kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

CPI結果が追い風

2024-05-16 05:37:38 | 日記
15日発表の4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びにとどまったことから
米株式市場は急騰、ダウ、ナスダック指数、S&P500種とも高値を更新しました。SOX指数
も大きく上昇したことから今日の日経平均も上昇することが期待されます。指数に影響の大
きな半導体セクターの動き次第では大幅高も夢ではありません。

もっとも3万9000円前後では戻り売りが予想されます。4兆7000億円近く膨れ上がっている
信用買い残高の消化が焦点です。海外投資家の買いが鍵を握るのでしょうか。もっとも現在
の世界の投資家の視線は中国株と欧州株の買いと日本株売りです。今月欧州株は高値更新が
伝えられています。中国市場の回復も続いています。

海外投資家の動きからは年初からの中国株売りの日本株買いは逆転しています。それにして
も4月の調整からあっという間に高値を更新した米国株の強さはどこから来るのしょうか。
利下げ期待の復活が株高の背景にありますが、PERは20倍を超えて過去の平均からは割高感
が強い状況は何ら変わりません。

15日の日経新聞1面で米政府が中国製のEVに現状(25%)の4倍に当たる100%の制裁関税を
課すという記事が出ていました。現状では米国市場で中国製EVは米国政府の補助金対象から
外され販売は微々たるもののようです。

しかしメキシコやブラジルへの輸出が本格的に始まっています。中国メーカーはまずは米国
周辺国に進出し販売を拡大し、現地生産に乗り出し中国本土からではなくメキシコなどから
の輸出を狙っているようです。

米国政府はEVだけでなくEV用バッテリーは7.5%から25%へ太陽光パネルや半導体の関税も
今回25%から50%に引き上げます。EV用バッテリーであるリチウム電池、太陽光パネル、液
晶パネルは日本初の発明でした。しかし政府の巨額な補助金と大きな自国市場がある中国は
巨額な投資で量産体制を敷き価格競争を仕掛け日本や韓国それに欧米メーカーを市場から退
室させました。

シャープが巨額な赤字の元凶だった大型液晶パネル工場を閉鎖するのも中国メーカーが仕掛
けた乱売競争に負けたからです。米国政府としても環境対策で欠くことのできない太陽電池
やリチウム電池それにEV市場を中国に牛耳られると安全保障上大きな問題になるということ
で強硬さに出ました。

中国製EVの過剰生産問題を財務長官であるイエレン氏が持ち出すことも異例な状況です。こ
の過剰生産を批判する欧米に対して習主席は「過剰生産問題は存在しない」と反発しています。
秋に大統領選挙を控えていることもあり米国の強硬姿勢は変わらないでしょう。EVの新たな
米中貿易戦争の大きな火種です。

米国に限らず欧州でもドイツ、フランス、イタリアは大きな産業である自動車産業を守りたい
ところです。大きな雇用を生むこともあり中国EVメーカーによる輸出急増は阻止したいところ
です。一方中国も欧州で何らかの規制が出てくれば対抗策を出すでしょう。

コロナの発生問題で中国ともめたオーストラリアは中国向けワインを事実上止められました。
日本でも科学的根拠が薄いにもかかわらず日本産の海産物の輸入を昨年全面禁止にしました。
中国は力による圧力を最も有効に使う国です。
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