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コンピュータに関するちょっと古い入門書二冊

2014-05-12 11:42:00 | 読書ノート
Charles Petzold『CODE:コードから見たコンピュータのからくり』永山操訳, 日経BP, 2003.
坂村健『痛快!コンピュータ学』集英社, 1999.

  最初のはコンピュータの仕組みの解説書。著者のチャールズ・ペゾルドは、マイクロソフト系のソフトウェアについての技術系ライターおよびプログラマーである。モールス信号から始めて、積み上げ式で複雑なシステムを作ってゆくというスタイルで書かれている。わかりやすいと言えばわかりやすいが、手続きはけっこう厳密であり、完全に理解してページをめくるまでに(僕のような文系脳では)かなりの時間を食う。教養として知識を得るには内容が盛りだくさんすぎるという印象である。まあ、本格的にエンジニアになりたい人にはかなり役に立つだろう。

  次の本は、仕組みについて少々インターネットについてたくさん、あとはコンピュータの発展にまつわる人物・企業・思想について概観するというもの。2002年に集英社文庫に収録されている。こちらは疲れを感じずにスラスラ読める。というのも、著者は技術者であるが、話の展開が巧みで飽きさせない。また、現時点で「当たった・当たらなかった予言」について考えるのも興である。教養程度に読むものとしてはこちらのほうが向いているだろう。とはいえ、読後の解放感に限っては2進法による計算の面倒くささをとことん追求してみせるペゾルド本が圧倒的である。
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