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ポストパンク道程事始め、まずはサイケデリックロックに立ち返る

2015-04-24 20:46:26 | 音盤ノート
Wire "Chairs Missing" EMI/Harvest, 1978.

  ポストパンクバンド、ワイヤーの二作目。1stのパンクから3rdのゴス~ニューウェーヴへとスタイルが変化するのだが、その途上にある本作の音を簡単に表現すると、ガレージ~サイケデリックロックである。よく指摘されることだが、シド・バレット在籍時の初期ピンク・フロイドに似ている(ただし本作だけ。1stと3rdは似ていない)。一本調子というレベルを通り越して芸の無いパンクサウンドを聴かせた1stと比べると驚愕の大変化で、テンポを落とした暗めの楽曲を、よく練られたアレンジでかつ多彩な音色で演奏している。

  本作も再発のたびに収録曲が変わるやっかいなアルバムなのだが、"154"とは異なりボーナストラック付きのCDを入手したほうがよい。オリジナルアルバム収録の15曲から外れた3曲'Outdoor Miner (Long Version)''A Question of Degree''Former Airline'がなかなか捨てがたい出来だからである。特にワンコードの単調な曲展開に磁気テープで作ったノイズを被せてカオスに導く'Former Airline'が素晴らしく格好いい。オリジナル収録曲では、後半の盛り上がりが爽快な'Mercy’とシングルになった'I Am The Fly’がよろしい。後者はもしカラオケにあったらみんなで合唱したくなること請け合い。"I am the fly~♪, I am the fly~♪, in the ointment~♪"と。"fly in the ointment"というイディオムも覚えられて勉強になるぞ。
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