29Lib 分館

図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

静かで美しいビッグバンドジャズ

2011-03-04 15:42:36 | 音盤ノート
Charlie Haden "The Ballad of The Fallen" ECM, 1983.

  ビッグバンド・ジャズ。Haden主催のLiberation Music Orchestraによる第二作。1969年録音のImpluse!作よりフリー度は低めで、おどろおどろしい印象はなくなり、まとまったアンサンブルを聴かせる。演奏中に他人の演奏を挿入するという実験──当時はレコードを使ったらしい──も無くなり、前作よりもインパクトや破壊力はかなり後退した。

  一方で、この二作目は枯れ枯れの哀愁のメロディをひたすら聴かせるというコンセプトで、最初から最後まで聴き手を沈痛な気持ちにさせる美しい作品となっている。特にHadenによるオリジナル曲が素晴らしく、じっくりと聴かせるtrack 7 "Silence"とスペイン風のtrack 9 "La Pasionaria"がハイライト。メンバーにはDon Cherry、Dewey Redmanほか管楽器で8人参加しているが、あまり目立つソロは無く、Carla Bleyの抒情的なピアノがもっとも印象に残る。

  LMOはこのアルバム以降3作録音しているが、いずれもソロよりアンサンブル重視の同路線である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原著は1992年でやや古いがた... | トップ | 東大を中心とした人文系有名... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音盤ノート」カテゴリの最新記事