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ボサノバ要素ありジャズ要素ありのアトランタ産ソウル音楽

2017-03-03 21:45:06 | 音盤ノート
Jiva "Sun & Moon" Giant Step Records, 2005.

  R&B。ソウル・ミーツ・ボサノバだという話なので聴いてみたが、かなりソウル寄り。裏打ちリムショットぐらいが目立つボサノバ的要素で、初めて聴いたときは英国1980年代のブルーアイドソウル──スタイル・カウンシルとか──を思い出した。とはいえ、こちらの方がソウル度が濃い。爽やかながらも地味で、ジャズ要素もあり、洗練された大人の音楽となっている。

  米アトランタで活躍するKahari Cabral Simmonsをリーダーとするプロジェクトとのことだが、この人のことをよくは知らない。1980年代以降のブラック・コンテンポラリーに典型的だったシンセ+打ち込み、大甘なバラード曲は排されている。代わりに、1970年代初頭のニューソウル的なバンド演奏が展開されており、ベーシストがリーダーなのに予想よりファンキーさが抑えられているのと、エレピの音が目立つ点が耳をひく。曲もミドル・テンポのものが中心で、メロディも情感を抑えめである。渋いというほどではないが、キャッチ―でもないので、慣れないととっつきにくいかもしれない。

  コンセプトが面白い。よく練られたアレンジをすっきりと聴かせる手際は見事であり、かなり良い。しかしながら、キラーチューンが無くて、アルバム全体があっさり流れ過ぎてしまうのが難点。その点だけがとてももったいない。なお、日本盤がP-Vineから発行されており、4曲のボートラが収録されている。英国盤だとボートラ6曲なので、英国Expansion盤を入手したほうがお得である。
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