kan-haru blog 2008
< 総合INDEX へ
旧岩崎邸庭園での岩崎邸洋館の一般公開は金唐紙壁複元後の2003年からであり、今年の3月14日には洋館外壁の塗替えが終了したところです。また、3月30日から5月11日の期間に「金唐革紙展」が開催され、この間の日曜日および祝休日には世界で唯一の金唐紙制作技術保持者の上田尚氏のサイン会も行われており、6日の旧岩崎邸庭園見学は良い日に恵まれました。
金唐革紙展案内(写真拡大) 上田尚氏サイン会(写真拡大) 金唐革紙文様(写真拡大)
金唐紙の壁で蘇った岩崎邸洋館2階客間
洋館2階に上がると、客室2部屋の壁には、美しく再現された金唐革紙(きんからかわし)の壁紙で張り替えられて、建築当初のように華やかに蘇えておりました。
客間の金唐紙壁は、薄い青の地に植物のような突凸模様の黄金色に輝く見事な壁です。
客室の金唐紙壁(写真拡大) 2階部屋の金唐紙壁(写真拡大) 婦人客室(写真拡大)
・金唐革紙壁
ヨーロッパでは王侯・貴族の城館の壁や天井などの装飾に金唐革が使用され、この装飾革に金属箔を貼り、花・動物等の絵柄・文様のデザインをプレスして彩色した上に、塗料・ワニスを塗って仕上げられています。ヨーロッパの金唐革は、鎖国の江戸時代にオランダから入ってきた皮革工芸品を、手箱や刀の柄、鞍、煙草入れなどに使われ珍重されていました。
金唐革紙製作工程(写真拡大) 版木ロール 金唐革紙文様(写真拡大)
日本では、金唐革を和紙で模した偽革紙の金唐革紙がつくられるようになり、江戸末期には浮凸文様を打ち出して、顔料・油・漆・金属箔などで高度に装飾加工したものが作られるようになりました。1867年(明治6年)には、ウィーン万国博覧会に大判の壁装用の偽革紙を出展し、好評を博し輸出が開かれ欧米の建築物を彩ったそうです。
金唐革紙は、最高の加工技術を施した、東西文化交流を象徴した和紙工芸品です。
金唐革紙展(写真拡大) (写真拡大) (写真拡大)
現在は、唯一の技術を保持する上田尚氏による、「金唐紙」と称する壁紙が旧岩崎邸洋館に復元され、当時が蘇っております。見学の記念に、金唐紙壁紙の端切れで作られた「しおり」を購入し、サインをして貰いました。
金唐革紙のしおり(写真拡大) サイン入りのしおり サイン会の上田尚氏
和館
洋館からつながるわたり廊下を進むと書院造りの和館です。完成当時には建坪が550坪におよび、規模は洋館をしのいでいたそうです。
施工は、多くの有数な財政界の屋敷を手がけた大工棟梁の大河喜十郎と云われています。岩崎邸の広間奥の居住の間取りは、南北に分けられ、南側にはご夫妻の部屋と子供部屋が置かれ、北側には使用人部屋、台所、事務方詰所や倉庫などがあったようで、当時の純和風建築で巧緻を極めた建物の一部をかいま見ることができます。
玄関近くの書院造りの広間には、明治の日本を代表する橋本雅邦画家の作といわれる障壁画が残っています。
和館への渡り廊下 和館の廊下 和館大広間(写真拡大)
撞球室
洋館とは離れた別棟の撞球室もコンドルの設計した木造建築で、山小屋風の造りで大屋根に深く差し出た軒に、柱には刻みが入りゴシック流のデザインです。当時の日本では、山小屋風の建物は珍しいもので、洋館と地下道でつながっています。
山小屋風撞球室 撞球室内部 洋館に通じる地下室への階段
庭園
岩崎邸の庭は、江戸期の越後高田藩の武家屋敷から明治期の旧舞鶴藩牧野のお屋敷時代の大名庭園から、本邸建築時に広大な庭に芝を張り、庭石・灯篭・築山を設けて、和洋併置の近代庭園の「芝庭」が作られました。
岩崎邸の和洋併置の庭は、洋館のベランダからも、和館の廊下から眺めてもまた撞球室前のベランダのチェアから見ても素敵な景観です。
和洋併置の旧岩崎邸庭園 撞球室のベランダ
< 総合INDEX へ
毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(4月分掲載Index へ)
カテゴリー別Index 風景・風物詩 カテゴリー別総目次 2007・2008年版、2006・2007年版 へ
<前回 風景・風物詩 旧岩崎邸庭園 金唐紙の壁で華やかに蘇った岩崎邸洋館 その1 へ
次回 風景・風物誌 つつじと森林浴 神木山等覚院(つつじ寺)と県立東高根森林公園 へ>
< 総合INDEX へ
旧岩崎邸庭園での岩崎邸洋館の一般公開は金唐紙壁複元後の2003年からであり、今年の3月14日には洋館外壁の塗替えが終了したところです。また、3月30日から5月11日の期間に「金唐革紙展」が開催され、この間の日曜日および祝休日には世界で唯一の金唐紙制作技術保持者の上田尚氏のサイン会も行われており、6日の旧岩崎邸庭園見学は良い日に恵まれました。
金唐革紙展案内(写真拡大) 上田尚氏サイン会(写真拡大) 金唐革紙文様(写真拡大)
金唐紙の壁で蘇った岩崎邸洋館2階客間
洋館2階に上がると、客室2部屋の壁には、美しく再現された金唐革紙(きんからかわし)の壁紙で張り替えられて、建築当初のように華やかに蘇えておりました。
客間の金唐紙壁は、薄い青の地に植物のような突凸模様の黄金色に輝く見事な壁です。
客室の金唐紙壁(写真拡大) 2階部屋の金唐紙壁(写真拡大) 婦人客室(写真拡大)
・金唐革紙壁
ヨーロッパでは王侯・貴族の城館の壁や天井などの装飾に金唐革が使用され、この装飾革に金属箔を貼り、花・動物等の絵柄・文様のデザインをプレスして彩色した上に、塗料・ワニスを塗って仕上げられています。ヨーロッパの金唐革は、鎖国の江戸時代にオランダから入ってきた皮革工芸品を、手箱や刀の柄、鞍、煙草入れなどに使われ珍重されていました。
金唐革紙製作工程(写真拡大) 版木ロール 金唐革紙文様(写真拡大)
日本では、金唐革を和紙で模した偽革紙の金唐革紙がつくられるようになり、江戸末期には浮凸文様を打ち出して、顔料・油・漆・金属箔などで高度に装飾加工したものが作られるようになりました。1867年(明治6年)には、ウィーン万国博覧会に大判の壁装用の偽革紙を出展し、好評を博し輸出が開かれ欧米の建築物を彩ったそうです。
金唐革紙は、最高の加工技術を施した、東西文化交流を象徴した和紙工芸品です。
金唐革紙展(写真拡大) (写真拡大) (写真拡大)
現在は、唯一の技術を保持する上田尚氏による、「金唐紙」と称する壁紙が旧岩崎邸洋館に復元され、当時が蘇っております。見学の記念に、金唐紙壁紙の端切れで作られた「しおり」を購入し、サインをして貰いました。
金唐革紙のしおり(写真拡大) サイン入りのしおり サイン会の上田尚氏
和館
洋館からつながるわたり廊下を進むと書院造りの和館です。完成当時には建坪が550坪におよび、規模は洋館をしのいでいたそうです。
施工は、多くの有数な財政界の屋敷を手がけた大工棟梁の大河喜十郎と云われています。岩崎邸の広間奥の居住の間取りは、南北に分けられ、南側にはご夫妻の部屋と子供部屋が置かれ、北側には使用人部屋、台所、事務方詰所や倉庫などがあったようで、当時の純和風建築で巧緻を極めた建物の一部をかいま見ることができます。
玄関近くの書院造りの広間には、明治の日本を代表する橋本雅邦画家の作といわれる障壁画が残っています。
和館への渡り廊下 和館の廊下 和館大広間(写真拡大)
撞球室
洋館とは離れた別棟の撞球室もコンドルの設計した木造建築で、山小屋風の造りで大屋根に深く差し出た軒に、柱には刻みが入りゴシック流のデザインです。当時の日本では、山小屋風の建物は珍しいもので、洋館と地下道でつながっています。
山小屋風撞球室 撞球室内部 洋館に通じる地下室への階段
庭園
岩崎邸の庭は、江戸期の越後高田藩の武家屋敷から明治期の旧舞鶴藩牧野のお屋敷時代の大名庭園から、本邸建築時に広大な庭に芝を張り、庭石・灯篭・築山を設けて、和洋併置の近代庭園の「芝庭」が作られました。
岩崎邸の和洋併置の庭は、洋館のベランダからも、和館の廊下から眺めてもまた撞球室前のベランダのチェアから見ても素敵な景観です。
和洋併置の旧岩崎邸庭園 撞球室のベランダ
< 総合INDEX へ
毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(4月分掲載Index へ)
カテゴリー別Index 風景・風物詩 カテゴリー別総目次 2007・2008年版、2006・2007年版 へ
<前回 風景・風物詩 旧岩崎邸庭園 金唐紙の壁で華やかに蘇った岩崎邸洋館 その1 へ
次回 風景・風物誌 つつじと森林浴 神木山等覚院(つつじ寺)と県立東高根森林公園 へ>