伊東家のデスク

オタクの備忘録など

仮面ライダー電王

2021-02-26 00:19:26 | 感想文

 07年~08年。
 平成第一期仮面ライダーの転換点にして、傑作の一つである。
 当時は電車に乗るライダー、弱そうな主人公、人気声優起用の押し出しなどで話題になった覚えがある。
 その実、これが見事なまでの王道ヒーローであったのだ。
 今、この時、どこかで誰かが、忘れられながらも戦っている。初代仮面ライダーにも通じるこのテーマを徹底的に貫いたのは見事と言う他ない。
 野上良太郎という戦闘力の低い主人公を採用し、周囲に与える影響をヒーロー性としてしっかり描いたところも見逃せない。
 今となっては古典だが、だからこそ、これから仮面ライダー見ていきたいという方にもおすすめできる傑作である。


私闘学園

2021-02-24 20:48:21 | 感想文

 87年~93年。作者は朝松健。
 青春格闘技小説の皮を被ることさえしなかった、オカルト・プロレスガチオタによるハイスピードギャグ小説である。
 格闘技同好会を設立した若者たちと、その周囲が繰り広げるアホらしい日々が描かれるわけだが、合間にこれでもかとネタが挟まれる。その速度と量は明らかに読者に優しくない。劇物みたいな勢いで殴りつけてくるのだ。そして、読者は知らぬ間にこのバカバカしい私闘学園ワールドに引きずり込まれてしまうのである。
 正直、若い人は勿論、2021年現在30代になっている人たちにもおすすめはできない。あまりにもネタが古すぎる。マサ斎藤が降りてきた、なんて文が笑えるのは当時を知るか、ちゃんとしたプロレスファンでもなきゃ無理だろう。
 ただ、それを補って余りあるほどギャグ小説として出来がいい。勢いだらけの学生や頭の悪い大人たちの怒涛のボケっぷりを是非とも楽しんでいただきたい。
 そして、主人公たちのライバルである氷室アキラの魅力を是非とも知っていただきたい。最終決戦が可愛いぞ。


まだ寒いころについて

2021-02-21 22:25:01 | 雑文
・『猿の惑星』
 気が向いたので旧シリーズを見てみることに。
 オチが有名な68年版。ずっと子供の頃にチラっと見ただけだった。
 猿の造形はなるほど、これは確かに凄い。人気出るわけだよ。
 全体的には、やはり一発ネタだなぁと思う。とにかくテイラーが絶望するオチあってこそ。

・『続・猿の惑星』
 ヒットしたので次。ただし予算は減らす。よくある続編であるな。
 出来も予想できる通りひどいものだが、サウナのシーンは新鮮で割と好きである。

・『新・猿の惑星』
 二作目に比べればまだ志は保っているかな、というところ。逆転させただけといえばまぁそうなのだが。
 さらっと子供を入れ替えるのがまたなんとも。

・『猿の惑星・征服』
 アーマンドの必死さが涙を誘う。
 どんなに質が低下しても、猿が出てきて爆発や炎上があるだけで喜んでしまうので、自分はチョロいなぁと思う。
 まあ犬の滅んだ世界はやはり認めがたいけど。作中人類も犬が滅んだ時に一蓮托生散っときゃよかったんですよ……とまでは言わないでおこう。

・『最後の猿の惑星』
 ここまで通してダーッと見ると、凄い勢いでダメになっていったのがよく分かる。
 それでも「ここで終わらせるんだ」という意気込みはまだ買いたい。馬見れたしね。
 なんだかんだ言っても、猿を見るのは楽しいかな。

・『SPY』
 CIAの内勤おばさんが現場に飛び出して大活躍。メリッサ・マッカーシーとジェイソン・ステイサムがいちいち可愛らしい。
 主人公と敵のヒロインの関係性が実に良い。強めの百合属性持ちにおすすめできる。
 ノリとしては少女マンガ。冴えない女の子が頑張って意外な活躍をし、できる男から認められたり友達とちょっと冒険してみたりライバル(敵)と友情を結んだり、驚くほど定石通りである。また、「この世界では女が最強なんだよ!」という信念がしっかり流れていてそこもお気に入り。

・『ゾンビーバー』
 かつてアルバトロス配給のクソ映画たちに心惹かれた馬鹿野郎たちなら見ておいて損はない。いやまあこれ見るなら他の名作とか見た方が絶対に得するのだが。
 ゾンビーバーたちがとにかくチープで愛らしい。なんか分からんけど楽しそうに人間襲うのがいいのだ。
 最初と最後を飾った馬鹿野郎二人組の理不尽すぎる暴力もたまらないね。あとゾーイ可愛い。

THEビッグオー

2021-02-19 18:39:57 | 感想文
 99年~00年。続編03年。
 記憶を失った街パラダイム・シティのネゴシエイター・ロジャー・スミスを主人公としたロボットアニメである。
 ただ、私にとって巨大ロボットアクションとしての『THEビッグオー』はさほど重要ではない。
 ヒロインのR・ドロシー・ウェインライトがこの作品の全てである。アンドロイド系ヒロイン屈指の名キャラクター。徹底した無表情に加えて妙にスタイリッシュ。怪力かつ超重量。アンドロイドたる自分の扱い方を心得ているのがまた素晴らしい。しかもキャストは矢島晶子。完璧だ。
 ある種の投げっ放しオチなので、そのあたり放っときながらでもいいので、とにかくドロシーを見ていただきたい。というかこれあと二、三段低品質で出してもドロシーだけで充分おつりがくるよ。そんな作品である。

冬が続く頃について

2021-02-18 19:09:25 | 雑文
・『刑事物語』
 ハンガーヌンチャクしか知らなかったので、この機会にチェックしてみた。
 周囲が割と普通に頑張っているのに、武田鉄矢だけジャッキー風のカンフーアクションやっているのが乱暴で面白い。

・『地球の静止する日』
 マイケル・レニーが実にいい男。
 50年代のSF観は、やはりレトロフューチャーだなぁ。好きだわ。
 それにしても、どうして卓越した技術の表現というとすぐ「継ぎ目がない」が使われるのかしら。分かりやすい、以上の理由がどこかにあると思うのだが、さて。


・『バック・アロウ』
 私の考えだと、そろそろバック・アロウに対して大々的に懸賞金がかけられる頃である。
 グランエッジャ一行にシュウ・ビまでついたのは、確かに厄介である。しかし、最も危険なのは徹底的に壁の中の価値観を持たないがゆえに全てを破壊しつくしてしまえるバック・アロウなのだ。奴こそ何よりも排除しなければならない存在であるはずなので、レッカ凱帝国はバック・アロウの首に大金かけてでも殺しにかからねばならない。アロウがリンガリンドで最も危険な存在=既存の価値観の破壊者・解放者であるという面白さあってこその痛快さだと思うので、これぐらいしなければ少々押しが弱くなる恐れがある。どのような仕掛けで来るか、楽しみ。

・『セーラームーンS』、やっぱりタキシード仮面の出番少ないなぁ。あの「さぁ決めですよ」という定番の安心感がない。まぁその役目を外部太陽系戦士が担っているわけなのだが。
 ほたる絡みのあれこれで、ちびうさが涙ながらプルートに「嫌いだ」って言っちゃうシーンが好きでねぇ。あそこでちびうさは主人公級のキャラクターを得られたと思うのだよ。

・昼食中に見るアニメを旧OVA『銀河英雄伝説』に変えた。耳が幸せになるアニメの代表であるな。
 富山敬のヤン・ウェンリーははまり役だねぇ。
 ラインハルトあまり好きじゃないのだが、その周辺、オーベルシュタインとかキルヒアイスは好き。特にオーベルシュタインね。帝国側では一番好き。こちらのOVAだと塩沢兼人がキャスティングされており、それがまた素晴らしい味わい。理想的と言ってもいい。