伊東家のデスク

オタクの備忘録など

ライフ

2022-12-26 22:09:46 | 感想文
 作者はすえのぶけいこ。02年~09年。
 いじめを題材にした少女マンガなのだが、テンションが高すぎて純然たるサスペンス仕立ての少年マンガ読みもできる一本。そりゃもう、クライマックスの椎葉歩VS安西愛海はたまらないものがあったよ。どっちもクッソかっこいい。
 一方、羽鳥未来があまりにもイケメン美少女すぎるうえ、百合ネタとしてあまりにもあまりにも優秀なので、強めの百合属性持ちである程度鍛えられているなら、そちらとしてもしっかり楽しめる。色々と美味しい作品である。
 題材が題材なだけに少し触れづらいかもしれないが、最後までテンポよく読めるのでおすすめ。学校での閉じた人間関係が中核のバトル好きな人は、ぜひ。

太陽の牙ダグラム

2022-05-04 19:09:04 | 感想文
 81~83年。
 植民地惑星における独立戦争をテーマとしたロボットアニメである。
 全75話という長丁場ながらも、中々テンポよく見れる作劇は見ていて安心感さえあって、意外とすんなり見れる。
 ゲリラ「太陽の牙」の面々をはじめ、それぞれが確かな信念をもって突き進んでいく物語は、苦みの強いビターエンド、いやもっと言えばバッドエンドであっても満足感はしっかり得られる。
 とはいえ、その中にあって信のなかったラコックが単に自分の蒔いた種で死んでしまうのは、もう少し頑張れたのではないかと思う。このあたり、最後の最後でサマリン博士(と、ドナン・カシム)に長々と大人の責務を果たさせてしまったのを見ても、スタッフ側で我慢しきれなかったのだろうという風に映ってしまい、その自負自体はまぁ置いておくとして、もう少しエンタメとしての『ダグラム』を見せても悪くはなかったのではないか。
 ロボットアクションとしての『ダグラム』は少々、いやかなり弱い。ところどころいいな、と思える瞬間はあるのだが、最終的にはなんだかなぁで終わってしまう。歩兵が強すぎるのはいい。そのあたりは問題ではない。全体的に真面目にロボットアクション作るんだ、という気概をあまり感じられないのだ。これは大きな弱点である。コンバットアーマーの描き方自体は悪くないのだが。強敵24部隊の倒し方など、他にいくらでも方法があっただろうに。Xネブラ対応高性能コンバットアーマーダグラムならではの作戦と泥臭くも迫力のあるロボットアクションが、私は見たかった。
 全体的には充分良作の部類だと思うので、長いのはちょっと…と思わずに見てみることをおすすめする。

聖戦士ダンバイン

2022-03-27 22:45:00 | 感想文
 83~84年。監督は富野由悠季。
 異世界ファンタジーロボットアニメの代表作である。まあ後半は地上に出てしまうのだが。
 スーパーロボットチャンバラ活劇として非常に楽しいのだが、やはり舞台はバイストン・ウェルにこだわるべきだったんじゃないかなと思うのだ。
 勿論、東京三部作は楽しい。とても楽しかった。しかし、それはあくまでバイストン・ウェルの外の出来事に収めておくべきだったはずだ。あのエピソードは、地上にオーラバトラーが、バイストン・ウェルの戦いが進出してしまったらどうなるかという緊張感を物語に与えるものであり、ショウはそれこそをギリギリのところで止める聖戦士となるべきだったのだ。結局、地上に出たあとも確かに面白いのだが、前半に保たれていた緊張感は失われ、なんだか凡庸な戦記に収まってしまったという印象を与えがちである。
 まあこれだけ言ってもなお、私はこの作品が好きなのだが。少なくとも80年代富野ロボットアニメでは一番である。
 ルフト家の滑稽さと性根の図太さ、それにケリをつけるニー、最後までいい女だったマーベル、そして、最後の最後に物語の宿敵を見定めて討ってみせたショウ。いつもの放り投げ同然全滅エンドでも、ちゃんとした形に仕上がっているのが実にいい。
 あと、なんといってもシーラ様である。富野流お姫様の中でもまず間違いなく上位に来る強い女王様。必見。

マクロスダイナマイト7

2021-07-09 21:46:01 | 感想文
 97~98年。全4話。監督はアミノテツロー。
 TV版『マクロス7』の最も美味しかった部分を徹底的に濃縮し、更に気が遠くなるようなスケールで生きる銀河クジラという壮大なネタをぶちこんだ、シリーズ屈指のスペースオペラ。
 とにもかくにも、熱気バサラが銀河クジラと歌うというオチが全て。そこに至るまでをとにかく積み重ねているのが気持ちいいのだ。
 ホイリー一家のドラマとクジラへの想い。銀河クジラは生命か。密猟者との戦いは。それらを積み上げて積み上げて、そのうえで熱気バサラの圧倒的な物語を塗り替える力を全開に、名曲『ANGEL VOICE』で全てにケリをつける。そのスケールときたら。なんというか、ただただ圧倒されてしまう。長大なスケールの銀河クジラに歌う、銀河一の歌バカ。「SFは絵だねぇ」とはこのことである。
 TV版でバサラを気に入った人には、絶対におすすめである。魂のアニメの一つだ。


海の大陸NOA

2021-07-09 21:11:22 | 感想文
 作者はじゅきあきら。全三巻(ここでは無印のみを扱う)。
 遠い未来で地球最後の島となったサンクルスでのドタバタを描くギャグマンガの傑作である。
 私にとっては非常に思い出深い一品。初めて買った『コミックボンボン』が、本作の連載開始の号だったのだよね。まだほんの子供だったのだが、その妙に壮大な世界観とヤバすぎるギャグセンスに打ちのめされ、あっという間にファンになってしまった。
 特に、アレックス登場後、世界の過去が僅かに語られ、サンクルスのボスを巡る一連の流れが本当に好きでねぇ。その広々としたスケールに泣いてしまう。
 おすすめであるが、これ、今ちゃんと読めるのかなぁ。