Mili吉田のブログ

Miliのドラマー吉田翔人です。
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ノベルズ曲レシピ

2009-12-16 12:24:36 | 日記
僕は映画とか小説とか、漫画、ゲーム、アニメ、etc・・・
なんでもいけるクチなんですが、そういうもの (特に映画やアニメやドラマなどの映像作品) を観てるとよく感じるっていうか、思うことがあるんですよ。
こういう作品って、最後のエンディングロールの時に色々なスタッフの名前とか出てきますよね。 それを見てる時に特によく思います。

あぁ、音楽も一緒だな。 って。。。
スタジオでの新曲作り中とかにも、同じ事が言えるんじゃないかって。。。
バンドによって色々な曲の作り方 (完成の過程) があるから一概には言えないんだろうけど、うちの場合はこうだよなぁって。。。

例えば、『原作』 とか 『監督』 とかの立ち位置は、曲の原作者である真央君。
『美術』 とか 『色彩設計』 みたなのはくっさん。
『演出』 っていうのが、僕と山ちゃん。
みたいなイメージでいます。  勿論、原作者が演出イメージを練ったり、演出家が美術さんに注文をつけたりもしますが、基本的にうちはこういう位置関係だと僕は思ってます。

そもそも映画やアニメのそういう、『演出』 とか 『美術』 って、具体的に何してるの?? って思う方多いと思うんですが・・・
あまり細かく説明しだすときりがないっていうか、これもまたそれぞれ、ある程度流動的な部分のあるものだと思いますので一概には言えません・・・

今回はそんな感じの話 (役割的な) を交えながら、ノベルズの曲をまた違った角度から楽しむ (味わう) 方法みないなものを書こうと思います。


僕達の場合、曲の原型を作ってくるのは真央君です。
こんなこと言うのはなんか気恥ずかしいというか、むず痒い感じなんですが(笑) 僕は彼の作る曲に全信頼をおいてます。
彼と出会う前は、僕もその時のバンドの状況によって作詞・作曲をしたりしてましたが、彼とバンドをやり始めてからは、正直、彼の曲以上のものが自分からは出ないと思い彼に任せています。

そして原作者の原案を元に、新曲作りが始まります。
みんなで曲の構成 (全体の構図) を考えたりしながら進み、演出の僕や山ちゃんなんかが、その曲をどういう聴かせ方にしようかとか、部分的にどういった方向に向けたら、引き立たせたいものがより引き立つかな? と、色々悩みます。笑

そして僕の中での美術さん (色彩) のくっさんが、炸裂なギターフレーズなんかを考えて曲に表情を付けたり色塗りをします。
場合によっては、演出と美術の順番が入れ替わったりすることもあります。
そういうフレーズでくるなら、こういう演出でいこうかなとか。 こういう演出したいから、くっさん、ここいい感じの色塗りよろしくー! みたいな感じで(^^;)
そうやってそれぞれの役割の仕事をしていきます。

ただ難しいのが、原作者だからといって演出に口を挟まないというわけじゃないし、演出家が原案には無かった部分を提案したり、原作者が色を指定したりすることもあるので、
そのへんの意思疎通というか、意見のくい違いだって時には生まれます。 単純な価値観の相違だったり。
でもこれは悪い事じゃなくて、純粋な意見のぶつかり合いなわけで、一般的にイメージするような喧嘩とかじゃないんですよ。。。
どっちの意見が正しいとか間違ってるとかの問題じゃない場合が多いです。 でも、そういうぶつかり合いから新しい物が生まれたり、結果よい方向に向いたりもします。 必要な事なんでしょうね。

個人的な立場の話をすると、原作者はある程度曲のイメージ的な部分で譲れないとこだったり、こだわりの演出みたいなものを持って来るので (作曲者には大なり小なりみんなあると思います) いかにそれを汲み取れるか。 いかにそれを自分の中に取り込んで自分なりの答えを出せるか。 それが大きなポイントというか、一番気をつける点です。
楽器が上手いとか下手とかの問題だけじゃなくて、そういったソフト面での技量も、いい演出家やいい美術としての1つの条件だと思ってます。

そうやって切磋琢磨しながら曲が生まれていきます。
年明けに発売のアルバムは12曲入りなので、単純に考えて、上記のような作業を12回も繰り返してやっと出来上がった作品ってことですね。笑  
そんな作品だからこそ、1人でも多くの方に聴いてもらえたらなって余計に強く思います。
時にはノイローゼになりそうなぐらい根詰めた過去もあったり、あっけなく完成してしまって逆に 「いいのかなこれで・・・」 みたいな時もありました。
そしてまた時には、演出家が色を塗りだしたり、美術さんが流れを変えたりって事もあったり!笑
文字通り、精神を削って生み出された曲達です。笑  どーぞ最後の1粒までお召し上がりくださいませm(_ _)m

って感じが、僕らの役割的な話です。。。
やっぱちょっとわかりにくいかな??笑

普段なら聴き逃してしまうギターの1音も、よく聴かなきゃ聴き取れないベースのあの音も、いつから変わったか気づかないドラムのリズムパターンも。
それぞれが自分の役割の中で導き出した音です。

時には、お皿の隅で縮こまってる付け合せや、なんとなくかかっているように見えるソースを気にしながら味わってみると、また違う味わいがするかもですよ??