伊東家のデスク

オタクの備忘録など

6月もそろそろ終わる頃について

2021-06-27 22:24:30 | 雑文
・『ガンヘッド』
 やっぱり好きだなぁ。まぁ勿論名作傑作ではなく、部分部分はまだ光る凡作なんだけど。
 この作品については色々と複雑な思い入れがある。私は元々、特に80年代か、ミリタリー色の強いリアルロボットが嫌いだったのだ(まあ好きになるまでの段階が多すぎるということでもあるので、『機甲戦記ドラグナー』なんかは割と好きなのだが)。あのいかにもな、これこそが、本当のロボットのロマンだといった感じが耐えられなかった。同様の理由で、『アーマードコア』も苦手だった。そんな私が、この80年代リアルロボット路線の流れをくむ『ガンヘッド』はたまらなく好きなのである。これはどうしたことか。ずっとツッパってきた自分自身への裏切りではないのだろうか。いや、しかし、それだけのパワーが、確かにあるのだ、『ガンヘッド』には。多分、この作品好きな人は「俺のガンヘッド」といった感じに思い入れを抱いているのではないだろうか。いやまあ作中で精一杯組み立てるシーンがあるし、流石に実物感が違うというだけではあろうが。そういう思い入れを抱かせる力が、あの野球好きなクソロボット507にはあったんだよ。あの狭苦しいコックピットは、世界最高の空間だったのだ。

・『大誘拐 RAINBOW KIDS』
 喜八だねぇ。見ていて実に楽しい映画であるな。
 何はともあればあちゃん最強なのである。
 あと、緒形拳は本当にいい顔で笑うよねぇ。

・『地球防衛軍』
 ミステリアンは勿論設定自体はシリアスなのだが、衣装含めてやることがひどいのなんの。せめて写真ぐらい盗撮じゃなくてちゃんとしたの用意しなさいと言いたくなるよね。素敵。
 平田昭彦はキャラが濃すぎる。特撮限定であるが、出ているだけでもう面白い。ゴジラとゼットン倒すアイテム作った男はオーラが違うよ、オーラが。

・『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』
 怪獣キラー平田昭彦と海底軍艦田崎潤に死神博士天本英世をまとめてぶっ殺した問答無用の最強“待ってたぜ”怪獣エビラ様の登場である。まぁあくまでそういうネタというだけだったのだが、意外や意外、記憶と違って割と強かったよ、エビラ。三式機龍が丸焼きにしてたら面白いのにとか言っていたが、これは能力査定見直し……というほどではないが、『FW』のイメージでついてた弱小怪獣のレッテルは剥がれたね。
 ハサミで船を襲うシーンは勿論、ゴジラとの水中戦が中々に面白い。節足怪獣は素晴らしいなぁ。野生感がまるで違う。
 全体的には、冒険活劇をやりたいのか怪獣映画をやりたいのか中途半端なのだが、この頃のゴジラ映画はだいたいそんな感じなので、この作品固有の問題というわけではないのよね。とりあえず、キャラはそこそこ立ってるし、面白いよ。

・なんとなく思い出すのは、幼い頃に読んでいたゴジラの解説本か何か。あれでエビラとか知ったわけだが、その中になんだかすごく不気味な怪獣がいたような気がするのよね。まあ勿論、幼いがゆえの記憶違いと認識の間違いなのだが。ただ、その間違った記憶そのものを思い出すと、これがまあ実に不気味な怪獣が当時の私の中に存在していたわけである。妙に深刻な雰囲気の中、工業地帯に巣を張り卵を産み、サイケデリックな空の下で、濁流溢れる戦場でゴジラと対峙する海洋系か昆虫系の謎の怪獣、だった気がする。多分、ヘドラと何らかのウルトラ怪獣あたりが混じっていたのだろうが、かなりヤバい感じのする怪獣だった……はずである。残念なことに記憶違い・認識違いでしかなかったのだが、あれはあれで見たかったような気もする。特に工業地帯とサイケデリックな背景は怪獣特撮における私の好み直撃である。

・『∀ガンダム』
 なんかいい感じの緩さを持つアニメを摂取したいな、出来のいい萌えアニメがいいな、というわけでまたまた見ている。
 『F91』『V』と出てきた富野由悠季の背景設定趣味が完全に開花しているので、実にいいよね。全編星山脚本で見たかった気もするが、贅沢は言うまい。
 キャラクターも文句なし。おそらく作っている本人が望む方向ではないが、その上手さが結果的に出来のいい萌えキャラになっているのが面白い。しかも、そこに安田朗の超良質なキャラデザが入るわけである。

・『アタックNO.1』
 空いた時間にアニメ版を見始めた。これがまあくっそ面白い。今は木の葉おとしが出てきたところ。
 鮎原こずえ、思っていたのと結構違うキャラクターで少し驚いた。早川みどりのキャラクターが立ちまくっているので、こずえものびのびと描かれている印象がある。
 早川みどり、お嬢様かつライバルということで、歴史的にこのあたりから定番になっていくわけか。その流れで考えていくと、やはり規格外だったのはお蝶夫人ということになるのかなぁ。そこから亜弓さんへと繋がっていくのだろうか。おお、気高き蝶たちよ。


・『機界戦隊ゼンカイジャー』
 ここ数年のスーパー戦隊はキャラクターの把握が本当にしっかりしている。そのキャラクターをそのキャラクターとして描くというのは当たり前のことのように思えるが、実はしっかりできている作品は決して多くない。しっかり書いているのいかもしれないが、その解釈が受け手とズレている場合もある。
 今回のジュランの溢れる「近所のおじさん臭」は完璧の一言。また、マジーヌの燃え上がりっぷりも実にその通り。
 いやもう本当に面白いなぁ、ゼンカイジャー。

・『トロピカル~ジュ!プリキュア』
 ここまでは、徹頭徹尾ローラがプリキュアになるまでの物語である。夏海まなつは、その信念によって最終的にローラに「自分はプリキュアになってもいい」と判断を下させるポジションを担っている。
 重要なのは、ローラの目標に対して変化が何一つ起きていない、ということである。ローラは女王になることと、人間になる・プリキュアになるということを秤にかけたわけではない。そのうえで、ローラに人間であることとプリキュアであることの価値を認めさせることができたわけで、トロピカる部はしっかりローラの格を保ち、ローラの格によってプリキュアの格も保たれたので、ひとまずは成功である。
 となると、今後の焦点はやはり足を手に入れたがゆえのデメリットを、ローラがどのように対処していくか、であろうか。ローラ流女王様道が貫けるかどうか。はてまたここに何か仕掛けが施されるのか。楽しみである。

今年もすっかり暑くなっている頃について

2021-06-13 21:47:31 | 雑文
・『フランケンシュタイン』
 1931年版。後のフランケンシュタイン像に多大なんてレベルじゃない影響を与えた歴史的名作であるな。
 前半、狂気に取りつかれたなヘンリー・フランケンシュタインが実に病的におっかなくてかっこいいのに、途中で改心しちゃったのが少し残念に映る。コリン・クライヴのイっちゃった演技が素晴らしいだけに勿体無い。

・『吸血鬼ドラキュラ』
 1958年版。やはり、フランケンシュタインときたら次はドラキュラでしょう。本当はルゴシの『魔人ドラキュラ』の方を見たかったのだが、見当たらなかったのでリー版。
 クリストファー・リー、背が高くてマントがよく似合う。顔はなんかのぼーっとしているのに、抜群の風格であるよ。
 ピーター・カッシングのヴァン・ヘルシングはストレートに紳士なヒーローといった感じ。これはこれで実にカッコいいが、私は原作の老教授の方が好きかなぁ。というのも、私は原作系譜のヴァン・ヘルシングの声を青野武(ラム・チェンインの吹き替えやってる時の演技)で再生しているので、老教授ヘルシングの方が青野声は似あうと思うのよ。
 『ヘルシング』なんか読んでいると、アーカードごっこしながら楽しんだりもできておすすめ。「これは美化しすぎだな」とか「おお、これでこそだ。これでこそ彼らなのだ」とか言いながら見ると中々に趣がある。

・『プラン9・フロム・アウタースペース』
 というわけで、ちょっとでもルゴシを見たかったので見た。総天然色版。見る際はまずティム・バートンの『エド・ウッド』と、いくつかのZ級映画を見てから挑むことをお勧めする。あと飲める人はお酒も飲んでおこう。
 クソ映画愛好家の教科書とも言うべきエド・ウッドの代表作であるが、さて史上最低かと言われるとそれは少し違う。一点突破でこの作品よりひどいところを持つクソ映画など他にも多くある。
 ……あるのだが、本作の凄まじい点は、徹底的に低いバランスでまとまってしまっていることであろう。個々の要素そのものはひどいが最低ではない。しかし、総合点は間違いなく最低ランクである。これは養殖のクソ映画では生み出せない。ひたすら懸命に、信じるままにダメ街道を走り続けたエドだからこそ辿り着けた境地である。ここまでのものを真面目に作ってしまったのだから、やはりエドは反天才だったのであろう。我らが愛する史上最低の映画監督に乾杯!
 全体をうざったく流れる詩情的なあれこれだけは、ちょっと頭に入れておいてもいいかもしれない。まぁ積極的におすすめはしないが。

・『マジンガーZ対暗黒大将軍』
 アイアンカッター、サザンクロスナイフ、ロケットパンチのコンボが実に良い。
 某氏がやたら熱く語っていた、決戦へ赴くシーンがアニキの『わが友マジンガーZ』もあってか泣けちゃうほどカッコいいのだ。
 預言者=兜剣造、さて彼はどうやってボスボロットが空を飛ぶ展開を予測しえたのだろうか。光子力研究所の設備を確認したうえで限定された手段を特定したのだろうか。このあたり、グレート登場までの剣造の行動って結構な謎があるよね。積極的にマジンガーZを助けようとはしていなかったようにも思えるし。まあこの段階で剣鉄也とグレートマジンガーを実戦投入するのは時期尚早と判断したのか。

・『プロジェクトA子』
 また見た。毎回思うのだが、当時の人より、今の時代に見ている人の方がストレートに楽しめているのではないかという気がする。
 古典には甘くなるという法則がある。昔の作品だしまあこれぐらいは愛嬌みたいなもんだよねと、本来明確にダメと思われる部分まで、歴史だから何とか言っちゃってまるっと寛容になっちゃうのだ。昭和時代の特撮なんかをチェックしている人だと、一つ二つは心当たりがあるのではないか。
 この感覚は、ダメと分かっていて飲み込んだり、シリーズの内の一つだからと飲み込んだりするのとはまた違うパターンである。古い作品はある時、突然古典の一つになってしまうことがあるからだ。そうなると、当時は怒ったり悲しんだりして切っていた作品が、ちゃんと見れてしまうことがある。私の場合だと、昔はアニメ版『ちょこッとSister』にうーん…だったわけだが、年とってからだとこれはこれでこういう時代のこういうものだなと見切って、楽しめるようになった。一方で、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』みたいに、これは完全に駄作であると評価を下した作品に関しては、それはそれで古典だろうとそういうものなので、やはり楽しめないまま。このあたりの差異は、考察の余地ありである。
 自分を律することができていないので、作品と馴れ合ってしまう好ましくない態度と言えなくもない。しかし、だからこそ古今東西の作品を自分の血肉にできるわけである。このあたりはよく自覚しておきたいものである。

・『機界戦隊ゼンカイジャー』
 最近のスーパー戦隊はサラっと嫌なところを抉ってくるから怖い。「あの頃は良かった」からジュランたちの「良かったあの頃なんてない」はひどすぎて見事。楽しいなぁ。この発想力が頼もしい。
 ダイヤル式テレビとか、もう異世界なんだな。私は祖母の実家でしょっちゅう触れていたので、あまり大昔って感じがしないなぁ。
 ステイシーにはなるほど、こちらの線で展開を広げるわけか。納得。

・『トロピカル~ジュ!プリキュア』
 来週が非常に楽しみ。
 とりあえず、ローラの変身を一区切りとして、いったんここまでをまとめたい気分である。ああ、楽しいなぁ。