河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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1068- ネヴィル・マリナー N響 シベV ベト7 2010.9.11

2010-09-15 00:10:00 | インポート


2010-2011シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちら
この日は土曜の午後のN響定期から。
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2010年9月11日(土)3:00pm
NHKホール
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ベルリオーズ ベアトリスとベネディクト、序曲
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シベリウス ヴァイオリン協奏曲
 ヴァイオリン、ミハイル・シモニアン
(アンコール)アルメニアの民謡
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ベートーヴェン 交響曲第7番
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ネヴィル・マリナー指揮
NHK交響楽団
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セント・マーチン・イン・ザ・フィールドの棒しか今まで知らなかった。1924年生まれというから86歳。とてもそのようにはみえないが半世紀以上棒を振っているのだろう。自分としてはとりたてて注目していた指揮者でもない。N響ではたいそう人気があると聞いていたのでじゃあ行ってみるかということで聴いたわけでもない。2本持っているN響のサブスクリプションのうち劈頭にあたったということだ。
ジ・アカデミーのサイズとフルオーケストラの規模の違いをどのように振るのかに興味がいってしまうが、べつにのべつ幕なしにジ・アカデミーだけ振っていたわけではないので、フル編成のオーケストラを振るのも通常の出来事。
ベートーヴェンの7番は、大オーケストラを昔風に鳴らしまくったものであり、このようなへヴィー級なサウンドはかえって新鮮に聴こえたりする人たちもいるに違いない。年を重ねるにつれ、小さい方から大きい方に向かったということなのだろうか。当人に言わすとどのような演奏団体でも振っていたのだよということになるのだろう、きっと。
例によって腰の重いN響のアンサンブルが一所懸命前に進もうとしている。ジタバタしている、という表現が的を射ているような演奏も多いが、この日の演奏はこれはこれで聴き味が湧くというものだった。このオーケストラは指揮者によって、やる気度がかなり変質するので、今日のマリナーの棒はなかなかのものということになるのだろう。悶絶うって前進あるのみ。遠近感はあまりなく雪だるまがオーバーコートを着て垂直に立っているような演奏。あっけにとられる。演奏後の絶大なブラボーコールの真意を確かめたくなる。
遠近感といえばシベリウスの伴奏の方が彫が深かったような気もするが、ただ、この曲に対して指揮が板についていない。この曲は指揮者は暗譜で振らなければならない。曲が身について初めてうちふるえるようなシベリウスの内なる声を表現できるというものだ。
めりはりですけれど、部分部分をとればそれなりにダイナミックであり考え込まれておりその意味では彫の深い演奏ではありました。ただ曲想という観点で言いますと、テンポなども含め変化に乏しくもうひとつ上のかき混ぜがあってもよかったと思う。ヴァイオリンは柔らかい丸みをおびたサウンドでシベリウスの厳しい音楽と必ずしも同方向ではないもどかしさがあった。技術的にもさらなる研さんを積んだ姿をみたい。
ということで、一曲目のベルリオーズが一番良かった。錯覚なんですが、どうしてもコーリン・デイヴィスと雰囲気だぶってしまって矯正するまである程度時間がかかってしまったが、そのままの勘違いで聴き終えてもよかったような気がしないでもない。大編成でありながら横広がりの薄さといいますか、ユニークなサウンド・バランスの曲で、ベルリオーズの変さ加減が面白く、結果的にマリナーの棒もこの曲に対して縁取りがきいており本人も一番良かったと思っているのかもしれない。
おわり

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