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筋肉質の変拍子暗黒ファンク、日本語ラップは余計

2012-04-18 21:54:16 | 音盤ノート
DCPRG "Second Report from Iron Mountain USA" Impulse!, 2012.

  クラブ・ジャズ。"Alter War in Tokyo"(参考)に続く復活DCPRGのImpulse!二作目となる。今作は日本語ラップを大々的にフィーチュアしており、好みが分かれそうだ。僕は駄目な方だった。

  DCPRGのP-Vine時代は、電化マイルスを念頭におきつつも、金管部門に厚みがあってジャズオーケストラ的な面を持っていた。コンセプトも、1970年代後半のフュージョン風の洗練を感じさせるところがあった。しかし、このアルバムは混沌一辺倒で、ゴリゴリの変拍子ファンクが続く。全体として、糖分ゼロの、ずいぶん筋肉質な音楽になってしまっている。さらにImpulse!期は金管を減らしているため、オーケストラ的な優雅さが失われ、編成も1970年代前半の電化マイルス組に近づいた。

  意図した変化なのだろうけど‘構造 1 (現代呪術の構造)’や‘ホーチミン市のミラーボール’のような美しい曲をもっと交えてほしいところ。さらに、個々のソリストのレベルは高いので、ラップなんかに出番を与えず、彼らにもっとアドリブ演奏をさせてスペースを埋めるべきだった。日本語ラップは詩がわかるとけっこう恥ずかしいものがあって、聴く方が辛い。
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