌が報じた資金提供の詳しい経緯や状況は確認できていません。

口利き依頼したとされる建設会社とは

週刊誌の報道で甘利大臣の事務所に口利きを依頼したとされるのは、千葉県白井市にある建設会社です。
市や関係者によりますと、この建設会社は建設現場で用いられる「型枠」の施工などを主な事業にしているということです。建設会社の周辺一帯は昭和45年から土地の開発や建物の建築が制限される「市街化調整区域」に指定されています。
しかし、白井市などによりますと昭和50年代から60年代にかけて当時の土地の所有者がコンクリート廃材などの大量の産業廃棄物を不法に投棄したということです。
さらに、千葉県や白井市によりますと、その後、所有者から土地を借り受けたこの建設会社が積みあがった産業廃棄物の上に事務所などを違法に建てたということです。
このため千葉県は、これまで数回にわたり違法建物の撤去などを求める「違反指導」を行いましたが会社側は応じなかったということです。

その一方で、周辺で県やUR=都市再生機構が進めている県道工事を巡り、繰り返し苦情を申し立て補償金の支払いを求めてきたということです。
今回の週刊誌報道について、建設会社の代理人を務める弁護士は「建設会社の社長と総務担当者が一心同体で動いたことはなく、今回のことは社長が望んだことではない。
甘利大臣側を陥れる意思は社長になく、驚いている。
社長と総務担当者の関係は切れていると私は認識している」と話しています。

「ワナ」という意見も散見されるので、下線を付けてみた。
建設会社も大量の産業廃棄物を不法に投棄するなどまともではなかったようだ。
建設会社総務担当者が右翼団体に所属していたという。
その右翼団体といっても、まともな真正保守から軍国調街宣右翼というのもある。
工事にについて回る苦情処理と莫大な補償金が核心だろうか。
URもまだ説明にいたっていない。まだまだ疑問がいっぱいで、まさに週刊誌ネタ。
「政治とカネ」で晩節を汚すワキの甘い政治家が多い。甘利氏はまだお若いようだが。
日頃のチェックが甘いと、立派な仕事をしても帳消し、勿体ないことだ。

コメント

厳寒

2016年01月25日 | 日常・身辺
あまり暖冬/\といっていたので、冬将軍がどうやら本気を出したらしい。
昨日日曜は、一日中鉛色の空。
「 底冷えの 公園通り ひとけなく 」

我が家(神戸市北区)の今朝6:45の気温は、室内で5.5℃、ベランダで-3℃となった。

ストーブを点ける部屋は窓についた水滴が凍り付く。



窓やドアは凍り付いて開かなくなった。

ネットを見ると、西日本各地の鉄道や高速道で被害が出ている。
雪道を行くサラリーマンの写真が出ていた。
当地は駅まで坂道が多い。勤め人の頃は、怖々歩いた。
すべって転んだのも一度や二度ではなかった。


コメント (2)

拉致の真相ー3

2016年01月21日 | 政治・外交
松茸のお土産の意味、
拉致被害者山本美保さんの場合
西村眞悟の時事通信 平成28年1月20日(水)sakaioffice@n-shingo.com
http://www.n-shingo.com/

拉致問題の闇(2)

(松茸のお土産)
北朝鮮は、六日、核爆弾を炸裂させた。
しかし、我が国外務省は、平成十四年九月十七日に小泉総理と北朝鮮の金正日国防委員会委員長との間で交わされた「日朝平壌宣言」を維持している。
我が国がこの「日朝平壌宣言」を維持するということは、日本側だけが、「この宣言に示された精神及び基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注する」ことになる。その結果は、日本から北朝鮮に対する巨額の金の支払いに帰結する。
他方、北朝鮮側は、既に「この宣言に示された精神及び基本原則」を完全に無視している。つまり、北朝鮮は、「朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守する」ことも、「ミサイル発射のモラトリアムを2003年以降も更に延長していく」ことも、すべて完全に破っている。

では、北朝鮮が拉致被害者を解放して日本に帰国させる約束はどうなったのだろうか、と思われている方にハッキリ言っておく。
外務省がそのように説明し、小泉総理の北朝鮮訪問が「拉致被害者救出」の為だったと大いに喧伝されたから無理もないが、実は、北朝鮮は、拉致被害者を解放して日本に帰国させる約束など、一切していない。

平成十四年九月十八日に外務省が拉致議連に「北朝鮮が拉致問題の解決を約束した」と強弁した「日朝平壌宣言」の文言は次の通りだ。
「日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が、今後再び生じることがないように適切な措置をとることを確認した」
この文言をよく読んでいただきたい。北朝鮮が「確認した」のは、「このような遺憾な問題」が、「今後再び生じることがないように適切な措置をとる」ことだけである。
これは、何を意味するのか。それは、小泉訪朝団が、北朝鮮の金正日が九月十七日午前十時頃に、拉致被害者は「五人は生きているが八人は死亡した」と伝達した内容を真実として納得したことを示すものである。
つまり、平壌で日朝双方は、拉致被害者「五人生存八人死亡」で「拉致問題が解決したことで一致した」のである。従って、文言は、拉致は「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題」であると「過去形」で書かれているのだ。
その上で、つまり過去の「拉致問題の解決」を前提にして、北朝鮮は「今後再び生じることがないようにする」と応じているに過ぎない。

そして、日朝の小泉と金は2002年9月17日の共同宣言で謳い挙げた。
「国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を傾注することとし、そのために2002年10月中に日朝国交正常化交渉を再開することとした」と。
日朝の小泉と金は、実に、翌月には国交正常化交渉を再開すると約束したのだ!
これは、まさに、拉致問題が解決したから為しえた約束ではないか。

ここにおいて、小泉訪朝団が、北朝鮮からトラック二台分の松茸のお土産を政府専用機に積んで帰国してきた理由も明かであろう。松茸は、まさに小泉に対する拉致問題解決と国交正常化=カネの支払いに対するご褒美である。それを小泉訪朝団は受け取って帰ってきた。
帰国する小泉訪朝団の仕事は、平壌で合意した拉致問題解決=8名死亡をその家族に伝達し息子や娘の死亡を信じさせて納得させることであった。従って、官房長官と外務副大臣は、 「残念ですが、貴方のお子さんは既に死亡されています」という断定的な死亡宣告を行ったのだ。

小泉内閣は、北朝鮮が渡した死亡年月日リストを隠し、死亡を確認もせず、家族に死亡宣告をした。悪魔の所業ではないか。
この時、横田めぐみさんや有本恵子さんらは、小泉内閣によって、生きながら消し去られる寸前だったのだ。しかし、母の一念が、北朝鮮のウソを見破った。「めぐみは生きている」と。
そして、8名死亡はウソだと分かった瞬間、小泉総理らが北朝鮮から貰ってきた松茸は、小泉・金の日朝双方の邪悪な合意を雄弁に裏付ける代物となった。
家族の集まる友愛会館に来た官房副長官に私は言った。「松茸、どうするんや」官房副長官は、絶句して顔を引きつらせた。

冒頭にも書いたが、安倍内閣と外務省は、今もなお、この「平壌宣言」を維持している。これは、拉致被害者の救出のための宣言ではなく、日朝国交正常化の為の拉致被害者を除去する宣言ではないか。

(山本美保さん)
昭和五十九年六月四日、二十歳の山本美保さんが住んでいた山梨県甲府から忽然と姿を消した。
その四日後、新潟県柏崎の海岸で美保さんのバックが発見された。ここは六年前に蓮池さんらが北朝鮮に拉致されて海岸だった。美保さんの父親は山梨県警の警察官で、その頃の行方不明者を徹底的に調べたが美保さんに該当するものはなかった。

失踪から十八年が経った平成十四年九月十七日、小泉訪朝で北朝鮮が拉致を認め、翌月五人の拉致被害者が帰国してきた。そして、俄に美保さんも拉致されたのではないかという疑いが高まった。そのような折り、「特定失踪者調査会」が設立され、山本美保さんを「北朝鮮による拉致濃厚の失踪者」のリストに入れた。また、美保さんの同級生らが中心になり、美保さんの失踪の真相を究明する署名活動が始まった。すると、平成十四年十一月から十五年十二月までの間に、二十万以上の署名が集まった。いよいいよ、十三歳の横田めぐみさんと同じように、二十歳の山本美保さんも北朝鮮に拉致されているという国民の思いが高まってきた。

すると二十万の署名達成から三か月後の平成十六年三月五日、山梨県警警備1課長補佐から美保さんの実家に電話があり、二十年前に山形の海岸に漂着した遺体と美保さんのDNAが一致したとの連絡があった。
そして、美保さんの家族が警備一課長らから説明を受けるために警察に行くと、既に、テレビで、二十年前の山形の海岸に漂着した遺体が美保さんであると判明したというニュースが流されていた。

その遺体は屍ろう化し歯が十三本も抜け落ちていた。
遺体発見は昭和五十九年六月二十一日、美保さん失踪は同年六月四日。
従って、その遺体が死後十七日以内の遺体であれば、十七日間で屍ろう化し歯が十三本も抜け落ちるなどということはあり得ない。また遺体の下着のサイズは美保さんの体型に合わない。
さらに美保さん失踪から十七日後に発見された女性の遺体を、当時の山梨県警の美保さんの父親を始めとする警察官達が見逃すはずがない。彼らはその時、美保さんの遺体ではないと判断しているはずだ。残念ながら美保さんの父親は既に亡くなっているのだが、父親は確実に、失踪直後に発見されたその遺体が美保さんではないと判断していたはずである。

以上を総合すれば、二十年後に美保さんの家族にも知らせずに実施したDNA鑑定で、突如漂着遺体のDNAが美保さんと一致したとする警察の発表は美保さんが北朝鮮に拉致されたとする関心の高まりをみて、拉致問題を美保さん失踪を無関係とするために為されたものと判断するのが合理的である。
そして、この判断は、拉致問題を常に日朝国交正常化の「障害」と位置付けてきた小泉・金の日朝平壌宣言の方針に合致するのである。
山本美保さんと漂着遺体のDNA一致の発表は、「拉致問題の大きな闇」である。


コメント

近所の公園で

2016年01月20日 | 散歩・山歩き
寒風に 蹴球興ず 壮年ら


池の底 鯉が見上げる 冬木立


冬枯れの 梢の先に 寒の月


天窓の 光満ちて 湯のけむり


コメント (2)

蔡英文台湾総統・「尖閣は台湾領」

2016年01月19日 | 政治・外交
台湾総統選挙で勝利した蔡英文氏は、早速日台FTA締結などに意欲を示しているが、 我が国固有の領土である尖閣諸島については、「尖閣諸島は台湾領」と明言した。
以前台湾総統であった李登輝氏は「尖閣は日本領」と述べていた。
親日国台湾ではあるが、「尖閣」がやがては「トゲ」になるのかも。
台湾新総統の蔡英文氏、日台FTAに意欲示す 2016/01/18 15:44
http://www.epochtimes.jp/2016/01/25100.html

 16日の台湾総統選で圧勝し、総統に当選した民進党の党首、蔡英文主席(59)は翌17日、党本部で日本の対台湾窓口機関である交流協会の大橋光夫会長らと会談した。蔡氏は、日台間の自由貿易協定(FTA)に関する協議を進めることも含め、経済貿易面における双方の協力体制は、今後の日台関係における重要な部分になるとの見解を示した。
 2001年10月、当時の平沼赳夫経済産業相と台湾の林義夫経済部長は会談で、日台FTAについて民間レベルの対話と研究を開始することを合意したものの、現在はまだ締結に至っていない。

 民進党の同日夜の公式発表によると、蔡党首は、持続的なコミュニケーションと理性的な姿勢は外交の要であると強調した上、経済分野の課題に対処し、経済貿易交流を促進させていくなど、日台関係をさらに発展させるとの方針を示した。
 民進党秘書長の呉燮氏と同交流協会台北事務所代表の沼田幹夫氏も会談に同席。蔡氏は、民進党が2008年の総統選挙で大敗して野党に下ってからの8年間、日本側が同党との良好な関係を維持し続けてきたことに感謝の意を表したという。
 16日投開票された台湾総統選で56・12%の得票率で他党の候補らに大差をつけて、総統に当選した蔡氏は、中台関係において独立志向であるが、親日家として知られている。 (翻訳編集・桜井信一、叶子)

【台湾・総統選】尖閣諸島は台湾領 勝利した蔡英文氏が明言
http://www.sankei.com/west/print/160117/wst1601170039-c.html

 台湾総統選で勝利した民主進歩党の蔡英文主席は16日夜の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について台湾領だとあらためて主張した。
 蔡氏は「平和で安定した中台関係の現状維持」を目指すと述べ、中国との関係悪化を避ける姿勢を示した。総統選で圧勝したことについては「民主主義の精神を示したことが最大の意義だ」と強調した。

 蔡氏は会見で、中国との対話の重要性を強調し、相互交流は「中台相互に責任がある」と述べ、民進党との公式対話を拒む中国側に対応を求めた。
 一方で蔡氏は、台湾の民主制度や国家意識、国際活動などへの圧力は「中台関係の安定を損なう」と述べ、中国をけん制した。
 日本とは経済や安全保障の分野で関係を強化したいと述べた。南シナ海問題については「平和解決を望む」と述べた。(台北 共同)
©2016 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved

李登輝氏訪日「尖閣は日本領」、安保法案も評価 中国、台湾が声明で批判 更新日:2015年7月27日
http://newsphere.jp/world-report/20150727-2/

 台湾の元総統、李登輝氏が、19日から25日まで日本を訪問した。来日中の会見で「尖閣は日本領」という見解を示し、自国の政治家から批判を受けた。また、李氏は台湾独立の立場を明確にしており、中国は氏の入国を許可した日本に反発。「一つの中国」の再確認を求めた。
◆民主主義を求め、安倍首相を評価
 台湾の通信社、中央社のサイト「Focus Taiwan」の英文記事によれば、92歳の李登輝氏は、22日に開かれた「李登輝先生の公演を実現する国会議員の会」主催の講演会で、「残された時間は推定約5年」、「台湾がより成熟した民主主義社会となる手助けに、残りの人生を捧げたい」と話した。李氏は台湾の民主化、自由化、憲法改正について語り、非公開で行われた日本の政治家たちとの質疑応答では、アベノミクスや安倍首相の安保法案成立への努力を評価したという(Focus Taiwan 1)

 李氏の訪日を受けて、中国外交部の報道官は、日本が李氏の訪日および台湾分離派の活動への手助けをしたと批判。日中共同宣言を含む日中間の合意における原則に従い、中国とのその堅い約束を果たすことを日本に求めるとともに、「一つの中国」という方針を忘れず、台湾に関連する問題は慎重かつ適切な態度で対応し、日中間の新たな政治的障壁を作ることを慎むべきだと述べた(新華社)。

◆李氏が尖閣問題について大胆発言
 台湾のメディアが注目したのは、23日の日本外国特派員協会での記者会見で、李氏は「尖閣諸島は日本領で、台湾領ではない」と発言したことだ。敢えて台湾で使われている「釣魚台列島」という呼称を使わず、「尖閣諸島」と日本式に呼んだこともいくつかのメディアが報じた(台北タイムズ1)。

 台湾総督府の陳以信報道官は、釣魚台列島は、台湾が福建省の1県として清朝に編入された「1683年以来、台湾固有の領土だ」と説明し、議論の余地なく台湾領だと述べている。珍氏は、日本での李氏の発言を「国家を辱しめ、その主権をはく奪する行為だ」と批判。台湾外交部も「台湾の立場からそれたどのような発言も、(釣魚台)列島への主権の主張に影響をあたえない」との声明を発表し、台湾国民党の報道官も遺憾の意を表している(台北タイムズ1)。
 李氏は、以前から繰り返し、尖閣はずっと沖縄に属してきたと主張している。自国からの批判に対し、「歴史が示すまま」にこの問題を捉えたまでだと述べ、馬英九総統はもっと勉強して、自分が理解していない物事へのコメントは慎むべきだと反論している(台北タイムズ2)。

 中台両政府の李氏批判に対し、元台湾駐日代表の許世楷氏は、「李氏が総督府を去ってからもう15年以上が経った。普通の市民として、彼の海外訪問に制約が加えられるべきではない」と主張。また、民主主義、相互尊重、法の支配の価値観を擁護した李氏の訪日に対する馬政権、国民党、中国の反応は、現代において普遍的に取り入れられる価値への理解を欠く表れだと指摘。国民党と中国は、18世紀に遡る愛国主義にいまだに執着しているとした(台北タイムズ2)。

◆いまだ強い影響力
「Focus Taiwan」は、李氏が23日に安倍首相と面会し、中国が話題に上ったようだというテレビ東京のニュースを報じた。もっとも、安倍首相との会談があったかどうかという質問に対しては、李氏はノーコメントと返答。安倍首相からの招待で訪日したのかという問いにも、「ノー」と答えたらしい(Focus Taiwan 2)。
 今回民間人として訪日した李氏だったが、日本を支持し、台湾独立を求める元総統の発言は、意見を異にするものを刺激するには充分であったようだ。帰国した李氏は、空港でさっそく、「釣魚台は台湾領」と叫ぶ団体からの抗議の声で迎えられている(中央社Focus Taiwan 3)。 (山川真智子)


コメント

2016年01月19日 | 日常・身辺
暖冬と云われたが、大寒を迎えて寒さが本格化した。
関東以北では猛吹雪になったとか。
当地も朝から木枯らしが吹きつのり、
どこにも行かずストーブの番。
明日は雪の予報がでている。

冬深し 塔の向こうの夕陽雲

暮れなずむ 窓の内側 はや曇りたり






コメント

台湾総統選挙・国民党惨敗

2016年01月18日 | 政治・外交
台湾総統選挙で民進党の蔡英文氏が圧勝した。
中共の「一つの中国」に対抗して台湾独立に向う出発点に立った。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)1月18日(月曜日)通算第4781号
http://melma.com/backnumber_45206/

台湾総統選挙で蔡英文が地滑り的大勝となったが
  国民党の敗因は、将来の台湾像をしめせなかったからだろう


 台湾取材から還りました。
 町は醒めていて選挙をやっているかどうかも分からないほど静かでした。直前の票読みでも蔡英文の大勝は分かっていましたが、予測をこえて、56%(直前の情報では51%)、しかし25%とみられた国民党も6%のばして31%をはじき出しました。

 国会議員選挙が同時に行われ、民進党が過半数を取れず、学生運動の新党「時代力量」との「連立政権」をくめるか、どうかというのが見所でした。
ところが蓋を開けると、民進党だけで単独過半、だれも予想しなかった数字でした。
日本からも総勢200名近い取材団でしたが、日頃の取材の積み重ねが希薄なので、どの記事も皮相ですね。

 問題は、これからです。
 北京は早速にも「蔡英文政権は台湾独立を完全に引っ込めなければ両岸関係はうまく行かない」などと脅迫めいた反応をしています。
蔡英文次期総統は、まず周囲を固め、四つ派閥のいがみ合いを克服し、党内をしっかり纏めながら、国会の審議を円滑化し、何から先に実践してゆくのか。
国民に何をアピールするか、「現状維持」と言っているだけでも、年末あたりに身内からも批判を浴びるかもしれません。
なにしろ今度は「勝ち過ぎ」でした。慢心を慎み、ふんどしを締め直すことが大事ではないかと思いました。

[AC論説] No.577 台湾選挙の首実検 (2016/01/17)
http://melma.com/backnumber_53999/

台湾の選挙は一般に国民党(藍軍)と民進党(緑軍)の「藍緑合戦」 と言われる。選挙の結果は多くの新聞が報道したので改めてここで お浚いすることはないが、国民党側の自己評価では「完全なる惨敗」 だそうだ。総統選挙はすでに蔡英文の大勝利と報道されたからここ では立法委員選挙で国民党の大将首を何個取れたか検討してみる。

立法委員選挙では台湾の中央部を東西に流れる濁水渓以南の諸県市 で国民党は一席も取れず全滅した。國民黨の勢力範囲と言われた北 部でも新北市では12議席のうち2席しか取れず、台北市は8議席の うち5席、桃園市は6議席のうち2席、台中市は8議席のうち3席 しか確保できなかった。まさに完全な惨敗である。立法委員の選挙 議席73席のうち国民党は20席しか取れなかった。

選挙の結果、朱立倫は国民党主席を辞任し、行政院長・毛治國も辞 任した。大きな打撃は国民党の重鎮や大将クラスの人物が枕を並べ て討ち死にしたことである。このため4年後の国民党の再起は難し くなった。

最大の損失は基隆市で国民党のカク龍斌、親民党の劉文雄が民進党 の蔡適応に敗北したことである。二人とも大幹部だった。
カク龍斌は台湾の軍部に隠然たる勢力を持つカク伯村の息子で、元 台北市長、国民党副主席などの経歴があり、2020年の総統選挙の有 力候補と言われていた。
カク伯村は元参謀総長で中華民国の軍隊の重鎮、ラファイェット巡 洋艦、ミラージュ戦闘機、マジックミサイルなどの武器購買でいろ いろ問題があった人物である。

息子のカク龍斌は台北市長時代に花卉博覧会、ゴンドラ遊園地、夢 幻音楽会などで実費の数倍と言われた膨大な無駄遣いがあったので、 退任して汚職の調査を逃れるため立法委員に立候補したと言われた。 今の台北市長が就任してすぐに過去4代の市長、馬英九とカク龍斌 の土地開発が大問題となり、犯罪調査が二人に及ぶと言われている。 カク龍斌は落選し、馬英九も任期が終わると司直の追及を逃れるこ とが出来なくなる。

カク龍斌が出馬した基隆市は親民党の劉文雄の地盤である。カク龍 斌がここで選挙にでたため劉文雄と票の取り合いとなって二人とも 落選した。劉文雄は親民党の党首宋楚瑜の右腕と言われる人物だが、 今回の選挙では何故か宋楚瑜が劉文雄を比例代表に選らばなかった ため地元で立候補して落選した。つまり民進党の蔡適応が当選した のでカク龍斌、劉文雄の二人の大物が討ち死にしたのだ。

台北市はこれまで国民党の根拠地として知られていたが、今回は第 1区で国民党の重鎮、当選7回の丁守中が民進党に敗れて落選した。 第5区では当選7回の林郁方が時代力量党の新人候補林チョウ佐(永 の右に日)に5千票差で敗れた。

桃園市第6区では当選5回の孫大千が無党派の趙正宇に敗れて落選 した。この三人は国民党の重要幹部で当選確実と言われていたが、 落選したあと政界復帰は難しいかもしれない。

もう一人の大物は新北市第12区で当選7回の李慶華が時代力量党の 黄國昌に12000票の大差で落選したことだ。李慶華は国民党の元老 で元行政院長・李煥の息子である。

また、高雄市第3区では国民党の大物で、元大陸委員会副主任・張 顕耀が民進党の劉世芳に3万票の大差で落選した。高雄市第3区は 国民党の退役軍人の住居が林立している区域で民進党の当選は難し いと言われていた地区である。彼の落選は外省人、退役軍人の居住 地区でも国民党の影響力が薄れたことを示している。これは重要な ことで、馬英九の不評だけでなく、外省人も中国統一を忌避するよ うになったことである。

最後に今回の選挙では幾つかの民間組織が合同で「落選運動」を発 起し、国民党の呉育昇、廖正井と張慶忠の三人の落選に成功した。
「落選運動」は人民主人基金会、島国前進、国会調査兵団など、幾 つもの団体が集まって発起した運動である。選挙運動で民間団体が 政敵落選を組織したのは恐らく世界で初めてであろう。この運動で は呉育昇、廖正井、張慶忠の三人の落選を目標とし、三人とも落選 させたのである。

呉育昇は元台北市の新聞処主任で馬英九の子分と言われた人物であ る。本人は選挙運動で「私は馬英九の子分ではない」と弁解してい たが無駄だった。
張慶忠は二年前に国会で馬英九の「服務貿易協議」を取り上げ、審 議もなく30秒で「賛成通過」と宣言したのでヒマワリ学生運動の導 火線となった。「半分忠(39秒忠)」と綽名された人物である。
桃園市第2選挙区の廖正井は元台北市財政局長、秘書長などを歴任 した立法委員で前回の立法委員選挙で買票行為があったと言われた 人物である。

民間団体が以上の三人を落選させる「落選運動」を推進した結果は 100%成功だった。政治家にふさわしくない人物を落選させるための 団体運動が成功したのである。ダメな政治家を落選させる運動が成 功したのは人民の政治意識が成熟した結果かもしれない。

戦い済んで日が暮れて、5月に新政権が発足する。国会は数日後に 補足するが総統の就任は5月20日である。5月までの4か月は政治 の空白期間ともいえる。この期間に現職の馬英九が勝手な行動を起 こすとは思えないが注意して見守る必要がある。

国民党の完全惨敗は台湾アイデンティティの発露であり、馬英九の 中台統一路線は大幅に後退し、国民党と中国が強引に推し進めた嘘 の「92年コンセンサス」は問題でなくなる。中国の台湾併呑計画は 失敗したのである。

但し民進党政権が誕生してもすぐに独立運動が起きるとは思えない。 蔡英文の主張する現状維持は台湾海峡の安定発展となる。台湾人は 動乱を望まない。独立は気長に穏便に推進すべきである。


コメント

拉致の真相ー2

2016年01月16日 | 政治・外交
衆院で安倍首相が民主党議員に「拉致を政治利用したのか」と質問された。
質問の情報源となった『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』の著者蓮池透さんのインタビュー記事があった。
ものごとは両面見てみないと真相はわからないもの。以下「LITERA」のコピー↓
元家族会・蓮池透氏インタビュー(前編)
蓮池透氏が安倍首相の“逆ギレ”国会答弁に堂々反論!「安倍さんは議員バッジより先にブルーリボンを外すべきだ」 2016.01.13
http://lite-ra.com/2016/01/post-1888.html

「私が申し上げていることが真実であることはバッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら、私は辞めますよ。国会議員を辞めますよ」
 1月12日の衆院予算委員会で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)元副代表の蓮池透氏の著書について問われた安倍晋三首相は、こう声を荒らげた。

 蓮池氏の著書とは先月発売されたばかりの『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)。同書では、安倍首相のついたいくつもの嘘が明らかにされ、「首相は拉致問題を政治利用した」と主張されていることから、民主党の緒方林太郎議員が安倍首相に「拉致問題を利用したのか」とこの問題をぶつけたのだ。

 すると、安倍首相は「議論する気すら起きない。そういう質問をすること自体、この問題を政治利用している」と逆ギレしつつ、「利用したこともウソをついたこともない」と反論、さらに緒方議員が「では蓮池さんがウソを言っているのか」と畳み掛けると、冒頭のように、議員辞職まで口にしたのである。

 この安倍首相の逆ギレ答弁について、当の蓮池氏はどう考えているのか。本サイトは13日に緊急インタビューを行った。

――昨日、予算委員会で蓮池さんの著書が取り上げられ、安倍首相がバッジをかけてそんなことはない、と反発していましたが。

蓮池 安倍さんが「バッジをかけて」って言った瞬間、議員バッジではなく、拉致問題の象徴でもあるブルーリボン・バッジのほうを外すのではと思ったほどでした。それくらい安倍首相の拉致問題への姿勢には失望しているし、彼は議員を辞めるつもりなんかないと思ったのです。私が『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(以下、『見殺しにした安倍首相』)に書いた内容はこれまで自分で体験し見聞きしてきたことです。Twitterにも書きましたが決してウソなど書いていません。
 それにしても、一国の最高権力者である総理大臣がですよ、私のような一介の市民が書いた本で批判されたからといって、本気で対決姿勢を示すというのはいかがなものかと思いました。最後にはキレ気味でしたからね。そうではなくさらりと流したほうが総理としての器を示せたのではないかと思います。

──とくに「政治利用した」「拉致問題でのし上がった」という言葉に安倍首相は反応していました。

蓮池 安倍さんが、拉致問題で総理大臣になったのは事実です。そして総理に返り咲いてからもまだ拉致問題を利用している。私は決して安倍さんを批判するために本を書いたのではありません。拉致問題の恩恵を受けて総理になったのであれば、恩返しという意味でも拉致問題の解決に向けきちんとやってください、そういう思いを込めたつもりです。しかし今回の発言を聞くと本当に残念です。
 2002年の小泉訪朝から13年もの長い時間が経っているのに何も変わらない。だから一石を投じるつもりでこの本を書いたのです。弟家族が帰国できたのだから黙っていたほうが楽だろうとも言われます。しかし、こんな状態で黙っていることはできない。弟はまだ帰ってこない被害者の人々のことが頭にこびりついているんです。肉体的には解放されたけど、精神的にはまったく解放されていないんです。心身ともに自由に暮らせるようなってもらいたい。そんな思いもあって私は声をあげている。だから“批判のための批判”みたいに捉えられるとすごく嫌ですね。

──安倍首相は、国会答弁で蓮池さんの本について「家族会の中からも、実はその本に対して強い批判があるということもご紹介させていただきたい」と主張していました。他家族のことを持ち出し、伝聞という形で蓮池さんを批判しています。

蓮池 私のところには家族会からの“強い批判”は直接きたことはありません。ネット上では、この本を出したことで「これでお前も終わりだ」「身辺に気をつけろ」などと書かれましたが。

──薫さんら5人が帰国した際、日朝政府間は「一時帰国」とし北朝鮮に戻すという約束をしていました。しかし当時、官房副長官だった安倍氏が「日本に残すべきだ」と判断して小泉首相の了解をとりつけたと言います。昨日の委員会でも関係者を集めて「最終的に私は返さないとの判断をした」と、蓮池さんの本の内容とは真逆の答弁をしています。

蓮池 安倍さんには、あなたがいつ説得などしたのか? と訊きたくなりましたよ。本にも書きましたが、弟を説得したのは私であって、安倍さんじゃない。実際に電話のひとつもなかったんですから。当時、政府は5人のスケジュールをびっちりと埋めて作っていましたし、「一時帰国」を変更不可能なものとして進めていたのです。家族たちの間では「帰りのチャーター便はどうするのか?」と、北朝鮮に戻すことを前提に具体的な話し合いまでもたれていたのです。  また、政府はこうも言っていました。「今回は一時帰国だけど、次回は子どもも含めて全員が帰ってきますよ」と。安倍さんも一貫して、5人を北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた。でも、弟と話し合うなかで「ああ、これは2回目などないな」と確信を持ったのです。だから必死で止めた。

──被害者の方々が日本に留まるという決意を伝えたとき、政府は慌てていましたか?

蓮池 慌てていたというより「そうですか」って感じでしたね。ようするに、弟たちの日本に留まるという強い意志が覆らないのを見て、しぶしぶ方針を変えただけなんですよ。にもかかわらず、安倍さんは相変わらず「決断したのは自分だ」というようなことを言う。大人の答弁だとは思えないですね。
 また、小泉訪朝時、安倍さんは「『拉致問題で金正日から謝罪と経緯の報告がなければ共同宣言に調印せずに席を立つべき』と自分が進言した」と言っていますが、でも、それは安倍さんが突出して言っていたことではない。(当時、アジア大洋州局長として会談に同行した外務省の)田中均さんがその後のインタビューなどで答えているように、それは訪朝したメンバー全員の共通認識だったんです。それを自分だけの手柄のように吹聴したわけでしょう、安倍さんは。

──著書では、最近の安倍首相による拉致問題の“政治利用”について、蓮池さんのご両親の選挙応援の事例が記されています。これに対し、昨日、安倍首相は「政治利用はしていない」としながらも完全にはぐらかしていましたが。
蓮池 両親が選挙に駆り出されたのは事実です。2014年の衆院選で、新潟二区で立候補した自民公認の細田健一候補の地元・柏崎に安倍首相が応援演説に駆けつけた。そこに講演会にまず弟が招かれたんですが、多忙を理由に断ると、今度は両親が駆り出された。
「ここに蓮池薫さんのご両親も来てくださっています!」なんて演説で言われて。警察を動員して両親の道案内までしていた。弟が帰って何年も経って、なぜ両親が出て行かないといけないのか。これが政治利用じゃなければ何なんですか。一方では刈羽原発再稼働の問題がある柏崎で、原発のゲの字も言わない。母は「結局、安倍さんのダシに使われたね」って言っていましたが、この期におよんでまだやるか……と思いましたよ。
 ただ、国会でこの話題が出たときに本当に残念だと思ったのが、緒方議員が安倍さんから当事者の話をまったく聞いていない、と切り返されたことです。実際、緒方議員から私に事前に何の連絡もありませんでした。本を読んだだけだから、本人に確認したと言えない。だから、安倍さんに「本の引用だけじゃないですか」と言われる隙を作った。なぜ電話の1本でもくれなかったのか。
 繰り返しますが、そもそも私は安倍さんを単に批判するために本を書いたのではない。膠着した拉致問題に向け政府がきちんと動いてほしいだけですから。

 もうひとつ。本を書いた理由に拉致被害者支援法の実態があまりに世間の認識と乖離していることでした。この法律の草案の段階で、私は自民党本部で安倍さんや中山(恭子・拉致被害者家族担当内閣官房参与【当時】)さんなどから支援法の草案を見せてもらったことがあった。そこでまず驚いたのは、そこに「慰謝」と書いてあったことです。「え? 月額13万で『慰謝』って?」と思いました。正確にいうと夫婦で24万ですから、割ると12万、そして子どもひとりにつき3万円です。しかも、働いて収入が発生したら減額です。24年のブランクがあり学歴もキャリアも中断され、いきなり日本に帰ってきて政府はこれだけで自立しろと言う。北朝鮮に強制的に拉致され、24年も放置されてこれは酷すぎるんじゃないのか。

 草案の段階で「慰謝」は削除してもらったのですが、同時に金額が低すぎると訴えました。すると法案作成にかかわった自民党議員から「野党が金額が低いと吊り上げるから大丈夫」と説明されたのです。しかし結果は逆。野党は13万円は高すぎると主張し、その金額のままになってしまった。
 その際、私は安倍さんに言いました。「国の不作為ですから賠償請求で国を訴えますよ」と。すると、安倍さんは薄ら笑いを浮かべてこう言ったんです。「蓮池さんね、国の不作為を立証するのは大変だよ」って。この言葉は今でも本当に忘れることができません。

…………………………………………………………

 安倍首相の逆ギレ答弁とは対照的に、蓮池氏は終始冷静に、しかし、具体的な根拠をひとつひとつあげながら、安倍首相の答弁をくつがえしていった。
 両者の言い分を読み比べてみたら、どちらが嘘をついているかは、明らかだろう。
 だが、蓮池氏の話はこれで終わりではない。北朝鮮の水爆実験、この間の交渉の問題点、さらには家族会の政治利用などについても、言及していた。
 その内容については、後編をぜひ読んでいただきたい。
(編集部)



蓮池透氏がさらに安倍首相の詐術を徹底批判! 「安倍さんはきっと北の核実験を利用し、逃げ道にする」
リテラ 2016年1月15日 00時25分 (2016年1月16日 12時56分 更新)
http://lite-ra.com/2016/01/post-1891.html
写真:拉致問題のみならず、安保・原発・沖縄・報道圧力など、他の政策に関しても安倍政権に疑問を投げかける蓮池透氏

 昨日、本サイトで掲載した拉致被害者家族・蓮池透氏の安倍首相への反論インタビューは大きな反響を呼んだ。
 安倍首相は1月12日の衆院予算委員会で、蓮池氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)の内容を否定し、「私が言っていることは議員バッジをかけて真実」と大ミエを切ったが、これに対し蓮池氏が真っ向から反論。
 具体例を細かにあげながら、「私が書いていることはすべて本当の話」「安倍さんが拉致問題で嘘をつき、政治利用していたのは事実」と述べたうえで、「安倍さんは議員バッジの前にブルーリボンを外すべき」とまで言い切ったのだ。
 しかも、蓮池氏の話はそれで終わりではなかった。安倍首相へのさらなる不信、北朝鮮の"水爆"実験、この間の政府の交渉のやり方への疑問、さらには言論弾圧まで......。後編はこうした問題についての蓮池氏の発言を紹介したい。

──先日、北朝鮮は水爆の核実験に成功したと公表しました。安倍首相はこれを強く批判し、日本独自の経済制裁復活を検討しています。拉致問題への影響についてどう考えているのか。

蓮池 拉致問題に悪影響しか与えません。しかも、政府はこれを利用しかねない。「核実験を行う北朝鮮はけしからん、暴挙だ」といって、進まない拉致問題の隠れ蓑、言い訳に使う。そういうことだけは本当にやめてほしい。
 でも、現実には「一生懸命やったけど、みなさんご存知の通り北朝鮮はけしからん国だ。しょうがない」と、安倍さんの逃げ道になる可能性は高いんじゃないでしょうか。
 そもそも安倍さんは拉致問題に対し退路を断って対処しているわけじゃないし、どれほどの決意や熱意があるのか、疑問です。勇ましい言葉にしても国内向けにすぎない。だいたい、ひたすら圧力をかける、経済制裁をすると言っても、それが通用しないというのはもう歴史的にわかっている。ちょっと学習してほしいです。
 6者協議にしても、私は、核と拉致を同列に扱ったらうまくいかないと思っています。ですから日朝独自外交を国交正常化交渉とセットでやる。もちろんアメリカからの横槍が入るでしょうが、もし安倍さんが本気なら、そこまでしてくれないと。まあ、アメリカべったりの安倍さんには無理だとは思いますが。
 実は拉致解決に関して、私は今年前半が勝負だと思っていたんです。なぜかと言えば、5月に北朝鮮労働党の党大会がある。そこで今後の政策や人事を決めるわけですから、変な決議や決定がなされたら拉致問題にも大きな影響がでてくる。

たとえば北朝鮮が日本とつきあっても何の利益もないといって、対日政策はあくまで強硬でいくと決定すれば、拉致問題も動かなくなってしまう。少なくとも党大会以降もこの運動を続けられるよう、5月までに布石を打っておかないと。そう思っていたところに核実験ですからね。

──核実験にしても、結局は安倍首相に有利に働いた部分があります。北朝鮮は何をするかわからない。だから安保法制は必要だし、憲法改正もしかり、と。拉致問題にしても引き延ばすことが安倍政権の利益になるのではないのかと思えるほどです。

蓮池 北の脅威を煽っていたほうが安倍政権の思い通りにいくのは確かでしょう。やっぱり北は危ないからちゃんとした軍備が必要だ、と。でも集団的自衛権があっても自衛隊が北朝鮮に行くなんて考えられない。ですから私から言わせれば、制裁を強化した段階で、拉致問題は断念したことと同じなんです。圧力をかければ向こうも反発して、今までのパイプが切れてしまう可能性だってありますからね。

──かつては強硬派として知られた蓮池さんが、こうして安倍首相への不信感を持ち、考え方が変わったのはいつからなのでしょう。

蓮池 小泉訪朝前、たしかに私たち被害者家族は誰も頼る人がいなくて孤立した存在でした。そんななか、秘書時代の安倍さんは私たちにやさしかった。救う会にしてもそうですが、彼らの言うことを私たちは鵜呑みにしてすがるしかなかった。第一次安倍政権のときには、何かあると家族会のメンバーを食事に招待してくれて。でも、その場でなぐさめてくれるだけなんです。
「がんばります」「全力を尽くす」「あらゆる手段を講じる」という常套句だけで、具体的なものはなかった。外交問題は政治家にとってすごく便利なものです。「やっている」と言いながら、「では具体的に何をやっているのか?」と聞くと、それは外交機密だっていう逃げ道がある。安倍さんもまさにそう。本当に戦略というのがあるのか、当初から疑問でした。
 2014年のストックホルム合意についても、非常に安易な合意でした。お互いのゴールが一致していない。非常に広範な問題を一括しているし、最初からこれは難しいなと思っていました。安倍さんが拉致問題最優先って言っているわりに、北朝鮮側のプライオリティは非常に低い。あの時の戦略といったら、独自制裁の一部解除だけ。それで帰ってくるわけがない。しかも北からの報告がなし崩し的に遅れて、現在でもなしのつぶてです。

こうした事態を日本側はきちんと検討したのか。家族からしてみれば半年、1年は死ぬほど長い時間です。しかも安倍さんからは何の説明もない。誰が責任を持ってやっているのかさえわからないのです。交渉しているかもわからない。
 これまでも安倍さんが言ってきた「毅然とした」姿勢というのは、決して北朝鮮に向けたものではなく、国内向けでしょう。強硬姿勢はウケがいいですからね。遠い対岸に向かってひたすら吠えているようなもので、それは対岸に届かないことをわかってやっている。
 しかも、そうした指摘を大手マスコミも書かない。安倍さんの意向を忖度している、言論統制に近いようなものを感じます。

──やはり蓮池さんも安倍政権の言論に対する姿勢に疑問を持っているということですね。

蓮池 今回の本を出した時にもそれは感じました。朝日新聞の取材を受けたとき、「ちょっとこのタイトル......う~ん」と言われてしまって。他でもいくつかの媒体で同じような反応があったと聞いています。テレビでも本の表紙をあえて映さなかったり。安倍批判はダメだし、安倍批判をするとすぐに「反日」ですからね。書店だって隅っこに置かれていて。すごく嫌な国になった、そう感じました。でも今、拉致問題に関してはここまで過激なタイトルをつけないと誰も見向きもしないのが現実なのです。
 政府はあまりにも無策で、時間だけが過ぎていっているのに、マスコミはタブーが多すぎる。また、家族会のことも聖域化しちゃって、今でも都合の悪い話はほとんど書かない。だから洗いざらいぶちまけようと思ったんです。世間の関心も低下し、世代交代も感じています。拉致問題をリアルタイムで知らない世代が増えている。そんな危機感もあります。

──たしかに、すでに東日本大震災や福島原発事故でさえ風化が危惧されていますから、拉致問題は尚更です。

蓮池 今、すごく感じるのは、震災で被害を受けた方々、原発で避難されている方々、あるいは沖縄の基地の問題などいわゆる被害者の人たちの民意を、政権はまったく汲まないということです。多くの被害者がいて反対もあるのに、原発を再稼働し基地を強引に移設しようとする。そういう意味では拉致問題も同じです。自国民をほったらかしなんです。
 そうした意味でも拉致問題に関して志を同じにする人たちで、本当の意味で拉致問題を解決するグループを作ろうと、昨年から少し動き出していました。家族会や救う会ではなく、マスコミOBや大学の名誉教授、与野党問わず国会議員など本気で思ってくれる人が集まって。

しかし、それも北の核実験があり水を差されてしまった状態です。
 拉致問題の解決。言葉で言うのは簡単です。しかしそのためにも拉致問題の解決とは何か、どういう状態になれば全面解決なのか、その定義を安倍さんと政府ははっきり示して欲しい。そうでなければ何ら進歩のないまま、拉致問題がまたずるずると時を重ねるだけでしょう。

..................................................................

 蓮池氏の話はまさに、安倍首相のやり口の本質を突くものだった。実体のない勇ましいスローガンを声高に叫ぶだけで、実際は国民の生命や安全などつゆほども考えていない──。
 しかし、おそらく安倍首相はこれからも「拉致問題解決が最重要課題」などといって、この問題を徹底的に政治利用していくだろう。
 日本国民がこの詐術に気がつき、政府が国内右派向けの人気取りでない、リアルで戦略的な拉致問題解決に動き出す日ははたしてやってくるのだろうか。 (編集部)


コメント

冬日

2016年01月16日 | 散歩・山歩き
冬日やさし 山みち



架け替えられた木道






南展望岩

淡路島 冬日に光る海の上


2016/01/15 神戸市北区・イヤガ谷東尾根

コメント (2)

拉致の真相

2016年01月15日 | 政治・外交
12日衆院で民主党の緒方林太郎氏(比例福岡9区)が首相に対し「拉致を政治利用したのか」との質問したという。
この質問の動機となったのは、拉致被害者の蓮池薫さんの兄、蓮池透さんによる著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)に「拉致問題はこれでもかというほど政治利用されてきた。その典型例は安倍首相だ」などとする一説があるといことだったらしい(WikiPedia)。

こういう著書があるというのも驚きだが、真相はどうなのか。
西村眞悟の時事通信 (拉致問題の闇  平成28年1月14日号)
sakaioffice@n-shingo.com
http://www.n-shingo.com/

拉致問題の闇

拉致問題の最大の闇は、「拉致被害者を救出しようとする者を貶めようとする力」「拉致被害者の救出から国民の目を逸らそうとする力」が政界と官界をはじめとする社会各層に根を張りうごめいているということだ。
この度の予算委員会でも、この闇の力が提供した材料に飛びついた質問が行われたようだ。曰く、「首相は拉致を使ってのし上がった男か」と。
そこで、この質疑に関して、平成十四年の十月に五人が帰国した時の真実について語っておこう。

まず、帰国前月の十七日午前十時頃、訪朝した小泉総理が、北朝鮮から「拉致被害者の内五名は生存しているが八名は死亡した」と告げられた。その時、北朝鮮は八名の「死亡年月日、死亡原因リスト」を日本側に渡した。その七時間後、小泉首相は平壌で、日本が多額のカネを北朝鮮に支払って日朝国交樹立を約束した平壌共同宣言に署名した。そして、トラック二台分のマツタケをお土産に貰って政府専用機に乗せて帰国してきた。

その平壌共同宣言署名のまさにその時、つまり、午後五時、東京では官房長官と外務副大臣が、拉致被疑者家族を個別に個室に呼んで「まことに残念ですが、貴方のお子さんは既に死亡されてます」と死亡宣告をした。
その後帰国してきた訪朝団は、不可解にも北朝鮮から渡された「死亡年月日、死亡原因リスト」を隠して公表しなかった。
しかし、そのリストは、マスコミのスクープによって明らかになった。
そして、拉致被害者救出に携わる朝鮮語に堪能な西岡力や荒木和博が、そのリストを点検し、直ちに、これはおかしい、虚偽だと見破る。

結局、横田めぐみさんを始めとする八人死亡という宣告は北朝鮮の「ウソ」だった。
問題は、北朝鮮がウソをついたことよりも、何故、日本側が、リストを隠してそのウソの通りの死亡宣告を被害者家族に行ったのかである。
その理由は、死亡したと家族に信じさせれば、拉致問題自体が無くなり日朝国交樹立の障害が無くなるからである。
従って、あとは生きている五人が、「首領様のもとで幸せに暮らしています」と言って自主的に「北朝鮮で暮らしますからご心配なく」と言えば、拉致問題は完全に無くなり日朝国交樹立になる。
それ故、日朝国交樹立によって日本からのカネが喉から手が出るように欲しい北朝鮮は、翌十月、五人を帰国させてきたのだ。そして、その帰国の際、日朝の担当者は、一週間から十日で、帰国した五人を北朝鮮に帰すことを合意している。
北朝鮮は、日本から北朝鮮に戻ってきた五人に、「首領様のもとに帰れて嬉しい、これからもここで生きていきます」と言わせて、そのビデオメッセージを日本国民に見せつける予定だった。
以上、八名の死亡と帰国した五人のビデオメッセージで拉致問題は無くなる。これが、北朝鮮と日本の「当局」との一致したシナリオである。

そして、その魂胆の元で五人が日本に帰ってきたのだ。羽田空港に着いたチャーター機から五人が中山恭子さんらに付き添われて降りてきた。全マスコミと拉致議連議員そして家族関係者が帰国した五人を囲んでターミナルの方に姿を消していった。
チャーター機の回りは無人になった。しかし、私と佐久間という仲間はそのチャーター機の下で、必ず北朝鮮からの監視員が同行しているはずだと待ち構えた。
果たして彼ら(二人)は出てきた。
私は彼らの顔を写真に撮り、拉致議連の中川昭一会長と打ち合わせてマスコミに拡散し、これによって彼らの隠密行動を不可能にした。
私たちは、チャーター機の下でなおも待った。佐久間はチャーター機に上がって機内を点検してきて、一人もいないと私に報告した。
すると機内から沢山の北朝鮮からの荷物が運び出されてきた。帰国した五人は、北朝鮮のお土産を持たされていたのである。お土産以外の大量の荷物が何か分からなかった。
帰国した五人がそれぞれ郷里に戻る報道が続いているときに、外務省の幹部が、われわれ拉致議連幹部に「彼ら五人を北朝鮮に帰さねばなりません」と言ってきた。
それに対して、最初に平沢勝栄議員が「そんな、馬鹿な」と言った。外務省が、五人を帰すことは国家間の約束ですからと反論した。
「国家間の約束には国会の議決がいる。そんな約束知らん」と私が言った。
それでも、外務省の馬鹿幹部のおっさん(名前など忘れた)が、唇を振るわせて帰さねばならないんです、と言っていた。
我らは、絶対に五人を帰したらいかん、と言い張った。外務省のおっさんは反論に疲れてきた。

そのとき、後ろの方から女性の小さな声がした。見ると、内閣参与の中山恭子さんが私たちに念を押そうとしている。
「あのー、五人は北朝鮮に帰さない、それで、いいんですね」私たちは、そうです、と言った。すると、中山恭子さんは、「五人は北朝鮮に帰さない、それでいきます」と言った。
外務省は絶句していた。これが、我々が、政府内閣内から五人を帰さないという発言を聞いた最初であった。

それから、政府内および内閣内での、五人を北朝鮮に帰すという外務省路線の絶対多数派と、帰さないという拉致被害者救出派の攻防があった。中山恭子内閣参与と共同して戦ったのは安倍晋三官房副長官であるそして、安倍晋三は、中山恭子さんと共に帰さないという当然の原則を掲げて、外務省路線(あえていう、闇の中の悪の路線)に打ち勝ったのである。

もし仮にあの時、五人を北朝鮮に帰しておれば、どうなったか。彼らの帰国後、平壌から五人の映像が送られてくる。そのなかで、五人は、言わされる。「平壌の首領様のもとに戻れて幸せです」と。そのとき、拉致問題も、拉致被害者救出運動も終わる。
そして、我が国は小泉総理と金正日の平壌共同宣言に則って、北朝鮮に対して彼の国の国家予算の五倍のカネを提供する。そのカネで、北朝鮮の独裁者一族は世界一の金持ちになってブタのように肥り、北朝鮮政府は早急な核開発と核ミサイル開発を進める。
そのうちに、その核ミサイルは日本に向けて実戦配備される。即ち、我が国は、天に向かって唾を吐くように、地球上のもっとも危険なテロ支援国家に転落している。
これで、明確だろう。拉致問題における外務省路線は闇の中の悪の路線である。

しかし、この路線は、今も健在であり一昨年のストックホルム合意においても、未だ、平壌共同宣言に則って、北朝鮮に巨額のカネを支払って日朝国交樹立を目指している。
そして、その為の最大の障害を拉致問題であると位置付けて拉致被害者を救出するよりも、「拉致問題という障害」をなくそうとする。
その為に、この路線を推進する闇の力は、拉致被害者を救出しようとする者を貶めようとするのだ。
かく言う私も、そのターゲットである。従って良く分かる。この度の、予算委員会での安倍総理に対する質問もその一環である。質問者は元外務省官僚だということも符合するではないか

【阿比留瑠比の極言御免】拉致問題を民主党に語る資格があるのか 自分を棚に上げ、またもレッテル貼り?
http://www.sankei.com/premium/print/160114/prm1601140004-c.html

 在京各紙の13日付朝刊をチェックして驚いた。安倍晋三首相が自らの進退にまで言及した答弁が、ほとんど取り上げられていなかったからだ。12日の衆院予算委員会で、民主党の緒方林太郎氏が拉致問題をめぐり、「首相は拉致を使ってのし上がった男か」と質問した件に関してである。

首相、誰より熱心に

 緒方氏は、拉致被害者の蓮池薫氏の兄で家族会元事務局長の蓮池透氏(後に家族会を離脱)の安倍首相らを批判した著書を論拠に、首相は拉致問題を政治利用してきたのかと執拗にただした。首相はこれに対し「私が言っていることが真実であることに(議員)バッジをかける」と強く否定していた。

 詳しいやりとりについては、13日付産経新聞で報じているため省く。ただ、20年以上前から拉致問題に誰よりも熱心に取り組んできた安倍首相に対し、緒方氏はよくもこんな露骨なレッテル貼りのような質問ができるものだとあきれた。・・・・全文


コメント