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打ち込みやミニマル音楽的手法の使用など実験的要素のあるニューエイジ音楽

2014-05-14 23:29:50 | 音盤ノート
Mark Isham "We Begin" ECM, 1987.

  ニューエイジ音楽。マーク・アイシャムは1970年代にArt Lande率いるRubisa Patrolでトランペットを吹いていた(参考)が、今や映画音楽の作曲が彼のキャリアの中心となっている。しかし、あまり印象的なサウンドトラックを残せていないような気がする(作品にも恵まれていない)。一方で、1980年代にWindham HillやECMに録音した作品は、実験的な要素のあるニューエイジ音楽として興味深い。

  編成はアイシャムとアート・ランディのデュオ。それぞれトランペットとピアノを演奏するが、加えて二人ともシンセサイザーと打楽器も弾いている。当然オーバーダブされている。収録曲の多くは、薄めのシンセ音を背景に、エフェクトがかけられたトランペットとピアノがゆったりと奏でられるというもの。退屈な場面や1980年代のシンセ音が安っぽく感じられる場面もあるけれども、打楽器が打ち込みだったり、ループを用いてみたりと音楽的実験もあって救われる。全体としては、そこはかとない抒情と寂寥があって、なんだか遠くを眺めてしまうような音楽となっている。

  ミニマル的な5曲目'Surface And Symbol’が本作のハイライト。個人的にはもう少し瞑想的な演奏をする、もっと言えばドラッギーな感じを出した方が良くなったと感じる。二人とも根が端正なんだろうな。
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