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ノルウェー産フォークデュオ、地味ながら抑制の美を聴かせる

2014-12-19 21:31:26 | 音盤ノート
Kings of Convenience "Riot on an Empty Street" Astralwerks, 2004.

  ノルウェー産のフォークデュオ。1980年代以降のインディーズ系にありがちな、エレクトロニカを取り入れたり、ラウンジ感やアシッド感を醸し出してみたりということの少ない、実に直球の端正で清廉なフォークである。サイモン&ガーファンクルをそのまま21世紀に出現させたような音なのだが、それ以外に似ている音楽を思い浮かべることは案外難しい。真似しやすいスタイルなのに継承されていないサウンドである。

  演奏はアコギ二台と男声ハーモニーだけ、ということはなくて、ベース、ドラム、ピアノ、エレクトリックギター、女性ボーカル、トランペット、バイオリン等が曲毎に入れ替わり立ち代わりで登場する。ただし、感情表現を抑制し、囁くように歌う男性ボーカルの印象のせいで、にぎやかな演奏にはならない。'I'd Rather Dance with You’という軽快な曲もあるが、収録曲の大半は内省的で地味な曲である。近年の日本の弾き語り系ミュージシャンのように、大声を張り上げたり、情感を込めたりはしない。

  このデュオのオリジナルアルバムは三枚発行されているが、収録曲のクオリティはこの二枚目がもっとも高いと感じる。日本盤にはボーナストラックが三曲収録されているようだが未聴である。今のところソロ活動が目立つが、もうデュオで活動しないのだろうか。
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