河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2026- jbPfCon2、オピッツ、ewkシンフォニエッタ、ゲッツェル、神奈川フィル、2015.11.30

2015-12-01 18:24:50 | コンサート・オペラ

2015年11月30日(月) 7:00pm ミューザ川崎

ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調  18′、9′、13′+8′

Int

コルンゴルト シンフォニエッタ  13′9′9′16′

(encore)
ヨハン・シュトラウスⅡ 雷鳴と電光 3′

サッシャ・ゲッツェル 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団


お初でお目にかかる指揮者です。前半後半ともに勝負プログラム。
ヘビーで大きい曲2曲と思いきや、そんなにヘビーではなく、大曲ながら重心が下がらない明解な演奏でした。

オピッツは、この前の2015.11.25に聴いたばかり。そのときはモーツァルト、この日はブラームス。
モーツァルトのときと同じように明晰なサウンド、音価が几帳面に整理されていてブラームスの埃のようなものが微塵もない、きれいな演奏。音が締まって短くなると隙間がかえって雄弁になる、面白い現象だと思います。手はそれほど大きくは見えません、指先をちょっと丸めるように、ところどころ引っ掻くようにうまくさばいていく。ここだけ取れば、ブロンフマンと似た弾き。
第4楽章の重くしない美しいハーモニーに乗せて迫る大詰めは、全く大詰めではなく、時が来たから終わるかというエンディング、この4楽章をうまく終わらせるのはなかなか難しいと色々な演奏を聴いて思いますが、この日の演奏は自分のイメージによく合うものでした。
思うに、指揮者が細部耽溺型とちょっとちがう、細部ハーモニー噛みしめ型で味わいが深い。ブラームスの美しいハーモニーが思う存分奏でられる。この美しい音楽を奏でるための停滞みたいなものでじっくりと味わえる。ビロードのような響きの中、音がなびきながら終わる。
この指揮者はここだけではなくて、第3楽章も同じでハーモニーの噛みしめが深くてバランスされた響きを十分に楽しめる。2楽章のように縦ずれしてしまう箇所もあったことはあったが、これはオーケストラに帰されるべき問題のような気もする。ハイレベルのオケは何も言わずとも全部揃えてきます。コンセントレーションの問題と思います。とはいえ冒頭のホルンのソロ、そして魅惑的なピアノ、そこから流れ出てくる音楽はブラームスの明るさを示していて、その光が放たれた様な演奏はお見事でした。充実した演奏でよかった。

後半のシンフォニエッタ。解説によると15歳の時の曲、管弦楽曲の作曲としては2曲ということだから聴く前から驚く。結果、前半の協奏曲と同じく50分に迫る大曲でした。
ここでも指揮者ゲッツェルの棒がよくきまっています。重心を低くせず高から低まで各インストゥルメントとそのアンサンブルが均質にバランスよく鳴る。また細部への光の当て方も前半と同じく美しさが際立っている。初めて聴く曲ですが全く飽きることなく最後まで楽しめました。
第1楽章ソナタ、第2楽章スケルツォ、第3楽章アンダンテ、第4楽章パテティコ。
形式感は下敷きのようなもので、ときに甘く、少しだけ激しく、メランコリックな雰囲気の音楽が続く。響きが変わり、流れていくので飽きることはない。曲はデカいが内容はシンフォニエッタにふさわしいと言える。
2番以外のホルンは女性陣、これはこれで迫力ある。この曲ではホルンはほぼ吹きっぱなしではないか。ソロは頻繁に出てくるが長続きするようなメロディーラインは無く、アンサンブルでの吹奏が多いですね。吹きっぱなしは大変だと思います。この曲では重要な楽器であるようです。

2曲と休憩で2時間越えてしまいましたが、アンコールがありました。指揮者の十八番でしょうか。季節的な景気づけのような気もしました。あと1カ月で正月ですし。

いい内容の演奏会、ありがとうございました。
おわり

 


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