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ガルバレクのキャリアの中で最も優れた演奏

2012-11-16 08:46:32 | 音盤ノート
Jan Garbarek, Egberto Gismonti, Charlie Haden "Magico : Carta De Amor" ECM, 2012.

  ジャズ。同じメンバーによるスタジオ録音二枚("Magico" / "Folk Songs")についてはすでに記したが、これは1981年にミュンヘンで録音された二枚組ライブ盤。スタジオ盤の筆頭はヘイデンだったが、このアルバムではガルバレクに代わっている。

  そのガルバレクが素晴らしい。それなりの量の彼のプレイを聴いてきたが、ここでの演奏はその中でも最もクリエイティブなものである。聴きものはDisc 2の‘Palhaco’。緩急を自在に操り、展開によっては遊び心も見せる。バラードでも速い曲でも、さらには実験的な曲でも印象的なソロを繰り出している。ギターとピアノを担当するジスモンチも、スタジオ盤での端正な演奏を踏襲しつつも、時折性急になったり、リラックスした表情を見せたりと、懐の深いところを見せる。ベースのヘイデンはしっかりと底をまとめているが、二人の出来が良すぎて影が薄くなってしまった。

  スタジオ盤に比べればライブ盤特有の粗っぽさは感じられるが、代わりにスリルのある演奏となっている。そして十分美しい。名盤確定のクオリティである。トリオの活動が終わった30年後にこの録音を発表するECMの商売センスはよくわからない。
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