河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

トゥーランガリラ カンブルラン

2006-12-17 17:30:07 | 音楽

東にその演奏会あれば、

雨にも負けず出かけ。

西にその演奏会あれば、

風にも負けず出かけ。

北にその演奏会あれば、

寒さに負けず出かけ。

南にその演奏会あれば、

暑さに負けず出かける。

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熱意はいつもこんな装いで、この曲だけははずせない。

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20061215()

19:00 サントリー・ホール

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メシアン作曲

トゥーランガリラ交響曲

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ピアノ、ロジェ・ムラロ

オンド・マルトノ、原田節

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シルヴァン・カンブルラン指揮

読売日本交響楽団

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何度聴いても面白い曲だ。

3楽章だけはよくわからないけれども、とにかく第10楽章まで全てが天才の一瞬のひらめきの音楽のように聴こえる。

そのときは一生懸命考えながら年月をかけて作曲していたのだと思うが、出てきた音楽というのは凝縮されたひらめき。

作曲に思考する長い年月(としつき)も宇宙的光の時間尺度では、地球上の全ての事象はたかだか一瞬のまばたきの様なもの。

そんなことを実感させてくれるひらめきの音楽。

100人規模のフルパワー・オーケストラで、いろんな所でいろんな人がいろんな事をしている。

奥でパーカッション群がコトコトやっている。

その前方ではブラスのキザミがミキサーのようなうなりをたてている。

ウィンド群は複雑に短フレーズを繰り返す。

弦はコントラバスから第1ヴァイオリンまであちこちでストリームの塊がメロディーラインを作っている。

なんだかみんなバラバラだ。

鳴っているようで鳴りきらない。

かと思えば山水画のような一筆書きユニゾンが高らかに鳴り響き、強烈で圧倒的に鳴りきる。

指揮者カンブルランは、その譜めくりの大胆さもさることながら全身でリズムを作っていくさまが、そのポニーテールの揺れともども説得力のある迫力を感じる。

音楽への一体感。

この音楽は光であるのかもしれない。

色彩とリズムの競演。

強烈な刻み節。

なんという魅力的な音楽。

このような曲は、サントリーホールであれば、二階席からフルオーケストラを見渡しながら聴くのがよい。つまり生演奏に限る。

音が出てくるという事象が、前後左右どこからどのような形で出てきてるのかを確かめながら見聴きすると本当に楽しくなる。

オンド・マルトノ、ピアノ、ともにステージギリギリのところに位置し、従ってそのサウンドもクリアに前方に響く。

ダイナミックな指揮姿がピアノに邪魔されてよく見えないのは多少残念ではあったが。

カンブルランの作り出す演奏はその指揮姿ともどもわかりやすい。

まず、丁寧である。

やや遅めにとられたテンポが音楽に余裕を与えている。

つまりプレイヤーに次の音を出す準備をさせてくれる。

一回もつれたら元には戻らないのが音楽であるから、用意周到な事前練習は当然としても、演奏中の心の余裕も、あればそれにこしたことはない。