伊東家のデスク

オタクの備忘録など

ちょっと昔の少年マンガを読む頃について

2020-03-29 22:14:27 | 雑文
 まあ、ちょっとどころではないが。
 結構前から頑張って少年マンガを読み返していた。
 以下、メモ。

・『るろうに剣心』
 東京編は普通に楽しい。人誅編はいまひとつ。やはり京都編がノリノリで非常に面白い。
 京都編、特に気に入っているのは、強敵の連続の中で天翔龍閃が最強無敵の必殺技であり続けたことである。志々雄すら攻略ままならずで終わったというのが素晴らしい。

・『うしおととら』
 大盛り上がりの終盤で、蒼月潮に対する想念を秋葉流や白面の者がそのまま吐露してしまうあたりが今読むとちょっと残念に映る。その宿命はともかく、根っこは等身大の子供の精神性であるという点を大事にするのなら、ここはない方が良かったんじゃ。
 山魚の話が結構好きだったんだよなぁ。

・『リングにかけろ』
 中盤以降、必殺ブローが技名つけて拳を振るだけになってしまっているのがひどいが、熱量の高さにクラクラしてしまうので、そこを無視できてしまうあたり、心底凄いなぁと思う。考えてみれば、黄金期ジャンプの作品の多くが読者から冷静さを奪ってあらゆるマイナス要素を無視させるのが得意だったので、黄金期前夜のリンかけがそうなのは当然なのか。

・『聖闘士星矢』
 ちゃんと面白かった、と言えるのはポセイドン編までかな。冥界編最初のあたりの異様なテンションはちょっと笑ってしまったが。

・『北斗の拳』
 勿論ラオウ編までがピークという意見は私もうなずくけど、一番好きなのは初めて読んだ時からずっと最終章なのだ。兄弟間の悲劇に見舞われてきたケンシロウが、いや、世紀末そのものが、バットの決死の戦いとケンシロウの兄としての決意で救われるというのが実に良いのだ。
 キャラクターで一番好きだったのはシュウ。拳法では南斗水鳥拳が好き。

・『ハヤテのごとく!』
 事実上、もう一人の主人公でもある三千院ナギの扱いをヒロイン1にしてしまったあたりで路頭に迷った感が凄い。そこを各ヒロインの可愛さで保てていたあたりはいいが、その後は……ねぇ。
 まあこのあたりの感じは、私が完全に三千院ナギ主体に少女マンガ読みをしてしまったせいでもあるか。

・『バビル2世』
 バビル2世の孤独を感じながら読むと、なんとも虚無感漂う悲惨な作品である。この辺含めても、どこか忍者ものっぽいよね。

・『グラップラー刃牙』
 『バキ』以降なんか変なマンガになってしまったのは、作中で描かれるバトルの共通認識が薄れたためではないか。すなわち、「俺こそが最強だ!」である。その最強の果てに立ちはだかる者こそが範馬勇次郎で、物語の進行とバトルの結果がうまく重なっていた。ところが、『バキ』以降はあっちこっちに枝を伸ばしてしまったため、結果がうまく繋がらなくなっている。『グラップラー』ではこの雑多な闇鍋状態で、それでも登場人物が「俺こそが最強だ!」という一点において戦いの意義を決められていたから、バカっぽくて爽やかだったのに。

・『湘南純愛組!』
 痛快オバカ活劇としては『GTO』の方が面白いのだが、青春劇としての味付けが本作の魅力を一段上げている。
 阿久津編以降、どこかリズムが単調になるのだが、それを肥大化した伝説という土台にして、ガキの遊びを卒業する最終章につなげるのはうまくやったな、と思える。

・『らんま1/2』
 高橋留美子は藤子不二雄節を継承できている数少ない漫画家の一人で、本作でもその手腕は遺憾無く発揮されている。
 昔から男子同士、女子同士の掛け合いが好きだったのだが、不思議と今読んでもそれ以上突っ込んだ読み方はできないでいる。私の感性が完全に作中世界の雰囲気に負けているのである。お見事。

・『スーパードクターK』『Doctor K』
 何度読んでも、「ああ、やっぱりKAZUYAは最強最高の医療系ヒーローだよあなぁ」と涙を流してしまう。

3月末に思うこととか

2020-03-29 22:06:52 | 雑文
・『勇者指令ダグオン』
 ジェノサイドとの決戦がスパロボの雑な時みたいでちょっと笑うのだが、そこから超火炎合体でコントロール奪取して自爆の勢いが凄まじくて圧倒される。
 イメージというのは恐ろしいもので、この頃はまだヨクにも人の心が残っていたんだなぁ、と失礼なことを思ってしまった。
 最後の最後まで、校長先生が人間として最強だったのが良い。
 刃柴美奈子が普通に可愛くて好き。こんな妹いたらそりゃもう甘やかすね。

・『おジャ魔女どれみ』
 久しぶりに通して見ていると、「あれ?おんぷの出番こんなに遅かったかな?」となってしまう。リアルタイムの記憶はあてにならんなぁ。

・『牙狼-GARO-』
 少年鋼牙が鍛錬の果てに剣を手にするシーンでいつも泣く。

・『HIGH SCORE』
 6巻で完全に作風が現在のそれで固まった。同時に、初期で大活躍だった多摩先生の出番がガクッと消えていくのが寂しくもある。もっとも、このあたりから常磐津次郎らが本格的に転がっていくので、寂しさが気にならなくなっていくのだけれど。

・『大巨蟲列島』2巻
 青山さんに生き延びてもらいたいが、無理かなぁ。
 私は昔から昆虫の中でもセミが怖くて仕方なかったのだが、今巻で巨大化されてこれがまあ素晴らしくおっかない。現実で感じる恐怖とは別種の恐怖で、心地よいよ。
 ヤマビルは見た目完全にファンタジーのモンスターなので、あまり怖くないかな。

・『球詠』
 とりあえず1巻読んでみた。女子野球に関するアレコレには触れないようにしているというのがまずビックリ。勿論、戦法としてはありなのだが。これ、実際に女子野球に関わっている人には、作中における女子野球の扱いや規模はどう受け止められているのだろう。
 マウンテンプクイチは昔よくイラストを眺めていたのだが、やはり柔らかな少女うまいなぁ。それと同時に、本作では脚の肉付きにこだわってくれているようで、実に良い。

・『新サクラ大戦』
 お試しで再び起動。まあこんなもんだよな、あざみ可愛いな、という感想あまり変わらず。
 一つ言い忘れていたことで、作中で帝劇を家族と表現するのが不快だった、というものがあった。作中での正誤良し悪しではなく、集団において疑似であれ家族こそが関係性の頂点である、という価値観を現代の作品でなんの考えもなしに使っている節があって、その程度の低さがひたすらに苛立つ。旧作から地続きのシリーズ最新作であるからこそ、当時と現代の変化には敏感であるべきだったのではないか。あえて家族という表現を使うのなら、最低限、2001年の『家族計画』ぐらいの視点と覚悟をもってもらいたかった。まああれもだいぶ古いが。

・思い立って、十年以上前の2ちゃんねる時代の良スレのログを色々辿って眺めていた。当時、あの掲示板はいくつか話題になったものを眺めるぐらいで距離を置いていたのだが、なんとも懐かしい気分にさせてもらった。しょうもない嘘をみんなでゲラゲラ笑っていられた時代のかほりが実に良かった。

・上のようなことをやるようになったから、『紅の豚』が余計に沁みるのである。ジーナの三人目の訃報が届き、ポルコが杯を捧げるシーンに泣く。最近はそれに加え、映画館でフェラーリンと話すシーンも泣くようになった。いつか全編泣いてしまうのかなぁ。ああ、やだやだ。

まったりあれこれ

2020-03-22 22:24:31 | 雑文
・『拝啓天皇陛下様』
 渥美清といえば、となると基本で挙がる作品の一つだが、これまで未見だった。(原作も未読である)
 いやもう渥美清と長門裕之が実に良いのである。どこまでいってもヤマショウを友とするムネさんがとてもいい。
 長門裕之、最初に知った時はもうおじいちゃんだったので、そちらの方が印象深いのだが、若い頃も多少印象変わるが素敵であるな。
 渥美効果もあってか、軽快に見れる戦争映画、というより軍人映画か。おすすめ。

・『半沢直樹』
 今更だが、このドラマ本当に面白いよなぁ。及川光博の使い方がうまいのなんの。
 宇梶剛士を見ていると「ウルトラマンガイアもう一回見よっかなぁ。けど長いしなぁ」となってしまう。

・『仮面ライダーゼロワン』
 正直評価はかなり下げているし、もうみんな言っていることなので言及したくなかったのだが、最初に期待を込めたこともあって、一応コメント。
 天津垓の投入で明らかに失敗している。そして、その失敗に目新しいところが何一つないというのがひどい。変なキャラクターを濃いキャラクターとして、キャラ描写中心に立てようとして失敗する、というのは珍しくもなんともない、どこにでもある話である。お金かけたハリウッドの映画からその辺の中学生が書いた小説まで、どこにでもある。勿論、仮面ライダーシリーズでもあったことである。それだけに、折角の令和1号であっさり繰り返してしまうことに心底萎えてしまう。新しいことに挑戦して失敗したのなら厳しく評価はするが、流石に萎えるまではいかない。現状、桜木那智の熱演がむしろ鬱陶しくなってしまっているレベルなので、なんとかしてもらいたい。

・『仮面ライダーカブト』
 というわけで、失敗例をちょこっと見直してみた。まあこれがひどいのなんの。お金かけてカッコよく作ったスーツやクロックアップ演出が余計に悲しさを増してくれる。楽しむためには、かなり心の許容範囲を広げて、ギリギリまで中学生ぐらいの精神状態にもっていく必要がある。そのうえで見れば、割と快楽にはなる。
 私はマスクドフォームの方が好きかなぁ。

・『魔進戦隊キラメイジャー』
 三話目。降参。白旗。これ面白いよ。流石スーパー戦隊。チームの雰囲気もキャラクターも今までにない、スーパーヒロインテイストの入ったものなのに、それでなお戦隊としての面白さを保てている。日本屈指の歴史を持つヒーロー番組は伊達ではないのだ。

・『男子高校生の日常』
 アニメ版。久しぶりに見てみた。
 私は文化祭回が一番好き。

春の頃にあれこれ

2020-03-15 20:53:39 | 雑文
・『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』
 メーサー殺獣光線車初登場の記念すべき一作。これがまあ滅法強くてかっこいい。
 サンダとガイラの戦いはプロレスとしてはあまり盛り上がらないかなぁ。ガイラが人を食っていると知った時のサンダの動きはとても良かったし、どちらも萌えキャラではあったが。

・『男はつらいよ』
 『犬神家の一族』を見ていて、金田一といや『八つ墓村』もあるなぁ。渥美清だったなぁ。と、思っていたらいつの間にかこれを見ていた。
 渥美清の名調子たるや。この存在感はとんでもないものがある。顔を動かすだけで面白い渥美に対し、ジッとしているだけで名演になる志村喬も素晴らしいのなんの。
 昭和の名優を堪能できる一品だが、さて若い人には通じるかどうか。私も少し前まで若かったが、多分、きっついかなぁ。
 オタに紹介する際はやり方に困る。参考作があまり思い浮かばない。特に現代の萌えアニメで育ったオタ向けでこの匂いを漂わせる作品が本当に浮かんでこない。インプット不足だと反省。

・『ベイマックス』
 ディズニーの力でロボットアニメやヒーローアニメを、という夢を叶えてくれた作品の一つ。
 中盤、ベイマックスが空を飛ぶシーンはとても美しくて素晴らしい。
 基本的には王道も王道で、ドラマ面では冒険があまりないが、アクションを楽しむならそれでもまぁいいだろう。もっとも、本作のヴィランは、ディズニーとしては珍しいタイプかもしれないが。いかにもマーベル映画タイプではある。

・『ウォーリー』
 ロボットのいじらしさ満載の傑作。
 後半の艦長のセリフが非常にかっこいい。人間の図太さもしっかり描いているよね。

・『カレイドスター』
 『レイラ・ハミルトン物語』までダーッと見終わった。本編最終話でも名作なのだが、やはりレイラの断髪=解放あってこその完結だなと思える。
 それにしても、佐藤順一という人は凄いものである。サトジュンがいなかったら、私は今のようにはなっていないなぁ……と考える人は多いだろう。少なくとも、私はそう断言できる。

・『地球防衛企業ダイ・ガード』
 ロボットアニメの源流には確かに怪獣映画があって、その方向で作られる作品は少なくない。
 ダイ・ガードの面白いところは、主役ロボットをとにかく使いづらく、弱々しくすることで、徹底的にヘテロダインを脅威として描き切っている点にある。これは正しく怪獣の扱いである。

・『リングにかけろ』
 文庫版をダーッと読んでいる。記憶に残るいいシーンが来る前に、序盤の高嶺姉弟の苦労や大村ジムの雰囲気、剣崎との戦いなどに後の展開が重なってダバダバ涙が出て困る。
 前半の展開あってこそのぶっとび超人バトルだし、最終決戦への盛り上がりにつながるよなぁ。
 必殺ブローの中ではジェットアッパーが一番好きかな。全国大会での竜児対河井は個人的にとても好き。

・『魔進戦隊キラメイジャー』
 導入にスーパーヒロインものの匂いを嗅ぎ取ったのであるが、どうやら本当にその路線で進むようである。
 スーパーヒーローものとスーパーヒロインものでは作り上げられてきた文法に違いがあるので、そこをどう埋めてスーパー戦隊として完成させるか。今年の戦隊は歴史的に中々に重要な位置にあるよ。
 ランドメイジがとてつもなくカッコよかった。夜戦が実に映える。

とりとめなく色々と

2020-03-11 00:15:37 | 雑文

・ロボットを描きなれていない人、いや、描きなれている人でもやりがちなのが、プラモやおもちゃみたいな質感・存在感で描いてしまうという現象である。
 勿論、作画の参考にはむしろそれらが必須なのかもしれないが、作中に落とされたものがロボットであるなら、しっかりロボットとして仕上げて描くべきであろう。
 こと、ガンダムはガンプラ文化があるので、これが結構見られる。本職の漫画家さんとかでもそうなのだから、これはまぁ根が深い深い。
 長谷川裕一あたりになると、流石というか、ちゃんと巨大なロボットが暴れているという描き方になってくれるのだが。まぁあまり小奇麗な絵を描かないというのもあるか。
 シド・ミードの描いたアレコレが素晴らしいのは、ここにも理由がある。

・気が向いたので『HIGH SCORE』を1巻から読み返すことにした。
 元々、私が読み始めたのは割と後の方なのだが(といっても2~3巻あたりの収録作から、だったと思う)、ここから読み始めても多分ちゃんとファンになってたなぁ。
 1巻初期の段階で既に京介とえみかのネタが完成しているのが面白い。めぐみとかおりの関係も基本形が出ていて、ああ、ここからちゃんと積み重ねられていったのだなぁと感慨深くなる。
 まだ若さ全開の作風だったがゆえか、独特の暴力性が制御されていないのも面白い。これが明確にコントロールできるようになるのはもう少し後の方だね。

・2007年のアニメ版『らきすた』をダラーっと流し続けている。
 日常系アニメはここからどんどん進化を果たして最適化されていくわけだが、まだこの作品に学ぶところは多いのかもしれないなぁと思えるところがいくつかあって、流石だな、と唸る。

・いくつか怪獣映画を連続で見たが、改めて初代『ゴジラ』は素晴らしいなぁ。
 何がいいって。怪獣は暴力の塊である、ということを徹頭徹尾貫いている。そして、その暴力には説得力が存在してはならないという点も実に良い。
 ここにあれこれ理屈をつけようとする作品もあるが、怪獣の味わいはそこを無視して無慈悲な暴力を描くところにあるのではないか、と考える。(暴力というものの観点では、ジャンル違いだが藤子・F・不二雄の短編『ある日…』の佐久間のセリフが実に正しい)

・『ヒーリングっど❤プリキュア 』はまぁ安定というところか。ご存知の通り、タイミングが最悪で、気にしたりして変なことになったらどうしようと思っているのだが、今のところは大丈夫そうである。
 基本的にプリキュアは少女マンガ的な友情描写からこっそり延長して薄めの百合風味に味付けするというのを伝統芸にしてきたシリーズである。私も基本的にはその路線に乗って楽しんでいることが多いのだが、時たま「ああ、敵との間に芽生える絆とかそーゆードラマもいいよな。こっちも王道だよな」と欲張りになることがある。というかほぼ毎回のように期待している。というわけで、ダルイゼン君には期待している。今度こそ、今度こそはと、勝手に的外れな雪辱(?)に燃える私である。

・『魔進戦隊キラメイジャー』一話目。おお、こう来たか。凄い変化球だな、と思ったのだが、現代の感性だとそうでもないのかな。
 導入の仕方がちょっとプリキュア的なスーパーヒロインチック(主人公が自分の美点を王子様やマスコットに認められて自己を肯定し戦士として覚醒するとか、実にありそうじゃない)で、そのズレにちょっとクスッときた。
 他者・自己の肯定をヒーロー番組で突き詰めるのは慎重にいかないと危険な気もするが、お手並み拝見である。
 それにしても、スーパー戦隊とは凄いものである。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』もとんでもない変化球だったが、最後にはしっかりスーパー戦隊として着地してしまった。実のところ、私は『海賊戦隊ゴーカイジャー』で総決算してしまったスーパー戦隊が、新たな形式性を獲得するのに苦慮しているのではないかと考えていて、今もそれは変わらないのだが、ちょっと考えが甘かったかもしれない。今やスーパー戦隊シリーズは何をやってもスーパー戦隊という枠に収められるほどの巨大なシリーズになったのではないか。培ってきた年月と経験が他とは違いすぎる。
 かつては、ウルトラシリーズ、仮面ライダーシリーズからの三番手みたいな立ち位置として扱われてきた感があるが、結果的にここが一番強くなった印象がある。