伊東家のデスク

オタクの備忘録など

けものフレンズ(アニメ版)について 2

2017-03-31 01:39:17 | 雑文

 私が興味深いと感じた、細かな部分について。


 廃墟感について。
 私は廃墟フェチというわけではないが、そのグッとくる魅力はとても分かる。
 「未来少年コナン」や、「天空の城ラピュタ」のラピュタ、「砂ぼうず」の関東大砂漠、「アンチャーテッド」、「みどりの守り神」、などなど。
 「けものフレンズ」においても、これは堪能させてもらった。
 廃墟の魅力は、その寂しさだけではない。人の手から離れても残る、文明の力強さと、再生の過程という希望を内包している点にもあると思うのだ。
 けものフレンズの廃墟感は、むしろこの力強さと再生を象徴していたように思える。ジャパリバスは勿論、ロープウェイもそうだ。
 これがあるゆえに、実は、外の世界で人類が絶滅している、と本気で考えた視聴者は少なかったのではなかろうか。
 そうそう、ジャパリバスだよ、ジャパリバス。
 良かったなぁ。最後にバス死んじゃったままにならなくて。これ嬉しかったんだよね。


 セルリアンについて。
 彼らを生物として描かなかったことが興味深い。
 基本的にセルリアンは勝手に動く機械的存在か、災害でしかない。あくまで冒険途中の障害なのだ。
 生物にしてしまうとどうしても意思が入ってしまう。意思を持つ者同士の熱いぶつかり合いは物語を盛り上げるが、この作品の雰囲気にはマッチしていない。
 やったとしても、6話のような遊びの延長でなければ。
 そこで、災害なのである。自然災害には意思も何もない。ただそこにあるだけである。しかし、その無情な暴力は脅威である。
 山火事のようなものにすることで、避けるべきものであると同時に排除可能なものである、だけど基本は避けるべきものという仕組みを作れていた。
 だからこそ、カバも博士もあれだけ「基本逃げなさい」と言っていたのである。
 そんな障害の最後に「溶岩」を持ってきたのも面白いと思う。
 さて、セルリアンが災害であるのならそれは決してなくなることがない存在でもある、ということになる。
 しかし、それでいいのだ。彼らもまたジャパリパークを彩る、「恐怖」や「脅威」という景色の一部なのだから。


 ジャパリまんについて。
 どこにでも現れるこの食糧には笑ってしまったのだが、考えてみると凄いことである。どこでも食べられる。いつでも食べられる。
 これの存在がフレンズたちから食事情を取り払っているあたりいい仕事している。
 そして、ジャパリまんを越えて料理を求める博士と助手はやはりグルメであり賢い、と持ち上げておこう。


 かばんちゃんの手袋とタイツについて。
 最終回、おそらく再生中だったのだろう。
 服が最初に再生したことから考えても、どうやらかばんちゃんの手袋とタイツはフレンズの専用装備と同じ扱いらしい。熊手とかと同じなのだ。
 手足を守るもの、ということだろうか。
 ここは非常に興味深いところである。

けものフレンズ(アニメ版)について 1

2017-03-30 21:05:30 | 雑文

 結局放送圏内まで行って最終回を見てきた。旅行らしい旅行もできなかったし疲れも酷かったが、中々に有意義な経験だったと思う。
 最終回、凄まじい多幸感に包まれて、本当に楽しく、嬉しい作品だった。

 さて、じっくり語りたいので、記事は何本かに分けたい。
 まずは、採点から入ろうと思う。理由はこれが私にとって最も重要度が低いからである。
 最初に注意しておくと、これはあくまで私個人の意見であり、感想と視聴態度を偉そうに書いているだけである。あとでやるが、「かばんちゃんかわいい!」と変わらない程度である(これで分かると思うが、まぁ、結構なバイアスがかかっている疑いもある。私自身そこを分析しきれていないので、ご容赦いただきたい)。
 また、この作品を取り巻く騒動などは基本的に度外視する。今更私ごときが書くことでもないのだが、作品を評価することと作品がどう扱われたかを検証することは全く別種であるし、後者は私の得意とする分野ではない。ちょっときつい言い方をすると、それをダシにどれだけ盛り上がれたかが作品評価の領域に入るのは好ましい事ではないのだ。普段はあまり強調することはないのだが、はまった作品が流行った、という経験が不思議とあまりないので、一応書いておく。 追記:みんなで盛り上がることが悪い事である、ということではない。他者とわいわい語り合うことの楽しさはオタクにとって、いや、人生においてとても重要で、かけがえのないものである。


 アニメ版けものフレンズをどのような態度で採点していたか、というところから書こう。
 スタートにおける私の立場は、アプリ版未プレイ、マンガ版未読、である。まったくの無知だな。
 そして、比較対象として「ターンAガンダム」を置いている。この作品については各々調べて頂きたい。私はこの作品の「あらゆる当たり前の、普通のことを、それとして描く」点を高く評価している。そして、けものフレンズとの比較においても、そこを中心に置いていた。(付け加えるなら、比較対象にこれを持ってくること自体、私なりの最大の賛辞であると思っていただきたい)
 本稿はまず、その比較によって私が得た結論を語るものである。
 すなわち、「あらゆる当たり前の、普通のことを、それとして描く」ことがどれだけのレベルでできていたか、ということである。

 まとめてしまおう。
 私の採点は、予想以上であり期待以上、である。
 ジャパリパーク内で描かれる多くは、等しく価値を認められて存在している。川を渡るのも橋をかけるのも、カフェをやるのも仲間を探すのも、温泉も、戦いも。
 それらは全て尊ばれるべきものであり、また、当たり前のように受け入れられ、当たり前のように愛されて描かれている。
 このあたりを支えているのが、かばんに向けられたサーバルのセリフであろう。フレンズによって得意なことは違う、というサーバルの言葉は、かばんを通じパークの中でフレンズが求めて行う様々にも向けられていくのである。
 このあたりは実に良かった。
 この価値観のおかげで、作中の描写は抜群の安定感と愛らしさを実現できていた。勿論、完璧だったわけではない。しかし、そこすら愛おしいものとして許容させてしまえる作りは、なんというか、凄い、としか言えないのである。
 そして、この当たり前の、普通のことに対する善意と友情の描写の積み重ねが最終回の集合を支えてもいるわけだ。
 あまりにも単純な、他者への尊敬と感謝、そして好意をもって。
 こういったわけで、私は比較からのけものフレンズを高く評価できる、と判定するのである。
 比較対象に置いている「ターンAガンダム」もまた、作品世界全てを愛されてきた世界として描ききっていたのだから。
 ただ、比較対象のレベルまで到達できていたかどうかでいえば、まだ遠い、といったところである。これはまぁ、あの作品の特殊性からして仕方ないことではあるのだが……。
 いずれにせよ、私がぼんやりと考えていた「ターンAのここらへんまでいければいいなぁ」という期待は確実に上回ったし、「これはやるだろうなぁ」という予想の大体は上方向に裏切られた。
 大変に面白かったと思う。


三月の終わり近くに思うこと

2017-03-20 23:46:38 | 雑文
 次更新する時はけものフレンズについてあれこれ語る時だと思うので、ひとまずは現在の自分が触れているあれこれを。

・キュウレンジャー
 名前がちゃんと出るようになったので文句はない。
 すぐ地球が舞台になると思ってはいたが、なるほど、こう来たか。
 人数上、画面的に横に広がってしまいがちなのをあれこれ工夫していて、そこがとても好ましい。

・キラキラプリキュア
 剣城あきら/キュアショコラが何から何までストライクで、もう既に満足である。残りの次の二月までずっと楽しそうであるよ。
 また、アニメを見て、そこに食べ物が描かれていて、同質のものを食べたくなる(食べてしまう)仕組みについては改めて考えたい。

・ゲットスマート (2008)
 スパイコメディって結構好きなんだ。ドゥエイン・ジョンソンがいい具合に浮いていて、そこがまた楽しい。
 アラン・アーキンの吹き替えが小川真司で、そこがちょっと泣いちゃう。

・魔法使いの嫁
 安定して面白い。

・ご注文はうさぎですか?
 寝る前に日常系萌えアニメを見て、心安らかに寝ることにしている。けもフレのブルーレイが届けばそれでいいのだが、今はゆゆ式やごちうさに頼り切りである。
 私はもう、ひたすらココアお姉ちゃんに甘えたい。

・S20/戦後トウキョウ退魔録2
 これ読んでる層はどの辺になるのだろうか。少なくとも私のような二十代が読むにはネタも雰囲気も少々古臭いが、三十代四十代でもあまりピンと来ないのではないか。
 私などは紙芝居屋の冒険活劇と聞いて痺れるのだが、そんな人ばかりではあるまい。

最近思うことについて

2017-03-01 20:49:34 | 雑文
・キュウレンジャー
 事情は分からないでもないのだが、やはりガルたちもオープニングのカットで名前を入れるべきだろう。
 見栄えの面もあるが、単純に仲間はずれみたいでちょっとかわいそうになってしまう。

・聖闘士星矢LEGENDofSANCTUARY
 たまに見ている。何度見ても終盤の黄金総攻撃が圧巻で素晴らしい。この路線でまた見たいのだが……。

・助太刀屋助六
 岡本喜八の遺作になるのかな。能天気に暴れるバカが見たい、という時にパッと思いつく作品の一つである。
 ナレーションの力を満喫できる作品でもある。

・キングダムハーツ
 アクション苦手なのだが、最近プレイし始めた。
 各ディズニーの世界が短めで、サクサク進めるのはいいが少々物足りない。
 広大なディズニーワールドをじっくり冒険してみたいものであるよ。

・ミッキーのクリスマスキャロル
 私が初めて触れたクリスマス・キャロルはこれである。
 ご存知スクルージ・マクダックの主演作品。未来の精霊を演じているピートの表情がいいんだ。