落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

日米首脳会談

2015年04月30日 | 政治・外交
お詫び外交からの脱却
安倍首相、米議会演説で「痛切な反省」も「おわび」に言及しない 【日米首脳会談】2015.4.30 06:00更新
http://www.sankei.com/politics/news/150430/plt1504300006-n1.html

 【ワシントン=峯匡孝】安倍晋三首相は米上下両院合同会議の演説を英語で行ったが、表現に細心の注意を払っていた。首相の歴史認識に関する発言が注目されていたため、過去に触れつつも「未来志向の日米同盟関係の強化」を自らの言葉で発信したようだ。

 首相は演説で、先の大戦について「deeprepentance(深い悔悟)」を述べ、「deepremorse(痛切な反省)」にも言及した。訪米前にインドネシアで行ったアジア・アフリカ会議(バンドン会議)での演説の内容を踏襲した。「remorse」は「強い後悔」という意味合いも含むため、「謝罪」というニュアンスにつながる。

 首相が英語で演説するにあたり、スピーチライターの谷口智彦内閣官房参与が今月上旬、訪米して米議会関係者や有識者らの意向を探ってきた。

 米国内でも米下院議員25人が「歴史問題に言及することで(近隣国との)癒やしと謙虚な和解の基礎を作ることを願う」とする書簡を佐々江賢一郎駐米大使に送付するなど、首相が演説で何を語るか関心が集まっていた。

 首相は、歴史認識に関し「歴代首相と全く変わらない」と強調。繰り返してきた「歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」との立場を改めて示した。ただ、首相は今夏に発表する戦後70年談話で「お詫び」には言及しない考えで、この日の演説でも平成7年の村山富市首相談話で使った「heartfeltapology(心からのお詫び)」は口にしなかった。

日米同盟強化、日本がより大きな役割
平和構築に同盟強化で一致 共同声明を発表 新指針「日本がより大きな役割」 【日米首脳会談】2015.4.29 01:50更新
http://www.sankei.com/politics/news/150429/plt1504290004-n1.html

 【ワシントン=峯匡孝】安倍晋三首相は28日午前(日本時間同日深夜)、オバマ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談した。自衛隊と米軍の新たな役割分担を定めた「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定を踏まえ、東アジアで軍事的緊張を高める中国をにらんだ連携と、強固な同盟関係を確認。両首脳は、アジア太平洋地域や世界の平和構築に向けた関係強化で一致した。会談に合わせ、戦後70年の節目に「新時代の同盟関係」を掲げた共同声明を発表した。

 会談後の共同記者会見で、オバマ氏は新指針について「より柔軟性を高めるものだ。日本がより大きな責任を果たす」と評価した。オバマ氏は沖縄県の尖閣諸島が米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象だと改めて確認。北朝鮮による日本人拉致被害者問題に対する日本の対応については支持するとした。首相は慰安婦問題について「非常に心が痛む」と述べ、河野洋平官房長官談話を継承する考えを示した。

 声明では、戦後70年の日米関係を「和解の力を示す模範」とし、ルールに基づく国際秩序の構築に寄与してきたと評価した。ガイドラインについては「海洋安全保障を含む事項についてより緊密な形で取り組む」と明記。同時に、中国などを念頭に「力や強制により一方的に現状変更を試みることで主権や領土一体性の尊重を損なう国家の行動は国際秩序への挑戦」と強調した。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の日米協議が最終局面を迎えていることを踏まえ、早期妥結への連携を確認した。

西村眞悟の時事通信 平成27年4月30日(木)
http://www.n-shingo.com/

安倍総理、よく健闘されたなあ

 本日未明から安倍総理のアメリカ上下両院合同会議での演説を聴いた。
 その感想は、「よく健闘された」である。
   マスコミは、中韓にご注進して、想定通りの返答を引き出し、いろいろ彼らの不満を載せるであろうし、評論家や「学識経験者」の小姑のような感想を伝えるであろう。
 従って、それらのマスコミに触れないうちに、以下、書いておきたい。

 テレビカメラは、安倍総理の入場前のアメリカ議会の議場の様子を、かなり長い間、映しだしていた。
 そして、安倍総理のスピーチの最中に、度々立ち上がって拍手する議員達の状況も映された。
 それを見て、思い出したことがあった。
 それは、下院議員選挙に落選して選挙区のテネシーからテキサスのサンアントニにあるアラモの砦に行って戦死したデービー・クリケットと  幕末に日米修好通商条約批准書交換の際に、咸臨丸で太平洋を渡ってアメリカを訪問し、 議会を見学した勝海舟や福沢諭吉、そして通訳のジョン万次郎らの徳川の訪米使節団のことだ。

   デービー・クリケットが死んだのは一八三六年で、訪米使節団は一八六〇年にアメリカに行った。
 デイービー・クリケットの時代のアメリカ議会の議場には、  アライグマの毛皮の帽子をかぶり、猟犬を連れて議場に入る議員や銃を持って入る議員がうようよいた。
 その三十年後の咸臨丸の連中は、同じ議場を観て、次の感想を伝えている。
 「筑地の魚市場のようだ」と。
 「筒袖を着た男達が、筑地の魚市場のように、立ち上がって手を振り回して何かわめいている」

 本日未明、安倍総理が演説している同じアメリカ議場を見て、これら昔の情景を思い出しながら、  これはやはり、オペラ観劇のノリ、だなあと思った。
 西洋の観劇では、ご承知のように、山場が来ると立ち上がって拍手する。
 そして、安倍総理は、彼らのこの観劇のノリに上手く合わせていた。
 ちなみに、我が国の議場は、オペラ的ではなく、やはり歌舞伎的もしくは文楽的で委員会室は能楽的だ。
 皆、立ち上がることはなく、議場では時々「高島屋ー!」的な呼び声が上がる。

 本題に入って、
 安倍総理の演説は、議員諸侯が立ち上がる場面を仕組んでいた。
 その最も適切な点は、日米同盟の意義と重要性を位置付けるにあたり、  お互いに敵味方となって戦ったことを明確にして、  その上で、  その戦いのなかで戦没したアメリカ軍将兵に対する尊敬と慰霊の思いを述べたことである。
 これは彼らに、日本との熾烈な戦争と日本軍兵士の死を恐れない敢闘を思い起こさせ、その上で、  ナポレオンが言った言葉を思い起こさせたであろう。
 「余は、優柔不断の味方よりも、果敢な敵を愛する」

   日米同盟とは、かつて敵味方となって戦った者同士の、強固な同盟だ。
 これを彼らは確認して、立ち上がって拍手した。
 安倍総理は、彼らを立ち上がらせたわけだ。

 オバマ大統領のアメリカは、年々軍事予算を削減せざるを得ず、  反対に中共は、年々経済成長を続けて軍事予算を二けたの割合で増額してきている。
 そして、アメリカにとって換わって、  アジアからアメリカの影響力を排除しようとする野望を露骨にしてきた。
 この状況を前提にして、安倍総理は、アメリカの心細さを理解したうえで、  「日米軍事同盟」の強化に言及し、  経済においても、日米を合わせれば、追随できない世界最大の規模ではないかと訴えた。
 これは、日米を取り巻く国際状況の中で、適切な指摘である。

 そこで、大東亜戦争について、如何に考えているか、つまり、「歴史認識」についてであるが、安倍総理は、前記のように、  ともに敵味方として戦った日米の歴史に触れて、アメリカ戦没将兵を慰霊するとともに、  傍聴席を指さして、そこに、  アメリカ軍もその勇戦敢闘を讃えた硫黄島守備隊の栗林忠道中将の孫である新藤義孝衆議院議員と、  その硫黄島を猛攻したアメリカ海兵隊の将軍の二人が仲良く並んでいるかつての敵味方の姿を示した。
 つまり、かつて戦った二人が手を組んで並んでいる現在の日米両国の姿を象徴的具体的かつに示した。

   これは、ええ。これで、ええんだ。
 お互いに戦った者同士こそ、ナポレオンが言うように、真の友情が生まれる。
 安倍総理の硫黄島の戦いへの言及は、  この「友情」の世界のなかに、日米両国があることを、  アメリカ議員諸侯に傍聴席を指さして示したのだといえる。

   ここで、マックス・ウェーバーが、  戦後の心構えとして言ったことも書いておこう(「職業としての政治」)。
「男らしく峻厳な態度をとる者なら、戦後になって「責任者」を追及するなどという愚痴っぽいことはせず、  敵に向かってこう言うであろう。
 『われわれは戦いに敗れ、君たちは勝った。さあ、決着はついた。』
 ・・・これ以外の表現は総て品位を欠き、禍根を残す。」

 つまり、安倍総理は、七十年前の戦争に関して、未だに謝罪せよとか金をよこせとかいう中韓の姿は、  男らしくない、品位を欠き、禍根を残す、ということをアメリカ人に暗に示したといえる。
 そのうえで、「痛切な反省」は表明した。
 これで、ええ。

   ・・・少々、不満は残るが、  「反省」は使わずに「痛切な思いで振り返る」にしておいたらどうか。
 その証拠に、  日本のマスコミは、この「反省」に飛びついている。
 日本のマスコミが、ここに飛びついたということは、  「中韓さん、ここに飛びついてください」というサインであり、  「では、そこに飛びつきましょう」ということではないか。
 例の、「反省しておるんなら、誠意を具体的に示せ」という論法である。
 うるさいあいつらに、エサを与えるようなサービスはもう必要ないんだ。
 終戦直後、小林秀雄が言ったように、反省もへっちゃくれもあるか。

 以上、大まかであるが、感想を書き込んだ次第。
 安倍晋三内閣総理大臣の、アメリカ議会での演説は、上出来であった。気迫もあった。
 再度このことを強調しておきたい。

 それにしても、  アメリカ議会の前で一群の韓国人がプラカードを持って立っている映像を見た。
 そのプラカードには「Remember Pearl Harbor」とあった。
 憐れな奴らだなー、  無視する以外に手の施しようがない。

■日米共同声明:アジア太平洋及びこれを越えた地域の未来を形作る日本と米国 平成26年4月25日 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page3_000756.html

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【山】宍粟市一宮町 行者山(787m)

2015年04月28日 | 散歩・山歩き
4月28日(火) 晴のち曇

27,28日と宍粟五十名山に出かけた。
二日目の今日、午前中に音水湖(引原ダム)展望地の日ノ原山に登った後、この行者山に来た。
時刻は14時、案内書の所要時間は三時間となっている。
自分の脚では超過するだろうが、日も長くなっているので日暮れまでには帰るつもりで登った。

起点:一宮町生栖(いぎす) 県道六号線沿いの登山口(標高250m)
行程(約5.9km、3時間20分 休憩含む)
起点(14:00)==行者山頂上(15:50)==北側登山口ゲート(17:10)==起点(17:30)

生栖集落から見る行者山


登山道の表情








北側の展望


 詳細は山歩記


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【山】宍粟市波賀町 日ノ原山(789m)

2015年04月28日 | 散歩・山歩き
4月28日(火) 晴れのち曇

27,28日と宍粟五十名山に出かけた。
宿泊地波賀温泉から因幡街道(国道29号)に戻り、音水湖(引原ダム)展望地の日ノ原山に登った。



起点:波賀町日ノ原 大森神社駐車場(標高450m)
行程(約4.9km、3時間20分 昼食・休憩含む)
起点(9:30)==マンガ谷上(10:05)==日ノ原山頂上(11:05)==音水湖展望地(12:00)==国道登山口(12:25)==(車道歩き)==起点(12:50)

 詳細は山歩記

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【山】宍粟市一宮町 岩谷山(733m)、五蔵山(791m)

2015年04月27日 | 散歩・山歩き
4月27日(月) 快晴

菜種梅雨も去り四月下旬ともなると、晴れ間が続くようになった。
27,28日と宍粟五十名山に出かけた。
第一日目は快晴。夜に宿のTVを見ていると夏日のところもあったと報じていた。

起点:一宮町深河谷 池王神社の駐車場(標高350m)
行程(約8.6km、5時間55分 昼食・休憩含む)
起点(9:55)==林道終点(10:25)==アンテナ分岐(11:00)==岩谷山(11:15~11:40)==アンテナ分岐(11:55)==P751展望地(12:05~12:25昼食)==
シャクナゲ谷分岐(13:25)==五蔵山(13:50~14:00)==シャクナゲ谷分岐(14:25)==深河谷村落(15:40)==村道==起点(15:50)

展望

行者山


黒尾山


西側:日名倉山、後山、三室山など


深河谷村落登山口から五蔵山方向を仰ぐ

 山歩記



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「ドローン事件」は反原発派だった

2015年04月26日 | 世相
【官邸ドローン事件】福島県民「なんの解決にもならない」 産経新聞2015年4月25日(土)21:50
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-afr1504250038.html

【官邸ドローン事件】福島県民「なんの解決にもならない」 (産経新聞)

 ドローンに搭載した容器に入れていた砂について、山本泰雄容疑者が「福島の砂だ」と供述していることについて、東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町から同県会津若松市に避難している学習塾経営の吉田邦吉さん(34)は「原発事故で福島に放射能があるのは事実。しかし、そうした中で福島の生産者や生活している人々は苦しみながらも日々努力して暮らしている。容疑者は福島を救済したいという思いもあってやったのかもしれないが、なんの解決にも救済にもならない」と憤った。

 原発事故から4年が経過した現在でも約12万人が避難を続けており、吉田さんは「反原発や脱原発で過激な行動をするほど、逆に福島への差別を助長してしまうようなことが何度も繰り返されている」とあきれた様子で話した。

 また、全村避難が続いている同県飯舘村から同県南相馬市に避難している無職男性(65)は「脱原発や反原発など思想信条があるのは個人の勝手だが、こうした行動は福島への悪意でしかない。福島県民はそんなことをしても誰も喜ばないし、大きな迷惑でしかない」と批判した。

ドローン事件で逮捕“反原発男”の素性… 「官邸サンタ」名乗りブログか 2015.04.25
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150425/dms1504251830008-n1.htm

 東京都千代田区の首相官邸屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件が急展開だ。警視庁麹町署捜査本部は25日、福井県警小浜署に出頭した同県在住の無職、山本泰雄容疑者(40)を威力業務妨害の容疑で逮捕した。「反原発を訴えるため官邸にドローンを飛ばした」と事件への関与を認める供述をしている。インターネット上には、事件への関与を示すブログがあったことも判明。捜査本部は山本容疑者とブログとの関連を慎重に調べている。

 国家の中枢を狙った空からの襲撃は「反原発テロ」だった可能性が濃厚になってきた。
 捜査関係者によると、事態が急変したのは24日午後8時すぎ。福井県警小浜署に山本容疑者が1人で出頭し、官邸屋上に「ドローンを落下させた」「(機体に付いていた)容器に福島の砂を入れた」と話した。砂とドローンの操縦機のようなものを持参していたという。
 警視庁麹町署捜査本部は、山本容疑者が事件に関与した疑いがあるとみて小浜署に捜査員を派遣。25日、威力業務妨害容疑で逮捕した。同容疑者は「4月9日午前3時半にドローンを飛ばした」などとも供述している。

 これまでの捜査で、ドローンの容器から微量の放射性セシウムを検出。24日に警察庁科学警察研究所で検証し、中に砂が入っているのを確認した。捜査本部は、東京電力福島第1原発事故で汚染された砂の可能性があるとみて詳しく調べている。

 一方、ネット上に犯行に関与したことを示唆する内容のブログがあったことも新たに分かった。
タイトルは「ゲリラブログ参」で、作者は福井県小浜市在住の「官邸サンタ」。2014年7月から今月24日にかけて更新されている。
 放射能を示すマークとともに頭にターバンを巻き、ライフルを手にするイスラム過激派のような風貌の男の画像が掲載され、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に関する記述があった。
 大飯、敦賀、美浜など複数の原発が集中する若狭湾に位置する小浜市について、「原発が事故ると直撃コース」「(原発の)再稼働を止める活動をしなくては」と記載。「再稼動を止めるためにはテロをも辞さない」と宣言している。

 昨年10月から今年3月にかけて3回にわたってつづられた「見えない武器」と題する記事では、福島県入りして土を採取した経緯とともに、「敵は武器の主力供給元であると考えよ」などとキューバの革命家、チェ・ゲバラの言葉を引用。「奴等がばら撒いたのを回収しに行く」としていた。

 官邸屋上で見つかったドローンは中国メーカー「DJI」が製造した「ファントム2」とみられ、白い機体が黒く塗装された形跡があった。
 ブログには、墜落したものと酷似した黒いドローンや「汚染土100グラム搭載」とする容器の写真が掲載されていた。

 官邸に飛ばした際の様子とみられる記述もある。更新日は今月12日で、7日に小浜市を出て8日未明に東京・赤坂に到着、悪天候のためその場を離れた。9日未明に再び赤坂を訪れ、ビルの谷間の駐車場からドローンを飛ばしたという。
 「官邸上空…中庭…全く見えない…真っ暗」だったため、官邸の前庭に向けて降下させたが、「そのまま完全ロスト…現場離脱」などとも記している。

 22日に官邸屋上でドローンが見つかり、機体に付いた容器に液体が入っていたと報じられたことについては、「遅せーよ職員! 2週間放置て…」と反応。「放射線も感知してくれたか…液体とか言ってるけど土だし」と書き込んだ。
 ブログによれば、「官邸サンタ」と名乗る作者は「30歳を過ぎて運よく一部上場に滑り込んだ」会社員だったが、昨年7月に退職したという。

 24日の更新では「参考書」と題して、テレビ朝日系報道番組「報道ステーション」の降板騒動で注目を浴びた元経産省官僚の古賀茂明氏(59)の原発に関する著作や、アイドルグループ、AKB48の指原莉乃(22)の著作を紹介していた。
 犯行の様子を“実況中継”し、危険なテロ思想への傾倒がつづられた不気味なブログ。捜査本部は山本容疑者との関連性が高いとみて捜査している。


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「ドローン」

2015年04月25日 | 世相
無人飛行機は様々なものが開発されて、玩具レベルでは数万円であるらしい。
遠隔操作で自分が行けない所へでも誘導できる。
小型ビデオカメラを積み上空から風景を撮影した風景を鳥になった気分で楽しむのは夢がある。
軍事やテロ目的の無人機は、爆弾や薬品など何でも積み込んで攻撃できる。
何のつもりか、遂に官邸で見つかったらしい。イヤな世の中になったものだ。
官邸「ドローン」墜落 放射性セシウム検出 小型カメラ、液体入り容器も 2015.4.22 18:51
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/150422/evt15042218510035-n1.html

 東京都千代田区永田町の首相官邸の屋上ヘリポートで22日、小型の無人飛行機「ドローン」1機が見つかった。ドローン周辺では微量の放射線が測定され、放射性セシウムを検出。警視庁公安部などは、何者かが意図的に侵入させた疑いがあるとみて捜査本部を設置し、威力業務妨害容疑などを視野に捜査を始めた。

 警視庁によると、ドローンは同日午前10時20分ごろ官邸職員が発見。放射線を示すマークとともに「RADIOACTIVE」と表記されたシールが張られた容器が積まれており、セシウム134、137を検出した。放射線は微量で人体に影響はないという。

 容器は茶色で蓋がされ直径3センチ、高さ10センチぐらい。液体が入っていると見られるが中は見えない状態で鑑定を進める。ドローンは直径約50センチ、プロペラが4枚ついたヘリコプター型だった。容器のほか小型カメラや発煙筒のようなものが2本積まれていた。

 これまでに官邸関係者が侵入や墜落の様子を目撃したとの情報はなく飛来した時期は不明で、犯行声明もないという。けが人や建物の破損なども確認されていない。安倍晋三首相は外遊中で不在だった。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)4月24日(金曜日)参 通算第4526号
http://melma.com/backnumber_45206/

やっぱり首相官邸襲撃のドローンは中国製だった
化学兵器を無人機に搭載して攻撃する軍事行動の予行演習ではないのか?


 首相官邸の屋上に飛来した、セシウムを摘んだ無人機ドローンが中国製であることが判明した。危機管理の手抜かり、政府中枢が、これほど外敵の攻撃に脆弱なことが図らずも曝されることとなった。

 現段階では推測の域を出ないが、もし某国が日本攻撃をするシナリオを想定した場合、こうした無人機に化学兵器を積んで、いちどに何十機も飛ばしたらどうなるのか。中枢が麻痺し、日本は身動きが取れなくなる。米国のように地下壕が造られ中央司令部がただちに置かれる状況が、平和国家日本では想定もされていない。

 専守防衛を掲げるのであれば、皇居、首相官邸、国会、防衛省本部など、無人機の攻撃からいかに防御するかを真剣に考え、対策を講じなければなるまい。  この奇貨をいかそう。


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【山】宍粟市山崎町 水剣山(872m)

2015年04月24日 | 散歩・山歩き
4月23日(木) 晴れ

水剣山(872m) 宍粟50名山。
山崎町大谷登山口から右回りで、西尾根~水剣山~東尾根を周回した。
約5.5kmのコースだが、急斜面のアップダウンがあって、なかなか厳しかった。
帰宅してからGPSデータを検討したところ、登山口は標高300mあり、そこから累計高度は約600mあった。
東尾根よりも登りが急な西尾根から右回りのコースをとった。

展望写真


東尾根


黒尾山


西尾根


長水山

水剣山(2008年3月長水山から)


 地図など詳細 山歩記

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加瀬英明氏『崩壊しつつある世界の「戦後レジーム」』

2015年04月23日 | 政治・外交
安倍首相のバンドン会議演説では、「戦後50年の村山富市首相談話や60年の小泉純一郎首相談話の文言をそのまま踏襲しない姿勢を印象づけた。」という。
何かにつけて、歴史々々と謝罪を要求する中・韓に対する牽制と感じる。
安倍首相の提唱する「戦後レジュームからの脱却」が少し反映されたのではないだろうか。
「深い反省とともに守り抜く」 首相が不戦の誓い バンドン会議で演説
産経新聞2015年4月22日(水)15:28
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt1504220024.html

 【ジャカルタ=石鍋圭】安倍晋三首相は22日午前(日本時間同日午後)、インドネシアの首都ジャカルタで始まったアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議で演説した。過去の反省に言及した上で、平和的手段による国際紛争解決など不戦の誓いとともに、未来志向でアジア・アフリカの平和と繁栄に今後も貢献していく考えを表明した。

 首相は、1955年のバンドン会議で採択された「バンドン10原則」の中から「侵略または侵略の脅威、武力行為によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない」「国際紛争は平和的手段によって解決する」とした部分に言及。「この原則を、日本は先の大戦の深い反省とともに、いかなる時でも守り抜く国であろうと誓った」と強調した。

 「侵略」との表現は10原則を引用する形で使うものの、先の大戦での日本の行為としての文脈では触れなかった。過去に「植民地支配」や「侵略」を謝罪した戦後50年の村山富市首相談話や60年の小泉純一郎首相談話の文言をそのまま踏襲しない姿勢を印象づけた。

 首相は、人材育成について「未来への投資だ」とも訴え、「成長を牽引するのは人材だ。アジアやアフリカの意欲あふれる若者たちを、産業発展を担う人材へと育てていく」と表明。今後5年間で35万人を対象にした人材育成支援を実施する方針を示した。

 また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件などを踏まえ、「テロリストたちに世界のどこにも安住の地を与えてはならない」と訴えた。来年のアフリカ開発会議(TICAD)のアフリカ開催を確認し、感染症や災害対策、気候変動問題対応での「強い結束」も呼び掛けた。

■「加瀬英明のコラム」メールマガジン 2015/04/21
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

崩壊しつつある世界の「戦後レジーム」

 私はニューヨークに留学したが、客が来ると、エンパイア・ステートビルに案内した。
 エンパイア・ステートビルは、1931年に竣工したが、大恐慌の真只中だったから、テナントがいなかったために、「エムプティ・ステートビル」と、呼ばれた。

 今年、上海に世界でもっとも高い、超高層の「上海タワー」が完成する。
 しかし、「上海タワー」はじきに、現在、サウジアラビアで建設が進んでいる、「キングドム・タワー」が完成すると、世界第2位に転落する。「キングドム・タワー」は、いま、世界でもっとも高いビルである、ニューヨークの「ワン・ワールド・トレード・センター」の2倍の高さになるといわれる。

 私はマレーシアに招かれた時に、「ペトロナス・タワー」で講演した。1996年に完成して、世界でもっとも高いビルとなったが、アジア経済危機によって見舞われた。
 私は世界一高いビルが出現すると、その経済が破綻するというルールを、エンパイアで学んでいたから、やはりそうなんだと思った。

 2010年に、ドバイに世界一高いビルが誕生したが、世界経済が失速した。
 このような超高層ビルは、その国の経済が最高潮に達した時に、着工されるものだ。だから、右肩下がりの前兆となるのだろう。

 「上海タワー」は、中国経済が大きく蹌踉(よろ)めく前触れなのだろうか。
 サウジアラビアの「キングドム・タワー」は、石油ブームによって、砂漠に砂上の楼閣のように出現した王国が、危機にさらされている兆のように、思われてならない。

 それにしても、中国、サウジアラビア、ドバイ、マレーシアにまるで競うように、つぎつぎと地上最高のビルが出現してゆくというのは、この四半世紀のうちに世界構造が大きく変わったことを、痛感させられる。ついこのあいだまでは、中国は苦力(クーリー)の国として知られていたし、中東といえば、棗椰子(なつめやし)の蔭で、駱駝が居眠りをしているところを、連想したものだった。

 第1次安倍内閣が登場してから、安倍首相が「戦後レジームからの脱却」を、訴えてきた。だが、「戦後レジーム」は、日本のなかだけに限られた、国内問題である。
 ところが、いま、日本にとってそれよりもはるかに大きな問題が、世界を大きく揺さぶっている。
 アメリカがオバマ政権のもとで、内に籠るようになって、アメリカの力が後退してゆくなかで、世界を律してきた「戦後レジーム」が崩壊しつつある。オバマ大統領はもはや「アメリカは世界の警察官ではない」と、公けの場で述べている。
 そうなると、日本がたいへんだ。日本が誇る「平和憲法体制」は、アメリカが日本をしっかりと守ってくれることを前提としてきた。わが「平和憲法体制」と、アメリカが超大国として、アメリカに腰巾着(こしぎんちゃく)のように従ってきた国々を守るという、第2次大戦後の「戦後体制」は、一体のものであってきた。

 それなのに、国会では集団的自衛権の解釈を見直して、日本の役割をひろげようという安保法制をめぐって、“平和憲法”に抵触するといって反対する声が、囂(かしま)しい。
 “平和憲法体制”は、アメリカが日本に強要した「戦後レジーム」であるのに、それを必死に守ろうとするのは、アメリカという母親への甘えなのだろう。


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「下関条約120周年 国民の集い」は盛況

2015年04月22日 | 歴史
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)4月22日(水曜日)通算第4522号
http://melma.com/backnumber_45206/

「下関条約120周年 国民の集い」に愛国者つどう
雨にもかかわらず超満員の会場は「歴史戦」の熱気につつまれた


「下関条約120周年 国民の集い」 に愛国者つどう
 四月十七日の「下関条約一二〇周年 日清戦争勝利 国民の集い」はあいにくの雨模様で出足が心配されたが、会場はほぼ満員となり、盛況でした。

会は国歌斉唱、加瀬英明さんの開会の辞に始まり、中村彰彦、渡邊惣樹両氏の記念講演、そのあと女性軍からは宮脇淳子、河添恵子さんらが駆けつけ、さらには遠方から梅原克彦(前仙台市長)と石平さん、つづいて高山正之、藤岡信勝、西村幸祐、黄文雄、室谷克実、水島総の各氏らが登壇しました。このほか所用のため、西村真吾さん、頭山興助さんが中座され、また小堀桂一郎先生は急用のため欠席でした。
時間切れとなって壇上に昇る時間が割愛となった先生方も大勢いらっしゃいました。
 (会の模様は下記サイトでスライドがあります)
http://www.jpmuseum.com/shimonoseki_120/

 第二弾は9月5日、ポーツマス条約110周年です
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 九月五日は歴史戦の第二弾「ポースマス条約 110周年、日露戦争を考える国民の集い」を開催します。
 概要は下記の通りです。
         記
 とき      9月5日(土曜日)午後二時(一時半開場)
 ところ     星陵会館 大ホール
 記念講演(敬称略、順不同)
 「日露戦争の歴史的意義を問う」      前防衛大学教授  平間洋一
   「歴史は英雄達がつくる」         拓殖大学客員教授 藤岡信勝
   「満州蒙古とは何だったのか」        近現代史研究家 宮脇淳子
 発言(登壇予定)「司馬遼太郎の虚説を衝く」(福井雄三)
「現代ロシアはどうなっているのか」(馬渕睦夫)
加瀬英明、水島総、高山正之ほか
             (スケジュールは予告なく変更されることがあります)

 (下関条約120周年国民のつどい事務局より)なお、支援金をおおくりいただいた皆様には冊子とともに決算報告を五月中旬までにお手元にお送りします。まだ精算がおわらないので、発送が遅れておりますが、五月15日ごろをメドにしております。
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シナ人気質

2015年04月21日 | 歴史
シナは人類四大文明発祥の地、四千年の歴史を持つ国と習った。
あの偉人孔子様の国。シナ人は何人も孔子様の教訓を学んでいるというイメージがある。
が、それは清の時代まで。共産党がこの国を支配してから国柄は変わってしまった。
「地獄の沙汰もカネ次第」現代のシナ人は現世もあの世も徹底しているらしい。
~誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考~
メルマガ:石平(せきへい)のチャイナウォッチ 2015年4月17日 20:54:39JST
http://www.seki-hei.com

金、外車、豪邸、愛人…先祖への供物に映る中国人の価値観 「腐敗は永遠に不滅…」

今月5日は中国の清明節である。
古くからの祭日で先祖の墓参りをする日だ。
「文革」の時代、それは「封建的迷信」として禁じられていたが、 今や「民族の伝統」として復活し盛んになっている。

日本の場合、お盆などで先祖の墓参りをするときは 花を持っていくのが普通だが、中国では事情が違う。
銅銭をかたどった紙の「冥銭(めいせん)」を 先祖の墓に持ってゆき、燃やすという昔からの習わしがある。
先祖があの世でお金に困らないための供えだ。
今は冥銭もかなり進化して、 額面の高い「人民元」や「米ドル」の市販品が主流となっている。

今年の清明節、「人民元百億元」の冥銭があちこちで「発行」され、 「9800億元」のモノまで出回っている。
日本円にして約19兆円の額面だが、 それを「額面通り」に受け取れれば、 ご先祖様(さま)は一気に冥府一の大金持ちとなろう。

こうした巨額の冥銭に負けないように、 「冥府専用のクレジットカード」を作って販売する業者もある。
利用金額無制限のゴールデンカードで、 先祖はそれを手に入れれば、
冥府での「大富豪生活」を永遠に楽しめるわけだ。

冥府での「良い生活」に必要な「贅沢(ぜいたく)品」を 供え物として持っていく人も多い。もちろん全ては紙の作り物であるが、 最新鋭のiPhoneから運転手付きの外車(模型)まで何でもある。
美女の紙人形の背中に「愛人」と書いて先祖に供える人もいる。
その際、先祖への心遣いから精力剤の「引換券」を添えるのは普通である。
高級別荘の紙模型も供え物として大人気である。
大抵はプール付きの豪邸で、中には男女の使用人や 愛人の「第2号、第3号」の紙人形がきちんと備えられている。
先祖は別荘の中で「酒池肉林」の生活を楽しめる。

このように墓参りをする今の中国人たちは、 花の一束で先祖への気持ちを伝えればよいとは考えていない。
ご先祖様を喜ばせるためには、お金はもちろんのこと、 高級外車も豪邸の別荘も美女の愛人も必要だと彼らが思っている。

もちろんそれは、墓参りをする人々自身の欲望の反映であり、 現世における彼ら自身の価値観の投影でもある。
生きている人たちはお金や高級外車、美女の愛人、 豪邸の別荘を何よりも欲しがっているからこそ、 それらのモノに最高の価値があると思っているからこそ、 先祖への感謝の気持ちを込めてこのような供えをしているのであろう。

赤裸々な欲望を満足させるモノに最高の価値がある。
これは今の中国人の「普遍的な価値観」なのである。

人々は先祖に前述のような供え物を捧(ささ)げるのに もう一つの思惑がある。先祖に「大富豪の生活」を提供する見返りとして、 今度は自分たちも先祖からのご加護でこ のような生活ができるようになるのを願っているのである。

その際、人々と先祖との関係は、お金と高価な贅沢品を介した 一種の「賄賂の収受」と化している。この世で大富豪となるためには、 まず党と政府の幹部に賄賂を贈って 彼らから金もうけのチャンスを与えてもらうのと同じように、 ご先祖様にお金と別荘と美女をちゃんと供えれば、 それらのモノはいずれか自分たちの手に入ってくるのではないか、 という期待が人々の心にあるのである。

そういう意味では、「腐敗」というのは そもそも現代中国人の価値観の一部であり、 中国流の即物的な実利主義精神に深く根ざしているものである。
党と政府の幹部における腐敗の蔓延(まんえん)は、 このような文化的背景があってのことであろう。

従って習近平政権が腐敗の撲滅にいくら力を入れても、 腐敗は撲滅されることはまずない。
中国人の精神と文化を変えない限り、腐敗は「永遠不滅」なのである。
( 石 平 )

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)4月21日(火曜日)通算第4521号
http://melma.com/backnumber_45206/

◆書評 ▼ブックレビュー ◎BOOKREVIEW◆ 

中国のもっとも重要な伝統は科挙を産んだ宗族制度だった
宗廟も廃墟となる懼れ、人々は本気で宗教心をすてた。ならば行き着く先は?

石平『中国人はなぜ「お金」しか信じないのか』(KKベストセラーズ)

 いきなり文化的本質論の議論となる。
 石平氏は本書のなかで、まずこう言う。
 「王朝の交代、血で血をあらう動乱を何度も繰り返してきた中国には、真の意味での『国家』は存在しなかった。そんな中国において数千年間、人々の思考、行動原理を支えてきたのが、『家族中心主義』であり、『宗族社会』だった」
 典型は中国版「平家物語」で落ち武者たちは福建省と広東省の境にある山奧へ流れ着き、地付きの人からは「客家」とよばれた。
楕円形の巨大な土楼を築き、中庭に田畑を耕し、山羊や豚を飼った。家族は宗族を単位にまとまって自給自足の暮らしを続けた。
 評者(宮崎)は、福州から夜汽車にのって龍岩というへんぴなところへ行き、タクシーを雇って土楼群を見に行ったことがあるが、いまやすっかり観光地(世界遺産)、入場料金が3000円ほど徴収される。
客家ほどではなくとも、一族が集団で暮らし、墓地を同じ場所とする。これが「宗廟」である。
宗族制度とは、一族の中に優秀な子どもがいれば、皆で金を出し合って学校へ送り出し、科挙の試験をうけさせ、一族の名誉とした。科挙選抜の原動力となり、科挙を引退すると「郷神」とよばれ、その土地の統治者でもあった。

こうした中国古来の伝統が崩れた。
 破壊したのは毛沢東の共産主義で「革命」と称して、農村へ行くと地主と郷神を人民裁判にかけて処刑した。これで農村に知識人は不在となった。
家族主義を壊したのは密告制度だった。
 改革開放以後は「お金」が宗教となる。ゾロアスター教は拝火教とも呼ばれ、ペルシア、アゼルバイジャン、インドの奥地にいまも残る。イランにはヤスドという街に、まだ火の消えない神殿がある。この土着的な宗教の上に、イスラム教が流れ込んで、イランはシーア派となり、インドも世俗イスラムとはやや趣がことなるイスラム、それは日本にしても土着の自然信仰の伝統が築かれたあとに仏教が入ってきた。オリジナルの仏教と日本のそれは大きく異なり、原理原点的な仏教は大英博物館にある。
 仏教発祥の地はインドだが、いまのインドには影も形も残っていない。
 釈迦のうまれたルンビニはネパールに残るが、イスラム教徒のメッカ巡礼のような、仏教徒が必ず訪れる場所とはなっていない。

 ▼道教はどこへ行ったのか?

 共産革命前まで、中国の伝統的な宗教は儒教ではなく道教である。道教が尊んだ価値は家族第一主義、よそ者は信じないが血縁で結ばれた、血の絆は固く、だからこそ宗族による宗族だけの宗家信仰が蔓延していた。この伝統が墓地の設計思想に受けつがれ、宗族がまとめて祀られる宗廟があちこちに出来る。
 広州市のど真ん中にある「陳家書院」は有名な観光地だが、あれは陳一族の宗廟である。この宗廟が常識とされ、華南ではどこにでもあった。
 広州の南、番寓にはいまも「留耕堂」という有名な宗廟があるが、タクシーを雇って行ってみると、建物だけのこり、清の時代の戦争の英雄だった韓氏(のちに何氏と改名)の宗廟としての機能は失われていた。ちょっと評者はショックを受け、そのことで石さんと話し合ったことがある。

雲南省の山奥、ミャンマーとの国境付近の集落にも十数もの宗廟があった。
 数年前、広州市郊外の開平市から江門市にかけての郊外(市内からバスで一時間)、赤土欠(チーカン)村を訪ねたことがある(「土」と「欠」で一文字、カンと発音)。
西洋の御殿のような白亜のお屋敷がごろごろと建った場所で異様な光景を観た。結婚式が洋装で、缶がガラガラ鳴らずリムジンで街を行進する。
この村には苦力貿易で米国へ渡り、成功した故郷に錦をかざった在米華僑が金にあかせて洋館をたてあい、それが文化遺産となって世界の観光客が絶えない所だが、ここでも宗廟をまつる習慣が失われていた。

 『宗族』は家族主義、親戚尊重という血のコネクションが希釈化し、『宗廟』への信仰心が薄れた、最大の理由が共産革命による伝導破壊、家族制度は密告のよって破壊され、つぎに宗廟への価値喪失は海外華僑の三世、四世、五世がアメリカ的価値観を身につけ、中国語をまったく喋ろうともせず、中国を汚いと観ていることにより宗族の絆が完全に壊されたからなのである。

  そして宗族信仰がこわれ、何も文化的歴史的伝統が残らない中国で新しい宗教とは、他人も家族も信じない、強いて信仰の対象があるとすれば、カネになった。
銅銭の巨大なオブジェが中国の津々浦々の地方都市へ行くと歩行者天国に飾られ、シンガポールのチャイナタウンへ行くと世界最古の石銭が飾られている。世界どこでも、中国人の信仰の対象が何であるかをしることができる。
拝金主義の中国は人間がさもしくなり、その精神は枯れ、寂寥たる曠野となって、この行き着く先は世界の破壊であろうか。

 ともかく石平さんの新刊を読んで副次的に連想したのは、こうした拝金主義の中国がAIIBを設立するなどと言っても、銀行の基盤は「信用」であり、その見えない価値観をいかにして、かれらは作りだし、その信用のネットワークを構築し、銀行業務を拡大できるのだろうかという疑問に包まれた。
 いろいろと考えさせられる本である。


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