many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

村上龍全エッセイ1987-1991

2015-12-09 21:03:52 | 読んだ本
村上龍 1991年 講談社文庫
冷静に考えると、なんで持ってるのかよくわかんないんだけど、文庫版のエッセイ集の第三弾。
もちろん小説も書いてるんだけど、あいかわらず、いろんなとこ飛びまわってて、自ら「遊び人」と称することだけのことはある。
これより前の時期には、テニスの試合の観戦とかで忙しそうだったんだけど、この時代にはF1サーキットをほぼ全戦ついてまわって世界中行ってる、すごいエネルギーだ。
>テレビではわからないことに首を突っ込むこと、テレビしか知らないやつに「ザマーミロ」と言うこと、男の子だったらそれを目指すべきである。(p.154「鈴鹿F1GP観戦記」)
と言ってます、うーむ。
自身そうやって現地に突入するのを常にしてることから、
>「美」と「快楽」はガイドブックには載っていない。(p.240「美と快楽」)
と断言する境地に至っている。まー、うらやましい。
あと、ほかに、気にいったとこをあげてみると、意外とインドなんかにも行ってんだけど、
>最高度に洗練されたタンドリ・チキンの味に匹敵するのは、パリ、「ツール・ダルジャン」の鴨、ローマ、「トゥリオ」のパスタ、N・Y、「福臨門海鮮酒家」のフカヒレ、京都、「大市」のすっぽんなど、本当に数えるほどしかないのではないか。(p.98「生と死の社交場―インド」)
だなんて、いちいち比較対象するものが凝ってたりするのがいい。
ただ、遊びまわってる贅沢な気分を書いてるだけぢゃなくて、
>嫌いなのは、動物の擬人化、です。(略)
>ストーリーを欲しがるのは人間だけで、動物は、そんなもの必要ないし、あったら生きていけません。(略)
>動物の擬人化は、想像力の欠如も生みだします。(p.305「TEN YEARS AFTER」)
みたいなことビシッと言うとこが好きなんだけどね。
どうでもいいけど、
>「ニューヨークで二ヵ月ばかり遊んできて、短篇小説を書いてくれ。」というゴージャスな仕事の依頼があって、出かけたのである。
って、最初の海外旅行に行ったと言ってるけど、村上春樹の『職業としての小説家』では、
>「世界中、どこでも好きなところに行って、いくらでも経費を使って、好きなように紀行文を書いてください」みたいな依頼もありました。
なのに、
>(略)(丁重にお断りしましたが)
とあるのを、こないだ読んだばかりだったので、ずいぶんスタンスに違いがあるなー、とは思ったもんです。
(たぶん同時期の話と思われる、バブリーだなあ。)



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バタバタの先頭で大迷惑だっ... | トップ | CD-RIDER »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読んだ本」カテゴリの最新記事