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とりあえず復活を歓迎、新しいスタジオ録音を期待

2011-10-17 08:47:56 | 音盤ノート
Date Course Pentagon Royal Garden "Alter War in Tokyo" Impulse!, 2011.

  1970年代マイルス直系の邦ジャズで、混沌としたファンクネスをそのままに変拍子でグルーヴを創り出すという趣向。1999年から2007年まで活動して、3枚のオリジナルアルバムと数枚の企画物・ライブ盤を残した。ライブ盤"Musical from Chaos"に関しては過去にエントリも記している。

  今回のアルバムは復活第一作という位置づけで、なぜかレーベルがP-VineからImpulse!に。日本盤のラベルは確かにあの名門インパルスだが、その商標を持っているVerveのHPではDCPRGの名を確認できず、国内だけの発売なのだろうか。また、メンバーは大幅に変更されている。残っているのは主幹の菊地成孔、坪口昌恭(keyboard)、津上研太(sax)、大儀見元(Percussion)の四人で、強力だったツインドラムとベースは入れ替わり、鍵盤がもう一人増え、ホーン隊は3人に減った。

  個々のソロは素晴らしい。特に津上研太とヘビメタ風ギタリストの大村孝佳はかなりスリリングで楽しめる。トランペットの類家心平も水準以上。鍵盤を二人にしたのは、キース・ジャレットvs.チック・コリア時代のマイルス・バンドをイメージしたのだろうけど、両者が大胆に絡む機会は無く、十分機能していない印象。最大の問題は、金管部隊が3人という少なさのせいか、ユニゾン部で音の厚みが足りず、パワーに欠けること。次にリズム隊が端正すぎる。ツインドラムなのに役割分担がうまくなっていってないようで、その他打楽器の大儀見一人が混沌感を出すべく踏ん張っている印象。ドラムの音が小さめに処理されているせいか?

  このように、これまでの録音と比べるといくつか問題はある。とはいえ、酷すぎるということもなく、バンドの復活作としてはまあまあといえるだだろう。DCPRG以外の菊地の仕事は上品すぎるという不満をもっていたので、今後の活動を期待したい。
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